イギリスの某研究所。ここでは、新たに開発された第三世代ISの運用試験が行われていた。
ISが動き回るには十分な広さのアリーナ。その上空では青を基調としたISがライフルを構え次々と現れる標的を撃ち抜いていく。その様子を上層部の人間が数人、計測室の中で観覧していた。
「ふむ、ここまでは良好のようだな。"BT兵器"の方はどうなんだ?」
後ろに控えていた開発主任へと問いかける。
「はい、現在は機体の慣らしを行なっている所ですので彼女の準備が終わり次第行えます。もう間も無くだと思うのですが……」
『オペレーター、慣らしは終わりました。いつでも行けます』
と言ったところに彼女から通信が入った。
「丁度のようですね。各オペレーター、測定準備は終わっているな?」
主任のさらに後ろ、幾つもの測定機械が置かれ、数人のオペレーターがそれぞれの端末装置でパラメータやステータスの確認を行なっていく。
「はい、各測定機器の準備は完了しています。」
「彼女と"ブルー・ティアーズ"の状態はどうだ?」
「共に良好のようです。ブルー・ティアーズの性能もほぼ理論値に近い値を示しています。彼女も……ふふっ鼻歌を歌いながら待機しています」
「では、BT兵器実用試験を開始する」
主任がそう言うとオペレーターの一人が彼女に通信を入れる。
「"アーリア“、BT兵器実用試験を開始してください」
『はい。踊れブルー・ティアーズ‼︎』
アーリアの掛け声と共に四機のBT兵器が射出され三六〇°様々な角度から標的を撃ち抜いていく。
「どうやら成功のようだな」
「はい、機体は最高の状態に整備されていますし、搭乗員であるアーリア・サーシェスはIS適性、BT適性ともにA評価であり次点のセシリア・オルコットと共に訓練を行なっていましたから」
「うむ、この調子で二号機、三号機も頼む。イグニッションプランが控えているのだからな」
そう言うと上層部の人間は部屋から出て行った。
「通信機を貸してくれ。アーリア、お偉方は出て行ったよ。お疲れ様だったな」
『ようやく終わりましたか?あー、面倒かった。遠距離からちまちま撃つとか詰まらねぇわ。約束守れよ?絶対だぞ?ブルー・ティアーズはいらないからな?』
先程と打って変わって砕けた口調で話してくる。相変わらず猫被りの上手い奴だとこの場にいるオペレーター達と笑い合う。
「分かっている。二号機は別タイプの試験機って事でお前さんの要望通りにするさ」
「よし‼︎んじゃ帰投するぞ」
さて、約束通り彼女用の機体を作り始めなくてはと意気込む。今回得たデータを使えばより彼女に合った機体になると一研究者として血が騒ぐ。
「諸君、さらに頑張ろうでは無いか!」
「「はい!」」
研究チームはいつでも多忙なようだ。
〜アーリア視点〜
困ったンゴ……うん、本当に困った。第三世代ISの実用試験があるからテストパイロットになってくれと言われのこのこ着いて行ったらまさかのBT一号機ブルー・ティアーズのテストパイロットだった。
うん、セシリアじゃないの?えっ、BT適性一番高かったの俺なの?しかもお偉いさんが見学に来るから失敗できない?ありゃりゃ。って感じでその研究所までやって来ました。その時に、
ーー今回は乗るけど俺の適性は近接格闘戦と中距離射撃戦だからな!コンセプトと合ってないから‼︎セシリア……そうセシリアなら慎重な性格だし集中力高いし可愛いし真面目だから‼︎コンセプトと合ってるな!な⁉︎次はセシリアに乗ってもらう?ヨシ!(現場猫感)
あっ、今回のお礼は二号機を俺用にしてくれれば良いよ
ってな感じでセシリア推しをしたから多分今回だけの筈だ……うむ。えっ、お偉方の前ではもう少しお淑やかに?んん゛、何を仰るのですか?私はいつでもお淑やかですわ……こんな感じ?分かった。良いよ良いよこのくらいなら。
てな訳で今はブルー・ティアーズに乗ってアリーナ上空で唯ひたすらに単純飛行してる標的をライフルで撃ち抜く作業中です。いつまでやれば良いのかな?特典のおかげで苦もなく出来るから暇なんだけど?取り敢えずハイパーセンサーで計測室の音を聞く。
『彼女の準備が終わり次第行えます。』
あっそうなの?準備ならとっくに出来てるから通信入れなくちゃ。お淑やかに……
「オペレーター、慣らしは終わりました。いつでも行けます」
うんお淑やか。さてさて、二号機を貰うためにも頑張りますか。行けよブルー・ティアーズ‼︎って言いたいけどお淑やかじゃ無いからな。うーん、仕方がないか。
「踊れブルー・ティアーズ‼︎」
掛け声と共に四機のBT兵器達が四方八方へと飛び回る。位置ヨシ、角度ヨシ、てぇー‼︎…………決まった(ドヤ)。初弾全弾命中や。この調子で次……ヨシ!次……ヨシ‼︎と標的を次々と撃ち抜いていく。ふぅ、なかなか爽快。さて標的は全部撃ち落としたけどまだやるのかな?と思っていたら通信がきた。
『アーリア、お偉方は出て行ったよ。お疲れ様だったな』
いやはや、本当にね。とりあえずブルー・ティアーズは要らないって事しっかり伝えとかないと。特典で専用機が手に入るのは確定してるけどこの機体はセシリアにこそ相応しいからね。
『分かっている。二号機は別タイプの試験機って事でお前さんの要望通りにするさ』
良かった。此処での原作乖離は無さそうだ。前に介入し過ぎてから大変だからね。今も……ね。おっと嫌なこと思い出した。さて、試験は終了みたいだし、帰ってセシリアとイチャイチャしよっと。
しかし、この世界に転生して早十四年。原作開始まで後僅かまで来た。既に原作から乖離しちゃってるけど大丈夫かな?まぁ、この世界がアニメ通りに進むとは限らないし俺にとってのリアルだからその都度頑張るしかないよね。
俺がこの世界に生まれ落ちてから今までの話はまた次回にでもお話ししようかな。
はい、まさかのブルー・ティアーズに搭乗です。原作開始の二〜三年前くらいですが次からは転生したところから書き始めると思います。