「何でマクロスがないんだ!」少年はそう叫んだ   作:カフェイン中毒

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やっとアルト作ヅダの詳細発表です。


選手権、開幕

 「ツムギ、どう?」

 

 「…本気で操縦しても壊れない!むしろ私が追い付けてないかも。アルト、完璧!」

 

 「おっしゃ!これでいけるな」

 

 「アルトくんやっちゃったねー。これ、バルキリーより頑張ってるんじゃない?」

 

 「まあ、ある意味そうかも。ガンダムと俺の作品との完璧な融合を目指したからな」

 

 そう語る俺たち3人の前、ヤジマ商事のGPベースにセットされていたガンプラに目をやる。ヅダに増加装甲をふんだんにつけたような機体がそこにはあった。そう、完成したのだ。俺のすべてを詰め込んだヅダ・マクロスパックが。

 

 さっきツムギに操縦してもらったのだがGPベースのトライアルモード、目標撃破30体を30秒でやってのけた。難易度最高なのに。速すぎてホントに目が追い付かないレベル。作った俺が言うのもなんだけど鬼に金棒だなあ。

 

 さて、どんな機体なのかというと、まず本体、ムーバブルフレームを採用。骨組みは全部クリアパーツ、骨組み作って装甲を張り合わせてエンジンを中身まで作成したりとクッソ気が遠くなる作業を繰り返したもんだ。もちろんメインエンジンはツムギのご要望通り土星エンジン一つ。ここら辺も頑張って高性能化した。んでサブとして脹脛にステージⅡ熱核バーストタービンを一つずつ追加してる。もちろんプラフスキーバーストシステムも標準搭載。シールドも両肩に二つ、というのはダミーでシールドを模したミサイルハッチである。

 

 ミサイルの搭載数は片方50。最小かつ威力を落とさないように一つ一つ手作りした俺の最新ミサイルを搭載している。背部のランドセルは少し大型化してノズルも大きく。左にガナーザクウォーリアを参考にしたオリジナルビーム砲、右にヅダの対艦ライフルを折り畳み式にして威力を上げたものを懸架している。両方とも脇から通して使うスタイルだ。威力はあるが取り回しは悪いのでミサイルと手持ち武装でカバーしてもらおう。その手持ち武装だけど左のミサイルハッチの裏にマウントしてるのはVF-25のガンポッドが二つ。弾幕用である。右のミサイルハッチの裏にはヒートホークがマウントされている。

 

 当然だけどピンポイントバリアが使用可能。ヒートホークにまとわせて攻撃力をあげるもよし、防御してもよし、高速移動時に前面に展開して空気抵抗減らしてもよし。フェイルセーフとして左手にVF-25のシールド、ヅダカラーで追加。もちろんナイフも入ってる。プラフスキーバーストを応用してすべての攻撃に圧縮プラフスキー粒子を付加することにより攻撃の威力を格段に上げることも可能だ。

 

 んで最大の攻撃手段として、ミサイルハッチ2つが変形合体しダイダロスを模した形になる。そう、ダイダロスアタックが再現可能なのだ。プラフスキーバーストで取り込んだ粒子を圧縮し噴射することなく全身に回すことで機体性能の飛躍的な向上と圧倒的なフレームの剛性を獲得したことにより可能になった攻撃手段。敵にぶっ差して内部にためた圧縮プラフスキー粒子を開放することによりパイルバンカーじみたこともできる。何だったら本家ダイダロスアタックのようにミサイルも差したまま撃てる。

 

 ほかにも増加装甲にミサイルたくさん仕込んだり、最終的には全部爆砕ボルトでパージ出来てヅダそのままの姿になれたり、ちなみに推力はすべて本体内蔵なので重さが無くなった分スピード爆上がりするぞ!そうなった場合は速すぎてツムギでも制御できないけど。そこら辺は要練習かな。いや、実は今までの過剰ともいえる増加装備は本体が速すぎるから制御可能にするためにわざと重くするために追加したものだ。だが俺もYF-19のスーパーアーマードを開発したときに重装甲と超推力の両立は経験してる。必要以上に鈍くはなってないはずだ。それでもクソ速いけどな!まじでブレたと思ったら敵の目の前にいるんだもん。いくら速さを極めようとしたからってねえ?

 

 え?やりすぎ?ごめん、俺今回に至っては自重を投げ捨ててるんで。ツムギの目がないとまっすぐ飛ばすことすらできないじゃじゃ馬です。ちなみに内部スペースはぎっちぎち。何とかISCを小型化してねじ込めたけどもうこれ以上何かを追加するスペースはないかな。これが俺の現在最高峰でごぜぇます。

 

 メイン機はこっちになるけどサブ機として前のフルスクラッチヅダを強化改修してる。見た目変わってないけどフレーム強度とかそういうの。メイン機ぶっ壊れても俺が超速でなおすから出番はない予定。何だったらすでに予備パーツを3機分は用意してあるから。完成が遅れたのもそれが理由だったり。

 

 「ツムギ、乗りこなせそうか?」

 

 「…当然、やってみせるから。ヒマリは大丈夫?デビューすぐだって」

 

 「ん?私?大丈夫大丈夫!ちゃんと最後までセコンドやるから!ツムギちゃんこそ、交流会3日目出てくれるってほんと?」

 

 「…ん、ほんとう。配信であんなに歌ってるから今更かなって」

 

 「いいねー!いっそのこと私とユニット組んでデビューしよーよ!」

 

 「…それはちょっと…かんがえとく。アルトがやるならやる」

 

 「俺に飛び火させんじゃねーよ。やんねーからな。少なくとも声変わりしねーと歌えねーし」

 

 「あ!じゃあ声変わりしたら一緒にやってくれるってこと!?わーい!」

 

 「…わーい」

 

 「要らんこと言ったわ…」

 

 ポロっと出た失言を言質にとられた俺はがっくりと肩を落とすのだった。その俺をヅダのモノアイがじっと見つめているのだった。

 

 

 

 「すいません。ラルさん、わざわざ車出してもらって」

 

 「…ありがとう」

 

 「ラルさん、ありがとう!」

 

 「よろしくお願いします、ラルさん」

 

 「ラルのおっさん、サンキュな!」

 

 「はは、構わんよ。もともと現地ですべて見る予定だったからな」

 

 世界選手権前日の朝、俺たちの姿はイオリ模型にあった。イベントの準備はあらかた済ませてすべてをヤジマ商事にお任せしてある。作った戦艦とかその他もろもろ。あとは向こうさんが上手く運用してくれるといいなーって感じだ。もちろん俺も一日目二日目にもきちんと顔出すけどイベントとしての参加は三日目だけなのでヤジマの手腕に懸けるしかないのだ。楽しいイベントにしてくれるといいな。

 

 ほんでほんで待ちに待った世界選手権が明日に迫ったわけなんだけど、なんとラルさんがセイとレイジ、ついでに俺とツムギとヒマリを選手権を見るついでに送っていってくれるというのだ。しかもマイクロバスを借りてくれて。いい人だなあラルさん。感謝が絶えないですわ。

 

 『おはようございます!今回第七回ガンプラバトル世界選手権、イメージキャラクター兼レポーターを務めさせていただきます!キララでーすっ!キララン☆』

 

 「あ、ミホシさんだ!」

 

 「おお、あそこからイメージキャラクター掴んだのか。え、すごくね?」

 

 「ああいう女は大抵結果出すのがはえーんだよ」

 

 「あれ?アルト君知ってる人?」

 

 「セイの予選の相手だったアイドル」

 

 「…いろんな人が参加してる」

 

 車の中のテレビ、会場前の現場を映した番組ではまさかのミホシさんが成り上がりをなしていた。すっげえ、あれからどんだけ努力したんだあの人。いやでも、イメージキャラクターとしてはこれ以上なくぴったりなのかもしれない。だって知識量でセイと張り合えるわけだし?

 

 これからの事が楽しみだった俺たちの会話は弾み、あっという間に静岡についた。

 

 「ここが選手が泊る選手村だ。3日後には約70%の人間がここから消えることになる」

 

 「ふん、んなの残って当たり前に決まってるじゃねえか!なあセイ!」

 

 「そうだね。アルト、ツムギちゃん、ヒマリちゃん。ここからはライバルだ!」

 

 「おう、決勝で会おうぜ」

 

 「…負けないから。レイジ、セイ…勝負」

 

 「みんなで頑張ろうね!」

 

 そんな感じでセイとレイジと別れ、彼らとは別の階の指定された部屋についた。もちろん部屋別!俺の一人部屋である。隣がヒマリとツムギの部屋、まあ荷物おいた途端に二人が部屋に突撃してきたんだけどな!もうちょっと休んでろよ。ってーあー、なんかスーツがあるぅ…ってこれあれか

 

 「レセプションパーティーに着ていけっていう正装か。うわっ絶対似合わねえやつじゃん」

 

 「そうかな?アルトくんなら着こなせるよ」

 

 「…私たちの部屋にもドレス置いてあった」

 

 そう、今日の夜には世界選手権の出場者に参加が要請されているレセプションパーティー、要は顔合わせがあるのだ。で、それにはドレスコードがあるのでこうやって予め用意してくれているらしい。堅苦しいのは苦手なんだけどなあ…でも参加しないとあかんだろうしな。ん?これスーツじゃねえな…

 

 「燕尾服じゃねえか!執事やれってか!?うわっご丁寧に白手袋ついてる…」

 

 「うわー、アルトくん執事さんになるんだね~ね、ね!お姫様って呼んでみる?」

 

 「…面白そう。ヒマリ、私たちも着替えてこよ?」

 

 「そうだね~!じゃ、アルトくん楽しみにしてるよーに!」

 

 「あ~はいはい。承りましたおじょーさま」

 

 「…投げやり」

 

 「うっせ」

 

 二人が出て行ったので俺も着替えることにする。うっわー、なんで燕尾服…セコンドだから?そんな決まりある?あーでも夜のパーティーだし礼服としてはこれが正解なんだっけ。ひー、スーツなら前世で着た事あるけど燕尾服なんて初めて着るわ。あ、丁寧に着方の説明書ある。ありがてえ。あーっとシャツ着て、白のタイつけて?ズボン履いて、ジャケット着て、手袋付けて…鏡見てみると…わぁ、服に着られてるってこういうことを言うんだね…。

 

 なんかポニーテールのせいで余計に執事っぽさが出てる。え?懐中時計までついてんの…?腕時計外しとこ。燕尾服って腕時計と合わせちゃいけないらしいし。ああ、当然だけど革靴なんですね…履きなれねえもん履いて靴擦れとかしなきゃいいんだけど。は?靴下まで指定してくんの?従うけど。総合して…似合わねえ、この一言に尽きる。

 

 「セイは…ああ、レイジの説得で遅れるね。先に行っとくかあ」

 

 というわけで部屋の前で待つこと少し。ヒマリたちの部屋のドアが開いた。中から出てきたのは当然おめかしした二人、おお、俺と違ってよく似合ってるじゃん。

 

 「お待たせ~!あ!アルトくんやっぱり似合ってるね!どう?私たちも似合う?」

 

 「…ドレス着たの、久しぶり。イギリスのパーティー以来」

 

 「…うん、予想以上に似合っていて褒めの言葉が思いつかない」

 

 「ほへっ!?」

 

 「…えへへ」

 

 じっくりと見ると二人ともめちゃ似合ってるやんけ!二人とも所謂イブニングドレスというやつだ。なるほどだから俺が燕尾服だったんだな。イブニングドレスとは夜会服とも呼ばれ男性が燕尾服だとすれば女性がイブニングドレスを着るいわば対の存在だ。様々種類があるが二人が着てるのはくるぶしまでのドレスだ。肩が露出してるノースリーブのもので、履物はパンプス。ヒマリは純白のドレス、彼女の小麦色の肌との対比が眩しい。変わってツムギのドレスは夜のような群青、彼女の金髪がよく映える。見惚れそうだ。元がいいとやっぱり何着ても似合うんだな。

 

 「んじゃ、行きますか」

 

 「今度はエスコートしてくれないの?」

 

 「…ん」

 

 「二人同時はむりだっつの…」

 

 俺がどうしたかは、ここには書かないでおこう。後二人とも、顔赤くするほど恥ずかしがるなら最初からやらないでくれ。

 

 

 「イロハ・ツムギ様、サオトメ・アルト様、スズカゼ・ヒマリ様ですね。確認が取れました、おくつろぎください」

 

 「うわ~すご~い!」

 

 「…びっくり」

 

 「おっルワンさんにチョマーさん、フェリーニさんいるな。あとで挨拶に行っておこ」

 

 会場に入るとすでにたくさんの人がお酒片手に談笑していた。そこにはカイザーさんやグレコさんの姿はない。彼らは自国の予選に敗れたからだ。俺は、彼らからの連絡でそれを知った。特にカイザーさんが敗れた相手というのがいくら探しても情報が出てこない不気味な相手だ。グレコさんもアメリカの新星、つまり俺と同年代の少年に敗れたと聞いた。世界からも俺たちと同じかそれ以上のやつらが来たという事実に世界の広さを改めて実感した。だけど、カイザーさんやグレコさんと間接的にとはいえ戦えないのはちょっとこらえるけど。

 

 「お!アルトはんですやん!それにヒマリはんにツムギはんも。海以来ですなあ」

 

 「おーマオ。派手だなあお前。真っ赤とか」

 

 「ほっといてください。仕方ないですやん用意されてたんがこれなんですから」

 

 「…ん、似合ってる、よ?」

 

 「うんうん、かっこいい」

 

 「おほめの言葉どーも。セイはんは一緒やないですのん?」

 

 「あいつはレイジの説得中。来るの遅れるってさー」

 

 「あー、まああのお人こういうところ苦手そうですからなあ」

 

 そうこう話していると入り口から正装のセイがやってきた。レイジも、と思ったらいない。まさかとは思うんだけど…

 

 「あー、セイ?」

 

 「ねえアルト、マオ…レイジ、どっか行っちゃった…」

 

 「うそでっしゃろ…」

 

 「えっレイジくんまさか…」

 

 「…サボり…?」

 

 自由だ自由だとは思っていたが、レイジのやつは大事なパーティーをすっぽかしたのであった。参加は一応義務なんだけどなあ…これ後でセイがかんかんになるやつだ。ペナルティがつかないように祈っておかないと。

 

 




次回から第一ピリオド、長かったここまで…!ツムギちゃんとヅダの活躍にご期待ください
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