さて、それじゃ。情報を探しに行くとしますか。俺は生徒会室に赴いた。
「お邪魔しまーす」
扉を開けると、そこには紙の山が聳え立っていた。それがただの生徒会にしては物騒なものもある書類のようなものであることを確認した俺は、逃げるようにして、と言うより逃げる為に踵を返し。
「逃がすか、そういう約束だったでしょう?」
「ただの生徒会にこんな量の書類を押し付けるのって反則でしょう?」
読みが甘かった。…………その読みを間違えなければ俺は、この書類の山を見ることはなかったのか。
この書類の山を俺の目から見て、この状況は国際的な暗躍と契約が見て取れるのだが、それをここで記述してしまうと、「なに言っているんだよ、さっさと進めろやボケが」と言われてしまうかも知れないし何より、特にそれで俺の身になにが起こる訳がないから語るのは控えさせておく。
「ただの生徒会じゃないからよ。」
「一夏だったらそうかで済むんですがね。」
まあ、良いや。俺に至っては契約という形で労働力を出すことになっているからな。ククッ、確かにこれを手伝ってくれると言うのは奉仕の部類に入るな。
「冗談です、それじゃチャッチャとやりますか。」
俺は学生の必需品シャーペンを胸ポケットから取り出しながら、その紙の山から一枚抜き出し書類に目を通した。
これは人物のリストアップか、なるほどなるほど、IS学園は試験学校の側面もある、それの出来高や水準を満たしているかどうかを調べる教育なんちゃら的なあれか。
「ちょっと?、そっちは終わった奴よ?」
「え?」
俺の眼前にある書類の山によって出来た死角を埋めるべく、体を移動させると…………。
「わあ、まるで生徒会室のエベレストや~。」
「どこぞの食レポのようなことは言わなくて良いから。」
天井に届かんとしていた書類の山が乱雑に置かれていた。
「倒す。」
俺は、剣じゃない、シャーペン一本を握りしめ、戦いを挑んだ。
◆ ◆ ◆
「はぁ…………これを今日もやるのか。」
生徒会の手伝いをし始めて、早数日。
目の前にあるエベレストからモンブランくらいにまで減ってきた書類の山を見据える。半ば諦めが過ぎるが、そんなことを思っていっても仕方がない、とりあえず仕事を進めることにした。
部屋の真ん中に置かれている提出書類の問題のある箇所を直しては、生徒会長に渡す。そのような作業を続けて早3日、ここ生徒会室の仕事にも慣れてきた。
しかも驚いたのが24時間体制でこの生徒会室に居ても何も文句も言われないという、授業中でさえ生徒会という免罪符があり授業を免除される。
まあ、免除されるにはそれなりの成績があるが、俺の場合はIS基礎学力を除けば大丈夫と言った程度だ、俺は、授業受けていなくても少し教科書見れば平均点は行く。
俺は授業が終わった後に行っているのであまりその恩恵を受けれてはいない。
とまあ、そんな生徒会についての情報は三つ。
一つは構成員が三人と少ないこと。大体、五人とかで回しているのだがそんなことはない。三人だ、しかも一人は俺のクラスメイトらしい、それでもそのクラスメイトの情報処理の腕が壊滅的に悪く手伝おうとすると仕事が増える有様らしい。
二つはこの生徒会は日本が、IS学園内で好き勝手やりたいがために存在しているらしい。IS学園の生徒会長は生徒内で最強の人物から選出されるのだが、他国にとってはIS学園は日本と言う敵地だ、そんなところに国家代表と言う貴重な人材を投入するかと言われればやらないだろう。
三つは文化祭時に生徒会でもイベントを企画しようと言うことが上がっているらしい。これは少しまずいな。
とりあえず、情報はこの三つだ。追って話が来たのならば、その時に考えるかも知れないな。
「まだまだよ、常時デスマーチ状態でやれって言うんだから、上も鬼畜なものよね。」
そうですかね。私にとっちゃ、あなたの存在も鬼畜なんですがね?いやいや、まだだ、まだ猫を被り続けるんだ。
ん?生徒会長が何かを言いたそうにしている。
「ま、君が居るおかけでかなり助かってはいるから、少しお茶にしない?」
「やめておきます、あなたのように虚さんに怒られるのは嫌なので。」
「ウッ!?…………やめておくわ。」
この人も学習しないな、
全く、生徒会長もたまにお姉さんと言うのであればそういうところを見習って…………。って、何を俺はおっさんじみた事を言っているんだ。
「それではやりましょうか。」
「ええ、それはもう。」
こうして、準備は整った。IS学園文化祭での敵の迎撃をするための情報は整った。相手が来るのであればやってやろうではないか。
文化祭という地獄の行進曲を奏でる為の指揮者は足音立てて、俺の近くへとにじり寄っていた。
「文化祭か…………風流だねぇ。」