奏と海羅が音楽を聴き始めて、時間にして約2時間近く経過した。
「今の曲は、どうだったかな?」
「これと言って思うことはなかった、かな」
「そっか。」
こんなやりとりを繰り返していた。
だが、、その時間は海羅の凍てついた心を少しづつ溶かしていた。
(すごく、過ごしやすい。こんなことは初めてだな...)
(奏と音楽を聴いてると、少し楽...かな...)
対する奏も、普段とは違う感覚にとらわれていた。
(海羅に曲を聴いてもらった後だけ、どこかもどかしい...?)
(まふゆの時はこんなこと、なかったのにな)
(...海羅の事、救えてるのかな。)
「...ねぇ、海羅」
「なんだ?」
奏は思い切って聞くことにした。
「今、私の曲を聴いて、どんな感じ?」
「...ほかの曲とは違う、優しい曲だと思った。」
「奏の曲は、聴く人に寄り添っている感じがする。」
「それが、聴いてて心地いい」
「そっか。よかった。」
海羅の返答を聞いて、嬉しそうに奏は言う。
それだけでよかった。
だけど、海羅は。
(...ごめん。奏。)
ーフェニックスワンダーランドー
「...んで、司。なんで俺はショーの練習の手伝いをしてるんだ?」
海羅は司たち『ワンダーランズ・ショウタイム』の練習の手伝いをしていた。
「すまないな!うちの演出家が少々重いものを運んでいて遅れるそうなんだ!」
「あぁ、類か」
そんなくだらない会話をしながら準備を進める。
司は気を使ったのか、セカイで見た素の海羅については言及しなかった。
「つかさくーん!!」
「えむ、いきなり走らないで...」
しばらくしたら、ショーのメンバーと思われる女子が二人現れた。
「司...って、海羅先輩?」
「お、寧々か、よっ」
どうやら一人は後輩の草薙寧々だったようだ。
”笑顔”で挨拶しておく。
(...なんか隣のピンクの子が俺見たらおびえてるな...)
えむはいつも”笑ってるけど笑ってない先輩”と似たものを感じ、「ひっ」と声を出しおびえる。
「はじめまして。俺は中島海羅。司の親友だ!」
「ひぃっ!おおお鳳えむです...」
「よろしく。鳳さん」
「よろしくお願いしますぅ...」
(この人もなんか笑ってないよぉ...)
そんなこんなで類も合流し、ショーの練習が始まった。
司とえむの演技、類の演出、寧々の歌声。
すべてがかみ合っていた。
そんな4人を見て、少しだけ黒い感情が湧いてきたが、押し殺す。
「さぁ海羅!今の場面はどうだった!」
「あぁ、迫力があっていいと思った。」
「そうだろうそうだろう!さすが俺たt「海羅君に褒められるとなんだか照れくさいね、フフフ」類ぃ!!」
司はセリフを遮られ怒っていたが完璧にスルーされた。合掌。
(この4人にはこの4人でしか成せないものがある、か。)
(俺には持ってないものをたくさん持ってる。)
少しだが、明確なナニカがわかった気がした。
そうやって意見交換をしながら練習をして、終了の時間になった。
「海羅!今日はありがとう!海羅の意見、参考になった!」
「ならよかった、俺にできることあればまた呼んでくれ。」
拭えない不安を残し、フェニックスワンダーランドを後にした。
帰り道で、久々に歌おうかとも考えていると、
「あ、海羅」「奏?」
奏に声をかけられた。珍しい。
「奏から声をかけるなんて珍しいな、どうした?」
次に紡がれた言葉は、海羅に多少なりとも衝撃を与えた。
「今日、私の家に来てくれない?」
「え?」
誤字報告お待ちしてます!
恋愛は誰にする?(一応NL基本として考えてます)
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奏
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まふゆ
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絵名
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瑞希