SIREN VS. BIOHAZARD(サイレンVSバイオハザード) 作:ドラ麦茶
美浜奈保子 大字波羅宿/耶辺集落 初日/十八時二十二分四十八秒
「それでは第3試合を行います。バイオ側の中堅は前へ」
安野さんの呼び出して新たなタイラントが前に出る。ムキムキマッチョの身体に凶器と化した左手という姿は先鋒のヤツと同じだが、右手に土偶のような土人形を持っている。
「あれは、
「そうです。屍人さんがバイオ側の武器を使うなら、タイラントも異界の武器を使わなきゃフェアではありません。よって、今度はタイラントに宇理炎を装備させてみたんです」
ホントになんでもアリだな。
宇理炎とは、不死なるものを無に還す煉獄の炎を降らせる神の武器である。要するに、何度死んでもよみがえる屍人共を一発で葬り去ることができるのだ。その威力は凄まじく、ラスボスである神様でさえ数発で倒してしまう究極の武器である。
「では、第3試合を始め」
あたしはゴングを鳴らした。羽根屍人がはばたき、上空からロケットランチャーをぶっ放す。しかし、今度のタイラントは冷静だ。驚異的な跳躍力でロケットランチャーの一撃をかわす。多少爆風を浴びたが、それくらいではビクともしない。タイラントは宇理炎を目の前に突き出した。地面から青い炎の柱が出現し、宙を舞う羽根屍人を包み込む。羽根屍人は一瞬で燃え尽き、消滅してしまった。第2試合と同じく早々に決着した。あたしはゴングを打ち鳴らそうとした。
が、タイラントがガクンとひざを折り、その場に倒れてしまった。そのままピクリとも動かなくなる。
「……何が起こったんでしょうか?」あたしは安野さんに解説を求める。
「死んだんです」
「はい?」
「宇理炎は命の炎を燃やします。早い話が、使った人は死んじゃうんです。タイラントも例外ではありません。これに抗うためには
「ということは、この試合は引き分けですか?」
「そうなります」
というかコイツ、最初から結果が判っていたのにあえて実験したな。まさに外道だ。この試合が終わったら二度と関わらないでおこう。心の中で安野さんを蔑みつつ、あたしはゴングを打ち鳴らした。