〈凍結〉えっ、転生特典?焼け野原ひろしですが?   作:雨漏り

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第三話 天才、後の天災

    

 

 パーティが終わり参加していた人達が帰って行く。もちろん俺もお見送りをする。その時、何人かの男の子達が顔を赤らめていたのはなんでだろう?

 

 アルフォンスさん。いや、お父様に聞いたら俺はその時とても良い笑顔だったらしい。性に目覚めるには早過ぎるぞ子供達よ、あと十年は待ちなさい……。どうにもセシリアと話せてテンションが上がっていたようだ。

 

 そしてそのセシリアだが、まだ幼い事もあるが引っ込み思案らしいのだ。意外である。原作では高飛車なお嬢様って感じだったからね。まぁ、一夏君に落とされてからは子供っぽいところも見えていたが。

 

 あれ?あー、でもそっか。原作では両親が事故で亡くなってたんだっけ?で、両親の遺産や資産を奪おうとする人達から守るためにあんな感じに成らざるを得なかったんだよね。

 

 どうにかして救えないかな……。でも事故は原作開始時の数年前って事しか分かってないよね………。事故が起こるから気をつけてとか言っても信じてもらえないだろうし。……うん、最悪救うことが出来なくてもせめてセシリアの支えとなろう。人一人が出来ることなんて限られてるんだ。なら、俺は俺の出来る事を全力でやるだけだ。

 

 兎に角、今は来るべき日に備えて勉強や信頼を得るための努力を続けていこう!しかも、このパーティの後セシリアと友達になれたんだよ。やったぜ。後日開かれたセシリアとのお茶会は楽しかったです。

 

 で、しばらく経って十二月。なんとセシリアの誕生日パーティにお呼ばれしたのだ‼︎これはもう行くしかないですねー行く行く。実はセシリアのお父さんと俺のお父様は古くからの友人なんだそうだ。世間は狭いね。

 

 そんなこんなで十二月二十四日、メリークリスマス。セシリアの誕生日はクリスマスと同じなのだ。俺の誕生日もハロウィンと重なってるから似た物同士だね。てな訳で、俺の時と同じようにステージ上でセシリアが挨拶をしている。

 

「え、えと本日はわたくしの誕生日パーティにお、お越しいただきありがとうございます」

 

 緊張からか少し落ち着きが無かったので此方に視線が向いた時に軽く手を振って『だ い じょ う ぶ だ よ』と口パクで伝える。伝わったかな?セシリアは少し微笑んでその後は詰まることなく挨拶を終えた。

 

 で、その後は俺の時と同じような感じだった。いろいろな人達がセシリアにおめでとうと挨拶をしていく。あっ!あの子セシリアの手の甲にキスした⁉︎ダメでしょそれは!羨ましい‼︎おっと本音が……。

 

 そして最後、俺の番になった。本当は最初に挨拶をしたかったんだけど、後がつかえているため長話は出来ないと思ったからだ。改めてセシリアの姿を見る。常日頃から手入れは欠かしていないであろう艶やかな金髪、素材の良さを活かす薄化粧、シンプルでいてセシリア自身を際立たせる青のドレス。

 

ーーふつくしい……

 

 おっと、見惚れてる場合じゃなかった。

 

「セシリアさん、お誕生日おめでとうごさいます。とてもお綺麗です」

「ありがとうございます、アーリアさん。来ていただけて嬉しいですわ」

「セシリアさんのお誕生日パーティですもの。当然です」

 

 その後も和やかに会話をしていく。見たまえ男子諸君よ、がっついては駄目なのだよ。と優越感に浸っていると。

 

「もう、アーリアさん。ちゃんと聞いていらっしゃいますの?」

 

 とセシリアがぷりぷりしていた。可愛い。

 

「ご、ごめんなさいセシリアさん。少し考え事をしていました」

「むー、謝って頂けたのでお許しいたしますわ」

 

 これ周りから見たらセシアリに見えるかな?アリセシかな?てぇてぇかな?おっといけない、セシリアとの会話に集中しなくては。

 

 その後パーティも恙無(つつがな)く終わり、セシリアともまたお茶会をする約束をして別れた。

 

 屋敷に帰るとお父様のもとに何通か手紙が来ていた。いつもの事なのに何故か気になったのでお父様に誰からの手紙か聞いてみた。すると。

 

「うん?あぁ、何でも日本の束・篠ノ之という人が宇宙活動用のマルチフォーム・スーツを開発中らしいんだが、資金援助して貰えないか。という手紙だよ」

 

ーー…………え゛っ⁉︎白騎士事件が原作開始時期の十年前の筈だから……。いや、そうか。時期を考えれば今開発中なのか。

 

「まぁ、個人でやってるようなので支援するだけ無駄だろうけど……」

「お父様!そのお話、お受けしていただけませんか?」

 

 それって確実にISですよね⁉︎それを断る?そりゃ知らない人からすれば無駄に思えるだろうけど、こちとら前世ありの転生者なのだ!

 

「いや、しかし……」

 

 くっ、駄目か。仕方がない。此処は伝家の宝刀を出すしかあるまい!

 

「お父様……、アーリアの我が儘(わがまま)を聞いていただけませんか?」

 

 秘技上目遣い&うるうる目、更に駄目押しで一人称に名前を言う!これで落ちない親はおるまい!

 

「ぐぅっ!……分かったよ、普段我が儘を言わないアーリアの頼みだ。でもあまり高額な支援はしないからね」

 

 成し遂げだぜ!あのISだよ?もしアラスカ条約とやらが無ければ宇宙を旅する事さえ出来るのだ。原作改変?兵器として使われるより宇宙開発に使う方が束さんの夢としても良いでしょ。

 

「取り敢えずMs,篠ノ之に連絡を入れないとね」

「はい、お願いします。お父様」

 

 そんな会話をした次の日。

 

「やあやあ、君たちが支援をしてくれるって人かな?よろしく〜」

 

 天才にして天災の束さんが我が家に来ました……。えっ早くない?今朝だよ?連絡したの昨日の夜だよ?まぁ、束さんなら転送装置とか飛行機以上の速度で飛ぶ何かを作っていても不思議はないか。……束さん今十三歳くらいだよね?随分立派なものをお持ちで。

 

「えーと、初めましてMs,篠ノ之。私はアルフォ……」

「前口上はいいから本題に入ろう。どうして支援してくれるのかな?」

 

 わーぉ、お父様の会話ぶち切って話し始めた。流石天災。いつも温厚なお父様も顔が引き攣ってる……。

 

「んん゛、実は娘の頼みでしてね。貴方が開発中のマルチフォーム・スーツに興味があると」

「娘?今居ないの?」

 

 おっと、これは出て行った方が良いやつだな。というわけでトテトテとお父様の隣に走って行く。

 

「んー、君がね〜。どうして支援したいと思ったのかな?」

 

 さて、此処からが問題だ。束さんに会えるとは思っていなかったからな……。うん、束さんなら嘘くらい直ぐ分かるだろうから本音で話そう。

 

「はい、私は宇宙に行ってみたいと思っています。ですが、私には何かを作り出すほどの知識も才もありません。

 であれば、それをすることができる方を支援するのが一番と考えました。故に今回の支援のお話を受けさせていただきました」

 

 宇宙に行ってみたいは一〇〇%本心だ。さぁどうだ?

 

「ふーん、なんで宇宙に行ってみたいと思ったの?」

 

 およ?意外と深く聞いてくるな?宇宙に行ってみたい理由。それはもちろん。

 

「宇宙全体を見たとき地球と言うのは砂漠の砂の一粒に過ぎません!であれば、その星々の海を渡ってみたいと思うのは当然です!」

 

 ふう、つい熱く語ってしまった。姿勢を正してから束さんを見ると何故か目がキラキラしてる。

 

「うん、そっかそっか。君名前は?」

「えと、アーリア・サーシェスと申します」

「じゃあ、あーちゃんだね。私のことは束姉さんと呼んで良いよ〜。」

「あーちゃん⁉︎それに……えっと、た、束……さん」

 

 まさかのあーちゃん呼びである。これは気に入られたのかな?ちーちゃんやいっくん並みの気やすさだけど。あと、いきなり束姉さんとは呼べないですよ⁉︎

 

「ISが出来たら五番目に宇宙に連れて行ってあげるね」

「本当ですか⁉︎ありがとうございます」

 

 おぉ、これは専用機が手に入る前に宇宙に行けちゃうかも⁉︎

 

「あれ?一番に連れて行って欲しいって言うと思ってたけど良いの?」

「?はい。宇宙に行けるだけでも嬉しいですし、束さんもご家族やご友人の方を優先されると思っていたので」

 

 千冬さんとか一夏君とか箒ちゃんとかね。そう言うと束さんに抱きしめられた。

 

「ん゛ー!ん゛ん゛ーー⁉︎」

「ますます気に入ったよー‼︎これからもよろしくねあーちゃん」

 

 む……胸が……束さんのご立派なお胸で息が…………あっ……。

 

「あっ、ごめんごめん強く抱き締め過ぎたね」

「はぁー……、はぁー……、はぁー……、い、いえ大丈夫です」

 

 生きてる内に胸で窒息しそうになるなんて思ってもいなかった。あれだね、男の時は夢にまで見たという表現が出来るほどだったけど実際にされると苦しいね。柔らかかったけど。

 

「じゃあまた来るね」

「あっはい……また?」

 

 またの意味を聞く前に束さんは居なくなっていた。で、隣にいて途中から空気になっていたお父様が話しかけてきた。

 

「ア、アーリア……、大丈夫かい?」

「あ、お父様いらっ……こほん、はい私は大丈夫です」

 

 慌てて言い直したけどお父様は泣いてしまった。この後めちゃくちゃ励ました。四歳児に励まされる中年男性……。側から見たらどう見えるかな?まあいいか。

 

 この日から半年程経った頃、学会でISが発表された。そして、酷評を受けたらしい。

 

ーーしまった⁉︎原作でもまともに評価されなかったって話だったのに変えないといけない所を忘れていたなんて⁉︎

 

 束さんのインパクトが強すぎてそれとなく伝える事を忘れていたと思い出す。慌てて連絡を取ると。

 

『うん、大丈夫だよ。目に物見させるだけだから』

 

 と冷たい声で言われ通信を切られてしまった。白騎士事件が起こることは確定してしまったようだ。原作では死傷者〇人だったと思うけど、その通りになるかは分からない。千冬さん、頑張ってください。

 

 一ヶ月後、原作通りに白騎士事件が起こり死傷者〇人と言う結果に終わった。そしてISの兵器としての異常性が世界に知れ渡った。

 

 その後の世界の動きは早かった。元々こうなる事が分かっていたかのようにアラスカ条約が制定され法なども改正されていったのだ。

 

 束さんはひたすらにISコアを作らされているらしい。なんでも、妹さん。つまり箒ちゃんを人質にされているらしいのだ。束さん的には現在のような事になるとは予想していなかったようで、箒ちゃんを守るための準備が出来なかったとの事。その後、四六七個のISコアを製作した束さんは解放されたらしい。

 

 とはいえ、俺たちの方でも動きがあった。どうやら束さんへ資金援助をしていた事が知られたようで色々な事を口外しないようにと言う契約書にサインさせられたりした。そのため、しばらくの間はセシリアに会う事も禁止されてしまった。この人たちマジで許さないからな……。

 

 




 天災束さんに気に入られたアーリアです。原作前の細かな時系列はwikiなどで調べてもよく分からなかったので独自設定となっています。
 次回以降更新が少し遅くなるかもです。
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