〈凍結〉えっ、転生特典?焼け野原ひろしですが?   作:雨漏り

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第六話 知識は別物、最適化

 

 

「アーリア。君は乗ってくれるかい?」

 

 主任とアンさんが期待するような目で此方を見てくる。

 

「私はテストパイロットになる為にここに来ました。答えはもう決まっています。これからよろしくお願いします」

 

 二人に頭を下げて改めて挨拶をする。

 

「いやっほぉぉぉぉお‼︎いや〜待ち焦がれた恋人の気持ちはこれなのかな、アン君⁉︎」

「恋人が出来た事のない私への当て付けですか、主任?」

「ハハハハ、僕も恋人がいた事はないから安心したまえ!」

「そう言う意味で言ったんじゃないですよ……」

 

 アンさん恋人出来た事ないんだ……。綺麗な人だと思うんだけど?

 

「そうだアーリア」

「はい」

 

 突然主任が話しかけてきた。

 

「学校でISについての勉強はどの辺りまで終わっているかな?」

「えーと、PICや絶対防御と言った初歩的な事は学びました」

 

 まだ四年生だし本格的に学ぶのは中学から、早くても六年生になってからって先生が言ってたからね。

 

「なら僕が教えた方が早そうだ。流石に知識も無くISに乗せるわけにはいかないからね。二ヶ月はかかるかなぁ〜。うん、早速始めよう」

 

 この日からISに乗る為の勉強が始まった。専門用語とか沢山あるから難しいだろうな〜、と思っていたけど、意外な事に主任の教え方が上手いから直ぐに覚える事が出来た。でも時々。

 

「で、ISコアは現在でも解析は不可能とされており、今のところ新しく造る事は出来ない。製作者の束博士も製造方法に関しては一切話さないみたいだからね。まぁ、僕の所にも解析するように命令が来たんだけど、一ヶ月で諦めたよ」

「諦めたのは政府ですよ。アーリアさん、主任がISコアを破壊しようとしたんですよ?信じられます?」

 

 ISコアを破壊……?

 

「はぁっ⁉︎ISコアを破壊⁉︎嘘でしょ⁉︎」

「おっ、化けの皮が剥がれてきたな。良い傾向だ」

「くっ」

 

 しまった⁉︎驚きのあまり素が出てしまった……。ISコアを破壊しようとするとか誰でも驚くよ‼︎

 

「そもそもISコアが何で出来ているかも分からないのに解析が進む訳が無いんだよ。それによく言うだろ?創造の前には破壊があるってさ。

 だから一度壊して成分を分析した方が早いかなって思ったんだけど周りに止められてしまってね」

 

 うん、普通は止められるよ……。

 

 

 

 

 

 てな感じで、とんでもな話が混ざっていた。で、主任に猫被ってた事がバレました。あの時の「大変そうだね」はお嬢様口調に対してだったみたいです。

 

「いや〜、君の見た目でお嬢様口調だったのが違和感凄くてねえ〜。俺っ子って言うのかな?君にピッタリだ」

「見た目で決めつけは良くない」

「ごめんごめん。で、あの時は何で焦ってたの?」

「なんでもねぇですよ」

 

 中身男だってバレたかも⁉︎なんて言える訳ないでしょうが。その後、お嬢様口調で話すたびに主任がニヤニヤしてきたので此処では素で話す事にしました。

 

 という感じで、平日は学校で授業を受けたりセシリア達と話したりして、休日は研究所でISについての勉強をしています。で、テストパイロットになった事をセシリアに話したら。

 

「私にもISについて教えて頂けませんか?」

 

 と言われたので主任に確認してみたら。

 

「セシリア……。あぁ、君に断られていたら呼んでみようと考えていた子だね。う〜ん、此処は関係者以外立ち入り禁止だからな〜。

 あ、君が教えてあげれば良いよ。誰かに教えるって事は復習にもなるしね。教材は貸してあげるからさ」

 

 との事だったので、放課後にお互い用事が無かった時に一時間勉強会を開く事になりました。セシリアには色々と良くして貰ってるから返す機会が出来て良かった……んだけどね、セシリアさん記憶力良過ぎなんですよ。そうだよね、IS学園首席入学してたもんね。追いつかれました……。

 

 で二ヶ月後、主任の作ったテストを受けました。

 

「アーリア、結果は七九点だ。八〇点は超えて欲しかったけど、まぁこれだけ覚えているなら実技に入って良さそうだね」

「本当ですか⁉︎」

 

 遂にISに乗れるのか!頑張った甲斐があった。

 

「んじゃ、早速実験用アリーナに行こうか。イナクトは既にアン君が運んであるからね。あっそうだ」

 

 そして、アリーナへと向かおうとした時。

 

「アリーナに行く前にISスーツに着替えて貰わないとね。アン君がいつくか置いておいたそうだから」

 

 ……そうだね、そうだったね。はぁ、着替えてくるか……。で、更衣室に行ったんだけど。

 

「タンクトップタイプとスパッツタイプあるじゃん‼︎」

 

 スク水タイプしかないと思っていた為歓喜していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせてすまなかったねアン君。アーリアも無事合格できたよ」

「アーリアさん、おめでとうございます。ISスーツはそのタイプにしたんですね」

「ありがとうございます、アンさん。他のはちょっと際どかったので……」

 

 これなら恥ずかしくは無いからね。でも、何でアンさんも着てるの?

 

「取り敢えずイナクトに搭乗しようか」

「はい」

 

 で、イナクトに乗り込もうとしたけど、直立状態の為乗り込めない。

 

「あ〜……アン君頼むよ」

 

 主任がそう言うとアンさんが少し離れたところに立ち。ISを展開した。

 

「えっ……?」

 

 呆然としてしまった。

 

「主任、伝えてなかったんですか?」

「アン君、言ってなかったのか?」

 

 聞いて無いですよ⁉︎えっ、アンさん専用機持ちなの?エリートじゃないですか!

 

「じゃあ改めて自己紹介するね〜。私は名前はアン・エルヴァスティ。IS研究所主任補佐 兼 代表候補生です。専用機はメイルシュトローム、イギリスの第二世代機だよ。よろしくね〜」

「という訳で、彼女が君の教官役だ。大船に乗ったつもりでいたまえ」

 

 駄目だ、理解が追いつかない。頭を抱えているとアンさんに持ち上げられた。所謂"お姫様抱っこ"で……。

 

「……アンさん。なんでこの持ち方を?」

「?なんとなくですね」

 

 目から光が消えてる気がする。そのままアンさんに運ばれてイナクトに乗り込む。

 

「さてと、ISの初期化と最適化を始めようか。取り敢えずハイパーセンサーからっと、ほい」

 

 瞬間、視野が広がった。

 

「ハイパーセンサーの調子はどうだい?」

「何ですかこれ?前見てるはずなのに周りの光景が分かるし細かいところまで見えるし、情報量多すぎませんか?」

 

 アニメで視野が広がるのは知ってるけど違和感凄い。

 

「起動しているみたいだね。アン君の話ではそのうち慣れるそうだよ。次は皮膜装甲(スキンバリア)推進機(スラスター)を起動させてっと。PICはオート制御にしてあるからね〜」

 

 今度は浮遊感が来た。この感じはあれだ。ジェットコースターでフワッてした時のあれと同じだ。

 

「じゃあ飛んでみよっか」

「えっ、もうですか?」

 

 歩行訓練からじゃないの?

 

「飛び回る事を前提に造った機体だからね。初期化する為のデータも飛行している時のを取りたいんだ」

「はぁ?そう言う事なら」

 

 確かにイナクトやフラッグは空中戦が基本だよね。設計が同じならアニメと同じ動きで飛べるかな?

 

「アン君、もしもの時は止めてあげてね」

「はい、併行して飛びますから安心してくださいね」

 

 どうやらアンさんが近くを飛んでくれるみたいだ。特典でサーシェスさんの技能貰ってるから多分大丈夫だよね?

 

「では、イナクト行きます」

 

 PICを起動させてゆっくりと飛び上がる……つもりだったんだけど。

 

「うおっ、おわっと」

 

 スラスターを吹かしたら一気に飛び上がってしまった。

 

ーー加速性能高過ぎない⁉︎

 

「大丈夫ですかぁ〜?」

 

 アンさんが後ろを飛んでいるみたいだけど返事をする余裕が無い。壁が迫ってきた為、機体を傾けながら旋回する。

 

「ハハハハッ、最速を目指したからね‼︎速いのは当然さ‼︎」

 

ーー笑ってる場合かぁ!

 

 その後もPICとスラスターを調整しながらアリーナ上空を旋回し続ける。五分くらい経った頃、調整方法が分かってきたので速度を緩めながら降下や上昇などを行う。

 

ーーあっ楽しい

 

 最初は焦ったが慣れてくると自由に空を飛べる感覚が楽しくなってきて、自然と口角が上がる。

 

「ははっ、はははハ!アはハハは‼︎」

 

「主任〜、アーリアさん高笑いしてますけど止めなくていいんですか〜?」

『まぁ、楽しそうだし良いんじゃない?それにイナクトを扱いきれてるみたいだし』

「アーリアさん、自覚ないかもですがかなり獰猛な笑みしてますよ?見てて怖いです」

 

 此処で改めて確認しよう。アーリアの容姿は女版サーシェスさんそのものである。では、そのアーリアの獰猛な笑みとは……。

 

 

 

 戦闘を楽しんでいる時のサーシェスさんと同じで合った。

 

「ハハハッハハハハァ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 




 おや?アーリアの様子が?はい、少し焼け野原化させました。
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