魔族違いです、魔王様 作:一発ネタ落とすよ!
本格的には次回ですが。
ゴリッゴリの独自設定が出るので苦手な人はごめんなさい(変える気はない)
町の住人の大半を両断する惨状から数ヶ月、ピサロは北の大氷河地帯にいた。
ピサロの目の前には黄土色の肌の数十メートルはあろうかという巨体、その身体は所々青い体毛に覆われ、人間のように四肢はあるがスポイトのような口など、人間と同じ存在でないのは明らかだ。
「これが、数百年前存在していたという魔族か…死体の1つ位は見ることが出来るかと思っていたが、どうやらまだ生きているようだな。凍りついたことによる仮死状態か?」
誕生から数十年、ピサロは人間の都市や国家を巡りこの世界の情報を集めていた。
過去の歴史を知るために旅人として、変装して各地を放浪していた彼は数百年前のことについて書かれた幾つかの文献を見つけていた。
その文献を見つけたものがピサロでなければ、まともに取り合わなかったであろうその文献には『魔族』と『神』の戦いについて書かれていた。
そして、自らの記憶にある『魔族』という単語に興味を持ったピサロは各地を放浪し文献を集めるていたのだ。
その際、その文献のあった都市などを破壊することも多く、もはや魔族について詳しく記載されているような文献は人間のもとにはほぼ残っていないであろう状態である。
「それにしても、やはり私の知っている魔族ではない…メラやホイミといった簡単な魔法の名すら広まっていないことといい、やはりここは私の記憶にある世界とは違うようだ。」
ピサロには確かに記憶があったが、その記憶は途切れ途切れであり、きっかけがあれば新たに思い出すこともあったがその記憶の不安定さからまるで
そして、記憶と一致しない記憶よりも素早くなっている自らの身体能力、世界を巡っても魔族は愚か、自ら以外に魔法や特技を使うものはおらず、薬草などの一般的な道具などすら存在しなかった。
もともとピサロは、正確には今
魔族の王として、それぞれの個としてあまりにも違うモンスター達を制御し王政を行う傍ら、自らは詩人として人間の世界に赴き、情報を集めていたほどだ。
そして、ピサロは失敗こそしたがある種の掟破りである
村そのものが、そして勇者の幼馴染みが自らを犠牲に勇者を匿わなければ、もう少しピサロが前線にいて勇者(に化けていた幼馴染み)の死を確認していれば、そんな微かなズレがなければ、導かれし者たちが集うことはなく、物語はそこで終わっていたであろうことは間違いがない。
「そして、私だ。食事や睡眠が必要なく、曖昧な記憶。そもそも、私は
彼の頭脳は断片的の情報から限りなく正解を導きだしていた。
彼は導かれし者たちと敵対したピサロ本人ではない、この世界の韋駄天である。
ただ、奇跡のような偶然としてピサロの記憶を持って生まれてきただけの韋駄天としてはごくごく普通の存在であった。
しかし本来、構成された思念のほとんどが魔族のものであるため、ギルのようにもともとの戦闘力が少し高いだけの韋駄天となるはずだった彼は、その
韋駄天は思念によって生まれる存在である。
そのため、自己認識により肉体への影響を受けている。
高い威力で殴られれば骨が折れる、そう思っているから彼らの骨は折れるし、大昔の韋駄天は同様にイメージを固めることで魔法を使えた。
そして、
強くなろうとする本能のある魔族の王としての強さの自負、戦闘経験、魔法や特技が
生まれたときから記憶を持っていた彼にとっては呪文を唱えれば魔法は発動するし、自らの技術や体内の
加えて魔族の王、魔王としての戦闘経験と強さへの自負は、彼の肉体を間違いなく強者へと引き上げていた。
「いや、例え私が記憶を引き継いだだけの存在であったとしてもやるべきことは変わらないな。例え経験していなかったとしても、記憶があるのだ。そうであればないものにはできん。ロザリーの死の絶望も、人間どもへの憎しみも、全て私のものだ。」
彼は決して全てを理解したわけではない。
そもそも、過去の文献で魔族と戦っていたと語られる神と自分が同じ種族であるとは思ってもいない。
ただ、ピサロとして、デスピサロとしての覚悟を決めただけだ。
例え自分が紛い物だとしても、自らの記憶に、感情に従って生きると決めたのだ。
「まずはこいつだな。生きているなら話は早い。どの程度の知能があるかはわからんが、今は少しでも情報と戦力が欲しいからな。氷を軽く溶かすならこの程度か?【ギラ】」
覚悟を決めた彼の両手からは唱えた魔法に応じて帯状の炎が放たれ、目の前の巨大な魔族の周囲の氷を徐々に溶かしていった。
本作の無理矢理設定その1
『◯◯が当たり前』な記憶があればイメージに左右される韋駄天は『当たり前に◯◯』ができるよねって話。