〈凍結〉えっ、転生特典?焼け野原ひろしですが?   作:雨漏り

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第五話 適性検査、そして試作機へ

 

 

 早いもので小学四年生になりました。勉強は何とか着いていけてるよ。クッキー気絶事件(自称)の後、学校でもセシリアと一緒に過ごすようになって少しの間は周りも戸惑っていたけど、俺が強面の割に無害だと分かると少しずつ話しかけてくれる子が増えました。セシリア様々だね。

 

 友達と呼べる人が出来たので嬉しいです。セシリア?もちろん親友だよ。まぁ、女尊男卑が広がって男子達が気弱になってきているけど。

 

 あと、第二世代機が完成し始めたみたいです。装甲が減って顔とISスーツが見えるようになった。ISスーツって完全にスク水だよね。あれ着るのか。

 

 後なんだろ、歳を取るにつれて性欲と言うか男としての意識が減ってる気がする。あれか?精神が体に引っ張られてるのか?でもスカートは今でも嫌なんだよな。冬とか寒いし絶対領域とか恥ずかしいし……まあいいや、男に抱かれたいと思わない限りは安全だ。

 

 そして今年は第一回モンド・グロッソがあったんだよ!原作通り千冬さんが暮桜で格闘部門と総合優勝をして、ブリュンヒルデになってました。テレビで見てたけど殆どの人が一瞬で(やぶ)れていた。アリーシャと言う人だけは千冬さんとまともに戦えていたけど最後は千冬さんが勝った。二回目のモンド・グロッソで優勝した人だっけ?動きが速過ぎてよく分からなかったな。

 

 で、俺たちは四年生になったのでIS適性検査が行われるらしい。遂にISに関われるのか。と内心ワクワクしながら待機室で待つ。セシリアは確かA判定だったよね。俺はどうだろう。サーシェスのSでS判定……なんてね。おっと、順番が来たようだ。名前が呼ばれたので検査室に入って行く。

 

 検査室に入ると一機のISが台座に固定されてあちこちからケーブルが繋がれており、多分第一世代機だけど装甲が取り外されて乗り込めるようになっていた。

 

「搭乗部に体を預けるように立ってください」

 

 研究員の手を借りてISに乗り込む。

 

ーーおぉ、思ったより高いな

 

 その後、碗部に手を入れて待機するように言われた。研究員の人がパソコンを操作しているけど意外と暇だ。

 

「はい、これで検査は終わりです。結果は後日伝えられますのでお待ちください」

 

 後日なのか〜、検査してすぐ結果が出ると思ってた。まあ楽しみに待ちますか。そんな事を思いながら検査室から出て行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜某研究所〜

 

 ここはISの新規技術や試作機の製作、検証を行なっている研究所だ。その研究所の一室。所狭しと並べられたISの部品の山。その中に一人の男性の姿が。

 

「主任〜、今年のIS適性検査の結果が出ましたよ〜」

「おぉ!で、今年はどうだった⁉︎」

 

 この研究所の主任であった。ボサボサの髪に無精髭。よれよれの白衣を纏う姿は実際の年齢より年老いて見える程である。そんな主任に話しかける女性も既に慣れた様子だ。

 

「はい、IS適性検査A評価が六人ですね」

「ほう、今年は豊作だな」

 

 ISが生み出されてからまだ数年とはいえ、A評価は年に二〜三人居るなら十分と考えられているだけに六人と言うのは豊作であった。

 

「で、その中で一番高いのは?」

「えーと、アーリア・サーシェスという子ですね。次点でセシリア・オルコットという子です。二人とも招集しますか?」

「う〜ん、一先ずはそのアーリアって子を使おう。駄目なら次だ。安全装置とISの保護システムがあれば怪我をすることはないからな!」

 

 アーリアを道具のように言っているが、これでも人道に反する事はしない主義のようだ。

 

「分かりました。此方で連絡を入れておきますね」

「あぁ、頼むよ。ふふっ、ふふふっ。さてさて、今年の新人君は()()()()を扱えるのかな?いや〜楽しみだ。実に楽しみだ」

 

 そう言って主任の向かう先にはブルーシートを被せられたISが一機、台座に固定されていた。

 

「造った身としては、ちゃんと動いてる所を見たいからね〜。まったく、少しピーキーに造ってしまったけど誰も乗りたがらないなんて酷い話だよ」

 

 この男、とんでもない技術者(変態)であった。

 

 

   

 

 

 

 〜アーリア視点〜

 

 適性検査から数日、遂に結果が届いた。家族の前で封筒をレターナイフを使って開けていく。さてさて結果はっと……。

 

「お父様!お母様!A評価でした‼︎」

「おめでとうアーリア」

「良かったわね」

 

 普通ならISという兵器に適性がある事は嫌な事なんだろうけど、両親は元々宇宙開発用に作られた事を知っている為祝福してくれた。A評価なら代表候補生に選ばれる可能性は高いのかな?他の人の評価次第って事もあるのか。

 

「アーリア様、お電話が来ております。相手はIS研究所の者と名乗っておりますが」

「IS研究所?何の用でしょうか?」

 

 俺にセシリア以外から電話とは珍しい。IS研究所?適性検査が間違ってたとかかな?取り敢えず電話機の所まで行って受話器を取る。

 

「お電話替わりましたアーリアです。ご用件は何でしょうか?」

『初めましてアーリアさん。私はIS研究所のアンと申します。毎年適性検査でA判定を取られた方にこうしてお電話させて頂いているのですが、我が研究所では少々特殊なISの試験を行なっておりまして。宜しければアーリアさんにテストパイロットをして頂きたいのですが』

 

 テスト……パイロット‼︎何それカッコいい⁉︎

 

『もちろん、事故が起きないよう最大限の対策を取っておりますし。如何でしょうか?』

「はい!是非受けさせてください‼︎」

『えっ⁉︎宜しいんですか⁉︎』

 

 え?そんなに驚くようなことなの?あっ、そっか両親の許可とか取らなくていいの?って意味かな。

 

「両親に確認して来ますので少々お待ち下さい」

 

 その後、両親に話をしたらすんなり許可がもらえた。

 

「お待たせして申し訳ありません。両親からも許可を貰えました」

『そうですか。では……、来週の土曜に予定は空いていますか?』

「はい、空いています」

『では、迎えを送りますのでご自宅でお待ちください。失礼します』

 

 テストパイロットか〜、どんな機体に乗るんだろ?第三世代機は発案さえされていないだろうし、第二世代機だよね?ラファール・リヴァイヴと打鉄しか分からないや。

 

 で、迎えた土曜日。要人警護の時に見るような車に乗って研究所へと向かう。迎えには電話で話したアンさんが来てくれた。

 

「いや〜、テストパイロットの話を受けて頂きありがとうございます。断られると主任が『もっと粘れよ‼︎』って煩くなるんですよね〜」

「は、ははは。凄そうな人ですね。その主任さん……」

「まぁ優秀な人なんですけどねぇ〜。あそこが研究所ですよ〜」

 

 と、ありきたりな会話をしていると研究所に着いたみたいだ。敷地面積はかなり広いみたいで研究所と向こうの建物は試験用のアリーナかな?東京ドームみたいな建物も見える。

 

 アンさんの案内で研究所の方へと入って行く。中は意外と静かだった。白衣を着た研究者達が熱い議論を交わしているのかと思っていたけど。理想と現実は違うね。

 

 で、奥の方の部屋へと入る。そこは電子機器やISの部品?などが山のように置かれていた。倉庫?

 

「主任〜、アーリアさんが来ましたよ〜」

 

 とアンさんが主任さんを呼ぶ。すると、部品の山の中から貞子みたいに一人の男性が這いずり出てくる。

 

「ひぃっ⁉︎」

 

 うん、この光景を見て悲鳴を上げないアンさんは可笑しい。え、慣れてるの?この光景当たり前なの?

 

紅茶を……淹れてくれ……

「いつも通りスティックシュガー三本でいいですね?」

「……」コク

 

 そう言うとアンさんは部屋から出て行ってしまった。この場には行き倒れたような男性一人と小学四年生が一人。

 

「………」

「………」

 

 アンさんが戻ってくるまでお互いに一言も話す事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや〜、すまなかったな。飲まず食わずで仕事していたら動けなくなってた。アハハハハハ」

「主任……、前にそれで点滴を打つ羽目になったんですから改善するようにして下さいよ」

 

 点滴って……。今以上に酷い時もあったのか。

 

「で、君がアーリアでいいのかな?」

「は、はい。アーリア・サーシェスと申します」

 

 改めて名前を名乗ると主任さんがジッと此方を見てきた。

 

「……ふむ、大変そうだね。まあいいや、僕はIS研究の主任を任されているレオだ。みんなからは主任と呼ばれてる。よろしくアーリア」

 

 待って待って今の間何⁉︎大変そうって何に対して⁉︎中身男だってバレたの⁉︎

 

「アーリアさん。主任はそれっぽい事言ってるだけなので、気にしたら駄目ですよ」

「そ、そうなんですか?」

 

 びっくりした……。束さんにもバレていないのに……。バレてないよね?急に怖くなってきた。

 

「二人ともこっちこっち。君に乗ってもらいたいISについて歩きながら説明するから」

「すみません、今行きます」

 

 慌てて主任の後を追う。

 

「端的に言おう。君に乗ってもらいたいISは元々は可変機にする予定だった機体だ」

「へ〜可変機ですか〜……。えっ?」

 

 ISで可変機って出来たの⁉︎特典グラハムさんでも良かったじゃん。人呼んでグラハムスペシャル‼︎って言ってみたかった。

 

「元々……だがね」

「何か問題があったんですか?」

 

 主任が何やら深刻な顔をして語り出し、奥の部屋に入って行くので着いて行く。

 

「人が乗る前提で可変機を造ろうと思うとどうしても大きくなってしまうんだよ。それに全身装甲にする必要もあるしね。で大きさに比例して重量が増えて燃費も悪くなるしで諦めたんだ。

 でもね、その時の設計で人型でも使えそうな部品があったんだ。そして考えた。可変機が無理なら人型で一番速い機体を作り上げてしまおうと‼︎で」

 

 主任がブルーシートを引っ張る。

 

「出来たのがこれだぁ‼︎」

 

 そこにあったのは……。

 

「僕が考えた最速の機体イナクトである‼︎装甲は極力減らし軽量化した事により現存する機体の中で一番だと言えるだろう。

 肩と腰の推進翼の反応速度はかなりの速度になっているから旋回性能も高い。

 右腕には専用のリニアレールガンを装備。威力の高い単射、高速戦闘を想定した連射と切り替えが可能だ。

 左腕にはディフェンスロッドを装備。実弾であれば弾く事ができ、装甲の薄さをカバーできる。

 近接用には大型アサルトブレードを装備。本当は高周波ブレードを装備させたかったんだけど過剰威力だったので除外した」

 

 

 うん……イナクトだ。肩と腰部のフライトユニットが大型化しているけど。あれ?丸みを帯びた全体的な構造はイナクトでフライトユニットはフラッグに近いな。え?この人実は転生者だったりしない?一から造り上げたってマジですか?

 

「いや〜、みんなこの機体を見ると辞退しちゃうんだよね〜、酷い話さ。で、アーリア。君は乗ってくれるかい?」

 

 答えはもちろん決まっている。

 

「私はーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 と言うわけで、アーリアの専用機はイナクトカスタムです。と言っても出番はとある事情で短いかもです。やりたい事の為の伏線のつもりですがうまく活かせるかどうか……。
 A評価って年どのくらいなんですかね?この作品では二〜三人という事にしてあります。
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