ドニwith亡霊が征く! FE覚醒ロスト0チャレンジ!! 作:しやぶ
亡霊、カイトには1つ悩みがあった。
カイトの感覚は、ドニと共有している。だがあくまで肉体はドニのものだからなのか、彼は
「ごめんね──性別すら騙したまま──」
『…………マジでか』
睡眠時も稼働し続ける聴覚情報は、彼と外界を繋ぎ続ける。つまりロビンの独白は、彼に筒抜けであった。
『……高貴な生まれ、白銀の髪、隠された手のひら、ドニに匹敵する万能の才……記憶を失う前のルフレだと、思ったんだがな』
『ロビン』というのは男女兼用名であり、
しかし蓋を開けてみれば、隠していたのは『左手』 ルフレの邪痕は『右手』だ。
『別方向のワケアリかぁ……
ロビンの戦闘力は、非常に高い。しかも今の独白を聞くに、ドニにも明かしていない『奥の手』がある様子。原作介入をする上で、彼女の力は頼りになるだろう。
だが、彼女の出生に関わるゴタゴタが、肝心な時に足枷となる恐れも出てきた。
『ルフレだったら躊躇なく連れて行けたんだがなぁ……』
カイトとドニは相談した上で、クロム自警団に入団することにしていた。
ルキナの介入による世界線の分岐──『異界』について説明しようとすると、話がややこしくなるため、カイトはこの辺りの情報をドニに伝えていないが……ギムレー復活による世界崩壊を防ぐためには、クロム自警団に入団するのがどの世界線でも一番手っ取り早い。
ただ、そこにロビンを巻き込むかどうか。
これに関しては、2人共態度を保留していた。
『ロビンはたぶん、付いてこようとするよなぁ』
ロビンとドニは、パーソナルスペースがかなり狭い。
今までカイトはそれを、ただの『親愛』だと思っていたが……先の独白を聞くに、ロビンがドニに向ける感情は、『友人』へ向けるそれを超えている。
『うーーん。ドニにも相談しねぇとなぁ』
──そうして悶々としながら、朝が来て。
「朝だよドニ。護衛対象が出発する時間」
「──分かったべ」
「ん、ドニは相変わらず寝起きがいいね。羨ましい」
「ロビンの睡眠時間が短くて済む体質の方が、おらは羨ましいけんどもな」
「その代わり、起きた直後が酷いけどね」
「そこは考慮に入れてないべ。こないだは特に酷かったからなぁ。覚えてないみたいだども、おめさんおらに接吻しようとしたんだべ……」
「──ぇ」
「あれから寝起きのロビンに近付きずらくなったべ……」
「〜〜っ」
『ドニ、そんなお前に朗報だ。ロビンは男装の麗人っぽいぞ』
『えっ』
「は、恥ずかしい……ころして……」
そう言って走り去って行ったロビンの姿は、どう見ても女性だった。
『……え? えぇ!? なんだべ今の!? ロビンが突然別嬪さんに変わっただ!?』
『出るとこも出てて、めちゃくちゃ目の保養になる身体だよな』
『確かに──ってそうじゃないべ! なんでそんなに落ち着いてるんだか!?』
『昨日、お前が寝てる時にロビンが
『でも、ピアスはそのままだったべ!?』
『あくまで認識を捻じ曲げてるだけっぽいからな。そうと分かれば効かなくなるんだろ』
『にゅ、にゅおお……もう普段通りの対応ができる気がしないべ……』
『でぇじょうぶだ相棒。さっきの感じからして、ロビンの方も平常運転に戻るまで時間がかかるだろ』
(……まぁ、自警団の応募について相談すんのはまた今度だな)
────最大の分岐点は、もうすぐそこに。