ドニwith亡霊が征く! FE覚醒ロスト0チャレンジ!!   作:しやぶ

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 今回ドニキはお休みです。


新たなる歴史の前に

「──ふぅ、終わったね!」

「凄い……町の人達、皆無事だ……」

 

 王妹にして、クロム自警団のシスターであるリズは、思わず感嘆の声を漏らした。

 彼女が『南の町が山賊に襲われている』という通報を受けて出動し、町に到着した時には……既に火の手が上がっていた。だから彼女は、死人が出ることも覚悟して戦いに挑んだが……その覚悟は、良い意味で無駄になったのだ。

 

「助太刀、誠に感謝致します。おかげで住民の被害が、軽症者数人で済みました」

 

 被害状況を確認し終えたフレデリクが、少年に敬礼する。

 その数人も、既にリズの(ライブ)で治療済みだ。建物に被害は出てしまったが……組織の性質上、どうしても後手後手に回りがちな彼らにとっては、完全勝利に限りなく近い戦果である。

 

「3人が僕の指示を聞いてくれたおかげだよ」

「聞く価値のある指揮だと判断した。だから従った。それだけだ。実際こうして、被害が抑えられたしな。俺からも礼を言うぞ」

「うん、皆を助けてくれてありがとう!」

 

 続けてクロムとリズも、感謝の言葉と共に頭を下げた。

 

「それにそれに! 剣も魔法も達人だなんて凄いよ!」

「えぇ。魔法は門外漢の私ですが、剣技だけでも技量の高さが伺えます」

「ベタ褒めじゃないか。照れるね」

 

 銀髪の少年は、顔を朱に染めて頬を掻いた。

 そこで何か思い出したのか、ハッとした顔でクロムは口を開く。

 

「そういえば名乗っていなかったな。俺はクロム。こっちのちんまいのは妹のリズ」

「ちんまい言うな!」

「スマンスマン」

 

 両拳を振り上げてプンプンと怒っているリズを軽くあしらい、クロムは紹介を続ける。

 

「で、こっちの(いか)つい鎧を着た男はフレデリク」

「ご紹介に(あずか)りました、騎士のフレデリクです。この鎧は、人々を守り続けるための正装。仰々しい見た目は、どうかご容赦を」

「クロムにリズ、フレデリクだね? 覚えたよ!

 僕はルフレ。さすらいの何でも屋さ」

「何でも屋?」

「そ。さっき見せた通り直接戦闘は勿論、寂れた商店の立て直しから失踪した犬猫の捜索までなんでもござれ。吟遊詩人や医者の真似事もできるよ。

 1番得意なのは、軍師みたいに作戦を立てることなんだけどね。反対に、1番苦手なのは料理だよ。どうしても『鋼の味』になっちゃうんだ」

「ほう。その独特過ぎる苦手分野についても興味はあるが……やはり軍師か」

 

 クロムの目が、キラリと輝いた。

 

「ルフレ、お前さえよければなんだが……俺の軍師になってくれないか?」

「クロムの軍師? クロム、軍人だったんだ。鎧を着てないし、剣技も我流だったから、てっきり傭兵かと」

「あぁ、すまない。俺は傭兵でも軍人でもないんだ。自警団の団長をやっている」

「へぇ、自警団。

 …………ん? アレ、待って? たしかこの国、王様のご弟妹(きょうだい)が、揃って、自警団、を……」

 

 ルフレは恐る恐る、クロムの右肩を見た。そこにはハッキリと聖痕が刻まれている。

 

「あぁ、俺達のことだな」

「すみませんでしたッッ!」

 

 ルフレは瞬時に両手を地につき平伏した。

 

「お、おいどうした!? 何も謝られるようなことはされていないぞ!?」

「王族の方々に対し無礼な態度を取っていたにも関わらず、不問にして頂けるのですね。寛大な処分に感謝致します。

 つきましては軍師の求人に関してですが、お受けしたいと──」

「待て待て待て! そんな権力を(かさ)に着るような真似はしたくない! 都合が悪ければ断ってくれても構わん!」

「そうだよ! 頭上げて? 敬語なんてわたしもお兄ちゃんもできないんだから、さっきまでみたいに自然体で、ルフレくんの意思を伝えてほしいな」

 

 そう言われるとルフレは頭を上げ、クロムとリズの眼をしっかり見て、返答した。

 

「──ありがとう。僕の答えは変わらない。クロムの軍師、引き受けるよ。僕の目的からしても、2人の側にいられるのは都合が良い」

「目的?」

「生き別れた姉を探してるんだ。名前はロビン。僕と同じく髪は銀。目は琥珀。左手の甲に火傷があるらしいよ」

「らしい?」

「物心つく前に引き離されたからね。名前も容姿も火傷についても、母から聞いたんだ」

「そうか……分かった。お前の姉については、俺達の方でも調査しておこう」

「助かるよ」

 

 イーリス全域を探すなら、彼ら以上に情報が集まる組織もそうない。ルフレにとってもクロムの提案は渡りに船だった。

 

「しかし、『ロビン』ですか……厄介ですね。どこにでもいる名前な上に、彼が有名過ぎる」

「『華火』のロビンだね? 僕も自分で探してて、彼の間違いじゃないかって何度も言われたよ。女性だって言ってるのにさ」

「彼は、見ようによっては女性に見えなくもない美丈夫ですからね。仕方ありませんよ」

「フレデリク、『華火』に会ったことあるの?」

「会ったことがあるも何も、彼はクロム自警団の仲間ですから」

「そうなの!? よし、会ったら文句言ってやる」

「ダメだよ、仲良くしないと!」

「リズ、落ち着け。ルフレなりの冗談だろう」

「……ももも、勿論さ!」

「……本気か?」

「まっさかぁ! 冗談に決まってるよ!」

「全く……驚かせないでくれ」

「ホントだよ! ビックリしたじゃん!」

「ごめんごめん!」

 

 こうしてルフレは、すぐさま3人と打ち解けた。

 新たな仲間と共に、クロム一行は帰路に就く。




 ※この後書きでは登場人物の年齢設定について書いていますが、読み飛ばしても問題ありません。
 原作で年齢が判明している人物が少ないので、ここでは確定している情報を元に推定していきます。
 『いや、〇〇歳の方いいんじゃない?』『年齢が推定できる情報他にもあるよ』などのご意見、情報も常に募集しております。

 確定情報→推定年齢とすると、

 聖王エメリナは15年前10歳に満たないまま即位→当時9歳とし、現在24歳。

 クロムはエメリナの弟→後述するリズの事情もあり、現在23か22歳とする。

 リズはクロムの妹。原作ドニとの支援会話から()()()()()()()()()()()()()()()()()()→現在21歳とする。

 ドニはリズより年下→現在20歳とする。

 ロビンはドニの同い年→現在20歳。

 今作でのルフレはロビンの弟。戦争終了時0歳→現在15歳。

 本当はクロム、リズ、ドニ、ロビンの年齢を下げてルフレの年齢を上げたかったのですが……
 本作では『ルフレ母がロビンを何年も放置していたのは、監視が厳しかったから』『戦後処理のゴタゴタで監視が緩んだ隙を突いて逃走した』という設定であるため、逃走時赤子のルフレは強制で15歳前後。まぁ原作で幼い姿も用意されてるので、これはまぁいいです。
 しかしリズの『ドニより年上』がネックなんですよね……これさえ無ければどうにでもなったものを……!

 ……という愚痴はここまでにして。
 読了ありがとうございました! 次回も読んで頂けますと、作者が奇声を上げて喜びます()
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