ゴールドシップとの3年間 in アオハル杯   作:あぬびすびすこ

39 / 50
 決勝まであとわずか


39、最後のミーティング

 チーム<STAY GOLD>の部室にて。

 メンバー全員を呼び出し、アオハル杯最後のミーティングを開始することになった。

 

 次戦はアオハル杯決勝。ついにランク1位、チーム<ファースト>との決戦となる。

 以前はトレーニング量とそれに伴う圧倒的な実力で勝ち続けていたが、今回は前回までのデータを参考にはできないだろう。

 今の彼女たちは覚悟や想いが全く違う。より強固で本気。必ず勝って代理のトラウマをぶち壊してやるという気迫があるのだ。

 

 しかし俺たちとて負ける気はない。

 代理のことは心配ではあるが、だからといってチーム<ファースト>を勝たせてあげるというのはおかしいだろうから。

 

「では第5回バクシンゴルシンミーティング with パパイヤを開始します。書記は私、ミホノブルボンが行います」

「おおッ! バクシン的なミーティングですね!!!」

「パパイヤはどこかにあるのだ?」

 

 タイトルはゴールドシップが考えたので意味や理由は割愛。

 まずは部門別に誰が走るのかを決めるんだが……今回はほぼ決まっている。

 

「ワタシがリーダーデス!」

「今回はタイキさんに譲りましょう! 優等生ですからね!」

「2人がいるなら安心だぞ!」

 

 前から思っていたが、短距離は正直どのチームを見ても最強の面子だといっても過言ではない。

 タイキシャトル、サクラバクシンオー、ビコーペガサス。スプリント路線で1、2を争うほどの強者たちだ。

 この部門は何も心配はいらないなと思ってしまうぐらいの実力を持っているからな。

 

「私がリーダーです。レース中の通信を聞き逃さないようにしてください」

「通信……?」

「アッ! メカジョークですね!? まさかこんなところで聞けるなんて!!」

 

 マイルも前回同様にブルボン、デジタル。そしてシチー。

 ブルボンのハイペースに根性でついていくシチーと、そこから大外ぶん回して差しにいけるデジタルの相性はかなりイイ。

 メカ、モデル、勇者と不思議なパーティなこともあってか、外部のファンから受けがいいと聞いたこともある。

 

「わたしがリーダーだよ! 今回は勝っちゃうからね!」

「ファル子もウララちゃんも、ウインディさんもみーんなセンターだよ☆」

「ウインディちゃんはアイドルじゃないのだ!」

 

 ダートも言わずもがな。ウララにファルコン、ウインディ。

 ファルコンの大逃げとウインディの立ち回りでレース全体を荒らしまくっていたが、今回ばかりはウララにがんばってもらうつもりだ。

 今までもがんばってきたけどね。

 

「私がリーダーになると大吉をはるかに凌駕する超吉になると占いに出ています!!! これは勝ちましたね!」

「フクちゃんマ!? 激アツじゃん! マジ後でその占い教えろし!」

「救いはあるんですねぇ~……」

 

 中距離はフクキタル、ジョーダン、そしてドトウ。

 先行と差しという王道の走りを得意とする3人。ジョーダンはハナをとったら尋常じゃないぐらい粘るし、ドトウはオペラオー以外には絶対に負けないという気迫で譲らない根性タイプ。

 フクキタルだけは尋常じゃない爆発力で一気に抜き去る末脚タイプと実にバランスがいい。キャラのバランスもいいのか、仲良く話すところを見かける。

 

 そして長距離。

 ゴールドシップとライス、そしてオペラオーの3人。

 全員が長距離に強いステイヤーだ。ゴールドシップは得意なわけじゃないけど。

 今まではゴールドシップがリーダーとしてやってきたのだが、今回は少し違うようで。

 

「ライス、おめーがリーダーな。アタシはスルメ食ってるから」

「え、えぇ~~!? ライスが……!?」

「おや! スタァの座を明け渡すなんて珍しいね、ゴルシさん!」

 

 ゴールドシップはライスにリーダーをやってほしいみたいだ。

 

「あん? オペラオーよお、このスーパースターウマ娘ことゴールドシップ様がリーダーじゃねーぐらいで輝かないわけねーだろ!」

「確かにその通りだよ! 本物のウマ娘の輝きは、どこにいても決して失われるものではない! そう、このボクのように!」

 

 2人でバァーンとポーズを取る。いつものことだからか誰も気にしていない。

 

「あの、お兄さま……ライスがリーダーで、大丈夫かな?」

 

 おずおずとライスが聞いてくる。

 別にいいんじゃないだろうか。正直ライスもオペラオーもリーダーの素質あるし。

 作戦を確実に遂行して勝ちに行けるなら、みんなヒーローなんだから。

 

「ライスが、ヒーロー……」

 

 少し考えこむように、きゅっと拳を握り俯く。

 後方のブルボンが訳知り顔でうんうん頷いている。出会ってから一番感情が出ている気がするな。

 

「うん……ライス、やってみる……!」

「うっし! 決まりだな!」

「確認作業でしたけどね~。7月の段階で決まってましたから」

 

 フクキタルの言う通り、もうすでに誰がどこに出るかは決まっていた。

 じゃないと決勝までに作戦だとかチームワークとかの調整ができないし。

 半年間かけて、対チーム<ファースト>用に鍛え抜いたのだ。負けるつもりはない。

 

 何故<ファースト>だけに視野を向けているのかというと、決勝戦は今までのランク戦とは違い、1対1だからだ。

 チーム<STAY GOLD>とチーム<ファースト>の一騎打ち。それで優勝と準優勝を決めるわけだ。

 ただ、6人立てだとレースとして張りがなく、ウマ娘たちも走りにくいらしい。なので、他に6人のウマ娘が協力して走ってくれる。

 

 結果としてはいつもの通り、12人立て。3vs3vs6という特殊なルールではあるが、アオハル杯は元々こんなルールなのだとか。

 元々プレシーズン戦も2チームと6人で勝負するのが普通だったけど、参加チームが思いのほか多かったので4チームで戦っていただけだ。

 決勝戦で1勝1敗3分で3チーム同率優勝とかになったら走ってる方も見てる方もおもしろくないだろうからな。決勝はどこも2チームと6人で走ることになっている。

 

「プレシーズンで全勝できてよかったですね~! 負けてたらチーム<ファースト>と戦えるかどうかでしたから」

「なんでだ? もともと勝負するって決めてたんじゃないのだ?」

「ランク1位のチームとランク下位のチームが決勝で戦うことで、観客や参加しているウマ娘のみなさんがステータス『不満』になる可能性が高いと予測します」

 

 そう、もともとお互いに決勝で戦おうみたいな空気感で走っていたが、どちらかが1度でも負けていたら全てご破算だ。

 というかチーム<ファースト>が負けたらその時点で管理主義の敗北なわけで。彼女たちは最初からずっと背水の陣だったわけだな。

 

「負けても何とかなっただろうけどな。アタシら学園の代表みてーなとこあったからよ」

「確かにそうだね。ゴルシさんやタイキさんたちは、アオハル杯でチーム<ファースト>に唯一対抗するチームという認識だよ」

 

 世論というか雰囲気で、最終的にはぶつかることになっただろうとは思う。

 たとえプレシーズン4戦目で敗北してランクが7位とかになったとしてもね。

 

「ライスたちが代表なんだね」

「わたしもだいひょーだよ! みんなお揃いだね!」

「キョェェエエエエエッッ!!!!」

「はわわぁー……! す、救いは~……」

 

 ウララのらんらんとした笑顔でデジタルが吹き飛んだ。ドトウがものすごく困っているが、もう毎回だから誰も気にしてない。

 

 最初は管理主義に反対して、樫本代理に勝つことで管理主義を止めるためのチームだった。

 そこから代理やチーム<ファースト>と戦って、チーム内でのいざこざもあって。

 すべてみんなで乗り越えて成長してここまでやってきたんだ。絶対に勝とう!

 

「「「はい!」」」

 

 みんなで改めて気合をいれる。チーム<STAY GOLD>全員で頑張るぞ!




短距離:タイキシャトル・サクラバクシンオー・ビコーペガサス
マイル:ミホノブルボン・アグネスデジタル・ゴールドシチー
中距離:マチカネフクキタル・トーセンジョーダン・メイショウドトウ
長距離:ゴールドシップ・ライスシャワー・テイエムオペラオー
ダート:ハルウララ・スマートファルコン・シンコウウインディ

 最初に読んだ時の予想は当たりましたでしょうか
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。