格納庫で機器を操作している少女がいた。
名前はヒューマドールズ・マノン。
彼女は、素早い手付きでキーボードを打って、ドールズ達を発進させていた。
「小型ドールズ10個師団。戦域統制型ドールズ ネクス、レヌス、アムス、ニルス、ボディス、ヘドス、ヴァーディアス……発信準備完了。10秒後に発進」
キーボードを打ち終えたマノンはガラス越しに見える格納庫を確認する。
目の前の格納庫には、巨大なブースターを装備したドラゴン型のドールズや蛇型のドールズ、人型のドールズ等が見えた。
そして、それらは音を立てて地球へと発進していく。
「次は……」
マノンは走りながら、別の格納庫へと向かう。
目的の場所へと辿り着いたマノンは直ぐに端末にアクセスし、ホログラムのキーボードで入力をする。
目の前には、超巨大なドールズが3機鎮座していた。
「……よし」
彼女は頷くと、3機のドールズを発進させた。
宇宙に出た3機は水を得た魚のように動き初めて、その巨体から想像も出来ないレベルのスピードで地球へと向かっていった。
『闇の神……ゾディアーク……。』
ff14プレイヤーのマザーは、顕現した神を見上げて呟いた。
ゾディアークと呼ばれる巨神は作中に登場した姿とは少し異なる姿をしていた。
それもそのはず、この神を降ろした彼女と彼は、分割されて封印された状態でのゾディアークしか見たことが無い。
作中で戦うゾディアークは、腕や体が欠けている状態だ。
言わば不完全の状態だ。
故に、彼女と彼は、その不完全な状態のゾディアークに深遠なる闇を繋げる事で、事実上完全な力を持ったゾディアークへとしたのだ。
顔の半分がゾディアークの顔、もう片方が深遠なる闇の顔。
腰周りは深遠なる闇の花弁で、そこからゾディアークの蛸足のような脚部が生えていた。
背部には深遠なる闇の翼と、ゾディアークの翼が両方生えているのが特徴だ。
パッと見、禍々しくも神々しい見た目をしていた。
「「具現完了、万象の救いを……我が意のままに……!!」」
ゾディアークと深遠なる闇(ガチのep3に登場した、侵食機能のみを持たないマジモンの深遠なる闇)が1つとなった姿をした神は、ゆっくりとした口調でイージスに向けて言い放った。
「「さて、終末の再現をいたしましょう……」」
私達は、6本の腕を動かして力を込めた。
「「救いをもたらせ、あの日のように……!!!」」
力強い声と共にエーテルの波動を地球へと送った。
波動を受けた地球に異変が起きる。
エスカタワーの残骸から漏れ出たエーテルが、徐々に勢いを弱めていったのだ。
その感覚はマザーにも伝わった。
「「マザー、私達がエーテルを抑えているうちに、エスカタワーの再創造をお願いします」」
マザーは予想もしていない出来事に一瞬、戸惑いの様子を見せたが、直ぐに『わかった。ありがとう。』と言って地球全土にエスカタワーを再創造に取り掛かった。
『馬鹿な、貴様……いったい何をした!?』
ドールの怒りと戸惑いが合わさった声がイージスから聴こえてくる。
その問いに、私たちは静かに答えた。
「「ゾディアークは活性の闇で、綻んだ天脈の理を敷き直し、とある終末を退けた。私達はそれを、溢れ出るエーテルを抑えるという現象として再現した」」
『なん……だと?』
「「エーテルの暴走が鎮まった事により、SEEDが具現化する事はない……。後はマザーがエスカタワーを再創造すれば良いだけ」」
『シオンコピーですら成し得ないことを……こんな易々と……!!』
「「ゾディアークと深遠なる闇が合わされば、容易い事ですよ」」
『ならば、シオンコピーを壊し、再びエーテルを暴走させてやる!!』
そう言って、イージスは再度、拡散レーザーを発射させる。
しかし……。
「「無駄ですよ……!」」
私達は地球に向けて手かざして力を行使する。
地球を覆うように青い障壁を具現化させた。
世界を壊す流転の徒花の初めのムービーで、映し出された赤く蠢く膜と言えば分かるだろうか。
あれの青いバージョンである。
イージスが放った拡散するレーザーは、青い障壁によって阻まれて消滅した。
更に、宇宙より飛んでくるドールズすらも、私達が生み出した障壁によって地球に襲来することが出来なくなった。
ゾディアークによってエーテルを抑え込まれ、SEEDを生み出す事が出来なくなり、深遠なる闇によってドールズの襲来を防がれ、最早ドールの計画は完全に阻止されてしまった。
「「星と少女を救った英雄を舐めない方がいい」」
『深遠なる闇が、星を救うだと……ふざけるなぁぁ!!』
イージスの胸部の装甲が開き、黄色に輝くコアから極太のレーザーを私達に向けてブッ放つ。
「「どうせ救うなら、派手に救おうじゃありませんか……!!」」
私達は6本の手を前に差し出して闇の魔法陣を展開。
イージスの極太レーザーを防御した。
「「深遠なる闇で、新たな救いを紡がん……!!」」
─エクソーテリコス・アハトメギド─
左手を前に伸ばし、引いた右手からイージス目掛けて闇のエネルギー弾を8回飛ばし、更にイージス周辺に闇の三角の形をした紋章が現れ、そこから闇の炎が放たれイージスを飲み込んだ。
『うぐっ!! この程度!!』
コックピットにいるドールは、攻撃を受けた衝撃が中にまで伝わり呻き声をあげ、次の攻撃は受けまいと盾を前方に固めて弾幕を形成した。
『イージスの前には無力だ!!』
「「そうですか。では、イデア展開……歪極獣よ来たれ……!」」
私達はそう言ってアンガ・ファンダージを6体、具現化させて攻撃を仕掛けた。
「「形を示せ……!!」」
アンガ・ファンダージに命じる私達。
歪極獣達はファンダージビットを巧みに操り、ミサイルの弾幕を正確に撃ち落とした。
「「すべてを救うために!」」
─アンファザマブル・ムルトゥス・メギド─
─ファンダージ・アンガ・メギド─
私達の顔と、アンガ・ファンダージのスカートに内包しているコアから特大のレーザーが放たれ、イージスを襲った。
『ッチ……!!!』
イージスは即座に展開した大盾と本体に格納してあった8枚のシールドを自機の前に置いてバリアを生成。
アンガ・ファンダージと私達の特大レーザーを防いだ。
だが、私達とアンガ・ファンダージ6体の特大レーザーを完全には防ぐ事が出来なかったようで、バリアは破壊され、展開していた8枚のシールドは飛び散って月面に突き刺さった。
イージス自身も仰け反るように怯み、中にいたドールは苦痛の声を上げた。
『ぐぅううううう……ふざけるなあああ!』
イージスは4つのタレットからバーニアを吹いて、私たちの後ろに回り込んだ。
『失敗作諸共、蜂の巣にしてやる!!』
「「させるつもりはない……!!」」
私達は魔法で月面に突き刺さった8枚のシールドを操り、マザーを守るように囲った。
次の瞬間に4つのタレットから拡散レーザーを照射。
月面の半分を覆うようなレーザーが照射され、月面基地は音を立てて崩壊する。
「「……申し訳ない……」」
6体のアンガ・ファンダージは、私達を守るようにバリアを作り出た。
イージスから照射されたおぞましい程のレーザーがアンガ・ファンダージを襲う。
キーーーーーン!!!
だが、イージスのレーザー照射の前にはアンガ・ファンダージも耐えきれないようで、学習能力を使って耐性を付けても尚、防ぐことが出来ずに消滅した。
「「ありがとう。ゆっくり休んでいてください」」
私達は消滅したアンガ・ファンダージにそう言うと、先程の照射で受けた傷を再生しつつ、マザーの方をチラリと確認する。
「「マザー、お怪我はありませんか……?」」
焼け爛れたシールドからマザーの姿がチラリと見える。
マザーは余裕の表情をした。
『大丈夫だ。今、東京、大阪、ネバダ、ワシントンDCにエスカタワーを創造し終えた所だ。』
こっちは任せてくれ。
そう取れるマザーの表情に、私達は笑って返した。
傍から見れば、ゾディアークがドヤ顔のような笑みを浮かべている光景である。
「「イージスよ。派手に散っていただきたい……!」」
─コキュートス・エイスメギド─
私達は直ぐにイージスに攻撃を仕掛ける。
闇のモヤがイージスの大盾を包み、盾に搭載されていた全ての砲塔を分解した。
『馬鹿な!?』
「「驚いている暇はありませんよ……?」」
─ステュクス・ギ・メギド─
イージスの上空から8本の闇のビームが何度も襲いかかる。
頑丈な装甲を持つイージスの体も、私達の闇の連続攻撃には耐え切ることが出来ず、装甲が剥がれていった。
「「元凶を破壊し、世界を救う……!!」」
『イージスが……!! 僕が作った最高傑作が……!!』
「「どんな傑作だろうと……救うと願い続ける存在の前には無力だ……!!!」」
私達は巨大な腕を使って、イージスの大盾に殴りにかかった。
大盾にヒビが入る。
『ぐぅ……!!』
「「救済万象を我が意のままに……!!!」」
─アストラル・ジャッジメント─
私達は十字の衝撃波の発生と共に、イージス周囲に光柱を降らせた。
直撃したイージスは地面にバタリと倒れて沈黙する。
『ぐっ……この程度ぉ!!』
タレットを展開し、特大レーザーを照射する。
狙いはマザーと私達。
「闇よ。沸き上がれ……!!」
─トライ・エソテリックレイ─
極太レーザーの周りに細レーザーが回る形の攻撃を放ち、イージスの特大レーザーとぶつかった。
拮抗するが、結果はお察しである。
イージスのレーザーを掻き消して、極太レーザーがイージスを飲み込んだ。
『ぐああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
レーザーに飲まれたイージスからドールの断末魔が木霊する。
これはやったか?
私達は爆煙を凝視する。
「「……!?」」
爆煙の中から青い超特大のレーザーが私達を襲った。
その勢いは、爆煙を吹き飛ばす程だ。
私達は咄嗟に6本の腕で防ごうとしたが、完全には防ぎ切れずに月面に叩きつけられた。
「「くっ……!」」
『何が深遠なる闇だ……。何がゾディアークだ……。全部イージスによって消え去れぇ!!!』
ドールの怒声と共に、イージスから無限とすら思える数の巨大な光の剣を私達に向けてぶん投げた。
「「世界に救済を……!!」」
両手を突き出し、重力場を生成。
巨大な光の剣は重力場によって、吸い込まれ圧壊した。
しかし、それでも全ての剣を吸い込むことは出来ず、残りの剣が私達に突き刺さる。
「「くっ……!!」」
『フォトナーを……舐めるな……!!』
ドールの見下した声を無視して、私達はゆっくりと起き上がり突き刺さった剣を破壊する。
「「救済万象を……」」
私達は闇のエネルギーを生成し、周囲のエーテルを吸収して徐々に巨大化していく。
「「我が意のままに……!!!」」
─ラ・フェーネ・メギドサルスエルピス─
私達の上空に生成された超巨大のエネルギー球を、イージス目掛けて放った。
だが、イージスはブースターを吹かして接近するエネルギー球をいなして、それを回避。
更にタレットを用いてエネルギーを狙撃し、破壊した。
『これで終わりだぁぁぁ!!』
レーザークローを展開したタレットを使って、私達の心臓部目掛けて突き出した。
だが……。
「「未来があるんだ、出し惜しみはしない……!!」」
─ラ・フィーネ・メギドヒュエトスエルピス─
先程の破壊されたはずのエネルギー球が再び生成されて、そのエネルギー球がレーザーとなって、雨のように降り注いだ。
レーザーの雨がイージスに降り注ぐ。
耳を刺すようなドールの悲痛な叫び声が響き渡った。
展開された大盾も、その全てがレーザーの雨に晒されて破壊される。
「「破壊の神として相対したゾディアークも深遠なる闇も……」」
─アルマゲドン・アハヴァメギド─
「「世界を救う英雄となるのだ……!!!」」
私達はイージスの後ろに回り込み、扇状の闇の強風を送り込み、イージスを月面に吹き飛ばした。
砂煙を上げて月面に叩きつけられるイージス。
「「全てを救う為に……」」
トドメ。
私達は闇のエネルギー球を生成して、ラ・フェーネ・メギドサルスエルピスを使おうとした。
しかし……。
「「……何の気配だ?」」
宇宙から強大な気配が近づいてくるのに気づいて、攻撃を中断する。
その気配に気づいたのか、マザーは血相を変えて私達に向けて声を荒らげる。
『2人とも、気をつけるんだ。イージスと同等の存在が月に向かって来ている。』
マザーの言葉に私達は呆気に取られる。
そんな中、月面に倒れ伏したイージスは両手を使って必死に起き上がり、不気味な笑い声をあげた。
『フククククク……。僕が造ったダルクファキスは……イージスだけじゃない……。これで貴様らを蹂躙してやるさ!!』
宙に飛び上がったイージス。
ドールの狂乱する声が月全体に轟く。
『さぁ、深遠なる闇もシオンの失敗作も全てを滅ぼせ!』
そう言って、現れた3機のダルクファキスの名を叫びあげた。
ダルクファキス・ロンゴミアント
ダルクファキス・クサナギ
ダルクファキス・シャルウル
イージス合わせて4体のダルクファキスが月面に君臨した。
『さぁ、終わりだ』
ドールの見下した声が私達の耳を貫いた。
深遠なる闇の神 ゾディアークの核となっているペルソナは、少し考えたあと、同じく核となっている龍照に話しかけた。
「ねえ、流石に4体相手するのは厳しいからさ」
「おん?」
「龍照が、イージスの相手する事って出来る?」
「はい?」
続く
ふと思った事がある。実行するとも限らない。ルーサーかアプレンティスを、シャドーコリドーか、ととモノの世界に一時的に転移させてもいい?
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いいよ。
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ダメ。