酔狂な夢を抱いたオタクが深遠なる闇に成ったらどうなるかを……!!!
イージスとドールは消滅したが、地球ではドールズの攻撃は続いていた。
しかし、アースガイドやマザークラスタ、他のエーテル使いの活躍によって、徐々にドールズの数が減っていった。
そして、エスカファルス達もまた、ドールズとの戦闘に終止符を打とうとしていた。
アキバでは、エルミルが生み出した幻神城によって包囲され、ドールズの逃走を完全に封じている。
更に、外からやってくるドールズに対しては、幻神城の持つ圧倒的な火力によって、一網打尽にする。
この完全な布陣により、ここ一帯のドールズは減少の一途を辿っていた。
彼と戦う相手は、ヴァーディアス・ヴェラ─typeギカンティクス。
あの時、山原玲奈を葬ったドールズだ。
それに対して、エルミルは自身の眷属である魔物種の中でも最強に位置する存在を具現化し、戦っていた。
「行くぞ、エスカトロンドラゴン!!」
[ああ……]
エルミルの声に応えるように、白い甲殻で身を纏った巨大で雄々しい龍、エリュトロン・ドラゴンの幻創体は雄叫びをあげてヴァーディアスに強襲する。
その巨体からは想像もつかない軽快な動きでヴァーディアス・ヴェラを矢継ぎ早に攻撃をした。
その猛攻を前にヴァーディアスは防戦一方で、攻撃する余地すらなかった。
他の小型ドールズも必死にヴァーディアスの支援をするが、エルミルによって生み出された魔物型エスカダーカーによって劣勢に立たされていた。
強さ的にドールズの方が上ではあるが、如何せん、エスカダーカーの数は無限。
創造主であるエスカファルスが消滅するまで永遠に具現化される。
この完全な物量戦法により、ドールズの数が着々と減っていっていた。
[邪魔だ……]
ヴァーディアスの身体もエスカトロンの蒼い灼熱の炎によって焼け爛れて、ボロボロの状態。
最早、勝敗は見えている状態だ。
そして、エルミルはエスカトロンと共にトドメをさしにかかる。
「僕は、僕こそが、エルミル!!!」
完全体エスカファルス・エルミルとなって力を溜め込む。
「全ての絶望よ、僕の闇を以って虚無と成す!!!」
その溜め込んだエネルギー球を地面に叩きつけた。
周囲のエーテルが、エルミルが生成した球に吸収されていく。
ヴァーディアスたちも、エルミルの攻撃に即座に反応し、球に向かって攻撃を仕掛けた。
[邪魔するな……。退け……]
しかし、エスカトロンドラゴンはそれらの攻撃を阻止した。
周囲に大量の火球を生成させ、ドールズたちに狙い撃ちさせた。
青く輝く火球が放つ一閃はとても美しく、しかし冷酷非情なものだった。
ドールズ達を無慈悲に撃墜させていく。
「これで……バッドエンドだ!!」
そして、エルミルがトドメを差す。
周囲のエーテルを吸収、圧縮したエネルギー球はエルミルの一声によって大爆発を起こし、周辺のドールズを一瞬にして消し炭にした。
静寂が漂う大自然の中、空洞になった頭部と腕のない肢体に、二対の翼のような物を持った存在が威風堂々と佇んでいた。
「……まだ来るようですね」
異形の存在、原初の闇ソダムに変身したエスカファルス・ハリエットは、減りゆく敵の数を確認しながら呟いた。
「……」
地面には自身の巨大な腕を突き刺し、ドールズを拘束する木の根が張り巡らされていた。
ハリエットは深遠な力を呼び起こし、敵を討つべく、トドメの一撃を繰り出す。
「深遠の力を……今こそ!!」
一体一体の足元から、鋭利な根を突起させ、その根を一本ずつ串に刺し、ドールズを倒していく。
ハリエットの動きは、非常に優雅で、しかし同時に凄まじい力を示していた。
敵を倒すために彼女は、自分の身体を使い、大地を使い、自然を使い、全身全霊を注いでいた。
その姿は、まさに森の神そのものであり、ドールズたちはその神の前に、ただただ無力であった。
完全体になっているエスカファルス・ダブルとエスカファルス・アプレンティスが、ネクス・エアリアルとレヌス・リテシナの戦域統制型ドールズと激しい戦闘を繰り広げていた。
しかし、戦況は一方的であり、ドールズ側は完全に劣勢に立たされていた。
その力の前に、かつての強さが嘘のように弱くなってしまった。
エスカファルス・ダブルとエスカファルス・アプレンティスは、自信に満ちた笑みを浮かべなら高らかに笑い声をあげた。
「「ふふ、ふふふ、あははははは!」」
「相手が悪かったね!」
エスカファルスの力は絶大だ。
戦闘の中でも余裕を保ち、敵を挑発するかのように笑いを放った。
それを見て、ドールズ側は焦りを募らせていた。
エスカファルス・ダブルとエスカファルス・アプレンティスは、その笑い声を止めることはなかった。むしろ、ますます高まる興奮の中で、二人は最後の一撃を放とうとしていたのだ。
「「よし、行くよーーーーー!!!」」
二人が一斉に声を上げると、周囲の空気が一瞬にして変わった。そして、エスカファルスたちの前に立ちはだかるドールズたちは、その瞬間、敗北を悟った。
「さぁ、これで終わりだ!!」
彼女が放った言葉は、まるで宣告のように響いた。そして、その後に続く一撃は、周囲の空気を引き裂くような強烈なものだった。
「くらえ、キャッスル・ファンネル!」
ダブルは、6本の脚をネクス・エアリアルをターゲットにして、オールレンジ攻撃を仕掛けた。
6本の脚がロケットのようにネクス・エアリアルに向かって飛び、脚の先端からビームを放った。
ネクス・エアリアルは翼を羽ばたかせ、空中をかすめて逃げたが、キャッスルファンネルは追尾し、逃がさなかった。
「引っかかった、引っかかった!」
ダブルは喜びを爆発させ、自身も空中に飛び上がった。
そして、宙にいるネクス・エアリアルを狙い定め、飛ばした6本の脚を自分の周辺に戻して、前方に展開した。
その姿は、採掘基地防衛戦VRやネッシーからの挑戦状に出てくるゼータグランゾの拠点破壊ビームのような構えをしていた。
「トドメーーー! せかいさいきょうベリースーパーハイパーウルトラアルティメットエクストリームデラックスマックスエックスゼットゴッドホルアクティヌメロニアスヌメロニアドルマゲドンドキンダムゼーロンアルセウスレベル100ムテキ・キャッスルシルヴァニアファミビーーーーーム!!!」
ダブルから放たれた特大のビームが空中にいたネクス・エアリアルを覆い、跡形もなく消し炭にした。
一方、アプレンティスはと言うと……。
「そんな攻撃が当たるわけが無いよ!」
レヌス・リテシナの弾幕攻撃を掻い潜りながら、片方の眼を輝かせる。
─邪眼・死裂─
軽微な損傷がチラホラみられたレヌスの胴体が急に連鎖爆発を巻き起こし、レヌスは一瞬にして機能を停止。
その後、爆発消滅した。
東京の大図書館において、ニルス・ステラとエスカファルス・ルーサーの戦いは、まさに決着を迎えようとしていた。
しかし、この戦いにおいてニルス・ステラが敗北者になることは火を見るより明らかだった。
時間を操る存在にどうやって勝てるのだろうか?
完全体となったエスカファルス・ルーサーは、地に伏せているニルス・ステラを見下ろした。
時間を操作できる+空を飛べる+ダークファルス。そんな存在をニルス・ステラが倒せる訳がない。
周辺にはドッツと思われる残骸が散らばっており、ニルス本体もかなりの損傷を受けていた。
「無駄だと言っているのだが、なぜ向かってくるのか……」
心底呆れ果てた様子のルーサーが零した。
それを見たニルス・ステラは、ルーサーに狙いをつけ、口から幅広V型の弾を撃った。
「諦めることを勧めるよ」
ルーサーは迫るV型の弾を手で弾いた。
ニルス・ステラは、頭上にエネルギーをチャージし、ルーサーに狙いを定めてレーザー照射を放った。
「……僕は忠告したよ」
左手を掲げ、パチンと指を鳴らす。
その瞬間、この世界がモノクロになり、万物の動きが停止する。
「今こそ掴もうか。勝利を!」
無数の剣が生成され、ニルス・ステラへと飛んでいく。
「終わりだ。安らかに眠るといい」
ルーサーの言葉に呼応するように、止まった時間が動き出し、展開された剣がニルス・ステラの全身に突き刺さる。
レーザーを照射してる最中にルーサーの攻撃を受けた為、レーザーが暴発。
ニルス・ステラの顔を吹き飛ばし、爆発を起こすことなくグッタリと機能を完全に停止させた。
周辺に敵影なし。
それを確認したルーサーはゆっくりとニルス・ステラに近づき、声を漏らした。
「データだけでも取っておこう。何かの役にたつかもしれない」
最後の決戦が繰り広げられる中、芽流本シーナとディアはエスカアームの力で守られながら、エルダーとアムス・クヴェスが激しく交戦している光景を目の当たりにして、息を飲んで見守っていた。
その戦いは、同じ骨格同士の戦いであり、中々に熱い戦いだった。
エルダーは激しくアムス・クヴェスに攻撃を仕掛け、アムス・クヴェスもそれに応戦する。
「うおおおおおおおおお!!!」とエルダーが叫び、2人の拳がぶつかり合った。
そのぶつかった際に生まれた衝撃波でアムス・クヴェスが生成したアムス・クローネを薙ぎ払いながら、エルダーはアムス・クヴェスを吹き飛ばした。
しかし、アムス・クヴェスも直ぐ様態勢を立て直して、掌から気弾を連射する。
エルダーは自身の持っているエルダーペイン・エスカから青いオーラを放ちながら、乱暴に叩きつけて、アムスが放った気弾を全てぶった斬った。
「おらああああああああ!!!」
エルダーは雄叫びをあげながら高々と跳躍し、アムス・クヴェスめがけて急降下キックを放った。
しかし、アムス・クヴェスは天を仰ぐような動きをした後、テレポートしてエルダーの飛び蹴りを回避。
さらにテレポートによる出現後にエルダーに向けて巨大なビームを発射する。
「んなビームが何だってんだ!!! 突っ切ってやるよ!!!!!」
エルダーは青いオーラを全身に纏わせ、アムス・クヴェスへと猛ダッシュする。
奴が放ったビームも青いオーラによって弾かれてしまい、徐々に距離が縮んでいく。
だが、アムス・クヴェスは攻撃を受けまいと、再びテレポートして距離を置いた。
ギルティブレイクのような攻撃を避けられたエルダーは息を吐きながら、アムス・クヴェスを睨みつけた。
「ちょこまかと……!!!」
エルダーは拳に力を込め、ビームを吹き飛ばした。そして、両拳を振り上げ、眷属たちに命じた。「2人を確り守れよ!!!」と。
─ビッグインパクト─
その言葉と共に、エルダーは地面を思いっきり殴りつけ、渦状のショックウェーブを発生させた。
さらに大きく跳躍し、渾身の床パンチで広範囲の衝撃波を放った。
「………………………」
しかし、アムス・クヴェスはテレポートでショックウェーブを掻い潜り、全てを回避した。
テレポートが終わり、姿を現した瞬間、エルダーは3本の内の1本を抜刀した。
この時を待っていたと言わんばかりに。
「耐えてみろよ、破滅の一撃をぉぉおおおおおお!!!!!!」
─圧縮剣気─
エルダーは全身の気を刀に送り込み、地面に刀を突きたて気を解放した。
その解放した気は地盤を吹き飛ばす程の勢いの衝撃波を生み出した。
爆発的な気を解放すると、アムス・クヴェスは宙を舞った。
「これで終わりだ。落ちろおおおおおおおお!!!!!」
エルダーは力を込めて空を飛び、地面を砕くほどの力で待ち構えていたアムス・クヴェスの腹部にある黄色いコアに、渾身の一撃を浴びせた。
─アルティメット・インパクト─
その一撃は腹部にクリーンヒットし、アムス・クヴェスの黄色いコアが砕け散り、地面に叩きつけられた。
彼は少しの間、プルプルと痙攣し、エルダーは奴にトドメを刺そうとした。
「俺は負けねえぞ!! この後、シーナと添い遂げるうううううううう!!!!!」
─タイラントストライク─
エルダーは高高度から繰り出されたライダーキックを放ち、アムス・クヴェスの全身にエルダーの全てがのしかかった。
彼はもはや死に体当然であり、その瞬間、アムス・クヴェスは地面に倒れたまま爆発四散する。
命令を受けるだけの空っぽの存在程度が、守るべき者と帰るべき場所を手に入れた
───────────────────────
一方、月面では……。
「……終わったようだな」
完全消滅したドールとイージスを見た
「裕樹……安らかに……」
私が静かに呟いた時……。
「さようなら……あなた方も、野望も、おしまいね」。
ペルソナの声は、もう1つの位相空間から聞こえてきた。
その瞬間、空間が爆発し、崩壊した。
彼女の間の抜けた声も聞こえてくる。
「やったーーー!!おわったーーー!!」
位相空間が崩壊する中、ダルクファキス・クサナギとシャルウルは、深遠なる闇ゾディアークの闇によって体がバラバラに崩壊していくのが見えた。
2体のダルクファキスが生物のように苦しみもがきながら、全身が闇によって崩壊していく様は、結構おぞましい光景だった。
私は、嫌悪感を抱かずにはいられなかった。
なんか……テスリーンを思い出したわ……。
「ふぅ……絶妙に強かった……。」
ペルソナは、溜め息を吐いた。
そして、深遠なる闇ゾディアークの姿で女の子らしい仕草の背伸びをする。「んーーーーー」と唸りながら、空間を見上げた。
「おー、龍照の方も終わってたんだねー!」
ペルソナは、私の姿を確認すると笑顔で手を振った。
「ああ、まぁなんとかなー。位相空間内の最後の攻撃がやばかったけど」と私は肩を下ろしながら答えた。
「待て待て何があったの?」
私の様子を見たペルソナは興味津々の表情で聞いた。
「あー後で言う。ただあの時、私の意識を深遠なる闇に丸投げしてなかったら精神崩壊してたと思うわ」
「おほー、深遠なる闇様々だねー」
ケタケタと笑うペルソナ。
そんな話をしている中で、マザーが母みたいな心配した表情で駆け寄ってきた。『2人とも大丈夫か!?。』と彼女は心配そうに聞いた。
私たちはマザーの方を見て「「大丈夫大丈夫! 深遠なる闇舐めたらアカンで!!」」と笑顔で返した。
その言葉を聞いたマザーは、膝から崩れ落ちるようにして座り込んだ。
「申し訳ない。私が弱いゆえに……皆に負担をかけてしまったことを。本当に、心から謝罪する……」
震えるような声で、謝罪の言葉を繰り返すマザーに、私は静かに言葉を送ろうとした。
その瞬間……。
「っ!?」
背後から形容し難いものがじわじわと迫ってくる気配を感じた。
私は身を震わせ、反射的に後ろを振り返る。しかし、そこには何もなかった。ただ、不気味な沈黙と圧迫感が私を包み込んでいた。
「どした?」
『?。』
私の行動に不審に思ったのか、不思議そうな表情で訊ねる2人。
───────────────────────
太陽系の外に存在する巨大な天体要塞、マザーシップ・ドール。
その壮大な姿勢は、太陽系内のどんな惑星や衛星とも比較にならないものだ。
そんな要塞内の中枢に特定のコードが送られた。
目の前に広がるコードを見たマノンは、驚きを隠せず、その表情は驚嘆に満ちていた。
「これは……!」
ディスプレイに映るコード。
それには……。
─EMERGENCY CODE 〔ELIMINATION〕─
と書かれていた。
〔ELIMINATION〕、除去を意味するコードだ。
なぜ、これが送られてきたのか……。
それはドールが地球に攻撃を開始する前に遡る。
『じゃあ、僕は行くよ。留守番は任せた』
「主様、ご武運を」
『大丈夫、僕は必ず帰ってくるさ』
ドールは自信に満ちた口調で言い、ハッチを一気に閉めようとしたが、何かを思い出したのか、閉まるハッチを止めてマノンに伝えた。
『もしこのコードが届いたら、迷いなくフォトンブラスターを地球に向けて撃ってくれ』
と。
そこに記されたコードこそが〔ELIMINATION〕だ。
マノンには詳細は伝えていないが、イージスが爆散した瞬時に送られるコードである。
つまり僕が死んだ時、地球を道連れにしろという事だ。
「まさか……!?」
マノンは冷や汗を流した。
詳細を知らされていなかったが、不吉な予感が彼女を襲った。
急いでモニターを確認すると、そこには「DALK
FAKIS-AEGIS ─LOST─」と表示されていた。
「主様、応答ください!主様!!」
マノンは必死にドールに応答を要請するが、スピーカーから聞こえるのは煩いノイズだけだった。
彼女は呆然と立ち尽くした。
「くっ……!!」
主であるドールの死を確信したマノンは、湧き上がる怒りを抑え、腕に力を込めてコードを入力した。
すると、巨大なマザーシップから放たれる特大のフォトンブラスターが発動する。
「フォトンブラスター発射っっ!!!」
その瞬間、周囲の空気が熱くなり、マノンは強い圧力に耐えながら、激しいエネルギーの放たれる光景を目の当たりにした。
フォトンブラスターが地球に向けて放たれる光は、まるで太陽のように輝き、周囲を照らし出す。
悪魔のような光は多数の小惑星を呑み込みながら、地球へと向かっていく。
しかし、月にいた彼らは、地球を飲み込もうとする悪魔の光を察知した。
「どした?」
『?。』
私の行動に不審に思ったのか、不思議そうな表情で訊ねる2人。
「なんか……え……?」
私は広大な宇宙空間を見渡すと、一際光り輝く物が目に入った。
それが惑星クラスの超巨大なレーザーであることを理解するよりも先に、私は自分でも信じられない速度でエスカファルス・メアリースーに変身した。
「なんか来てる!!!!!」
私は大声でマザーとペルソナに叫びながら、生命の完全掌握を使用した。
守るべき対象は……
月と月に存在する全ての概念と生命。
地球と地球に存在する全ての概念。
ドールズとSEEDを除いた地球に存在する全ての生命。
これらが受ける痛みや外的損傷、あらゆるものを
そして、私は大の字になってバリアを展開した。
─『……これで終わりだと思うなよ……!!』─
ドールの最後の言葉を理解した私は、死んだドールに言い放つ。
地球1つ守れん奴が、他の世界を守れる訳がない。
深遠なる闇に侵された厄介なオタクの意地……見せてやる!!
酔狂な夢を抱いたオタクが深遠なる闇に成ったらどうなるかを……!!!
ペルソナとマザーも、異変に気づいたが少し遅かった。
マザーシップ・ドールから放たれたフォトンブラスターは龍照が展開したバリアを一瞬にして砕き、月と地球を呑み込んだ。
「っ!?」
今までに感じたことの無い痛み。
地球と地球にある全ての存在・生命。
月と月にある全ての存在・生命。
それが受ける痛みを全て、
溶けては再生、溶けては再生という無限ループを繰り返す身体、
それが5分ほど経過した時、マザーシップ・ドールで異常事態が発生した。
突如、ブリッジ内に警報が響き渡った。マノンは素早く確認すると、そこにはエラーコード630が表示されていた。
見たこともないエラーコードに、マノンは混乱し、何が起きているのかを理解できなかった。
しかし、そのエラーコードには単純な原因があった。ドールが作ったこのフォトンブラスターには致命的な欠点があり、3分以上撃ち続けるとフォトン供給が間に合わなくなり全電力が停止してしまうのだ。
しかし、マノンはそのことを知らされていなかった。
「何がっ!?」
さらにマノンを混乱させる事態が起こる。
突如、マザーシップ・ドールを覆わんとするワームホールが発生し、彼女の断末魔と共にマザーシップが呑み込まれた。
「はぁ、はぁ、はぁ……守った……ぞ……」
フォトンブラスターが終わった時、
その直後、
続く
ふと思った事がある。実行するとも限らない。ルーサーかアプレンティスを、シャドーコリドーか、ととモノの世界に一時的に転移させてもいい?
-
いいよ。
-
ダメ。