エスカファルス【非在】   作:楠崎 龍照

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エピソード0 エスカダーカー
1話 プロローグ


 

 

 

2020年 某月某日水曜日

 

 

 

 

「うー……つかれたー」

 

自室のベッドで私は大の字になって寝転ぶ。

時刻は8時ちょうど。

先ほどまでオンラインゲーム、pso2(ファンタシースターオンライン2)をプレイしていた。

今日はこのゲーム最後のボスである原初の闇と呼ばれるレイドボス実装の日なのだ。

そして、そのボスを先ほど倒したばかりだった。

初見の人たちが多かったのか、討伐までにかなりの時間を有してしまい、クタクタになっていた。

 

「おつかれー」

 

スマホから友人の声が聞こえてくる。

大原栄志、私の大学の友人だ。

先ほどまで、彼と原初の闇に挑んでいた。

いまは、ショップエリアと呼ばれる武器の強化やランダム武器の鑑定などが行えるところで、戦利品をみているところだ。

 

「おつかれー。なかなか強かったな」

「そうやのー」

 

大原はそう言いながら、鑑定を行っているようだ。

スマホのスピーカーから「よーく見えたよー」ととあるnpcの声が聞こえてくる。

 

「そういえば、これであれか」

「ん?」

「いや、設定的にいえば、ダーカーは沸かなくなるのか」

「そうやないか?」

「なかなかかっこよかったのにな」

「まぁ仕方ないよ。ngsが控えちょるんや」

「メタい話をするな!」

 

私は笑いながら突っ込む。

大原もそれに釣られて笑いをあげた。

 

「でもエスカダーカーはおるじゃろ」

「あー。でもエスカダーカー種類が少ないんだよな。エスカダーカー凄い好きやのに残念」

「まーまー。そこまで開発が回らんのやろ」

「やめーや!」

「ナハハハハ!!!」

 

そんな話をしながら、武器の鑑定等が終わり、一息つく。

 

「まぁ、とりあえず、これで落ちようか」

「そやの」

「ほなら!」

「おーう、おつかれーい」

「おつかれー」

 

私はスマホの電話ボタンを押してベッドに寝転ぶ。

 

「ふへー……バカみてえにつええわ……」

 

私は呟きながらスマホで調べものをしていると、ふと夜の空に目が行った。

外は月の光に照らされて少しばかり明るかった。

しかし、私はその月を見て「え?」と月を凝視する。

その日の月は、青く光輝いていたのだ。

 

「なんじゃあれ? エスカファルス・マザーか?」

 

少しだけ不気味に感じつつも、頭に浮かんだことを口に出して私は窓を閉めた。

原初の闇ゴモルスとソダムが予想以上に強くて、集中してた私は疲れからか、突然睡魔に襲われてそのままベッドに寝転がり寝ることにした。

 

 

 

 

時間は0(12)時07分

 

 

 

「……大丈夫ですか?」

「え?」

 

私は、見知らぬ男性に叩き起こされて目が覚めた。

起き上がると、そこは先ほどいた自室ではなく、何処かの都会にいた。

 

「え? あれ?」

「あの、本当に大丈夫ですか?」

 

サラリーマン風の男性が心配そうに私の方を覗き込む。

私は訳が分からず、その男性に尋ねた。

 

「あの、ここって何処ですか?」

 

すると、男性は「は?」みたいな顔になりながらも、「東京都ですが」と答える。

 

東京???

私は頭が混乱したが、サラリーマン風の男性の後方のビルの隙間からの赤いタワーが見えたことで、確信する。

あぁ、あれは東京タワー……。

東京じゃん。

と。

 

「あ、あああ。そうでした。すみません。少し飲み過ぎてしまったようです」

 

私はサラリーマン風の男性にそんな見苦しい言い訳をして、急いで別のところへ走った。

相手からしたら、飲みすぎたのに走れるのか?と思ったことだろう。

さらに、走っているとパソコンの画面で見たことのある建物が見える。

形状は東京スカイツリーなのだが、展望部分はスカイツリーよりも大きく、青い光を放っていたのだ。

それを見た私は立ち止まって口を開く。

 

「え、あれってエスカタワー??」

 

そう、私がよく遊んでいたオンラインゲーム、ファンタシースターオンライン2にて登場する建造物そのものだった。

今のところ私の頭に浮かぶことは、その地球に来たということだ。

それと同時にある不安が襲う。

元の世界に戻れるのか、それとここからどうするか……。

取り敢えず、エスカタワーが立っているということは、少なくとも2016年より後だ。

……もしかして2020年か?

根拠はないが、私の頭のなかでは、そう予感した。

しかし、参った……。

ここからどうしようか……。

 

「(マザークラスタにでも頼るか?)」

 

いや、無理だな。

伝手がないし、話しても意味分からんで済まされそうやし……。

参った……。

絶望に打たれていると、突如私の背後から何者かが迫ってくる気配を感じとり、咄嗟に振り返った。

 

「!!!??」

 

私の目の前にいたのは、青い色のした人っぽい見た目の者。

それは刺々しい金髪の髪型に白いスーツ、そして片腕だけ暴走して肥大化したような青い腕。

私は、その姿を見たことある。

見たことあるというかアホほど倒した経験がある。(ゲームの中だが……)

 

そう、pso2ep4にて初登場した幻創種に分類されるエネミードスゾンビである。

ぶっちゃけ、コイツが登場したことにより、私が

いまいる世界がpso2の存在する世界の別次元にある地球。……自分で言っててワケわからんなった。

で、あることが決定づけられた。

 

何てこった……。

なんなら、その目の前にいるソイツは私にドスを振りかざしていた。

人間、ガチで命の危険に晒されるととんでもない力がでるというのはマジらしい。

物凄い反射神経でそれを回避して全身全霊でダッシュする。

今の私は強豪の陸上部補欠ぐらいの人なら簡単に抜けれるぐらいのスピードを出しているだろう。

 

「ーーーーー」

 

何も言わずただただ走る。

しかし、私のスピードは、私の身体の処理速度では到底追い付けなかった。

足が縺れアニメでも、そうそうないと思えるほどの大転倒を御披露目してしまう。

 

「やっちまったああああ俺バカだああああああ!!!!」

 

そう言って大転倒。

全身に凄まじい激痛が走り、歯が砕けるんじゃないかってぐらい食い縛る。

本当に痛いときって声が出ないものなのだ。

地面にうずくまり、痛みに顔を歪めながら、ドスゾンビが近づくのを見ているしかなかった。

助けも来ない。

終わった。

その時、私の脳裏にあることが浮かんだ。

ナマケモノは肉食動物に食われるとき、全身の力を抜いて、痛みを和らげて殺されるらしい。

それを思い出した私は、死を受け入れて全身の力を抜いた。

そして目を瞑り、一息つく。

 

「ふぅー」

 

しかし、いくらまってもドスゾンビは襲って来なかった。

もしかして、あいつバカだから私のこの姿みて死んだと誤認した?

そう思いながら恐る恐る目を開ける。

するとそこには、アイツがいた。

いや、アイツを模した幻創種がいた。

全身は薄い青い色で四つ足の虫……。

そう、pso2にて初期から登場しているアークスの敵、ダーカー。

その内の一匹、ダガンだ。

そして、いま目の前にいるのは、ダガンを模した幻創種、エスカダーカーなるもの。

因みにダガンの幻創種はpso2には居ないのだが、どういうこっちゃ。

そして、そのダガンは迫るドスゾンビに応戦し、引き裂いた。

引き裂かれたドスゾンビは青い霧になり霧散する。

 

「……」

 

あまりの展開に、私は痛みを忘れてボーッと座っていると、ダガンがこちらに振り返り、私の方をじっと見つめていたかと思えば、ダガンはこちらの方を向いて、スーッと霧散する。

 

「……」

 

私は親指と人差し指を顎に置いて考える。

私に浮かぶ案は1つだけ、神様転生した主人公みたいに、この世界にきた時にエーテルを操る能力を得たという案だ。

ぶっちゃけは私はエスカダーカーは大好きだ。

pso2はep1の終盤からやっているが、ダーカーと龍族に心を惹かれ、エスカダーカーに完全に惹かれたのだ。

もしかしたら、そのエスカダーカーの好きということが、あの時エーテルに反応しダガンが形を成した。

さすがにないか……。

そう思いながら、もう一度、ダガンを想像する。

 

「……」

 

できた。

目の前にダガンがいる。

すげー!!!

私はエスカダーカーを創造できたことに興奮し、はしゃいでいると……。

 

「小野寺龍照じゃな?」

 

突然、私の名前を呼ばれ、振り返る。

そこにいたのは……

 

 

 

 

 

続く

ふと思った事がある。実行するとも限らない。ルーサーかアプレンティスを、シャドーコリドーか、ととモノの世界に一時的に転移させてもいい?

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