仮面ライダーハーメルンジェネレーションズ外伝 仮面ライダーツルギVS仮面ライダーシェリフ   作:大ちゃんネオ

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仮面ライダーツルギと仮面ライダーシェリフ

 アクアリウムドーパントを薙ぎ払ったツルギは恵理也を拘束するゴールドフィッシュドーパントへと狙いを定める。

 太刀を右手にスラッシュバイザーを左手に。

 二刀を順手に構え、跳躍。

 ゴールドフィッシュドーパントの頭上を飛び越え、バツ字に二体の背中を切り裂く。

 

「おらッ!!!」

 

 よろけたゴールドフィッシュドーパント達を蹴り飛ばし、立ち上がった恵理也はツルギと向き合う。

 彼はツルギの死にゆく様を見ていただけに、目の前の存在を信じることが出来なかった。

 それを察し、ツルギは変身を解除して御剣燐として黒神恵理也に向き合った

 

「お前……! どうして……!」

「ごめんなさい恵理也さん。託したつもりだったんですけど……戻ってきちゃいました。やっぱり僕も仮面ライダーとしてこの世界を守りたい! それに、一人より二人の方が良くないですか?」

 

 そう言って微笑みかける燐に恵理也は乾いた笑いが出てしまった。

 自分に荷物を背負わせたくせに、こいつはと。

 

「燐兄ちゃん!」

 

 死んだと聞かされていた燐が生きていたことに歓喜する章太郎もまた駆け寄ってきた。

 燐は目線を合わせ、まず「ごめん」と謝った。

 

「これからここは戦場になるから、出来るだけ遠くに逃げるんだ」

「分かった!」

 

 章太郎が走り去るのを見送り、燐と恵理也は敵と向き合った。

 今度こそ、負けないと。

 

「おのれ仮面ライダァァァァ!!!!! 今度こそ始末してやるぅぅぅぅ!!!!!」

 

 アクアリウムドーパントの怨嗟が籠った叫び。

 ゴールドフィッシュドーパントも並び、銃口を向ける。

 

「いきましょう!」

「ああ!」

 

《Hazard!!》

 

 黒神恵理也のハザードメモリがその名を告げる。

 

 デッキを構える御剣燐。

 降る雨粒達がその姿を映し、変身ベルトVバックルが装着され抜刀するかのように腕を回す。

 

「「変身ッ!!!」」

 

 叫ぶ二人の声が重なる。

 

 ロストドライバーのスロットにメモリを装填し、スロットが傾けられる。

 黒い装甲を纏い、その身が変身を遂げる。

 黒き執行者、仮面ライダーシェリフ。

 

 

 Vバックルに装填される白いカードデッキ。

 無数の虚像が舞い、御剣燐の体へと重なり戦士は現れる。

 白き剣士、仮面ライダーツルギ。

 

 

 二人の仮面ライダーがいま、並び立つ。

 

「殺れぇぇぇ!!!!!」

 

 指示を受け、駆け出すゴールドフィッシュドーパント。

 シェリフも迎え撃つと駆け出し、ツルギはソードベントでリュウノタチを召喚し静かに歩を進める。

 

「だぁぁぁ!!!!」

 

 ゴールドフィッシュドーパントに飛び掛かるシェリフは馬乗りとなりゴールドフィッシュドーパントを殴り続けるが至近距離で放たれた水の弾丸を胸部に食らい、態勢が逆転。

 今度はシェリフが馬乗りにされるがゴールドフィッシュドーパントの背中を蹴り飛ばし、窮地を脱すると背中に備わる棒を手に取り刃を展開させ鎌を携える。

 

「おらぁ!!!」

 

 力の籠った一撃を食らったゴールドフィッシュドーパントがふらつく隙にシェリフはマキシマムドライブを発動させる。

 刃に黒いオーラを纏わせ、放つはライダースラッシュ。

 袈裟に裂かれたゴールドフィッシュドーパントはメモリブレイクされ、変身者は消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 放たれる水の弾丸は全て切り裂かれ、白き剣士が近付いてくる。

 その様に、ゴールドフィッシュドーパントは飲まれた。

 ツルギの放つ威圧感に。

 ツルギの剣気に。

 射撃は精密さを欠き、ツルギに当たることはなくあらぬ場所へと。

 そして、当たらぬ射撃をやめて無謀にも接近戦を仕掛けてしまった。

 右手をヒレのような刃へと変化させ真正面から斬りかかるゴールドフィッシュドーパント。

 振り下ろされる刃をツルギは一回転してするりと避ける。

 避けると同時に、胴に一閃。

 ゴールドフィッシュドーパントはツルギの背後で力なく倒れかけるがそこへ……。

 

《Hazard!!Maximum Drive!!》

 

 シェリフの拳がゴールドフィッシュドーパントに引導を渡す。

 残るは、アクアリウムドーパントのみ。

 

 

 対峙する二大ライダーとアクアリウムドーパント。

 雨音だけが響く戦場で睨み合う。

 ぬかるむ足元。

 ジリジリと動き……先に攻撃したのはアクアリウムドーパントだった。

 高圧水流を放つもツルギとシェリフはそれぞれ回避し、シェリフが鎌で斬りかかる。

 

「でやぁぁぁ!!!!」

 

 振り下ろされた鎌は左腕で受け止められる。

 そして右腕のホースの口がシェリフへと向けられるが二人の狭間にツルギが割って入り、アクアリウムドーパントの右腕に太刀を振り下ろし銃口はシェリフから地面へと向けられ水流は地面を抉った。

 更にこの状態のまま、シェリフの鎌が横薙ぎに振るわれる。

 ツルギが眼前にいるので反応が遅れたアクアリウムドーパント。

 ツルギ諸共切り裂かれてしまいそうであったが、ツルギは体勢を低くしシェリフの斬を邪魔しない。

 胸を切り裂かれたアクアリウムドーパントへ更なる追撃。

 膝立ちのツルギが太刀を舞わせる。

 鎌と太刀の斬の嵐がアクアリウムドーパントを襲う。

 二人の猛攻にアクアリウムドーパントは必死に喰らいつくがやがて対処が追い付かなくなり……。

 二つの斬が、叩き込まれる。

 

「ぐおおおお!!!!! ……お、おのれ仮面ライダー……!」

「もう終わりだ!」

「いいや……! いいや、まだだ! 私の全てをもってしてお前達を殺し尽くすッ! ハアッ!!!」

 

 アクアリウムドーパントから吹き出すおぞましいほどの力の奔流。

 その力の最大出力が放たれようとしていた。

 

「くそ! あれはヤバイぞ!」

「……」

 

 近付いて妨害しようにも溢れる力の暴風が二人を阻む。

 なんとかしなければと頭を回すシェリフであったが、対照的にツルギは静かであった。

 

「おい! 御剣!」

「……恵理也さん。メモリブレイクは任せました」

「こんな時になに言って……!」

「餅は餅屋。適材適所。そうでしょう?」

 

 はじめて邂逅した時に自身がツルギに対して放った言葉をそっくりそのまま返されたシェリフは理解した。

 あれを、どうにか出来る力をツルギは持っているのだと。

 

「分かった。だから頼むぞ」

「ええ!」

 

 ツルギはデッキから一枚のカードを引き抜く。

 金色の翼。背景では白い風が吹き荒び普通のカードではないことを示していた。

 携えるスラッシュバイザーが鞘付きの太刀スラッシュバイザーツバイへと変貌し、唾にあたる龍の口を開かせそのカードを装填させる。

 そのカードの名は……。

 

【SURVIVE】

 

 ツルギを中心に嵐が巻き起こり、曇天を貫き青空を掘り起こした。

 太陽の光が照らすツルギの進化した姿。

 白い一対のマフラーが風に乗り、全身に走る黄金のラインが太陽光を反射して眩しい。

 仮面ライダーツルギサバイブ烈風。

 悪を切り裂く嵐の剣────!

 

「その、姿は……」

 

 ツルギサバイブはスラッシュバイザーツバイの鯉口を切るようにカード挿入口を開く。

 切るは切札、ツルギサバイブの最大火力。

 

【FINAL VENT】

 

 蒼天より舞い降りるツルギの契約モンスタードラグスラッシャーはドラグブレイダーへと進化を遂げ、大地へと降り立った。

 背中に装備した二振りの剣を前方へと展開させ、力を高めていく。

 ツルギサバイブもまた、スラッシュバイザーツバイを抜き放ち天へと掲げる。刃の周囲をリュウノゲキリンという銘の刃が高速回転し竜巻の刃を生成。

 

「死ねぇぇぇ!!!! ライダー!!!!!!」

 

 アクアリウムドーパントから放たれる超高圧水流。

 ツルギサバイブとシェリフをまとめて飲み込んでしまいそうなほどの極太の奔流が迫る。

 

「お前を切り裂く斬撃の嵐……刻み込めッ!!! ハアァァァァッ!!!!!!」

 

 振り下ろされる嵐を纏った剣。

 ドラグブレイドホワイトストーム。

 ドラグブレイダーの放った三つの嵐と合わさり、超高圧水流とぶつかり合う。

 拮抗する二つの力。

 衝撃波が周囲を襲う。

 

「ぬうん!!!」

 

 更なる力を放つアクアリウムドーパント。 

 これで押し返せる。

 そう、思っていた。

 拮抗していたはずの嵐と超高圧水流。

 だが、いつしか圧されている。

 更なる力を投入したというのに。

 一体何故と疑問符を浮かべ、気付く。

 

 己が超高圧水流が嵐に吸い取られていく。

 

「な、なにぃ!?」

 

「ぜあぁぁぁぁッ!!!!!!」

 

 嵐は超高圧水流を絡めとり、自身の力として増幅していく。

 敵を殺すために高めた力が、アクアリウムドーパント自身の首を絞めていたのだ。

 

「ば、馬鹿な……!? この、私がッ!!!」

 

 嵐に飲み込まれたアクアリウムドーパントは全身を切り裂かれていく。 

 だが、これではメモリブレイクは出来ない。

 嵐が過ぎ去り、泥の中に倒れたアクアリウムドーパントはなんとかして逃亡する算段を見つけようとするが全身を切り裂かれた痛みで頭が回らない。

 そして、刑の執行の時間が訪れる。

 

《Hazard!!Maximum Drive!!》

 

「おらぁぁぁぁ!!!!!」

 

 蒼天を背にライダーキックを放つ仮面ライダーシェリフ。

 それが、最後に見た光景であった。

 杭が打ち付けられたかのように、倒れるアクアリウムドーパントへのライダーキックが炸裂。

 爆発による炎が周囲を燃やす。

 

 シェリフは、アクアリウムドーパントであった滝藤を踏みつけたままでいた。

 滝藤は既に、死んでいた。

 

「恵理也さん……」

「メモリの力を限界以上に引き出したことでの死、だ。殺したのはお前でも俺でもない。こいつ自身だ」

「……」 

「……ま、色々聞き出したいことだらけだったが死んじまったもんはしょうがないさ」

 

 敵の死にすら憐れみを覚えるのかこいつはと恵理也は内心呆れたが、まあこういう奴がいたっていいだろうと一人感じていた。

 優しい人間が多い世界の方が、絶対にいいのだから。

 

「────仮面ライダー」

 

 響く、底から冷えるかのような声に二人は即座に臨戦態勢に入った。

 声の主は、白い女カンナ。

 今回の事件と深く関わりを持つ者。

 二人の仮面ライダーが今、この世界に巣くう悪と対峙する────。

 

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