「何でマクロスがないんだ!」少年はそう叫んだ   作:カフェイン中毒

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原作合流!フェリーニさんがガンプラバーにいたのって一足先に予選を勝ち抜いたってことなんですかね?パねえ


ラルさんって実際何者なんだろう

 ツムギが無事日本代表決定予選の第一ブロックを勝ち抜いて代表者になることができたその翌日。帰ってきた俺たちは学校の一部で噂の的になっていた。聖鳳学園は模型部に全国大会出場者であるタツヤさんがいるからか他の学校に比べてガンプラへの注目度が高い気がする。それがわざわざ東北に行って一番に代表者になってきたならなおさら。

 

 「ね、イロハさんどうだった!?」

 

 「…うぇ、えーと…」

 

 「勝ったんだよな!?あの「疾風」に!」

 

 「…うん、でも…えーと…」

 

 「なあ、どうだったんだ!?」

 

 「…あわわ、はわわ…」

 

 「あー!こらー!ツムギちゃんをいじめるなー!しっ!しっ!」

 

 「うわっスズカゼっ!?いじめてねーよ!」

 

 「ただ大会の事を聞きたいだけ…ぬわーっ!?」

 

 「シャーッ!!」

 

 猫みたいだなヒマリのやつ。昼を一緒に食おうかとヒマリ達のクラスに顔を出したのだけどそこには天敵に囲まれたハムスターのごとく縮こまって震えるツムギとそれを取り囲む男子たち、威嚇して追い払うヒマリとその他女子という構図が広がっていた。ふるふると震えるツムギが俺を見つけた瞬間にガバッと立ち上がって俺の後ろまで走って隠れてしまった。うーん、この。とりあえず文句の一言でも言っておくか

 

 「俺のパートナーいじめるのやめてくんない?」

 

 「…パートナー、えへへ…」

 

 「アルトくん…」

 

 「けっお姫様の登場だぜ」

 

 「いじめてないから!ちげーから!」

 

 「あーはいはい。割とこの顔気に入ってるからそれは悪口にはいんねーぞ。選手権の事聞きてーなら俺が話してやるよ。こいつ結構人見知りなんだ、許してやってくれ」

 

 「いや、俺も悪かった。興奮しちまって…」

 

 「あ、ああ、すまん」

 

 「…だいじょぶ」

 

 そう言ってバツの悪い顔をした男子たちは各々散っていった。学校に来るとびっくりしたよ。昨日の今日で選手権の話題で持ちきりだったんだから。特に決勝の戦いは生中継されてたらしくて見た奴、つまり次の第二ブロックかセイたちが参加する第三ブロックに参加しようとしてたやつらは大体見てたらしい。もちろんタツヤさんも。決勝後、ツムギを送った後にメールが来たからな。文面から分かったけど凄い燃え上がってた。火をつけたなこれは。セイも電話をくれたし、何だったら帰ってすぐイオリ模型でツムギおめでとうパーティーしたし。その時はいたレイジの食いっぷりには圧倒されたよ。

 

 「大丈夫か?」

 

 「…うん、大丈夫。今日、すごい話しかけられる。疲れた」

 

 「アルトくんナイスタイミングだよ~。もしかして狙った?」

 

 「タイミング図るくらいならさっさと乱入して助けたほうがいいだろ」

 

 「だよね~」

 

 購買に行ったセイと合流するため、俺たちは教室を出て廊下を歩いていくのだった。今日はなんか知らんけどラルさんに呼び出されてるし、いろいろやることあるなー。ヅダ・マクロスパックも完成間近だし忙しくなりそうだ。でもそれって嫌な忙しさじゃなくて、やりたくなってくるいい忙しさなんだよな

 

 

 

 「あ、どうもラルさん。昨日はありがとうございました」

 

 「気にすることはない。イオリ模型には世話になっておるし、君の行く末にも興味があるからな」

 

 日も暮れた夜、俺の姿は商店街のとある一角にあった。シャッターが締められほぼ無音の中、街頭の下で待っていたラルさんと合流する。夜に出かけるということに難色を示されたけど、呼んだ相手がラルさんだと知った瞬間に父さんが許可を出してくれた。なんでも知り合いなのだとか。大尉ってまさにランバ・ラル…ということは置いといて。

 

 「どこに行くんですか?機体も持って来いって…あと素組みのガンプラも。練習のために素組みしたのがありましたし…塗装してないですよ?」

 

 「まあとりあえず待て、もう一人来る」

 

 「もう一人?」

 

 俺が疑問符を浮かべるのを後目にラルさんはまだ待つつもりのようだ。俺も彼にならって暫く雑談しつつ待ってると、夜の闇の中から赤い髪が特徴的な…レイジじゃねえか!?えっ何この組み合わせ…彼も俺に気づいたのか片眉をあげてから手をあげて挨拶してくる

 

 「よっ。おっさんにアルト」

 

 「遅刻だぞレイジ少年」

 

 「わりーわりー、まだこの世界に慣れてなくてよ。んでもよ、なんでアルトがここにいるんだ?こいつ確かセイと同じ側だったはずだろ?」

 

 「彼は優秀なファイターでもある。大会に出てないだけでな」

 

 「ルールが変わってな~。俺の機体じゃ大会に出られませーんってやつだ。だもんでサポート側に回ることにした」

 

 「ふ~ん…で、おっさん。もう昼みてーのは勘弁してくれよ」

 

 3人そろって雑談しながら夜の商店街を歩いていく。ラルさん曰く目的地はすぐだそうなのだがどこへ行くかを知らされてないのでよくわかんないや。つーかなんでレイジ?俺とそんなに接点ないんだけど。親友の友達とかいう微妙なラインよ?悪いやつじゃないことはセイを見ててよくわかるんだけど。と考えてるとラルさんが止まった。止まった場所は…半地下のバー?これ未成年の俺たちが入っていいやつ?

 

 「このバーはプラフスキー粒子発見前からガンプラに魅せられた古強者が集うバーだ。レイジ少年、君の求める相手と出会えるだろう」

 

 「へー…」

 

 なるほど、ガンプラバー…いわゆるガンプラバトルとお酒が同時に楽しめる形態の店だ。PPSEのサポート範囲外の店であるため実費か中古でバトルシステムを購入する必要があるので、儲かってる証拠でもある。つまるところ、老舗というやつだろう。

 

 ラルさんに促されて中に入るとやはりと言わんばかりに数台のGPベースがフル稼働していた。つーか中にいる人濃いな!?全員ジオン軍の制服とか整備兵だとかそういうコスプレをしている。違うのは老年のバーのマスターくらいだ。彼らは入ってきた俺たちを一瞥し、ラルさんを確認した瞬間すぐさまシステムを終了して駆け寄って挨拶してくる。やっぱりラルさんって何者だ!?

 

 「「「「「ジーク!ジオン!ジーク!ジオン!」」」」」

 

 「なんだこれ…」

 

 「ここでの挨拶だ。すまないな、騒がせて」

 

 「大尉!久しぶりに出撃ですか!?ってそこの子、見たことあるような…」

 

 「いや、私でもこの子でもない。赤毛の彼だ。見どころがある。相手をしてやってほしい」

 

 「彼が…いや、大尉の推薦だ。君、ガンプラ歴は?」

 

 「始めて2週間くらい」

 

 「…スペシャルか?どうだ、一戦?」

 

 「おっもしれえ、やってやる!…けどなんも持ってねえ」

 

 「問題ない。マスター、彼に機体を」

 

 あーあーさっそくとばかりに…って俺に頼むんじゃないの?レイジのために素組みガンプラを持ってこさせたんだと思ってたんだけど…で、マスターさんが持ってきたのは…ボールゥ!?完成度がめっちゃ高いボールだけどこれでモビルスーツ戦はちょっときついんじゃない?でもレイジはやる気満々でボールをひっつかんでバトルシステムに意気揚々と歩き出した。うっわーすげえ自信…俺ボールだったら即撃墜されそうだけど…

 

 

 「つ、強い…」

 

 「へっ、口ほどにもないぜ!おいおっさん、これで終わりか?」

 

 「よくやる。何か気づいたことは?」

 

 「二つある。一つはセイのガンプラがとんでもねーってことと、ここにいるやつらが期待外れだってーことだ!」

 

 「おーいレイジ、少しは年上への敬意というものをだな」

 

 「いらねーだろ。こんな勝負事にのめり込んでる奴なんて特にな!強いか弱いか、そうだろ?」

 

 否定できねーんだよなそれは。ガンプラで勝負する以上本当に弱肉強食なんだ。GPベースの上では平等だ。あるのは勝つか負けるかだから、高ぶって敬語なんか話せないし。けど言われた方は腹立つんだよなーそれ。ほら、負けた人たちが5人そろって勝負を挑もうとしている。流石にアレだと思ったので俺も参戦しようとケースを手にする

 

 「手ぇ出すんじゃねえぞアルトォ!」

 

 「えー…」

 

 機先を制されてしまったのでケースから手を放す。あのーGPベースを前にしたうえさんざんっぱらバトル見せられた俺としてはいい加減我慢の限界なんですが?おら飛ばせろよ!何の拷問だおらァ!んもーしょうがないなあ。と俺はまた見守る体勢に戻る。マスターさんが気を利かせてオレンジジュースくれた。わぁい、ってうまっ!?いいやつだこれ…カクテル用かな?

 

 「くっしゃらくせえ…!」

 

 「戻れ少年!流石に無茶だ!」

 

 ラルさんが説得してるようにいくら完成度が高いボールでもMS5機を相手にするのは流石に無理だ。腕を切り飛ばされ、低反動砲を撃ち抜かれ、あっという間にダルマにされてしまう。とどめとばかりのビームサーベルが迫る!流石に無理かと思っていると遠くからのビーム2射、まとめてMS5機を撃ち抜いた。なんつーことをする。ビームライフルの2射でまとめて5機を撃墜するなんてとんでもないことだぞ?相手はだれってあれは

 

 「ウイングガンダムフェニーチェ!?」

 

 「よう、なんか面白そうだったからな。余計な真似だったか?…ってお前アルトじゃねえか!久しぶりだな!」

 

 「フェリーニさんこそ!こんなところで会えるなんて!」

 

 「はっはーあのお嬢ちゃんたちも元気かい?」

 

 「おいあんた!勝手に乱入してきてどういうつもりだ!?」

 

 「元気のいい坊主だな、どうだ?相手してやろうか?」

 

 きゃんきゃんとフェリーニさんに食って掛かるレイジ。彼は面白そうなものを見つけたと言わんばかりの顔をしている。まあボール1機でさんざん無双してたからなあ。いいなーレイジ、フェリーニさんに相手してもらえるの…ってボールボロボロだ。あー、まあしょうがないか

 

 「おいレイジ、フェリーニさんとやるならそのボロボロのボールじゃ無理だ。素組みで悪いけどこいつ使え」

 

 「わかった。借りは返す」

 

 「気にすんな」

 

 ダルマになってしまったボールでフェニーチェに挑むのはどう見ても無謀どころか命を捨てに行くようなもんだ。だから俺はプラモの構造を勉強するために素組みしたガンプラ…セイバーガンダムをレイジに渡すことにする。彼は神妙な顔でそれを受け取った後、GPベースにセットする。

 

 「さあ、鍛えてやるよ坊主!」

 

 「ほえ面かくなよおっさん!」

 

 フェニーチェとセイバーがぶつかり合った。

 

 

 

 

 「くそっ!もう一回だ!」

 

 「ああ、いいぜひよっこ」

 

 「むきいいいい!!!」

 

 あれから何戦かレイジとフェリーニさんはぶつかり合ってるがレイジは勝てていない。機体の性能差もあるのだろうが触れることすら出来てない。だがレイジもさるもの、戦いを重ねるごとにフェリーニさんに追いすがろうとしている。すげえ、なんて成長速度だ。ツムギといい勝負かそれ以上かもしれない。

 

 「…ラルさん」

 

 「なんだね?」

 

 「いまフェリーニさんがやってること…俺にやらす気でしたね?」

 

 「はは、お見通しか。そうだ、選手権予選を終えた強いファイターを逃す手はあるまい?」

 

 「こんなお預け食らったら乱入の一つでもしてやりたくなりますけどね」

 

 また、ビームサーベルを弾かれたセイバーがフェニーチェにビームレイピアを突き付けられて敗北を喫するのを見ながら俺はラルさんとそんな会話をしている。いいなー、俺も飛びたーい…

 

 「くっそ、もう一回!」

 

 「だー…いや坊主、さすがに疲れたわ。休憩させてくれ」

 

 「あっおい!」

 

 流石に戦いすぎたのかフェリーニさんがGPベースから離れてカウンターに座ってる俺たちの方へやってくる。レイジもそれを小走りで追いかけてきた。まあすでに軽く10戦はやってるんだ、疲れるもんだろうなあ。レイジは納得できないのかフェリーニさんに仕切りに再戦を要求してるけど。

 

 「おっさん!もう1回!もう1回だけだから!」

 

 「さっきからそればっかりじゃねえかお前。あーそうだな…おいアルト、相手してやれよ」

 

 「逃げんのかよ!大体大会でねー奴と戦ってもしょうがねーって!」

 

 「はいはい…言っとくけどアルトは選手権出場者と渡り合える程度には強いぞ。つまり、今のお前なんかよりもずっとだ」

 

 「んだとぉ…この女顔が?」

 

 「あのフェリーニさん、逃れたいがために俺をだしにして焚きつけるのやめてもらえません?」

 

 「そんなこと言ってお前うずうずしてるじゃねーか。いいだろ行って来いよ」

 

 「まあ、否定しませんけど。じゃあレイジ?暫く俺が相手するから。まあ、退屈はさせねーよ」

 

 「わかった…すぐコテンパンにしてやる」

 

 レイジの挑発に乗るってわけじゃないけど俺もいい加減自分の機体を操縦したかったのは事実俺は自分の機体をケースから取り出してGPベースにセットする。それを見た瞬間、レイジの顔が変わりギャラリーが沸いた。さて、初陣だ。いっちょタマゴ野郎を揉んでやることにしよう

 

 「…いくぜ」

 

 「さあ飛ぶぞ!メサイア!」

 

 救世主の名を関した白亜の機体が、GPベースの空に舞い上がった。

 




 というわけでVF-25登場です。いやー長かった!フロンティアスキーの作者としては暫くこれがメインとなります。他はまあ、おいおいかヤジマ商事に頑張ってもらうということで
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