今回で最終回になります。
それではどうぞ。
そして、お菓子教室は無事に終了し……
「紗夜さん、悠里先輩、涼香ちゃん、お疲れ様でした! これでお菓子教室は、終了です!」
拙い説明に最後まで付き合っていただいてありがとうございましたと言うつぐみ。
「こちらこそありがとうございました。拙い説明なんてとんでもないわ。羽沢さんのお陰でとてもいい経験ができました」
「僕達の方もいい経験ができて良かったよ」
「ありがとーございましたー」
つぐみにお礼を言う3人。
「羽沢さん、私も人の事を言えないですが、あなたはもっと自信を持った方がいいと思うわ」
「そうだね。特に人のいいところを見つけるのが、とても上手だなって僕は思うよ」
「そう……なんですか? 自分で、そう思った事がなかったから、実感が湧きません……」
実際にそう思った事がない為、つぐみ自身、実感が湧かない。『人のいいころを見つけるのが上手い』というのは、つぐみらしい良さだと紗夜と悠里は言う。
「それじゃあ、私はそろそろ失礼します」
「じゃあ僕達も。つぐみちゃんは……この後、お店のお仕事に戻るんだっけ? 頑張ってね」
「は、はい! 頑張りますっ!」
つぐみがそう言った時……
「こんにちは~! ……もしかしなくても、おねーちゃんと悠里くんだ~!」
「日菜? どうしてここに……?」
「……すごいタイミング」
ドアが開く音が鳴り、お店に入ってきた人物……日菜を見た紗夜と悠里は驚く。
「さっきまでパスパレの練習があって、その帰りに寄ったんだ~♪ イヴちゃんも一緒だよ!」
「サヨさん、ユーリさん、お久しぶりです!」
日菜の隣には、同じパスパレメンバーの
「イヴちゃん、この後、ここでバイトがあるんだって~。おねーちゃんと悠里くんはなんでいるの? もしかしてお客さん?」
「いえ、私は……」
「僕は……」
さて。なんて答えた方がいいか?と紗夜と悠里が軽く悩んでると……
「さっきまで、羽沢珈琲店でお菓子教室を開いていたんです。紗夜さんと悠里先輩と悠里先輩の妹の涼香ちゃんも参加してくれたんですよ。あれ? 涼香ちゃんは……?」
「あー、涼香なら……」
つぐみが答える。そして涼香の姿がない事に気づく。その理由を悠里が話す。
「……じー」
「ここにいるよ。人見知りなんだよ、この子」
案の定、悠里の足元に引っ付きながら、日菜とイヴを見ていた。
「わぁ~♪ 妹ちゃん可愛いー!」
「うゅ?」
「ちょっ、ちょっと日菜!?」
日菜は涼香を抱っこし始め頬擦りをし始めたのだ。そして慌てて止める紗夜。
「…ま、いっか。それで妹と紗夜ちゃんと一緒にお菓子教室に参加させてもらってたんだ。つぐみちゃんが言ってた通り、さっきまでね」
「へぇー! おねーちゃんお菓子作れるの? 凄い! 食べてみたいなぁ~」
「そう言うと思って……これ、あなたの分よ」
言われる事を予感してたのか、紗夜は作ったクッキーを日菜に渡す。
「本当に!? 返してって言われても、もう返さないよ?」
「誰もそんな事言わないわよ」
そもそも、食べ物関連でそんな事を言う人なんているのだろうか?
「開けてもいい? 中、見てもいい?」
「そんなに急がなくても……家に戻ってからにすれば……」
いいでしょ?と紗夜が言おうしたのだが……
「えいっ! ……わぁ~可愛いー!」
「……え、もう開けたの?」
「…しかも日菜ちゃん、涼香を抱っこしたまま……」
普通にその場で開けてしまう日菜。しかも涼香を抱っこしたまま片手で開けたのだ。
「だって、今すぐ食べたいんだもーん。……これ、ハムスター? かわい~♪」
「え? それって、確か犬じゃ……」
犬型のクッキーをハムスターだと言う日菜に、つぐみが突っ込むが……
「この子は、こういう性格なのよ……」
「……紗夜ちゃん、いつもお疲れ」
やれやれと紗夜が呟いた。似た性格の双子の弟がいるので、彼女に同情する悠里。
「いいな、いいな! あたしもおねーちゃんみたいに、クッキー作れるようになりたいな~。あ、るんっ♪ってきた! ねえねえ、おねーちゃん! 今度、あたしにもクッキーの作り方教えてよ~!」
「仕方ないわね。今度、教えてあげるわ」
「本当!? やったぁ~!!」
そしてこれも予想していたのか、紗夜は今度教えてあげると約束した。それを聞いた日菜は大喜び。
「おや。日菜ちゃんも紗夜ちゃんに教わりながら、お菓子作りに挑戦か。渡す相手は、さぞ喜ぶだろうねー……」
「うっ、そ、それは……」
「……(悠里さん、分かってて言ってますね)」
悠里の意味深な質問に目を逸らした日菜。そしてこの質問の意味を察した紗夜。
「わー! これはアイシングクッキーですね! とても可愛らしい形で、素敵です! 機会があれば、次は私もぜひ教室に参加したいです!」
「うん! 次やる時は、絶対にイヴちゃんも誘うね」
今回作ったアイシングクッキーを見たイヴは、次にやる時は自分も参加したいと申し出た。
「それじゃあ、そろそろ私は。日菜は、若宮さんとお茶していくのでしょ?」
「うん! イヴちゃんのバイトの時間になるまで、そうしようと思ってるよ!」
それを聞いた紗夜は、自分は先に帰るわねと言った。
「じゃあ、僕らも。涼香、帰るよ?」
「やっ!
「ぐはっ……!」
悠里が涼香に帰るよと言うが、涼香は嫌だと駄々をこねたのだ。日菜の反応がおかしい事についてはスルーしたが。
「あんまり我儘言うと、日菜ちゃんが困るから……」
「あ、あたしは全然平気だよ?」
「……そう? 仕方ない。汐里に連絡して、涼香を迎えに来てもらうか」
「ちょっ!?」
「こら、日菜。悠里さんの邪魔をしないの」
「ちょっ!? おねーちゃん!?」
自分の意中の人を電話で呼ぼうとしてる悠里を止めようとする日菜。だが意外にもノリノリな紗夜によって阻止された。
「じゃあ涼香。汐里が迎えに来てくれるみたいだから。いい子にしてるんだよ? 僕は買い物して帰るから」
「やだ! お兄ちゃんと
「「……え?」」
これで妹も納得するだろうと思いきや、悠里と紗夜も一緒じゃなきゃやだと言い出したのだ。これには2人も目が点になる。
「いや、だから紗夜ちゃんが困っ……」
「うゅ……さよおねえちゃん……だめ?」
「特に予定もないので、構いませんよ」
涙目と上目遣いに抗えなかったのか、紗夜は笑顔で答えた。その様子を見てた日菜やイヴ、つぐみも『あれをやられたら流石に断れないよ(せんよ)』と呟いていた。
「悠里さんもいいですよね?」
「え? 紗夜ちゃんがいいなら……」
余談だが、5分後に悠里の双子の弟の汐里が来て、日菜が借りてきた猫のように大人しくなったり、一部の奥様達に『あらあら~♪ 若い夫婦かしら~♪』と言われ、氷川姉妹の顔がリンゴのように真っ赤になるのは、別の話。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで出来たのも、読者の皆様のお陰です。
気が向いたら、また何か息抜きに書くかもしれません。
それではまたいつかどこかでお会いしましょう。
ありがとうございました。