ゴールドシップとの3年間 in アオハル杯   作:あぬびすびすこ

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 チームのメンバーを紹介するぜ!


3,メンバー集合!

「アオハル杯で樫本代理の育てたチームに勝利、ですか……」

 

 うぅんと声を漏らしながら、たづなさんは悩まし気に俯く。

 樫本代理による話はこうだ。

 

「アオハル杯の廃止は延期、それに伴い管理教育プログラムもアオハル杯の廃止までは施行しません」

「代わりに私が徹底管理の方針で育てたチーム<ファースト>にアオハル杯で勝利してください。阻止できれば管理プログラムは行わず、自由な校風のままでいいでしょう」

 

 つまり、アオハル杯で代理が勝てば、自分の方針が正しい。負ければ自由な方針が正しい。

 そういうことだろう。結果で証明するというのはなんともウマ娘らしいということで、動揺や不安こそあれおおむね受け入れられた。

 臨機応変に対応する人だなぁと思ったよ。有無を言わせず強制させるタイプだと思ってたから。

 

「チーム<ファースト>……集められたウマ娘は、精鋭ぞろいです」

 

 たづなさんの言う通り、徹底管理の方針に賛同したウマ娘たちは、素質あるウマ娘ばかりだった。

 特に注目を集めたのは2人。

 1人は『ド根性』が口癖の怪力ウマ娘、ビターグラッセ。

 もう1人は類まれな肺活量を持つウマ娘、リトルココン。

 

 2人とも既に様々なトレーナーから注目を浴びていたウマ娘だ。

 彼女たちを筆頭に集められた精鋭15人と勝負して勝つ。それは並の力では到底太刀打ちできないだろう。

 

「秋川理事長が出張に行ってから混乱続きですね……トレーナーさん、申し訳ありません」

 

 たづなさんのせいじゃないですから! 頭を下げるたづなさんに慌てて声をかけ、頭を上げてもらう。

 そういえば理事長はどうなんだろうか。帰ってきてくれればどうにかなりそうなものだけど。

 

「理事長は今手が離せないとかで、しばらくは戻ってこれないそうなんです」

 

 ううむ。つまり、俺たちが樫本代理に勝たなければ徹底管理の方針に決まってしまうということか……。

 

「ええ。ただ、その……お話したところ、そう焦る事でもないと……」

 

 考えこむ仕草を見せて首を傾げるたづなさん。

 理事長だったら憤慨! 言語道断だ! とか言って取りやめそうなものだが……何か考えがあるんだろうか。

 

 とりあえず、俺は俺のできることをしよう。幸い、担当しているゴールドシップをリーダーとして自由な方針で鍛えるチームができあがりつつある。

 理事長室へ飛び込んだタイキシャトルたちも合流してくれるらしいからな。今は彼女たちとトレーニングしていこう。

 なんてったってゴールドシップとハルウララ以外はGⅠウマ娘! 期待できるだろうからな。

 

「あんまり大きな声では言えませんが……勝ってくださいね、トレーナーさん」

 

 たづなさんが優し気な表情で俺を見つめる。

 

「確かに、管理は必要です。管理不足でケガや病気なんて絶対にあってはいけません」

 

 両手の指で×を作り、真剣な表情で俺に見せてくる。

 1つ頷くと、たづなさんも頷いた。

 

「しかし、ただ抑え込むだけという強引なやり方は賛成しかねます。私は……みんながのびのびとしているトレセン学園の方が好きなんです」

 

 そう言って笑うたづなさん。

 ――俺もそっちのほうが好きです。だからここにきたんだから。

 笑って話すと、笑い返してくれた。

 

 チームを結成させて、目指せチーム<ファースト>だ!

 たづなさんと2人でおー! と片手をあげるのだった。

 

 

 

 

 

   ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 ゴールドシップに呼ばれて練習場に行くと、タイキシャトルやマチカネフクキタルなどウマ娘たちが待っていた。

 

「言ってた通り集めといたぜ!」

「ハイ! トレーナーさん!」

 

 タイキシャトルがニコニコ笑って手を振ってくる。

 俺も手を振り返しながら、その場にいたメンバーを見回す。

 

 あの時一緒に来ていたタイキシャトル、マチカネフクキタル、ライスシャワー、ハルウララの4人。

 そして、ゴールドシップたちが見つけてきただろうウマ娘が2人。

 

「あの、帰ってもいいでしょうか……?」

「いやいや、待ってくださいスズカさん! これは学園の危機なんですよ!?」

 

 1人はサイレンススズカ。言わずと知れた最強の逃げウマ娘だ。

 天皇賞秋に故障してから長い期間リハビリをして、ようやく復帰できそうだと先輩から聞いていたけど。

 マックイーンが話していたリハビリにアオハル杯を使うというやつで許可されたのだろうか。

 

「はぁ~~~! ウマ娘ちゃんのハーレム! しかもサイレンススズカさんタイキシャトルさんマチカネフクキタルさんの同期組っ! かァーーー! うらやま! トレーナーになりたい~~~!!!」

 

 もう1人がアグネスデジタルだ。芝もダートも走れるオールラウンダーで、芝とダートのGⅠを交互に出走するという変態じみたローテで誰もが度肝を抜かれた。

 全員が不思議そうに見ているしゴールドシップもなんでいるんだと首を傾げている。

 え、みんな知らないってどういうことなの……?

 

「あ! あたしのことは気にしないでください! 魂を洗浄しているのです!」

 

 えぇ……? 思わず困惑してしまう。

 

「トレーナー、デジタルは真のやべーやつだから深く考えないほうがいいぜ」

 

 ゴールドシップがそっと隣に来てそう話す。

 この芦毛の破天荒にやべーやつ扱いされるウマ娘は世界中探してもこの子ぐらいしかいないんじゃないだろうか。

 というかただのウマ娘オタクなだけなのでは……? 知り合いに同じようなワードセンスのヤツいるし。

 

 ところでデジタルは俺たちのチームに入ってくれるのか?

 そう聞いてみると、驚いた様子で俺を見た。

 

「はぇ? あたしがですか?」

 

 一応ここにいるのはアオハル杯のチームメンバーとして集まってもらったメンバーなんだと話すと、アグネスデジタルはなるほど! と頷く。

 後ろでサイレンススズカが聞いてない……と言っているがそれはさておき。

 

「デジタルさん! 是非ご協力を! あなたのような変態的に走れるウマ娘は貴重なのです!」

「オウ! デジタルはヘンタイなんデスネ!」

「2人とも、すごく語弊があると思うんだけど……」

「ひょえーー! デジたんは好きで走っただけなのにそんなお褒めいただけるなんてーっ!」

「嘘でしょ……喜んでる……」

 

 変態と言われて喜ぶデジタルに困惑するサイレンススズカ。

 わたわた慌てたり叫んだりするデジタルをなんとかなだめて、再度チームに入ってくれるのか聞いてみる。

 

「でも、あたし平凡なウマ娘ですし、あんまり役に立たないと思いますよ?」

「うるせぇ! やるぞオラァ!」

「ひえええぇぇーーー!? こ、これがゴールドシップさんの俵担ぎっ! 凄い! でもお触り厳禁なんですよぉ~!?」

 

 ゴールドシップがアグネスデジタルを担ぎ上げて何故かコースを走り出した。

 それに乗じてフクキタルも一緒に戦いましょう~~! と走り出し、ハルウララも楽しそう! と駆け出し。

 タイキシャトルもドウアゲというやつデスネ! と追いかけ、残ったのは困惑するサイレンススズカと慌てるライスシャワーの2人。

 

「ど、どうしよう……! ライスも追いかけたほうがいいのかな……」

 

 俺と走っているゴールドシップたちを交互に見て、どうしようどうしようと半泣きになりながら慌てている。

 迷っちゃうなら楽しくなるほうを選べばいいよと話すと、え? と視線を向けてきた。

 

 ゴールドシップたちを指さして、みんな楽しそうだろうと言うと頷かれる。

 俺は楽しく走ってもらいたいからチーム<ファースト>に勝って自由な方針を守りたいんだ。ライスシャワーもそう思ってこのチームに来てくれたんだから、楽しい時間になるようにすればいいんだよ。

 そう話すと、少しだけ驚いた様子で俺を見て、ゴールドシップたちを見る。

 そして、ぐっと拳を握って決意し、みんなのところまで走っていった。

 

「……トレーナーさんって、新人ですよね?」

 

 そうだよと答えると首を傾げられたが、微笑んで目を細める。

 

「トレーナーさんの寄り添いかた、とてもいいと思います」

 

 急に褒められて少し驚くが、とりあえずありがとうと感謝を伝える。

 じゃあチームに入ってもらえるかなと言うと、考えておきますねと笑って答えてくれた。

 

「ところで、チーム名はなんて言うんですか?」

 

 あ、と声を漏らす。

 そういえば、チーム名考えてなかった。

 思わず目を見合わせて、どうしようかと考えるのであった。




 というわけで、暫定メンバーはこんな感じです。
・ゴールドシップ(リーダー)
・タイキシャトル
・マチカネフクキタル
・ライスシャワー
・ハルウララ
・サイレンススズカ(予定)
・アグネスデジタル(?)

 長距離の層が厚すぎる
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