「何でマクロスがないんだ!」少年はそう叫んだ 作:カフェイン中毒
ハルプが直上から大気圏を突破してくる。まさかのもう一機のマクロス級の姿に参加者たちが興奮を隠しきれずにいろんなコメントを投げかけてるのが見える。そして待機させられていたバルキリー組、まさか、と思っていたことが現実となったのだ。実際の戦艦から発艦するというある意味で現実における最強のロマンの一つを実現できるということに。
『ハルプ、巡行に入ります!ハッチオープン、VF-1及びVF-11隊、発艦どうぞ!』
「なんだあれいいなああああああ!!!」
「バルキリーレンタルすりゃよかった!」
「発艦まで…!くっそおおおうらやましいいいい!」
側面ハッチからアームで掴まれてバルキリーが空へ飛び立っていく。まず出てきたのはお手本代わりのスタッフさんたちだ、カタパルトと側面ハッチに次のバルキリーがせりあがってスタンバイ、次はレンタルバルキリー組の番である。ちなみにハルプの操作ももちろんカイザーさん、どんな指使いしてるんだろうか…?あれ全部マニュアル操作なんだよね…。
「バルキリー、いきます!」
「VF-1、でます!」
「VF-11、出撃します!」
レンタルバルキリー組が次々と発進コールを叫んでハルプから次々とバルキリーが熱核ジェットエンジンに火を入れて飛び去って行く。次々と飛び去る中、最後に残ったのは俺たち、カタパルトの上でバトロイド固定のYF-19スーパーアーマードとファイター固定のVF-22フルブーストパック、ミサイル装甲を増設した重装型クァドラン・レアが並び立った。
「おい、あれって!」
「あれは去年の世界大会の時のやつ!」
「3人そろって参加か!おいおい、俺たちの分残していてくれよ!」
そりゃちょっと保証できないかも、と参加者からの揶揄いに心の中で答えながらREADYの画面が移り変わるのを待つ。
「どうしよっか、チーム名」
「いるか?それ」
「…絶対いる。ノリが大事だよアルト」
「そりゃ、そうか。んじゃあ、あれだな。アレ」
『YF-19、VF-22、クァドラン・レア発艦準備よし!カタパルト制御をパスします!発進どうぞ!』
「アイハブコントロール、んじゃあ…」
「「「オリオン小隊!いきます!」」」
ぴったり声が揃って、同時にカタパルトを飛び立った俺たち。オリオン、オリオン座の真ん中の3つの星を自分たちになぞらえたこのチーム名はヒマリがこれいい!と思いついてツムギも賛成したしじゃあそれで行こうとほとんどノリで決まったチーム名だ。同時にハルプが大気圏を突破して着水、陸戦用の機体たちの足場になる。着水の波で大きな津波が起こるがそれをものともしないファイターたちが大興奮でそれを迎える。それを見たマクロスは自分も同じようにカタパルトデッキを起動し、バルキリーとはまた違った航空機を外に出した。
「んだあれ?」
「バルキリー、じゃないよな?」
「まだ新機体あるの!?やばすぎるっしょ!?」
「くうううう燃えてきたああああ!!!」
「ああ、お前のプラモも燃えてるな。焼夷弾で」
「うわああああ俺の紫電んんん!!!」
「スマン誤射した。許してクレメンス」
「謝る気ないだろお前ええええ!」
「この弾幕の中で誤射しない方がおかしいのでは?」
「いっそ清々しい開き直り」
『警告!マクロスより無人兵器ゴーストの射出を確認しました!制空権を奪われないように注意してください!ミッション内容に変更はありません!』
ゴーストX9、マクロスプラスに登場した兵器だ。無人兵器というと人が乗ったほうが強いじゃろwwwという基本的なアニメの考えとは全く別で、マクロスにおける無人兵器ゴーストは鬼強い。ぶっちゃけ人間が対処するのは無理なレベルだ。マシン・マキシマム構想という人間が乗らないという前提で機械の限界まで運動性を追求することにより人間が追い付くことは基本的に不可能な軌道を当たり前のようにする。そして機械だからミスがない、慈悲がない、冷徹で効率的な最強の兵器、これがマクロスにおけるゴーストだ。
そして次々と発艦していくゴースト群、マクロスプラスにおいて撃墜するというそれだけの行為にエースパイロットの命を要求してきた悪魔の兵器。それが雨あられと飛び交う、レーザーが四方八方から俺たちに殺到する。何とか躱すバルキリーたちだがやはり難しいのか反撃まではいけない模様。それをフォローしてるのがもともといる飛行機プラモ組だ。
「うわっ!何だこの機動!あたらん!」
「ドッグファイトでチキンレース!最高じゃん?」
「烈風の名前の由来を教えてくれるわ!」
俺にもゴーストが殺到してくるが当然俺も落とされてやるわけには行かない、ビームガトリングで回避コースを誘導、そのままガンポッドを使って逃げ場を封じ、ビームガンで撃ち抜いていく。あー、まあ本来想定してるのがタツヤさんレベルだから制限付きのゴーストなら俺でも落とせそうだ。あっやばいあっち落とされそう?助けに…なんだあの赤い飛行機の編隊は!?赤い飛行機がゴーストに弾を打ち込み、ゴーストは凍結して落ちていった。どっかで覚えがあるんだよなあれ…
「ジェットロボ!ハイパーモード!合体、はじめ!」
『ハイパーモード!合体はじめ!スカイロボ各機へ、ハイパーモードへシステムを移行!』
エフェクトが機体を包み込み、編隊が一機を中心にして変わる。中心の機体よりも小柄な機体が形を変えてフォーメーションを取った。
『合体準備よし!4番機よし!5番機よし!2番機、3番機よし!起動!各部異常なし!レスキュー合体、ハイパージェットロボ!』
「おっしゃああきまったああああ!いけ!ハイパージェットロボ!」
「なんじゃああれかっけええええ!」
「負けてられるか!合体ならこっちにもあんだよ!」
「お前、まさか…?」
『合体!』
「レスキュー、5体合体!」
『ドラゴンアップ!』
「完成、グレートワイバーン!」
ハルプの上を陣取った消防車、タービン車、ドーザー、ヘリコプター、輸送ジェット機がそれぞればらけて組みなおされる。生まれたのは勇壮な機械のドラゴンだ。吠えたドラゴンが空へと舞い上がる。うおおおすげえええ!あれ分割機構なら俺よりもすごいぞ!?空を飛んで、大きな赤いロボットに変わった飛行機がビシッ!とポーズをとるのに合わせてドラゴンが後ろで吠えた。めっちゃ絵になる。カッチョいい!後で沢山話させて!お願い!とりあえず邪魔させないように周りのゴーストを全機撃墜しながら光景を目に焼き付けるのだった。
「アルトくんっ!みんなすごいねっ!」
「…合体ロボとはびっくりした。ねえアルト、負けてらんないね」
「ああ、いっちょ決めに行くか!タッチダウンをよ!」
「その話、ワイにもかませてもらえまへんか?」
俺たちの会話に割り込んできたのはクロスボーンガンダム素体と思われる機体、だけどこれは…ガンダムXの部品がニコイチで使用されてる?そしてこの声、マオか!マオが自分のガンダムX魔王に代わる新機体を作り上げて参戦してくれていたようだ。にやりと帽子を指で押し上げてかっこつけるマオ、イカしてるじゃん?
「わー、マオくん新機体!かっこいい~~~!」
「…ナイスタイミング、アルトいけそう?」
「おうさ、おいマオ、サテライトキャノン、あるな?」
「お見通しですか、ええありますよ。とびっきりのがね」
「最高、一発ぶちかましにいこうぜ」
「のりました!」
そうして何とかゴーストたちに食らいつくバルキリーを助けに行く。いや、でも割といい勝負してるかな?ミサイル飛び交う戦場を戦艦からの対空射撃で何とか持ってる感じだ。スピードに優れるツムギのVF-22が先行して包囲に風穴を開けて、ゴーストを撃墜していく。後ろで援護してくれるヒマリのクァドランから50を超えるミサイルが一気に発射されバルキリーを追いかけまわしていたゴーストに次々着弾して危機を救う。負けてられないな!
俺とマオもゴーストの大群の中に突っ込んで持ちうる火器を総動員して雨あられと襲い来るゴーストを撃ち落としていく。襲い掛かってくるハイマニューバミサイルやレーザーを時に躱し、時に撃ち落とし、ピンポイントバリアやビームシールドで弾きながらお互い競い合うようにゴーストを撃ち落としていく俺とマオ、爆発が機体を照らした。
「マオ、いま何機だ!?」
「28です!アルトはんは!?」
「29機だよ!」
「いま29機になりましたわ!」
「もー、二人とも競ってないでいくよ~!」
「…男の子はこれだから…えっ!?」
突如俺たちの周りのゴーストだけ動きが変わった。多分リミッター外してきたな?やってくれるぜ、カイザーさん!ハルプとマクロスが向き合い、お互いにバスターキャノンを準備し始める。ハルプに殺到するゴーストを追いかける俺たち、周りのプラモたちもハルプの援護に向かう。大盤振る舞いだ!持ってけ!とミサイルを全て打ち出してみるが…撃墜したのは5機か、他は迎撃しやがった。
バスターキャノンが同時に発射され射線上で交じり合う、大爆発、ありえないほどの津波が起きて小型船は転覆、海の上に立つフィギュアたちも押し流され、大きな戦艦すらも後退を余儀なくされた。やばいぞ、押されてきた。ゴーストの動きが変わるだけでここまで…!
『入電!マクロスが飛行を始めます!阻止してください!繰り返します!マクロスの飛行を阻止してください!』
「きたっ!マオ!ちょっと乗ってくれるか!」
「いつでも!」
「上で最大出力でぶっ放せるようにしといてくれ!頼んだぜ!」
このミッションのラスト、マクロスの飛行阻止。ラストスパートだ。ここでマクロスを押し込んで、動きを封じる。具体的な方法は台本時点では考えてない、あくまでその場に留めればミッション成功だ。ここから、あのマクロスの動きを封じて、でっかいのをぶち込んでやる!
「さて、元気が有り余ってるやつ!手伝ってくれますかー!?」
「まかせろ!」
「呼んだ?」
「銛が続く限り!」
「「「「「いけるぜええええええ!!!」」」」
「最高です!やることはただ一つ!弾幕くぐって、マクロスにタッチダウン!」
「「「「「おっしゃああああああ!」」」」」
「ファイナルレスキュー!」
「食らえこれが超重力砲じゃあああ!」
「ぐええええかたすぎいいいい!」
そう言って様々な機体がマクロスに殺到していく、飛ぼうとしているマクロスの側面を海の中から潜って近づいたアッガイなどの伏兵が昇り、上空ではバルキリーや戦闘機が何とかリミッターを外されたゴーストとやり合っている。よっし、俺たちも!
「アルトくん!いって!」
「…こっちは、まかせて」
「おう!頼んだぜ!」
ハルプの対空防御をしてくれる二人の言葉を受けて俺もスーパーアーマードを外し、スーパーパックだけの身軽な姿になる。ファイターに変形し、先行した機体たちを抜き去って、追いすがるゴーストのミサイルを躱しながらマクロスに近づく。カイザーさんが俺を認識したのか弾幕を俺にだけ向かって濃くしてくる。が、落とされたって引いてやるもんか!あと少し、後ろが邪魔!とレーザー機銃でゴーストを撃墜してさらに加速、艦橋の目の前へ。
『マクロス、飛びます!離れてください!』
「まだああああああああ!!!!」
濃い弾幕の前に被弾したスーパーパックを切り捨て、素の姿のYF-19になる。艦橋は目の前、やることは…突っ込めええええええ!バトロイドに変形し、盾とピンポイントバリアで機体を守りつつ艦橋に突撃する。2日通して初めて、マクロスが傷を負った。中枢である艦橋に突っ込まれたことで一時的に機能がダウンする。今!
「マオオオオ!!!」
「任せてください!これが、スカルサテライトキャノンですっ!」
瞬時に離脱した俺のいた部分に、マオの乗ったクロスボーンガンダム魔王のサテライトキャノンの極光が打ち下ろしてくる。すんでのところで機能を取り戻したマクロスがピンポイントバリアで防ぐが…押されてじりじりと海の中に沈んでいく。極光が晴れたその先には、沈黙したマクロスが静かに佇んでいた。
『マクロス、飛行反応及び戦闘反応消失!ミッション成功ですっ!』
「「「「「「やったあああああああ!!!!」」」」」」
ミッションの成功に喜ぶ参加者たちGPベースがミッションの終了を宣言して機能を落としていく。佇むだけになったマクロスを眺めつつも自分たちのプラモを回収していった。でもま、ここからなんだよな。
「面白かったです~~!きたかいがありましたわ!」
「おう、ありがとさんマオ。それじゃ、この後も楽しんでくれよな」
「もちろんですわ!それにしてもアルトはんやりますなあ、あんな弾幕越えて本当にタッチダウンしはるなんて」
「なんか、ちょっと感動したよ。やっちまった!ってかんじで」
そんなことをマオと話すと唐突に通信風のやり取りが始まる。ミッションが終了したので明日の3日目につなげるためのストーリーだ。参加者たちはまだ何かあるのかとワクワクしてるようだ。
『マクロス、沈黙し…フォールド反応!?マクロス、強行フォールドしますっ!デフォールドは地球の宙域です!』
『ばかなっ!?そんなことをすれば…!くそ、マクロスを落とすしかないのか…!?』
『まだ、まだ手段があります!今マクロスを乗っ取っているAIは指揮官型ゼントラーディと同じ思考パターンをコピーしたものです。感情制御はほぼありませんが、一つだけの手段が』
『まさか、カルチャーショックによる自意識のオーバーロードか!?ありえん!何が起こるかわからんのだぞ!』
『やるしかないんです!もしもマクロスを沈ませるなら一体いくつの命が犠牲になるか…!やりましょう、歌による最後の戦いを…!』
『…ミンメイ・アタックか…!』
そうしてぶつっと通信が切れる。映画のちょっとしたネタバレになっちゃうけど、この作品もマクロスを意識して作ってるから、こういう話もあるよってだけだ。会場は、今のやり取りが残した謎のワードに対する話題で埋め尽くされていくのであった。明日、明日がラストスパート。泣いても笑っても、明日で終わり。最高のものにしないとと俺は気を引き締めるのだった。
お待たせしました。2日目終了です。なかなかネタが思うように浮かばず難しいですがこれで残すところあと1日です。
マクロスへのタッチダウンをどうしてもさせたくて強引な展開になったのは反省しています。すいません。ちなみにマシンロボレスキューとレスキューファイアーはそういえばこんなのもあったなという唐突な思い出しに成功したので登場あそばされました。ラストスパート、頑張ります
それでは、同時更新の番外編もよろしくお願いします。また次回で会いましょう
プラモデル大交流会の時他作品ネタを出してもいいか
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どんなネタでも出していいよ
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機体のみにしておけ
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やはりガンダムに限る