俺は帰った、逃走経路を確認してしてしまくった結果、上司に怒られたというものがあったが、それを抜けばおおむねいいものだっただろう。今頃上の方は俺のお土産によっててんやわんやの大騒ぎだぞ。
最終的に目指していたとはいえ、ただのテロリスト集団が全世界に喧嘩を売ったことは、上層部に緊張を与えることになるだろう。
俺としては、そんなものどうでもいい。それに、今俺が目指している物はファントムタスクの理念とまったく違う少し利害が対立するだけの理想だ。
全ISを手中に入れる
それが、今の俺の当面の目的だ。今手元に存在しているのは、エネ、カゲアカシ、甲龍、終焉の者それに、各研究機関を襲って手に入れた生のISコアと、三体の量産機ほどだ。まだまだ道のりは遠いが、これは俺個人でもっているISの数だ。ファントムタスクの所持しているISは専用機が福音を加えた4体に、鹵獲した量産機が5、6体いたはずだ。
「ま、めんどくさいねぇ」
俺を襲ったのは虚脱感、闇の中に飲まれ、自分の光を持ち続け、それでもなお進もうと奮戦した結果、少し休息が必要だ。あてがわれたうちっぱなしのコンクリートの箱の中に入る、その中のベット、そして二つのISと一人の馬鹿がこの中のすべてだった。
ベットに身を投げて、跳ね返りも何もないベットが俺の背中を打ったがそんなことは気にせず、疲れを癒すために俺はまどろみの魔の手に引きずりこまれた。
◆ ◆ ◆
気がつくと俺は我が家にいた。
おきた時には、水が耳の中に入ったときのように、ぼうっとした感覚が俺を支配していた。よく考えられない。久しくかぶっていない布団を自分の体から引き剥がしいつものとおり居間に行った。
「あら、おはようございます」
「あ、ああ。おはよう。」
そういわれて、ふと、近場の窓を見ると明るかった。というか、何で「お手伝いさん」がいるんだ?
「お手伝いさん?」
「何です?」
「い、いやなんでもない。」
俺の体は、元の男子高校生の平均のような身長だ。別にタイムスリップしたというわけでは無さそうだ。
「ご飯が出来ています。」
「ああ。」
飯の準備をするため動いた。
「いただきます」
「いただきます」
と、二人同時に言った。そして食べ始める。
夢なのだろうか、ここには俺が望んだ物があった。そして素直になれず手から零れ落ちた物だった。ふと、俺は頬を抓った
「…………ハハハッ痛くねえや。」
◆ ◆ ◆
目を見開いた。寝起きは最悪だ、時間を確認したら寝た時間から4時間経っていた。本当に疲れているんだろう。特に何をする訳ではないが体の節々が痛いから体を起こした。
ピリリリリリ。
無機質な部屋に無機質な音が鳴る、発生源は俺のポケットの中だ。本当に仕組まれているのではないかと思うくらいのタイミングの良さだ。
「もしもし?」
「命令だ。」
「あらあら、忙しそうですね。」
さっきまでアメリカ軍と時間限定で殴り合ってたんだ休憩ぐらいさせてもらえませんかね?というかどういうつもりだ?本当に使いつぶす気か?。オータムから電話がかかって来た、この携帯電話は本当の非常事態にしか使われないと思ったが…………。
「てんやわんやの大騒ぎよ」
「どうしたんです?スコール婆の老いを隠すための化粧品を買って来ればいいんですか?」
「そんなエッジの効いたジョークを飛ばしている暇もないし、下手したらこっちの首も飛ぶような案件だ。そして終わったら貴様の首を飛ばす。話が逸れた、用件だけを言うぞ。」
「はじめからそうしてくれ」
「元はといえば…………じゃない。クロエ・クロニクルが脱走した。」
クロエ・クロニクルは篠ノ之束の助手みたいなものだ。いたく気に入っているようだが、詳細は知らん。というか俺は篠ノ之博士の捕獲に貢献した位の働きしかしていない。
『君は報告じゃ死んだはずじゃ!?』
俺はエネを介して篠ノ之束の情報収集の進捗を探らせていた。オータムは俺の情報によって篠ノ之束には「死んだ」ように思わせといた。だけなんだが。まあ、重要なのは俺がクロエとやらの存在をよく知らなかったということだ。
「手引きしたやつは誰だ?」
「わからん、調査中だ。」
「ちっ、どこに逃げたんだ?」
「IS学園だ。」
また厄介なところに逃げ込んでくれたな…………。あそこは、指折りのIS保有数がある。それに教師とはいえ練度は十分だ、めんどくさいにもほどがある。
「で、IS学園に突貫して連れ戻して来いってか?」
「そういうことだ。さっさと行って死ね。」
死亡宣告されながら通話がきられた、たぶん死ぬ。残機が99体あっても足りない。
「とりあえず、補給はすんでいるだろうしカゲアカシでも取りに行ってくるか。」
連続で出撃って……………。はぁ社畜かよ。