そして、非常に面白い人物に出会うことになった。
「朝か……」
私はあの後、マザーに強制送還されてしまい、風呂はいってベッドに直行した。
ベッドから起きて、物凄い欠伸と背伸びをして冷蔵庫に入っている麦茶を取り出して、水分補給をする。
少しだけ奇妙なんだが、あれだけ暴れた次の日だというのに、何故か疲労感や筋肉痛が一切なく、素晴らしく調子が良いのだ。
奇妙だとは感じたが、まぁエーテルの影響で少し肉体が強くなっているのだろうと、勝手な解釈で納得した。
さて、たまには息抜きも必要やろう。
私はどこかお出かけすることにした。
そのついでにどこかで買い物もしよう。
よし、なかなか中身のないスケジュールだ。
「とりあえず、行くか!」
私はバッグに財布を入れて、外出時の服に着替えて家を出た。
特に行くあてもないけどね。
「さてと、適当にぶらつくか」
ポケットに手を突っ込みながら、私は東京駅の方に向かう。
行き交う人々を適当に眺めながら歩いているが、私のいた地球とあまり大差のない感じだな。
違いがあるとすれば、エーテルがあるか無いかの違いか……。
対魔忍とかもこの世界に存在したりするのかな?
流石に無いか。
意外とありそうやけど、まぁ流石にないか。
あ、違うわ。
そもそも時代が違う。
あと4、5、60年先や。
まぁでも、この世界の60年後に対魔忍に似た組織ができるかもしれない。
違うわ、それがアースガイドや。
「いやー、やっぱこのコラボはスゲーな!」
「ああ! 実装が楽しみや!」
男性2人の声が聴こえ、振り向くと、そこは小さなゲーム屋だった。
そこに貼られたポスターを見て、話題に盛り上がっているらしい。
私も少し興味深くなり、そのポスターを見てみると、「MONSTER HUNTER: WORLD FRONTIER」と「ファイナルファンタジーXⅣ」の夢のコラボと描かれたポスターだ。
ポスターというか、広告だな。
少し興味深く感じたのは、モンハンワールドフロンティアか。
私の世界にはないゲームだ。
正直結構やってみたいと、感じた。
めっちゃ調べたい。
だけど、私のスマホはここの世界に対応してないしな……。
ちょっとマザーに頼んで携帯端末貰お……。
ダメ元で今からマザーにきいてみようか。
私は以前アラトロンさんから頂いたポータルを使って月へとワープしようと考えた。
しかし、私はこのポータルに、スマホと同じ機能を持っていることに気がつく。
しかし、スマホを使っていた身からしたら、私はこのポータルをスマホ代わりにするのは何か妙な違和感があった。
ただ、まぁpsvitaがスマホと同じ機能を持ってると考えればいいか。
でも、後でマザーにスマホのこと聞いてみよ……。
さてさて、どこに行こうか……。
私は昔の事を思い出し、東京駅から上越新幹線の乗り場に向かうことにした。
乗車の手続きを済ませて、上越新幹線とき303号に乗り込んだ。
私の目的地は越後湯沢駅。
何故、越後湯沢駅かと言うと、私が子供の頃に電車でGO高速線というゲームをやったことがあり、ほくほく線をよくプレイしていた。
その事を思い出して、自分の目でほくほく線の景色を見ようと考えたのだ。
私は、指定された席に座り、ポータルでモンハンワールドフロンティアとFF14のコラボ情報を確認してみた。
どうやら、モンハンワールドフロンティアは来週の水曜日のアップデートで、五体のコラボモンスターが追加されるらしい。
《ベヒーモス》《極神龍》《リヴァイアサン》《バハムート》《ニーズヘッグ》というとんでもないレベルの豪華なメンツだ。
They Tubeという動画サイトにて、《極神龍》と《天翔龍シャンティエン》が天空で、恐ろしい空中戦を繰り広げている映像があった。
更に、コラボ記念として新OPが発表されており、そのOPは蒼天のイシュガルドのトレーラーのパロディ的なOPだった。
ドンドルマにニーズヘッグと大量の飛竜が襲撃し、それをドラケンを身に纏ったハンターが迎え撃つというOPだ。
コレ見て、やらない奴はいないだろう。
せっかくだ、マザーから頂いたあの大金を使ってPCを買おう。
次は、FF14だ。
FF14は《キリン》《ジンオウガ》《リオレイア》《ミラボレアス》《グラン・ミラオス》というこれもまた豪華な面々だ。
映像では、皇都イシュガルドに《ミラボレアス》が襲来して、リムサ・ロミンサに《グラン・ミラオス》が佇んでいる映像があった。
他にはキリン装備に包まれた少しエロい光の戦士(女性)もピックアップされている。
他の映像から察するに、多分こちらのFF14も、以前にモンハンワールドとのコラボでリオレウスがエオルゼアに来ているのだろうな。
アジムステップでリオレウスとリオレイアが狩りをしている写真が掲載されている。
こうなると、FF14もやってみたいな。
まぁ、それはさておき、これからちょっとした旅を楽しもうじゃないか!
私は出発するまでこれからのルートを調べていると、隣に黒を基調とし所々に青いラインが引かれた独特のコートを身に纏い、中々黒づくしの男性が座った。
「失礼しますね」
「あ、はい」
男性は丁寧な口調でそう言った。
暫くは沈黙が続いたが、突如男が口を開く。
「ここではあまり見ない顔ですけど、どこから来ましたか?」
「えーと、大阪から」
「それはそれは、そのような遠い所から遥々と」
「え? そうですね」
「なるほど、通りで見ない顔です。あ、失礼しました。私、赤暗 土流(アカクラ モグラ)と言います。中々面白い名前でしょう?」
赤暗さんは丁寧な口調で嘲笑する。
確かに中々パンチの聞いた名前であるが、個人的にはなかなか惹かれる名前だった。
「いえいえ、そんなことはないですよ。個人的な感想になりますが、私は中々に惹かれる名前です」
そう言うと、赤暗さんは、目をパッと光らせて嬉しそうな眼差しで「そうですか!? ありがとうございます! 昔からこの名前で虐められておりまして、そう言って頂けて本当に嬉しいです」と言っていた。
「失礼を承知ですが、貴方の名前は?」
「私ですか? 私は朱雀龍輝と言います」
今更ながら、少し怪しさがあったので、私は偽名を使った。
朱雀龍輝と言う名前は、私が向こうの世界で書いていた小説の人物の1人の名前だ。
正確に言うと、自分自身をモデルとした人物の名前である。
何故朱雀龍輝なのかと言うと、ここで話すのも面倒なので割愛する。
「朱雀様ですか、ありがとうございます!」
そう言って、赤暗さんは座りながらお辞儀をした。
その後、赤暗さんと雑談をした。
どうやら、赤暗さんは科学者のようで、今は次元転送装置や、未来転送装置や、とある兵器などを開発しているらしい。
次元転送装置と未来転送装置は、調整段階のようで、とある兵器は試作段階のようだ。
「科学は全てを超越します。いずれ、身体を犯す不穏因子全てを弾き返す最高の防護服すらも世に渡ることでしょう!」
大々的にそう言う赤暗さん。
いまこの車両には私と赤暗さんしかいないが、これで居たらなかなか恥ずかしいものだ。
「しかし、そのような事。私のような一般人に説明してよろしいので?」
私はそう言うと、赤暗さんは少しだけ微笑んだ。
「私の名を笑わなかったお礼ですよ」
「そうですか」
私が赤暗さんにそう言った時、新幹線が出発した。
その後も、色々と赤暗さんの開発談義に花を咲かせた。
赤暗さんが開発しているとある兵器は自律成長システムという機能を内蔵させて、敵に応じた形態に変化させるシステムとそれに合う装甲を試作しているらしい。
またその兵器を護衛する随伴機、その他の兵器も開発中とのこと。
正式名の方はまだらしいが、4体ある内の一機の随伴機の名前は決まっており、次の世代に向けた機体に因んで「NEXT」という名前らしい。
そして、とある兵器自体の名前は、まだ付けられていない、これはどうやら意図的に付けておらず、時期がきたら命名するらしい。
越後湯沢駅到着のアナウンスが車内に流れる。
私は降りる準備を始めた。
赤暗さんも越後湯沢駅で降りるようで、同じように準備を始めていた。
「今回は貴重な話をありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ、では御機嫌よう」
赤暗さんはそう言うとお辞儀をして、別の方向へと歩いていった。
私は、ほくほく線のホームへと向かう。
そう言えば、この世界では《はくたか》は走っているのだろうか?
私の世界では、はくたかは廃止されていて、走っていない。
理由はよく知らないが、多分新幹線の影響だったかな?
あまり詳しくないから、その事には触れないでおこう。
少し早歩きでほくほく線の切符売り場に到着して、特急券の場所を確認してみると、どうやらはくたかは走っているらしい。
さっそくはくたかの特急券を購入して、停車中のはくたかに乗り込んだ。
その後は、指定された座席に座るや否や、直江津駅まで眠りに入った。
直江津駅に辿り着いた私は、一息おく。
さて、ここからが本番だ。
今度は超快速スノーラビットという二両編成の列車に乗り込み、1番前の車両の1番前の座席に座った。
そう、私は子供の頃にプレイしたほくほく線の前面展望を、今度は自分の目で見ることなのだ。
はくたかでは、前面展望は見れそうにないので、超快速に乗ることにしたのだ。
さてさて、ここから越後湯沢駅まで前面展望を楽しむ。
列車が出発し、私は電車でGOで見た景色と同じリアルな景色を堪能した。
「(あぁ、ここの犀潟駅での制限速度45のところで何回もゲームオーバーになったなー)」
「(ここのチンっ!ってなる音印象深かったなー)」
「(ここからの高速進行の声が癖になるんだよなー)」
「(虫川大杉駅って駅が変に思入れがあるんだよなー)」
「(トンネル内の信号場の初見の衝撃は半端なかったなー)」
「(初見の美佐島駅が凄い印象に残ってるんだよなー)」
「(ここのトンネル長いんだよなー)」
「(3000番台は六日町駅までだったから、YouTubeでみた越後湯沢駅までの路線が凄い新鮮だったなー)」
「(六日町駅からこんな風になっててんなー)」
などなど、越後湯沢駅までの間、そんな事が頭に浮かび、少し懐かしさがあった。
私は涙が少しだけ滲み出る。
「懐かしいな……」
越後湯沢駅に到着した私は、背伸びをして東京駅に戻るため、新幹線のチケットを買い、新幹線ホームへと向かった。
暫く待っていると、乗車する新幹線が到着し、それに乗り込んだ。
出発まで待っていると、私の隣座る人が現れる。
「また会いましたね」
「おー、赤暗さん」
再び赤暗さんと出会った。
「帰りですか?」
「はい、赤暗さんもお帰りに?」
「ええ、ちょっとした会合に」
「そうですか」
そんな話をしているうちに、新幹線ときは、東京駅向けて出発した。
それと同じに、赤暗さんは、とあることを私に聞いてきた。
「朱雀様は、別の世界があると思いますか?」
「別の世界? パラレルワールドとか、アニメやゲームの世界ですか?」
赤暗さんに訊ねると、コクリと頷いた。
「私はあると思いますよ」
私はそう言う。
これは本心だ。
なぜなら、私がこの世界とは別の世界から来た人だからだ。
そんなもん、どの面下げて「別の世界なんてあるわけないやろ」なんて言えようか。
「あなたもそう思いますか?」
「ええ」
「私もです。ロマンがありますよね。因みに失礼でなければ、朱雀様はどこか行きたい世界とかあるんですか?」
「あー、ありますよ。その世界に行く、それが私の夢ですからね」
「ほほう、どこの世界に行きたいのか聞いてもよろしいですか?」
「ええ、私が行きたい世界は……」
その時、越後湯沢駅行きの新幹線がすれ違った。
「ーーーですね」
「ほう、これは中々面白い世界に行きたいみたいですね」
「何か誤解されそうなので、先行撃っていいますけど、別にそういう目的で行きたいのではなく、ただ、あの世界観が非常に好きで行ってみたいのと、その世界の民俗学を学びたいのと、その世界のとある神話を打ち砕いた先にある未知の未来を見てみたい感じですね」
「なるほど」
「五車とかヨミハラとか行ってみたいじゃないですか! それにあそこで生活するとしたら五車学園にでも入学したいですね!」
「私は、あのゲームはあまり詳しくない故、話のバネを用意することが出来ないので、あまり語らないですが、もしかしたら行くことも可能かもしれませんよ」
「まぁ、そうでしょうね」
だって、私がこの世界に来たわけやし、可能性は十分にあることは火を見るより明らかや。
「あと5、6年もしくは、10年あれば実現も夢ではない!」
「ぶっ飛びたいですね。超現実に」
「ええ!」
赤暗さんと話をしていたら、あっという間に東京駅である。
「今日は誠にありがとうございます」
赤暗さんは丁寧にお辞儀をして東京駅を後にした。
さて、私も家に……帰る前に買い物をしようかな。
私は近くのスーパー『春風亜』に立ち寄り、晩飯の材料を買うことに決めた。
色々と見た結果すき焼きにしようと考え、すき焼きに必要な物を買い物カゴに入れた。
「へー、意外とスーパーにタバスコとか売ってるんやー」
その時、プラチドーラスと思わしき腕が、買い物かごに大量のタバスコを入れたのを彼は気づいていない。
一通り買い終えた私は、レジに通して買い物袋に一気に入れた。
家に戻ってすき焼きの準備に取り掛かる。
しかし、1人では何かと面倒なので、エスカダーカー達にも手伝って貰おうと考え、総掛かりですき焼きの準備をする。
それが地獄の始まりであった。
あとは煮込むだけという時に、私は尿意に襲われてトイレへと駆け込んだ。
プラチドーラスたちはその隙を逃さず、密かに買ったタバスコをすき焼きの中に全て投入する。
「さてさて、食べますか!」
私は鍋の蓋を持って、一気に開けた。
その直後……。
「ゲホッ!! ゲホッ!! オエッホオオオ!!」
物凄い臭いに私は噎せた。
な、なんだれこれ?!
腐った!?
私はそう頭を過ぎると同じに、元いた世界で見たとある動画を思い出し、この臭いの元がタバスコであることを突き止めた。
そして、一言。
「プラチドーラスおまえらか!!?」
彼らに詰め寄るが、彼らもまた余りの臭いにむせ返っていた。
「お前らも噎せとるやんけアホ!!」
笑いの成分が含まれた声でプラチドーラス達に叫ぶ。
しっかし、強烈な臭いだ。
こんなんどうやって食べろと……。
とりあえず、卵で緩和しようと試みるが、それでもキツい。
「おい、プラチども。お前らも食べろ」
首を振るプラチドーラス。
しかし、コイツらに拒否権はない。
私はプラチドーラスをひっ捕らえて、無理矢理タバスコまみれの牛肉を口に放り込む。
噎せ返るプラチドーラス。
高級のタワーマンションに見合わぬテンションの叫びが一室に響き渡った。
続く
エーテル粒子とは、人々の強い想いに反応することがある。
だが人間1人の強い想いにはエーテル粒子が反応することは少ない。
しかし、もし世界中の多くの人々が同じ想いをしたらどうだろうか?
明日は水曜日、MONSTER HUNTER: WORLD FRONTIERに、ファイナルファンタジーXⅣとのコラボモンスター、ベヒーモス・神龍・リヴァイアサン・バハムート・ニーズヘッグが実装される。
そして来週の火曜日に、ファイナルファンタジーXⅣには、キリン・リオレイア・ジンオウガ・ミラボレアス・グランミラオスが実装される。
この2つの夢のコラボは世界中の人々の強い想いが生まれる。
その日、日本上空にて2つの強いエーテル反応が確認された。
次回、月面基地防衛戦【邪龍】
ふと思った事がある。実行するとも限らない。ルーサーかアプレンティスを、シャドーコリドーか、ととモノの世界に一時的に転移させてもいい?
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いいよ。
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ダメ。