エスカファルス【非在】   作:楠崎 龍照

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あれから数ヶ月が経過した。
あの時はニート卒業宣言をされたと言っていたが……。
ニートは卒業した。
今はフリーターのような、傭兵のような、フリーランスのような……。
そんな感じだ。
なんだろうか……。
本当にpso2をプレイしている感じだ。

ロビーという名の自室で私事をして、幻創種の出現(緊急クエスト)が出たらそれに行って討伐する。
後は、エーテルを用いた犯罪の取り締まりだな。
警察では検挙するのが難しいエーテル犯罪を、マザークラスタが取り締まる。
そんな感じなことをしている。
ぶっちゃけバイト感覚、もしくは"いつもの"pso2をやっているようなものだ。
まぁ、マザークラスタ支部自体が出来たばかりだから、仕方がない。

まぁでも、ep4の使徒達もドラマCDで似たような感じだったし、こんなものかと思っておこう。



「……」

私はベッドから起き上がり、すこしだけ考え事をする。
今は2023年6月20日。
ep4は2028年3月22日、つまりあと5年。
ついでに言うと、今年は幻創ミラボレアス、幻創ニーズヘッグとの約束の年……。
多分、私の人生の中でこの年が最大の修羅場である事が目に見えて分かる。

あれからニーズヘッグとはかなりコミュニケーションを取っている。


「これ良くない!?」
〚知るか!!〛

私は幻創ニーズヘッグにピッチリスーツを身に纏った女性のイラストを見せた。
だが、幻創ニーズヘッグはキレ気味に怒声を吐いて見てくれない。

「ほら、この身体にフィットした感じ! これがエロいのよ。あとは形がくっきりと見えてるおへそとか胸とか! わかる?!」
〚えぇえい!そんな破廉恥なものを見せるな!!〛

FF14の龍にはオスとメスの区別は存在しない的な感じではあるが、やはりこの地球の人々の想いから生まれた存在だから、意外と異性の身体事情には興味があるのだろう。
ちなみに幻創ミラボレアスは、興味0のようで身体を丸くして眠りについていた。

「じゃあ、この競泳水着は!?」
〚だから、興味ないと言っておろう!!〛
「えー、この太ももや、鼠蹊部が最高に……」
〚我の目の前に見せるな!! 馬鹿!! 離れろ!!〛

こんな感じだ。
何とか、何とかコミュニケーション??は取れてるはずだ??

幻創ミラボレアスとは、分からない。
本当に分からない。
表向きは取れている。
ただ、裏向きが全然分からない。
なんか人には理解できない思考を持っている。


そんなことを考えていると……。

〚そういえば、もう3年かー〛
「!?」

幻創ミラボレアスの言葉に私はビクリとして、言葉が頭の中から吹き飛んだ。
自分でも分かるぐらい目が泳ぎまくってると思う。

「な、何が?」

コイツの言ってる意味は理解したが、安堵が欲しかったので、私は顔を引き攣りながら訊ねた。
私の言葉を聴いた幻創ミラボレアスは笑いながら喋る。

〚覚えてる癖にー♪。人間にも良い人はいるよって話ー♪ ……忘れてないからね〛

幻創ミラボレアスの冷たい声が私の心臓を鷲掴みにする。
彼女のニコッとした表情から一変、その表情は真顔になる。

「まぁ、そうだよな……」

〚私はそのままでも、滅ぼしてもどっちでもいいけどね〛

幻創ミラボレアスの言葉に、私は頭を掻きながら困ったなと呟いた。
確かに3年間、様々な人間と交流を果たしている。
ボランティア活動とかカードショップでの交流とか、散歩という名の旅とか、幻創種の討伐とか。
人々はありがとうと感謝され、動物からも……感謝、されたと思いたい。
まぁ、色々とやったよ。

それでも……不安だ。
もう幻創龍が何考えてるのか分からなさすぎて……。
まぁ、考えても仕方がない。
私は考えるのをやめて、朝飯を食べることにした。





注意
この話はエスカファルス・ペルソナが暴走するお話です。
元のダークファルス【仮面】とはかけ離れた発言を連発します。

またダークファルス【仮面】とエスカファルス・ペルソナは全くの別人です。
キャベツとレタスぐらい違います。
お読みになられる際は注意してお読みになられてください。


32話 マトイ欠乏症

 

 

 

 

2023年6月20日

 

 

「はぁ……何もねえ……」

 

冷蔵庫を開けて、私はため息を漏らしながら肩を下ろす。

冷蔵庫の中は白一色の白銀の世界だった。

本当に何も無い……。

ペルソナがまた食べたようだ。

あんだけ食べてよく太らないな……。

いや、多分脂肪は全部胸に吸収されてるんだろうな。

年々デカくなってる。

3年前はデカパイだったのが、今はテラパイだ。

外出かけるだけで、大衆の全員の目が胸に向くのは本当に笑ってしまう。

 

「あぁー……また幻創飯か……」

 

私はもう手馴れた手つき、脳つきで食パンと半熟目玉焼き、ソーセージ、ミルクを具現化。手と手を合わせて頂きます。を行って、幻創飯を口に放り込む。

 

「ふぅ、ご馳走様でした」

 

私はそう言って食器の具現化を解いてソファーに寝転ぶ。

お腹がいっぱいになったら眠くなってきた。

 

「……少しだけ寝てから、大阪に行こうかな……」

 

私は元の世界に住んでいた大阪府に向かって、この世界の南海本線に乗って和歌山にでも行こうかと考えていた。

 

そして、少し...…ずつ、夢の門が開き……私はその門を通り過ぎようとする……。

その時だった。

 

「マトイちゃあぁあああああん!!」

 

何とも奇妙な鳴き声が聞こえてくる。

ペルソナの声だ。

またペルソナがまた何かやらかしたのだろう。

せっかく寝ようと思ったのに、巻き込まれるのはごめんだと考えた私はイヤホンを両耳にぶち込んで大音量で採掘基地防衛戦・終焉のフェーズ4と5を聴いた。

だが、その行為とウォパルの泡となる。

 

「おい!! 龍照!!」

 

バンっと勢いよくエルダーが私の部屋の扉を開け、私のイヤホンを取って話しかけてきた。

この瞬間に私は察した。

 

あぁ……大阪には行けない。

と……。

 

ソファーから身体を起こしながら「なに?」と若干不機嫌な表情でエルダーに訊ねる。

そんな私の表情なんぞ知ったこっちゃねえと言わんばかりに、エルダーは「ペルソナが大変なんだ!」と無理矢理私の腕を引っ張って、ペルソナの部屋へと連行していく。

 

既にエスカファルス達と大原と藤野が集まり、危ない人を見るかのような表情でペルソナを見ていた。

 

「マトイちゃん!! マトイちゃん!!? 私のマトイちゃんが居ない!!」

 

ペルソナが悲しげな表情で無くなったものを探すが如く部屋中を右往左往していた。

私はその様子を見て思った。

ヤク中の禁断症状か?

と。

危ない人を見るかのような表情ではなく、もう呆れた表情で私は見つめていた。

 

「マトイちゃあああああん!! マトイちゃああああああああん!!」

 

その光景にアプレンティスとハリエットは口を手で抑えながら絶句していた。

アプレンティスのこれまでのロリショタウォッチングも、私からすれば絶句ものではあるが……。

 

「マトイちゃん!! マトイちゃんが居ない!! 私のマトイちゃんがいない!! マトイちゃん!! マトイちゃあああああああああん!!」

 

この場に本物のマトイ氏が居なくて良かったと心から思えた。

いたらガチ引きしているであろう事は火を見るより明らかだ。

 

「な、なんなんだこれは……」

 

エルミルの呟きに私は冷静にこう言った。

 

「マトイ欠乏症やろ」

「酸素欠乏症みたいに言うな」

 

私の言葉にルーサーのツッコミが返ってくる。

その間もペルソナは「マトイちゃんマトイちゃん」と壊れたラジオのように騒がしく叫んでいた。

もう、眠いのに勘弁してくれ……。

 

〚アホだ。本物のアホだ〛

〚あ、アーーーーーハッハッハッハッハッハッハーーーーー!!!〛

 

その光景に幻創ニーズヘッグは呆れ果て、幻創ミラボレアスは大爆笑している。

まぁ、2匹には同意だ。

アホすぎて笑いが込み上げてくる。

 

「マトイちゃんが居ない!! 私のマトイがいない!! 私のマトイちゃーーーーーーん!!!」

 

……もしかして、ペルソナの頭の中に鷲宮氷莉さんの魂でも入り込んだのだろうか……。

だが、そんな呑気な事を考えていた私が馬鹿だった。

 

ふとペルソナは身体を硬直させた。

そして、ペルソナはあのクリスタルを手に持つ。

 

「……あぁぁーー……」

 

私は息と共にその言葉が漏れ出る。

 

「あぁ、マトイちゃん、マトイちゃん!!」

 

目をハートにしたペルソナは物凄い悪い笑みでこちらに近づいてくる。

なんだろう、下手なホラーゲームより恐ろしい。

私たちは自然と後退りをする。

 

「ね、ねぇ、ペルソナ、何する気?」

「ペルソナ様、お、落ち着いてください!」

 

アプレンティスとハリエットは引きつった笑みをしながら必死にペルソナを宥める。

もちろん、効果がないようだ。

 

「いひひ、皆がマトイちゃんになればいいんだーーーーー!!!」

 

そう言って、この馬鹿はクリスタルを掲げる。

ペルソナの強い願いと想いは、私たちの身体に変化をもたらした。

 

 

その結果……。

 

 

「にゃー、面倒な事になったもんやの……」

 

頭を抱えるがちょっと満更でもない大原。

だが、その姿は全く違っていた。

白くサラサラした長い髪に、汚れのない透き通った赤い目。

老若男女問わず、全員が美少女と言うレベルの整った美しい身体に顔。

そして、程よく実った胸。

pso2のメインヒロインを務め、とある人からは絶大に愛されている美少女。

マトイである。

ペルソナの持つクリスタルの力によって、この場にいたペルソナを除く人達全員がマトイ氏になった。

一応言うと、身体と声がマトイ氏になっただけで中身は変わっていない。

ちなみに、人達によってマトイ氏の容姿が異なっている。

 

「おい、どうすんだよこれ……」

 

頭を抱えるエルダー(ep1〜2のマトイの姿)。

 

「まぁ、たまにはこういう姿になるのも悪くはないんじゃないかな? 特に何かに支障をきたす訳でもない」

 

余裕の風格を持っているルーサー(ep1〜2のマトイの姿)。

 

「思ったけど、私がこの姿になるのって結構笑えないと思うんだ。多分だけど」

 

自分の姿を見てそう言うアプレンティス(クラリスクレイス時代のマトイの姿)。

 

「わー、背が高くなったー!」

「わー、遠くも見えて凄いー!」

 

元々背が低かった2人が急に身長が伸びて、はしゃぎまくるフローとフラウ(ep3のマトイの姿)。

 

「TSモノの同人誌は寝る前に読んでるけど、いざ自分がなると凄い不思議な感じがするね!」

 

自分の身体を見つめながら、少しだけニヤケ顔になり、高ぶるテンションを必死に隠しているつもりのエルミル(ep4〜5のマトイの姿)。

 

「ま、マトイ様の姿ですか……。何故でしょう、少し懐かしい感じがします」

 

マトイとなった姿に戸惑いつつも、懐かしい気持ちになって微笑んでいるハリエット(原初の闇戦のマトイの姿)。

 

「なんで私がこのマトイやねん……」

 

自分の服に納得がいかずに項垂れる私(悪堕ちマトイことマトイ・ヴィエルの姿)。

 

「おー、似合っちょるぞー!」

 

私の姿を見て爆笑する大原(リバティークラスタを身に纏ったマトイの姿)。

 

「まぁ、たまにはいいんじゃない?」

 

あははと笑う藤野(マトイイドラ・カオスの姿)。

 

 

いや、マトイの姿になっているのは、彼らだけではなかった。

 

〚な、なんだ!? 我の身体に何をしたのだ!?〛

 

自身の身体の変化に戸惑いを隠せない幻創ニーズヘッグ(竜騎士の姿をしたマトイ)。

 

〚なんじゃこれ? 何か変わった姿になってる。へー、こんな感じなんだー〛

 

少し戸惑いながらも、心の中ではそうでもなさそうな幻創ミラボレアス(ブラックシリーズの防具を身に纏うマトイ)。

 

 

ペルソナの部屋に大量のマトイが現れた。

その姿を見たペルソナは、推しが目の前に現れたオタクのように限界化。

鼻息を荒くし発狂しだした。

 

「FOOOOOOOOOOOOOOOOOOOooooooooooooooooo!!!!!!」

 

テンションが天元突破したペルソナは、何を血迷ったのか私たちにダイブしてきやがった。

突然のペルソナダイブに全員がギョッとして、全員蜘蛛の子を散らすように逃げようとする。

しかし、このマンションの一室ではあまり散る事が出来ずに、1人のマトイ(ルーサー)が餌食となってしまった。

 

「あぁー!マトイちゃんマトイちゃん!! はぁはぁはぁはぁはぁ!!」

 

ヨダレを垂らしてハート目になるペルソナが抱きついてきて、マトイ(ルーサー)は必死に振り放そうと抵抗する。

 

「は、離れろぉぉおおお!」

「あぁマトイちゃん!!マトイちゃん!!」

 

必死の抵抗も虚しく、ペルソナは物凄い幸せそうな顔でマトイ(ルーサー)の胸元に顔を埋めてスリスリし始める。

 

「ぎゃああああああやめろおおおおおおお!」

 

ルーサーはマトイの声で悲鳴を上げる。

……最早、性犯罪の現場である。

 

「スーハースーハースーハースーハー!! あぁマトイちゃんいい匂い!! ラベンダーの……はぁはぁはぁ香りぃ!!!」

 

激しく呼吸をしながら、興奮した口調でマトイの胸元の香りをこれでもかと言うほど嗅ぎまくる。

……本当にこの場にマトイ氏がいなくて良かった。

 

マトイ(ルーサー)は、今までに見たことが無いような顔を青ざめて怯えた様子で抵抗している。

 

……なんか……ちょっと興……いやなんでもない。

 

 

「ペルソナ落ち着け!! 落ち着けえええ!!」

「マトイちゃんいい匂い、あーいい匂い!! 柔らかい!!柔らかい!!!」

「お前病名のない病気発症してるだろ!?」

 

マトイ(ルーサー)の悲痛な叫び等ペルソナの耳に届くはずもなく……。

ペルソナは興奮した様子でマトイ(ルーサー)の匂いをクンカクンカする。

 

「あぁいい、その表情最高!! おおおおおーーーーーー! おおおおおおおーーーーーー!!」

「あーーーもう嗅ぐなあああああ!!!」

 

マトイ(ルーサー)の雄叫びがペルソナに届くはずはなく、3時間ほどぺたぺたクンカクンカされていた。

 

 

「酷い目にあった……」

「大変だったわねー」

 

ゲッソリと項垂れるマトイ(ルーサー)にマトイ(アプレンティス)が同情の声を掛けた。

本当に同情しているのかは定かでは無いが……。

 

「しかし、これじゃあ闘争も出来ねえし、シーナにも会いに行けねえ……」

「シーナはともかく闘争なら出来るのでは?」

 

マトイ(エルダー)の愚痴にマトイ(エルミル)が率直な疑問を投げかけた。

 

「こんないたいけな少女の身体を傷つけるのは気が引ける」

「そんなもん?」

「ああ、そんなもんだ」

「じゃあ、何でシーナに会いに行けないの?」

「……エルミル」

「なに?」

「考えても見ろ。この少女の顔で、俺はエルダーだ。なんて事言ってみろ? 確実に頭の病院に連れていかれる」

 

物凄い真面目な表情で語るマトイ(エルダー)の姿が少しばかりシュールで吹き出してしまった。

 

「そ、そうだね、フフ」

「何もおかしい事言ってねえだろ!」

「ごめんって、フフフフフ」

 

キレるマトイ(エルダー)。

笑いながら宥めるマトイ(エルミル)。

 

「なんだこのシュールな絵面は……」

 

それを見たボロボロのマトイ(ルーサー)はポツリと呟いた。

 

 

 

「にゃー、大変な事になったのー」

「そうですね」

「そのペルソナは龍照をアブダクション(拉致)してどっか行ったけどね」

 

困った顔をしつつも、推しのキャラに成れて満足気な雰囲気を出しているマトイ(大原)に、マトイ(ハリエット)とマトイ(アプレンティス)はマトイ(エルダー)とマトイ(ルーサー)のやり取りを眺めながら同意する。

 

「アwブwダwクwショwンw」

 

そして、何故かマトイ(アプレンティス)の言葉にツボって床に笑い転げ回るマトイ(藤野)であった。

 

「フロー様とフラウ様は背丈が大きくなって嬉しそうですね」

 

マトイ(ハリエット)はダブルの姿を見て微笑んでいた。

背が低いダブルはマトイの身長を得たことにより、いつもより高い景色を見ることができた。

まぁ宙に浮けばいいのだが、宙に浮くことがなくその景色を見れるのは非常に新鮮だったのだろう。

 

「わーい、遠くまで見えるー!」

「わーい、高い所まで見えるー!」

 

ワイヤワイヤとはしゃぐ2人のマトイ(ダブル)。

 

「この絵面いいのー」

 

ちょっと口元が緩むマトイ(大原)。

 

「幼児退行したマトイかー。なんかいいね」

「も、もうちょっとまともな言い方はないのかい?」

 

うんうんと頷きながら言うマトイ(藤野)に、若干引き気味のマトイ(ルーサー)であった。

 

 

一方、ペルソナにアブダクションしたマトイ(龍照)はというと……。

 

 

 

午後6時00分

 

 

「ったく、なんで私がこんな目にあっとるんや……」

 

ぐったりと項垂れていた。

あの後、ペルソナによって強引に東京を連れ回された。

彼は大阪ならいいよと言ったが、ペルソナがそれを了承せず、私はとりあえず普通の服を着る事を条件に東京をデートすることになり水族館、遊園地、散々連れ回された。

 

「マトイちゃんとデート。はー最高!」

 

ペルソナは今までに見たことないような笑顔で抱きついてくる。

傍から見れば百合百合なカップルと言った所だろう。

実際は限界を超え掛けているオタクと、その深層心理が生み出した幻創ダークファルスだが……。

 

「マトイちゃんじゃなくて小野寺龍照やけどな」

「夢壊すな」

 

私の指摘にペルソナは真顔になって答えた。

ったくもぅ……。

本当に参ったもんだよ……。

 

「まぁ、十分楽しめたし、そろそろ帰ろっか」

「やっとか……」

 

ペルソナにそう言われ、私たちは自宅へ帰還するため電車に乗ることになった。

手之山線の普通列車に乗って最寄りの駅まで向かう。

列車内は帰りのサラリーマンでごった返しており満員だった。

そんな中で、ドゴーンキュボンの肉体をもつペルソナが入ったらどうなるか……。

 

「満員だー」

「ああ、時間が……時間だからな……」

 

ペルソナと私はギュウギュウ詰めで少しばかり参っていた。

 

「(何あの子の胸……)」

「(え?デカくない?)」

「(やべえ、写メ撮ってオカズにしてぇ)」

「(エッッロ!?)」

「(嫌なこと吹き飛ぶわ……)」

「(疲れが吹っ飛ぶ)」

「(あぁ、横乳当たって、幸せ……)」

「(た、谷間に顔が……)」

 

 

他の男性サラリーマン達はペルソナの規格外の胸に釘付けになっていた。

 

「そういえばさ、手之山線ってちょっとエロいよね」

「何を言うてんの?」

 

突然訳の分からない発言に私は素の声が出た。

何なら他のサラリーマン達も「(!?)」という驚きの表情をしている。

そして、ペルソナは何故手之山線がエロいかを説明し始めた。

 

「まず、手之山線の山って言い換えたらおっぱいじゃん?」

「お、おう?」

「つまり、手之山っておっぱいの上に手が置かれてる訳だよね?」

「分かりそうで分からない」

「エロくない?」

「知らねえよ」

 

物凄い真面目に説明をするペルソナに、満員電車の中で何を言ってんだよと呆れて笑うしかない私。

 

「(可愛い)」

「(何あの不思議ちゃん)」

「(彼女にしたい)」

「(盗撮覚悟……!! ここで撮らないと俺は後悔する!! すまん不思議ちゃん!!)」

「(頭ピンク過ぎない!?)」

「(た、谷間に挟まって……い、息が……でもや、柔らかい……)」

 

「あと電車も女の子だったら、もうそんなにお客さん入らないよーとかエロく感じない?」

「感じねえよ、アホか!」

 

もうヤダこいつ病院に連れていかないと行けないんじゃないの?

私はペルソナのピンク振りに呆れ果てた。

あと、こんな満員電車の中でそんな事を言うのだから、恥ずかしくて体がめっちゃ暑い。

物凄い他人の振りをしたい。

 

「(か、かわいい……)」

「(ピンクだ)」

「(めっちゃ彼女にしたい。なんなら地味に隣の銀髪の子もかわいい)」

「(っしゃ何枚か撮れた!! 今日の夜食は決まった!!)」

「(あの隣の子も可愛いな。彼氏とか居そうだな……)」

「(あぁ、意識が……でもおっぱいの中で死ねるなら……本望……)」

 

 

 

その後、駅に着いた時1人の男性が窒息して気絶した事で大幅なダイヤ乱れが起こったことは言うまでもない。

 

 

 

 

 

続く。

ふと思った事がある。実行するとも限らない。ルーサーかアプレンティスを、シャドーコリドーか、ととモノの世界に一時的に転移させてもいい?

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