エスカファルス【非在】   作:楠崎 龍照

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25話 劇

 

 

 

 

 

 

「……」

 

私は魂が抜けた様な形相で飯を食らっていた。

その様子をみた他のエスカファルス達も不審な目で私を見つめている。

 

「(ねぇ、龍照はどうしたの?)」

「(知らないよ。僕が来た時からあんな感じだった)」

 

アプレンティスとエルミルがヒソヒソと会話をする。

だが、2人には彼の身に何が起こったのかは全く分かっていなかった。

まぁ、それはエスカファルス・ペルソナを除いた全員だが……。

ペルソナは完全には分かっていないが、昨日の会話から何かを察していたのだろう……。

苦笑いをしながら、トーストを食べていた。

 

「なぁ、おい、龍照お前どうした?」

 

見かねたエルダーは龍照に話しかける。

その言葉に龍照は反応する。

 

「あぁ、いや、ちょっと、な、色々と、な」

 

目の下に巨大な隈のある彼は、自身に対する嘲笑を込めた言葉を発する。

だが、その言葉も非常に弱々しいものだった。

 

「何があった?」

「嫌なことがあったら僕達に相談するといいよ」

 

眉を顰めて心配するエルダーに、毅然とした態度をとってミルクコーヒーを飲みながらそう言うが、内心はかなり心配しているルーサーがそう言う。

 

「見たんだね?」

 

水を一飲みしたペルソナは、察した表情で龍照の方を見てそう喋った。

その言葉に龍照はこくりと頷き、禍津緊急のタイムラグ並に遅れて「あぁ」と小さく呟いた。

それを聞いたペルソナは「あぁ、やっぱり」と頭を抱える。

 

「いや、みた……と言うには語弊が大きすぎるな」

 

その喋り方はシオンやシャオの様で、それらの声のトーンをありえないぐらい低くしたような感じだった。

 

「正確には、SNSでイラスト、いや、私にはあれがイラストなのか、アニメの1部なのか、本当なのかは、判断がつかない、が……」

 

いつも話す時は少し早口なのだが、この時の彼の喋りは非常にゆっくりとした喋りだった。

 

「女性が、”奴ら”に腹を抉られ腸管らしきものを食っているイラストが回ってきた」

 

ペルソナは「あー」といった表情を、エルダー、アプレンティス、エルミルは「なんて?」と眼を顰めた表情を、ルーサーは毅然とした表情を、ハリエットは手を口に置いて驚いたような表情を、ダブルは「?????」と意味が分かっていない表情をしていた。

 

「テンションが下がる。あれ見てから寝れなかった」

「それはご愁傷さまでございます」

 

エルミルは彼の方を見て合掌をする。

 

「あれが、その10何話のやつなのかは分からない。ただ、あれを見た事で、奴らの殺意が上限突破したよ……。元々1ぐらいやった殺意が10000ぐらい上がったわ……。上限は10として。どっかの神田旅団並にな……」

 

邪龍の眼を顕現させて、ニーズヘッグと龍照の声が合わさったようなドス黒い声でそう語る。

 

「すまん、今から言う言葉は人として、最低最悪な発言や。もしそれで気分を悪くしたら本当に申し訳ない。あの犠牲になった女性キャラクターが……私の推しじゃなかったのが、私の精神としては、救いだった……。私の推しだったら、私はどうなっていたことか……」

 

龍照の身体からは、青い闇が溢れ出す。

 

「もし仮に、奴らがこの地球に現れたのなら、私はアイツらに地獄ヲ見セテヤル……!」

「具体的に何するの?」

 

青い闇を放つ龍照を気にせずアプレンティスはカマンベールチーズを食べながら彼に訊ねる。

 

「両脚ヲ切リ落トシタ後、両腕ヲ切断、動ケナクナッタ隙ヲ付イテ、エスカラグナス三匹を具現化サセテ、腸ヲソノ三匹ニ抉リ取ラセル」

「某機動戦士のブルデュエルみたいな事しようとしてるよこの人」

「ですが、その存在はここには居ないからできないのでは?」

 

呆れるペルソナ。

ハリエットの痛烈な一言に、青い闇は霧散しガクッと肩を下ろす。

 

「アニメーションで見なくて済んだのが不幸中の幸いなのかもしれん。女性キャラクターの死に過剰に反応する私には少し厳しいかもしれんな。1度観たいと思う私と、女性キャラクターが死んだ時をみた私の気持ちが、その2つがぶつかり合って奇妙な気分になっている」

「まぁ、でも龍照がみたその画像が本編のやつなのかは分かっていないのだろう?」

 

目玉焼きを平らげたルーサーは、龍照にそう喋る。

龍照はガックシとしたままこくりと頷く。

 

「ダメだ……。あの画像が頭から離れん……。フライパンにこびり付いた焦げのようや……」

「まぁ、何が別のことを見て忘れる事だね」

 

ルーサーはコーヒーを飲み干してそう言った。

まぁ、そうだよな。

私は顔をあげて、禍津の部位破壊した後の赤い木彫りのような表情のまま、朝ごはんを黙々と食べた。

 

「推しのキャラクターが死ぬのは、とても悲しい……。生命としての活力を一気に低下させる。最悪、何も考えられなくなってしまう。後悔、懺悔、怨嗟が頭、身体、心を這いずり周り、心臓の鼓動が早くなり、目眩がし、手の震えが止まらなくなる。天宮紫水の時がそうだった。この世の理全てが回転し、自分が自分で無くなっていく感覚……」

 

低い声で話す龍照は、ep3のダークファルス【仮面】そのものだった。

 

「仮に、その世界の推しのキャラクターが奴らに殺されようもんなら、私は…………………………………………………」

 

龍照はそう言いかけるがそれ以上は言わなかった。

多分、それを想像して言おうとした言葉が吹き飛んだのだろう。

言葉が途切れた。

ただ、ペルソナには彼が何を言おうとしたか理解出来ただろう。

きっと彼は「奴ら全員を皆殺しにしてしまうだろう……」と言いたかったのかもしれない。

奴らの力がどのようなものなのかはエスカファルス達には分からない。

ただ、彼から漂うオーラはこの世界に存在していたら、本当に皆殺しにしてしまうと思えるに十分すぎるオーラを纏っていた。

 

「ははは……架空のキャラクター1人の死でこれだけのダメージを負う私や、現実でそうなったらどうなる事やら……」

 

ハッハッハ……と力なく笑う龍照。

相当ダメージ受けたな……。

エスカファルス達全員が心の中で思っただろう。

 

「ただ、物語には必ず悪役は必要や……。その世界とはどのような物なのかという事を説明するに、悪役こそ無くてはならない大切な存在や。そして、読者や、視聴者に衝撃を与え、その世界観にのめり込まれる。その悪役に魅力を覚える人もいる。それも分かる理解してる。実際に悪役で好きなキャラクターだって私には居る。それでもな……それでも……それでも……それでもや……!!!」

 

彼は続けた。

 

「そして、私はこう思う。私なら……エスカファルスである私なら、彼らを……いや、言うのはよそう。この発言は……宜しくないな。」

 

首を振って話を切断した。

 

「はは……ダメだな。気分転換に裕樹の家に遊びに行ってくる……。この食べかけの飯は残しててくれ、後で食べる」

「行ってらっしゃい」

「気をつけてくださいね?」

 

ペルソナとハリエットはそう言って手を振る。

 

「龍照様、全然食べてなかったですね」

 

ハリエットが食べかけの料理を見て、心配そうな口調で言う。

 

「相当きたんだろうな……」

「あの様子じゃあ数ヶ月は引きずるだろうね」

 

エルダーとエルミルが自分の食器を片しながら言う。

 

「でも、そのアニメ面白そうだね、1度視聴してみるのも良いかもしれない」

「龍照様には女の子がどうなるのかという事は言わない方がいいと思いますよ」

「そうだね、そうするよ」

エルミルは愉快な顔で皿を洗いながら言った。

隣で皿洗いをしているハリエットが窘め、エルミルが笑いながら、そう返した。

 

 

 

 

 

 

 

「参ったな……」

 

私はポケットに手を突っ込んでテクテクと歩く。

これは数ヶ月もんだな……。

これまでの経験から、あの画像が頭から離れるまでの時間を予想し、己のアホさに嘲笑する。

まぁ、裕樹とカードゲームや雑談をして少しでも忘れるようにしよう。

そう思い、少し早歩きで裕樹の家に向かう。

 

しかし、裕樹の家に近づくにつれて、何やら焦げ臭い匂いが漂ってくる。

焦げ臭い匂いに混じって、肉が焼けたような匂いもしてきた。

挙句、パトカーや、消防車や何やらが目に入った。

 

「どっかで火事でも起こったんか?」

 

私は不思議に思いながら駆け足で裕樹の家まで向かう。

 

 

「……うそ、や、ろ?」

 

私は眼を大きく見開いて、呆然とする。

私の前にある裕樹の家が……焼け焦げて倒壊していた……。

あれだけ豪華だった大きな家が……そこには何も残っていなかった。

唖然とする中、私はハッと我に帰った。

 

裕樹は!?

裕樹は!!?

 

私は辺りをキョロキョロとして、現場検証?のようなことをしている警察官を見つけ、その人に訊ねた。

 

「すみません、マザークラスタの小野寺です。ここに住んでいる人は無事なんですか!?」

 

鬼気迫る表情の私に、褐色肌をした少し気さくな雰囲気のある警察官は、少したじろぎながらも答えてくれた。

 

深夜に火災が起きて、息子さん以外、全員助からなかったとの事……。

 

「……」

 

それを聞いた私は茫然自失になった。

裕樹以外……亡くなった……。

嘘やろ……。

 

今、裕樹は近くの病院に入院しているらしい。

 

「高木刑事!ちょっと来てくれ!」

「あ、はい! それじゃあ、僕はこれで!」

「はい、すみません。ありがとうございます」

 

私は全力で走った。

走ったというか、ほぼほぼ、全力で滑空していた。

一刻も早く裕樹の容態を知りたかった。

 

「ここか!!」

 

裕樹が入院していると思われる病院に着いた私は、受付に言って、獲物を狩る虎のような表情で詰め寄った。

 

「マザークラスタの小野寺龍照です。ここに香山裕樹さんが入院していると聞いたのですが、病室を教えて頂けませんか? 重要な事なんです」

「ひっ!? え、えーと100号室です」

 

そう言うと、受付の方は明らかに怯えた様子で、病室を教えてくれた。

 

「ありがとうございます」

 

私は走って裕樹の病室に行きたい衝動を抑え、早歩きで向かった。

 

「裕樹!!」

 

私は100号室の扉を開けて、裕樹に駆け寄る。

私に気づいた裕樹は虚ろな瞳から涙を流し、消えるようなか細い声で呟く……。

 

「たっつ……。みんな、しんじゃった……1人に……なっ……た……」

 

私は涙を流す裕樹に「それでも、お前だけでも無事でよかった」と小さい声で呟く。

 

私は涙を流して、友人の無事を泣いた。

本当に、良かった……。

生きてて……。

 

〚そうだな……〛

〚ホっとした〛

 

 

 

 

 

「俺……これから、どうしたら……皆俺を炎から救う為に……」

 

子供のように大声をあげて泣く裕樹。

 

「お、お母さんが……最後に、生きてって……生きてって……」

 

涙をボロボロと流す。

その言葉に私も自然とボロボロと涙を流した……。

 

「……お父さんも、逞しく、生きろって……」

「あぁ、両親の為にも生きるんや……!」

 

私は涙を流し、言葉になっているかも分からない言葉で裕樹に話しかけた。

 

「私に任せろ、マザーに頼んで私のマンションに住まわせて、学校も手配してる。だから、いまは落ち着いて、前を向いて生きろ……! じゃないと、天国にいる両親に怒られるぞ……!」

 

自分でも何を言っているか分からない。

ただ、頭に浮かんだ言葉を裕樹にぶつけているだけだった。

お互い涙で目が腫れ上がるまで、泣き続けた。

いつまでそうしていただろうか……。

そうしている内に、病室の扉がガラッと開いた。

 

「裕樹!!!」

 

1人の女性がベッドにいる裕樹の寝ている側に駆け寄ってきた。

 

「裕樹の家が火事になったって聞いて! 大丈夫!?」

「ああ、大丈夫だよ」

 

黒髪セミロングの結構可憐な美少女だ。

その女性が涙目になって「良かった……。良かった……」と零れるような声でそう言った。

 

「そういえば、タッツーに言ってなかったね。彼女の真衣菜だよ」

 

目を腫らした裕樹、女性の事を教えてくれた。

彼女……彼女!?

私は裕樹に彼女がいた事に驚きが隠せず、涙が引っ込んだ。

 

「はへー、彼女さんか……」

 

私はベッドに蹲る彼女さんを見つめていた。

 

 

「先程はお見苦しい所をすみません。山原 真衣菜です」

 

ようやく落ち着いた彼女さんは、私に向けてぺこりと挨拶をしてくれた。

 

「どうも、小野寺龍照です」

 

反射的に私も挨拶をする。

なんか少し気まずいなと感じ、チラッと窓を見ると夕方になっていた。

 

「それじゃあ、私はこれで失礼するわ、裕樹も難しいと思うが前を向いて歩いてくれ……!大切な友人を失うのは、私は我慢ならんから……。真衣菜さん、裕樹をお願いします」

 

私はそう言って、病室から出た。

 

 

 

「たっつー、ありがとう」

「小野寺さん、ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジかよwwアイツ生きてたのかww?」

「あぁwww本当にゴキブリ見てえなしぶとさだなwww」

「でもよ、大丈夫なのか?警察にバレたり……」

「大丈夫だよ。アイツら放火って事に気づかずに、コンセントからの出火って思ってるぜ」

 

 

「でもこれでおもしれ〜事が出来るぜwww」

「なになに?」

「あのな?」

 

「どうよwww?」

「「「「「「wwwwwwwwwwww」」」」」」

 

青年達はドッと笑い声をあげる。

 

「お、なーなー。そういえばアイツ彼女居たよな」

「ああ、勿体ないぐらい可愛い女だよな」

「それがどうかしたのか?」

「いい事思いついたぜ!」

「なんだなんだ?」

 

「良くね!?」

「「「「「「wwwwwwwwwwww」」」」」」

「いいねいいね!」

「最高じゃん!」

 

青年達はニヤニヤとした表情で盛り上がっていた。

 

 

 

 

 

 

あれから2週間が経過した日。

私は裕樹がいる病室に来ていた。

明日退院するらしい。

裕樹も両親達の死から、ほんの、ほんの少しずつではあるが立ち直って前に向きつつある。

私も、マザーに頼んでマンションの引越しに金銭の援助、天星学院の転校の準備が整いつつあった。

何故か手違いで転校が1週間後になってしまったのが気になるが、まぁ問題は無いだろう。

 

「1週間後に、天星学院か……」

「ああ、マザーに頼んで準備中や、マンションの方も手配してる」

「ありがとう……タッツー、ごめんな」

「にゃーにゃー、気にするな。お前は身体と心を休め、何か飲み物とか買ってこようか?」

「いや、大丈夫だよ」

「そか」

「それにしても、タッツーがマザークラスタだったなんて……」

「あぁ、訳あってな」

「あのドラゴンの事?」

 

そう言うと、裕樹は幻創ニーズヘッグと、幻創ミラボレアスの方を見る。

そして、微笑んだ。

 

〚……〛

〚ここの人間って火で死ぬんだね。結構脆いね〛

「ぉぃ……ミラボレアス……」

 

流石にその発言はやめてくれ。

私は幻創ミラボレアスに語りかけた。

 

〚いくらエーテル適正が高くても、私達の言葉までは聴こえてないよ〛

「そうは言ってもな」

 

私は頭を抱える。

幻創ニーズヘッグは人に対しての殺意が酷い。

幻創ミラボレアスは何考えてるか分からん。

殺意があるのか、無いのか全く分からない。

 

〚まぁ裕樹だけでも生きててよかったね〛

「うん。そうやな」

 

本当に幻創ミラボレアスはどうなっているのだろうか。

人に殺意を剥けているのは分かっているが……。

気まぐれなのか……。

人間には理解できない性格なのか……。

 

あー、そういやディレクターさんも言ってたな。

人間には理解できるようなやつでは無い。

だから恐ろしいって。

 

「2匹が何を言ってるかは、聞かないでおくよ」

「ははは……まぁ、そうしてくれ。それと、とりあえず、明日退院して、私のマンションに引っ越しするんやろ?」

「うん、明日からよろしくね!」

 

そう言うと、裕樹は背伸びをして、寝る体勢になった。

 

「そういえば、明後日に転校する手続きをする為に、学校に来いって校長先生に言われたな」

「大丈夫か? マザーに頼んで手続きをやってもらう様に頼もうか?」

「いや、大丈夫だよ」

 

安心してくれと笑顔でいう裕樹を前に私は「そうか」としか言えなかった。

少しの不安がありつつも、私は裕樹の意見を尊重した。

ここで無理に止めるのもあれやしな。

 

「転校の手続きをするだけや。大丈夫だ。そんでもって、家に帰ったらまたタッツーとゲームしよう!」

「ああ、そうやな!」

 

裕樹の屈託のない笑顔に私は笑顔で返した。

 

「そしたら、私はこれで帰るわ!」

「おう! じゃあ、また明日学校終わりに会おう!」

「おうよ!そんじゃーなー!」

「ばいばーい!」

 

私は手を振って病室を出た。

裕樹も手を振って私を見送った。

扉が閉まり、私が振り返っても裕樹の姿が映らず、白い扉が見えるだけだった。

 

 

 

 

 

翌日

 

 

無事に退院した裕樹は、私たちの住むマンションに引っ越してきた。

場所は私達が住む1つ下の階だ。

 

「今日から1階下に引っ越してきた香山裕樹です。よろしくお願いします!」

 

裕樹は挨拶に私の所にやって来て、丁寧な物腰で自己紹介をした。

エスカファルス達も、私の友人である事や火事の事を知っており、超笑顔で歓迎していた。

だが、裕樹よ。

私は気づいているぞ。

お前が丁寧な物腰で挨拶をしている間、エスカファルス・ペルソナのバカデカお〇ぱいに視線が行っている事を……。

いや、男性ならアイツの超弩級超乳は目に行くわな。

出かけてる時も、ペルソナを見る他の人の視線が、胸、顔、胸って順に向けられるからな。

 

 

まぁ、それはそうとして……。

 

「それじゃあ、引越しの作業は終わったし俺は戻って昼ごはん食べてくる」

「それなら、私らと食べないか?」

 

私は裕樹に昼ごはんを誘った。

だが、誘った瞬間に気づいた。

冷蔵庫に飯があったっけ……?

やべぇ……。

誘ったのはええけど、昨日デカパイ仮面ことペルソナに食べられたんやっけか……。

あぁ、ええか。

なかったらなかったで、ペルソナの冷蔵庫からかっさらえば……。

 

「いいの?」

 

裕樹がそう聞くので、私は笑顔で頷いた。

「あぁ、いいぜ!」「みんなで食べる方がとても美味しいですよ!」「裕樹も食べよー!」

 

とエスカファルス達も賛成のようだ。

エスカファルス達がテーブルを昼飯の支度をする。

冷蔵庫の中はやっぱりというか、なんというか……。

デカパイ仮面が全部平らげていた。

だから、今回はペルソナに飯を作らせる事にした。

ペルソナはアプレンティスとハリエットに救いを求め、2人が渋々という程では無いが、ペルソナの料理を手伝っていた。

 

 

その間、裕樹はと言うと。

 

 

「裕樹お兄さん強いー」

「裕樹お兄ちゃん強いー」

「ハッハッハー、どうやー」

 

ダブルとデュエマをしていた。

裕樹のあまりの強さに尊敬の眼差しを向けている。

 

「師匠ー!」

「先生ー!」

 

挙句に師弟関係になってる……。

 

「元気だなー」

「そうだね。でも、ちょっと無理している感はあるけど……」

 

エルダーとルーサーはダブルとはしゃぐ裕樹を見てそう呟く。

私は「まぁ、あんな事が起こったらな……」と裕樹に聴こえないようにエルダーとルーサーにいった。

 

 

 

「師匠ー! このデッキの構築教えてください!」

「先生ー! このカードを使った構築教えてください!」

「おう、任せとけ!」

 

すっかり仲良くなっているダブルと裕樹。

私達がそれを見ていると、「あれ?」と違和感に気づく。

 

「そういえば、エルミルは?」

 

私は周りをキョロキョロしながら、エルダーとルーサーに訊ねた。

 

「あぁ、前に龍照が言ったヴラムマって奴にハマったらしくてな。いまアニメイトでそのグッズ買いに行ってるんじゃねーか?」

「へー」

 

私はエルダーにそう答える。

エルミルにもハマる事ってあるんだな。

ep5のエルミル見てた自分からしたら結構意外だった。

 

「出来たわよー!」

「出来たよー!」

「出来ましたー!」

 

エプロン姿で現れた女性エスカファルス3人。

くそう、ペルソナのエプロン姿が可愛いと思ってしまった自分が悔しい。

ルーサーはハリエットのエプロン姿に釘付けなのは言うまでもない。

裕樹はペルソナのデカパイに目を奪われていた。

 

「今日はペペロンチーノだよー!」

「頑張りました!」

「いっぱいあるから好きなだけ食べていいわよ」

 

ペルソナ、ハリエット、アプレンティスがそんな事を言いながら、テーブルに起き始める。

 

「裕樹は私の隣に座わるとええで」

「ありがとう」

 

私は自分の席に座りながら裕樹に言った。

裕樹も感謝を述べながら、私の隣の席に座る。

各々のエスカファルスも席に着席し、全員(エルミル除く)が座った所で、私は「それじゃあ手を合わせてー!」と大声で言う。

みんなその声に応じるように手を合わせた。

勿論、裕樹も若干戸惑いながらも手を合わせる。

 

「いただきます!!」

「「「「「「「「いただきます!!!」」」」」」」」

 

全員が、いただきますして、目の前にあるペペロンチーノを食べ始めた。

 

 

 

 

 

その後、ペペロンチーノを食べ終えた私たちは、裕樹とテレビゲームをしたり、ダブルとカードゲームを再びしたりと楽しい時間を過ごした。

 

 

「それじゃあ、俺はこれで失礼するよ、明日学校だしな」

「おう!」

「また遊びに来いよ!」

「じゃーねー!」

「師匠また来てね!」

「先生また遊ぼうね!」

 

「勿論だ!!」

 

私達は裕樹を笑顔で見送る。

裕樹も笑顔で手を振って下の階に降りていった。

 

「なかなか面白いやつだったな」

「そうだね!」

「楽しかったー!」

 

部屋に戻った私達は片付けをしながら、裕樹の話で盛り上がった。

明日から、裕樹とも遊べると考えると毎日が楽しみで仕方がなかった。

この世界に来て初めて出来た友人に私は、自然と口が緩んでしまった。

エスカダーカーの鍛錬を完全に忘れる程に。

 

 

 

 

 

 

続く

 




名前
エスカファルス・ペルソナ

異名
深遠なる闇
少女を救った幻雄
もう1人の龍照

あだ名
デカパイ仮面
ド淫乱仮面
ド変態仮面


エスカファルス・ペルソナ【深遠なる闇】
概要
青白い色の深遠なる闇に変身できる。
創世種であるアンガファンタズマ種を具現化、使役することが可能。
ダークファルス【仮面】の持つ時間遡行は持っていない。


能力
創造魔法【具現化】
概要
自分の頭の中で思い描いた物質を具現化する。


キャラクター詳細
主な概要
小野寺龍照の無意識な妄想により生み出された女性。
小野寺 龍照の深層心理(自分が女性ならこうでありたい)という全ての欲望が反映されて具現化された存在。
一人称は「私」。
民俗学や歴史学に詳しい。
身長は小野寺と同じ169cm。


容姿
茶髪に碧眼のロングヘアーの女性。
そして、胸がデカい。
Ucup以上のデカさを誇っている。
競泳水着やピッチリスーツを"私服"としている。
特に対魔忍RPGに登場する綴木みことの対魔忍スーツが大好き。
服なんてどれ着たって同じだって!
ファッションファッション!


性格
大切な人をあらゆる手段を使って守ろうとする【仮面】としての性格を持っている。
が、それ以外は小野寺龍照が女性だったらという妄想が反映されている為、物凄い変態で淫乱でドマゾな娘。
とりあえず、とんでもない性癖を持っている。
いい意味でも悪い意味でも頭のおかしい人物。


趣味
ゲームと物作り、セルフチャージ。
本人と同じくモンハンと対魔忍と呼ばれるゲームが大好き。
自分の創造具現化能力を使って、日夜様々な物を作っている。
好きなキャラクターは、小野寺同様に篠原まり、七瀬舞、星乃深月、柳六穂、天宮紫水、綴木みこと。


彼女を一言で現すなら?
概要
超絶ド変態ド淫乱ドマゾ娘。

彼女の目指す夢
概要
大切な人を守る事。
対魔忍を守る事。
推しの対魔忍全員のピッチリスーツに顔をうずめてスリスリする事。

ふと思った事がある。実行するとも限らない。ルーサーかアプレンティスを、シャドーコリドーか、ととモノの世界に一時的に転移させてもいい?

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