「遂に明日だ!」
この時をどれだけ待ち詫びたことか!!
あの後、私はマザーから貰ったお金で、最新のゲーミングPCを購入し、3日間寝ず飲まず食わずでマスターランクまで上り詰め、装備も完璧に整えた!!
ちなみに、FF14の方も並行して暁月の最後までいった。
途中で何回も泣いた。
まぁ、それは今はいい!
明日!!
水曜日にモンハンワールドフロンティアのアップデート!
FF14とのコラボで、ベヒーモス、ニーズヘッグ、リヴァイアサン、神龍、バハムートが新大陸と現大陸に飛来するのた!!
楽しみすぎる!!!
明日というこの辛さ。
楽しみすぎて辛い。
睡眠薬を飲んで明日まで強制的に寝てやろうかとすらも思える。
いや、寝よう!
もうダメだ!!
この時間が辛い!!
そう言って、私はドラッグストアに向おうとした。
しかし、このとき、私は気づいていなかった。
エーテル粒子は人の強い想いに反応し、形を成す。
一般人1人の強い思いでは、エーテルはそれほど反応しない。
しかし、それが幾千、幾万という数の人が強い思いをすればどうだろうか……。
エーテル粒子が反応し、それらは形を成す。
月面基地にて超強力なエーテル反応が多数確認された。
私はアラトロンさんに呼ばれて月面基地に召集された。
マザークラスタ幹部【オリンピア】が月面基地内にある広間に集まっている。
もちろん、私もここに呼ばれていた。
個人的にはある意味で良かったかもしれん。
何故かというと、あのまま明日が来るまでじっと待っているより、ここで何かをしている方が余っ程いい。
『皆、 急に呼び出して申し訳なく思う。だが、緊急を要する事態だ。月面基地上空に強力なエーテル反応があった。物質世界に顕現する前に、何としてでもこれを消滅させなければならない。』
と、マザー。
更に続ける。
『明日に、モンスターハンターワールドフロンティアに実装されるファイナルファンタジー14のコラボモンスター、ニーズヘッグを模した幻創種が顕現すると予想される。ただ、もう1つ、ファイナルファンタジー14に実装されるモンスターハンターのコラボモンスター、ミラボレアスを模した幻創種も出現する』
とりあえず、とんでもない幻創種が出てくることは分かった。
ミラボレアスとニーズヘッグって……。
宇宙でも支配する気かな?
エスカボレアスと、エスカニーズヘッグかな?
ただ、元となったミラボレアスとニーズヘッグ自体がとんでもない力を持っているため、幾千万程度の人間の思いでは完璧には具現化できず、元のミラボレアス、ニーズヘッグよりかは、弱体化をされている。
どれだけ弱体化されているかというと…。
ゲームで戦う2対の強さが10だとすると、今回想像される2対の強さは、1だという。
ただ、それでも恐ろしい強さを持っており、マザーをもってしてでも具現化を解くことが困難という状況のようだ。
とりあえず、我々の目的は、ミラボレアスおよびニーズヘッグの討伐。
マザーは全神経を使って、2匹の力を弱めるとのこと。
つまり戦闘には参加出来ない。
更にそれでも、あまりの強さのため、幹部クラスのみの参加となる。
幹部クラスと言われているのに、何故か呼ばれてしまった私。
まぁ、ええや。
オフィエルはキョロキョロと辺りを見たあと、マザーに問う。
「マザー。魔人ファレグはどこに?」
『あぁ、ファレグならこの戦いには参加しないと言っていた。』
「なぜ?」
『強い気配があり、是非とも参加したいが、この戦いに私が参加すれば、それよりも強い人と戦えなくなる。だから、私はこの戦いは見守ると言っていた。』
「???」
眉を潜めて「どういうことだ?」と言いたげな表情をするオフィエル。
アラトロンさんは、「ホッホッホ、ファレグらしい」と笑っていた。
わたしは、オフィエルと同じ感想だ。
え、マジでどういうこと?
色々と考えを巡らせているが、まぁ、あの人の考えはよう分からんから、ええや。
まぁ、やるしかない。
もし、幻創ミラボレアスと幻創ニーズヘッグが月面基地に現れたとかSNSで晒されたら、より大勢の人の目に止まり、取り返しのつかない事になりかねない。
とりあえず、あの2匹の龍を地球に近ずけてはならない。
そのため、私はマザーやその他幹部にある提案をする。
「幻創の城を創るだと?」
私の提案にオフィエルは眉を顰める。
何言ってんだコイツみたいな感じで…。
しかし、私は物怖じせずに淡々と説明をする。
具現化されるニーズヘッグとミラボレアスは2つとも城での決戦になる。
特にその城は2匹の龍にとっては因縁深い城。
つまり、人の想像で生み出された存在ならば、その城に反応して、地球にヘイトは向かないのでは?
ということだ。
何としてでも月面で食い止めなければならない我々は、結局その案になった。
そして、マザーがエーテルを用いて、イシュガルドとシュレイド城を創造させた。
中身はパチモンであるが、かなり精巧に造られている。
ビックリしたことは、マザーは光の戦士であり、ハンターでもあったこと。
マザー曰く、度々こういう事が起こるらしく、あらゆるゲームをやって、それらのモンスターの攻略法や設定を予め知っておくことで、対処し易いようにするらしいとの事。
ちなみに、ヒカセンマザーのジョブは竜騎士と暗黒騎士、忍。
ハンターマザーの使用している主な武器は、大剣、双剣、ランスだった。
さて、こちらも、エスカダーカーを大量に具現化し備える。
暫しの静寂が包まれる、が…
「来たか」
アラトロンの言葉に全員が武器を構える。
遂に上空に2つの青い光が輝き、その輝きがより一層強くなる。
そして、その輝きの中から2対の黒いドラゴンが姿を見せた。
人々の想像により具現化された龍。
七大天龍の一翼、幻創邪龍ニーズヘッグ・エスカ。
禁忌にして伝説の黒龍、幻創黒龍ミラボレアス・エスカ。
それらのドラゴンは、巨大な翼をゆっくりと羽ばたかせながら我々の方を見つめ、2対のドラゴンの口の間から赤い燐光が確認できた。
それが、火炎ブレスと分かり、私はウォンド・プラチドーラス達にメギドス・パリィス9重結界を展開し、タリス・プラチドーラス達がアンティレスをブッパする。
ニーズヘッグとミラボレアスの火炎ブレスが展開したメギドス・パリィス9重結界をぶち破って、創造したエスカダーカーのほぼ全てを焼き払う。
残っているのは、あの火炎ブレスを回避したエスカ・ラグナスとエスカビブナスの2匹のみ。
残りの小型エスカダーカーは全員やられてしまった。
「まぁ、そうやろうな…」
相手が使う属性、私が想像できるエスカダーカーの弱点を考えてみれば、予想的中過ぎて、自分に呆れるしかなかった。
幹部たち、オフィエル、アラトロン、べトールの3人も物凄い跳躍力で、回避する。
ちなみに私は、必死に逃げ惑って躱した。
「術式展開」
オフィエルはニーズヘッグの周りにキューブ状の物体を作り出し、そこからメスをガトリングのように放つ。
幾つものメスがニーズヘッグの全身に突き刺さるが、どれも致命傷には至らないようで、気にする様子もなく、我々目掛けて飛んでくる。
一方でミラボレアスは再び口から赤い燐光を放つ。
「全く、マザーに呼ばれて、午後のワークをキャンセルして、月にカムヒアしたと思ったらとんだドラゴンがいたもんだYO!」
体を大きく動かしながら、独特のポージングで喋るアフロヘアーのオジサンこと、べトール・ゼラズニィさん。
「だが、こんなレアな戦い、これを逃すとオレの人生絶対に後悔すること間違いなし!」
べトールさんの具現武装であるカチンコが具現化される。
「だから、カッコよくムーブくれよ? ミラボレアスチャン?」
先程まで愉快に体を動かしながら、テンションアゲアゲの表情で喋ってたべトールさんが、1人の映画監督の顔になる。
その言葉に目もくれず幻創ミラボレアスは扇状の炎ブレスを吐き出した。
「カットっ!!」
べトールはカチンコを鳴らす。
すると、炎のブレスの半分が空間ごと切り裂かれ、辺りにバラけて霧散した。
残りの炎ブレスはべトール目掛けて迫り来る。
「トールハンマーよ!」
べトールの前にアラトロンが現れ、雷を纏った金色の巨大なハンマーを回転させて、炎を防いだ。
「ほっほ、流石ドラゴンじゃのう。危うくワシのトールハンマーが溶けるところじゃったわい」
「オーマイガー! アラトロンボーイ! オレの最高のステージを邪魔しないで欲しいNE!」
若干怒りの成分が入った口調でべトールはアラトロンに話すが、アラトロンは「ホッホッ」と笑うだけでそれ以外は何も言わなかった。
「向こうは、アラトロンさんとべトールさんで幻創ミラボレアスを抑える感じか」
ってことは……。
私の相方はオフィエルか。
「小野寺龍照、共に行くぞ、マザーの愛した地球を守るために」
「りょーかいです」
現在幻創都市イシュガルドの地に降り立った幻創ニーズヘッグを、エスカ・ラグナスの蜘蛛糸で身動きを封じようと指示を飛ばす。
しかし、幻創ニーズヘッグは黒い翼に赤い炎をメラメラと纏わせ、その翼を羽ばたかせた。
その羽ばたいた勢いで、炎を周囲に撒き散らす。
かなりの広範囲で、それを見抜いたオフィエルは、術式を使って宙に回避する。
ワープする手段を持たない私は、エスカ・ビブナスに捕まって空へ逃げ込んだが、空に逃げる手段のないラグナスは、吹き飛ばされイシュガルドの外壁に叩きつけられる。
更にニーズヘッグは口から炎を吐いて、動けないラグナスを倒した。
私の残りはエスカ・ビブナスだけとなる。
結構まずい。
どうしたものか……。
私は、ビブナスの背に乗って考える。
どうする?
エスカダーカーを大量に再想像して、押し寄せる手を考えたが、先程の炎の攻撃をみた感じ無理だな。
それに確実にこちらの集中が切れて終わるな……。
……。
これ、私要らなくね?
「くっ……!」
そんな事を考えてるうちに、ニーズヘッグの羽ばたいた風圧で吹き飛ばされるオフィエル。
その風圧はこちらまで届き、ビブナスの態勢が崩れ、必死に態勢を整えてるところにニーズヘッグの攻撃である黒い雷が直撃。
バーニア部分の羽が完全に燃え散ってしまい、為す術なくニーズヘッグ目掛けて墜落する。
ビブナスは必死に墜落軌道を修正しようとするが、その努力虚しく、炎を纏ったニーズヘッグの尻尾によって真っ二つに焼き切られてしまう。
「イッっ!!!!!??」
私はビブナスの死力により、ニーズヘッグの攻撃範囲外に投げ飛ばされ、イシュガルドの外壁……。
場所で言うとイシュガルド下層の雲霧街辺りの外壁に叩きつけられる。
「かっはっ!!!」
「隔離術式領域展開!」
オフィエルはそう言うと、私とニーズヘッグの周囲を青いキューブ状の物体が現れる。
ニーズヘッグは火球ブレスを私目掛けて放つが、そのブレスは青いキューブに吸い込まれ、ニーズヘッグの周囲に展開されているキューブからそのブレスが放たれる。
しかし、それを見たニーズヘッグがオフィエルに狙いを定める。
黒い雷をオフィエルに撃つ。
それを隔離術式で回避するも、炎を纏った翼による広範囲攻撃により展開されたキューブが全て破壊される。
「ちっ!」
隔離術式を使い、別の場所に転移する。
それをニーズヘッグは、咆哮から発する衝撃で辺りを薙ぎ払う。
転移が遅れたオフィエルは抵抗できずに薙ぎ倒され、気を失ってしまう。
「これはやばいぞ……」
べトール達もかなり幻創ミラボレアスの攻撃で気を失っている。
マザーは、2対の力を弱めており動けそうにない。
マジでこれ終わったかもしれん。
ニーズヘッグの眼がこちらを睨む。
禍々しい眼を前に私は少し畏怖の感情を抱く。
ゲームで見たものより、恐怖感がダンチである。
エスティニアンはよく、こんなバケモンを相手にしていたなと感心してしまう。
どうする、エスカダーカーを囮にこの場から一時退散するか?
ただ、この畏怖の感情を抱いた状態ではろくな具現化も出来ないだろう。
ニーズヘッグは口を大きく開き、口内から赤と橙が混ざった燐光が眩しく映る。
終わったか?
そう心で思った時だった。
「本当に終わったと思ってる?」
頭の中で誰かが囁く。
女性の透き通った綺麗な声だ。
「え?」
「まぁ、いいや。ちょっと貸してね」
「え、ちょっ!?」
身体が自分の意思に反して勝手に動き始める。
私はこの急展開についていけず、パニックになる。
「貴方が死ぬと私も死ぬのよ必然的にね。正直まだ死にたくないの! まだ幼女や美少女を愛でてないのよ、わかる? だからここは全力で抵抗するね!」
「待って、あなたは?!」
絶賛パニック中の私が出た第一声がそれだった。
ただ、その謎の声の主は私の想像を遥か斜め上を行く返答が帰ってきた。
「貴方によって具現化されたアプレンティス、そうね、貴方風に言うなら、エスカファルス・アプレンティスよっ!」
「はぁ!?」
「ちょっと主導権貸してね! もう借りてるけど!」
そう言うと、アプレンティスは内にあるエーテルを解放し、ある姿に変えた。
それは、白を基調とした巨大な女王蜂といって差し支えない姿。
pso2をプレイした人に分かりやすく言うなら、オメガファルス・アプレンティスに、それらの配色をエスカファルス・マザーの色に変えた感じと言えば想像つくだろう。
その怪物は、幻創ニーズヘッグと幻創ミラボレアスに向けてこう言い放った。
「さぁ、見せてあげるよ! 想像によって生み出されたアプレンティスの力を!」
後編に続く
ふと思った事がある。実行するとも限らない。ルーサーかアプレンティスを、シャドーコリドーか、ととモノの世界に一時的に転移させてもいい?
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いいよ。
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ダメ。