ゴールドシップとの3年間 in アオハル杯   作:あぬびすびすこ

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 クラシックの夏合宿!


15、夏合宿 上

 ついに夏合宿がやってきた。

 俺とゴールドシップは今か今かと楽しみに待っていたので、そこそこテンションが高い。

 何故なら海や砂浜などでいつも以上のトレーニングをすることが可能だからだ。

 それに休憩やオフの日のリフレッシュもすぐにできる。いいことづくめだな。

 ゴールドシップは遊ぶ気満々だからウキウキしているんだけども。

 

「おめーら、それでアタシと戦うつもりかー?」

「ふっふっふ! 今日の私は大吉を超えた超吉! 負けることなどありえないのです!」

「ど、どうしよう……やめようかな……」

「山札の枚数と表示されているカードのデータを確認。降りません」

 

 誰もがやや興奮気味の中、一番後ろの座席にいるゴールドシップたちはインディアンポーカーで盛り上がっていた。

 賭けているのは持ってきたお菓子だ。統一感が全くないけどいいのだろうか。

 

 ゴールドシップは自信満々に話しているが、トランプはハートの3。弱い。

 フクキタルは来ていると言っているがクラブの10。そこそこの強さ。

 ライスはおどおどして困っているけどスペードのKを引いている。一番強い。

 ブルボンは勝ち目があると自信満々に言っているが、最弱のクラブの2。うーん、エラー起きてない?

 

 あまりに盛り上がっているせいで後ろの方にいるウマ娘はみんな見ている。

 このバスの引率をしているヒシアマゾンもやれやれと苦笑いだ。

 

「フッ、いいぜ、勝負だ! フォールド」

「いや降りるのかよ!」

「理に適ってるけどね」

 

 気合十分で降りたゴールドシップ。

 思わずトーセンジョーダンがツッコんだ。ノリがいい娘だなぁ。

 隣で見ていたゴールドシチーも穏やかに見ている。案外こういうノリを楽しむタイプらしい。

 

「私はレイズしますよ~! 大福2個です!」

「ワオ! 勝負にいきマシタネ!」

「今の私は負けるわけがありませんからね!」

 

 フクキタルは自信満々にレイズしている。スペードのKを見てレイズは強気すぎない?

 ただ、この勢いでライスがフォールドすればフクキタルの勝利だが、果たして。

 

「大福さんが2つ……よ、よーし! ライス、頑張るよ! おまんじゅうを2つ!」

「コール、にんじんチップス1袋です」

「全員強気じゃねーか! おもしれーことになってきたぜ!」

 

 今一お菓子のレートがわからないが、にんじんチップスは大福2個分の価値があるらしい。

 

「いざ、オープン!」

「えい! や、やったぁ! ライスが勝ったよ!」

「いぎゃあ~~~!!! シラオキ様、何故ぇ~~~!」

「敗北を確認。情報にエラーがありました。再戦を希望します」

 

 ライスが大福2個とにんじんチップス1つを手に入れてホクホク顔だ。

 一方フクキタルは頭を抱えて叫び、ブルボンは若干掛かっているのか素早くトランプを混ぜて差し出し再戦を希望している。

 

「はしゃぎすぎないようにね! 合宿所につく前に疲れても知らないよ!」

 

 ヒシアマゾンに忠告されるが、へーいと空返事。

 ゴールドシップは連続出走しているから数日オフの予定だからね、好きにはしゃいでもいいから特に何も言わないのだ。

 

「せーの、ホイ! うっし、こいつは勝ちだな!」

「なんの! 次こそは私の勝ちですよ! 今回はみなさんに勝てますよ!」

「そ、そうなの!? でも、ライスもみんなに勝てると思うんだけど……」

「状況を確認。90%以上の確率で勝利。コールを宣言します」

 

 ゴールドシップ以外全員最弱の2を引いて笑いを我慢する周囲。

 楽しい夏合宿になりそうだなぁと思うのであった。

 

 

 

 

 

   ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

「輝くサン! 広がるオーシャン! そして金銀財宝の眠るビーチ! ゴルゴル探検隊、出動じゃーい!」

 

 サングラスをかけて水着を着用したゴールドシップが砂浜を駆けまわっている間にトレーニングの用意をする。

 3日ほどゴールドシップを含めチーム<STAY GOLD>のみんなにはたくさん遊んでもらったからね。

 気持ちがリフレッシュできただろうから、しっかり走ってもらうぞ。

 

「おはようございます、トレーナーさん」

「トレーナーさん、何を出してるんデスカ?」

 

 タイキが不思議そうに首を傾げた。

 これだよと見せるが、何かわからないのかワッツ? と腕を組み半目で見つめてくる。

 スズカは荷物が大きいからか手伝いますかと聞いてくれる。ありがたいけどこれは俺の仕事だからね。

 

「それってゴザですか?」

「いっぱい巻いてあるね」

「なになにー? ござる? ニンニン!」

「う、うわああぁぁぁーーー!?」

 

 フクキタルが正解。ウララのもまあ、正解かな?

 そう、これはゴザだ。ライスの言う通り、かなりの長さがある特注品。

 なんと100m! 結構重くてヨロヨロしながら運んでいる。

 ゴールドシップのはしゃぎで鍛えられているとはいえ、流石にこの大きさだとね。

 

 誰も吹き飛んだデジタルにツッコまない中、ゴールドシップを呼び戻して準備を始める。

 探検で集めてもらったなんとなくいい感じの木の棒で砂浜に端を固定する。

 そして泳ぎながらござを展開していくというわけだ。

 

「ねえちょっとゴルシ。アレ何?」

「あ? 見りゃわかんだろ」

「見てもわかんねーよ!」

 

 遠くでジョーダンとゴールドシップが口論しているのが見える。

 仲がいいんだか悪いんだか。いつもケンカしているように見えてお互いを意識し合ってたりするからなぁ。

 

 全て展開したところで重りを使い、端を固定。

 これで準備できた。急いでみんなのところに戻る。

 

「つーかアレ、ゴルシのトレーナーっしょ。ヒトであんだけ泳げんのヤバくない?」

「トレーナーさんはゴールドシップさんに鍛えられてますからね~」

「よう、こっちに来たぜ……なにやってんだアンタ」

 

 こちらに合流してきたナカヤマ。フラッシュやファル子たちは担当トレーナーとのトレーニングだ。

 丁度海から上がったところで合流したせいか疑惑の視線を浴びている。

 いや、遊んでるわけじゃないからね。

 

 これをやりますとござを指さす。

 みんなが不思議そうにしているので、ゴールドシップを呼んで一声。

 

 ――GO!

 

「おっしぇーい! 見てろよ、ゴルシちゃんのカイツブリみてーな美しい舞をよ!」

 

 砂を巻き上げながら走っていき、そのままゴザの上に着地。

 そして海に沈む前に進んでいくことで水上を走る。

 つまり、これは水上ゴザ走りトレーニングッ!

 

「うそでしょ……」

「うわっ、ヤバ! マジで海の上走ってんじゃん! 動画撮るわ」

 

 ジョーダンが驚きながらも携帯を取り出してゴールドシップの動画を撮影する。

 他のみんなもぽかんと口を開けてみているが、この後みんなやるんだからね?

 

「ジャパニーズニンジャ! とっても面白そうデス!」

「これをやるんですか!? むむむ、中々難しそうですね~」

「脚の回転を速くすればいいのかな……ウララちゃんが得意そうだね」

「うらら~! って走ればいいんだね! よーし、次はわたしが行くよ!」

「なんという芸術的な走り……ッ! あたしも動画撮っていいですか!?」

 

 タイキ達は一緒にトレーニングしている時間が長いからか順応が早い。

 対して常識人のスズカや日が浅いナカヤマは完全に困惑している。

 

「おい……これはトレーニングになるんだろうな?」

 

 ナカヤマはあごをしゃくってじっとり睨んでくる。まあ、見た目はね、うん。

 これは体幹を鍛えるのと、脚の回転を速くするトレーニングだよと説明する。

 

「脚の回転?」

 

 着地した時に沈むござを蹴り上げて走らなきゃいけないけど、反発が全くない。

 だから、普通に走るのではなくピッチ走法みたいに細かく勢いをつけて走らないと沈んでしまうのだ。

 結果として水上が走れるようになれば脚の回転が自然と速くなるし、不安定な足場で走るから体幹も鍛えられる。

 それに水上だから、足首とかが危なければ海に落ちるという回避手段もあるし。

 

「……なるほどな。相変わらずヘンなことばっかり考える」

「でもおもしれーだろ? ナカヤマもやってみろよな!」

 

 何事もなく往復して帰ってきたゴールドシップがそう声掛けをする。

 遠くではウララがわー! と言って海に落ちていた。

 結構難しいからね、アレ。

 

「結構難易度高いからよ、ナカヤマでもクリアできねーかもしれねーけど」

「クク、挑発か? いいぜ、乗ってやろうじゃないか」

 

 ニット帽を外してござに向かっていくナカヤマ。

 それを応援しているタイキやジョーダンたち。

 

 有意義なトレーニングになりそうだ。

 バランスを崩して転落するナカヤマを見てそう思うのだった。




 というわけで水上ゴザ走りでした。

 ゴールドシップはクラシック級だと皐月賞と宝塚記念のみの出走です。
 日本ダービーは走ってないのです……。
 何故かというと、アオハル杯やるとあんまり余計なレース出れないですからね!
 そこも反映させてるということです。
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