エスカファルス【非在】   作:楠崎 龍照

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77話 圧倒的な力を持つ幻創の決闘者

 

 

 

 

 

マザーシップ内で3体の深遠なる闇と六芒均衡が激戦を繰り広げている最中、レーダーにない反応が動ーき出す。

 

「じゃあ私達も荒そうか!」

「にゃーそうやのー、あまり気は進まんが……」

 

具現武装のデュエルディスクを顕現させて元気よく飛び立つ藤野キイナ。

気怠るそうに頭をポリポリとかいてから具現武装を生み出す。

 

「不殺で暴れろ……か。にゃー小野寺(アイツ)も無茶振りを言うのー……」

 

そう言って具現化した武装は煌々と輝きを放つ巨大な斧だ。

彼はその身体の2倍はある斧の柄を力いっぱいに握りしめた。

力を込めれば込める程、より一層、斧は光を帯び始めるではないか。

 

「……潰えろ創斧、ラビュリエス!!!」

 

大原は船団全域に聞こえる程の声をあげて、創られた斧の名を言い放つ。

すると、その斧から空間を歪めるほどの重力波が発生し、迎撃に出ているAIS部隊の半数を行動不能にした。

 

「あとはこれで……!!!」

 

ラビュリエスを持っていない、もう片方の手に別の武装を具現化させる。

 

「泣け、笑え!! 創錫クラリエス∀!!!」

 

蒼く優しく光を放つ全てのクラリッサを内包した偽物のクラリッサ、創錫クラリエスが具現化された。

彼の持つ膨大なエーテルが創錫へと送り込まれる。

 

「さて、どれだけ無力か出来るか。グラン・ディオ・グランツッ!!!」

 

大原はクラリエス∀を大きく振りかざしてテクニックを発動させる。

船団の宙域に、ラビュリエスの重力波に拘束されて身動きのとれないAISの足や腕に剣の形をした光が突き刺さり破壊していく。

 

「これで帰る言い訳つくやろ。グラン・イル・グランツッ!!!」

 

再びクラリエス∀を振るい、光属性テクニックを唱える。

クラリエスの真ん中に浮かぶ小さな地球のような物体が蒼く光を強く放ち、幾千もの光弾を生成してAIS軍団に飛んで行った。

突然の重力によって身動きがとれないAISや巡洋艦に光弾が1機につき5つほどが周りを囲むように静止。

暫くしてからその光弾からレーザーが発射され、AISの足や手を焼き切っていく。

やってる事はファンネルのそれである。

某機動戦士世界のように直ぐに爆発する訳では無い為、四肢を真っ二つにしても問題ない。

巡洋艦はカタパルトレール部分を破壊することでAISの発進を阻害。

他は砲塔を狙い撃ちして無力化。

徹底して不殺戦法を貫き通してAISと巡洋艦を戦闘継続不能にしていった。

 

「さてと、これでどうなるかのー」

 

上半身だけとなったAIS部隊を見た大原は、そのように呟きつつラビュリエスの具現武装を解除した。

それにより発生した重力波は勢いよく収まりだし、AISも無事に動き出すことが出来た。

しかし、両手を破壊されたり、四肢を真っ二つにされたAISで何かをすることなんて出来るはずもなく、それぞれが勢いよく撤退を開始。

巡洋艦もブースターを吹かして勢いよく戦略的撤退を図る。

 

「これくらいでええかのー。それより藤野はどこに行きよったんや?」

 

あまりやる気のない大原は肩をすくめて独りごちつつ何処かへ飛んで行った藤野を探した。

すると、突然として1つのアークスシップが奇妙な動きをし始める。

 

「なんやあのアークスシップ……」

 

クルクルと回転するアークスシップを見た大原は怪訝な表情をしたまま、世果【創暁】を具現化させて臨戦態勢に入る。

 

 

 

 

「マジック・エスカード、心変わり」

 

変な動きをさせている犯人は藤野キイナだ。

彼女は得意気な笑みを浮かべてデュエルディスクにカードを置いた。

 

「相手フィールドのモンスター1体を対象にして発動できる。そのモンスターをエンドフェイズまで得る」

 

その効果に従い、対象となったアークスシップの全権限が藤野キイナへと渡った。

それにより、あのアークスシップは奇妙な動きをしたのだ。

 

「さて、アークスシップを短時間だけ操る事ができた。後はこれで……」

 

彼女は何も持っていない手から青みを帯びた白色のフレームのカードを具現化し、それをデュエルディスクへと置いた。

 

「人々の身に眠る、心の闇(トラウマ)よ! 青き幻創の暴風となりて、再び人類に地獄をもたらせ!!!」

 

藤野は自分のトラウマカードの1枚を具現化させた。

 

「幻創シンクロ召喚!!! 恐怖に陥れろ!!! エスカ・ダイブ・ボンバー!!!」

 

幻創種特有の模様が刻まれている青みがかった装甲を持ち、背部に巨大な飛行機の羽を取り付けた人型の機動兵器と言うべき存在の化け物。

ダーク・ダイブ・ボンバーこと、エスカ・ダイブ・ボンバーがオラクルに顕現した。

 

「早速、このオラクルにもトラウマを植え付けてやる……!!」

 

悪そうと生意気を足して2で割った笑みを浮かべる藤野は、すぐさま効果を発動する。

 

「エスカ・ダイブ・ボンバーの効果発動!!!」

 

彼女は先程、権限を奪ったアークスシップをこちらに呼び込んでエスカ・ダイブ・ボンバー(以降EDBとする)はそのアークスシップの外装に触れる。

 

「エスカ・ダイブ・ボンバーは、自分フィールドのモンスターをリリースして、そのリリースしたモンスターのレベル×200ポイントダメージを相手ライフに与える。だけど今回は不殺を命じられている。だから、リリースするのは……!!」

 

アークスシップに触れるEDBの手が淡く光始める。

その瞬間、アークスシップの管制にフォトンキャノンに使用する際のフォトンの減衰を知らせる非常警報がけたたましく鳴り響く。

だが、オペレーター達がどうにかしようにも、権限を奪われている為何も出来ず、ただただフォトンのパーセンテージを見つめることしかできない。

 

「このアークスシップのフォトンキャノンに使用するフォトンだ!!!」

 

アークスシップのフォトンを全て吸い出したEDBはそれを攪乱中のエスカファルス達を迎撃しに向かっている大部隊に解き放つ。

 

「マックス・ダイブ・ボム!!!!!」

 

彼女が技名を言った瞬間、黒い宇宙が真っ白に塗り替えられた。

EBDからは高エネルギーレーザーの束がAISの大部隊へと襲いかかり、アークスが搭乗しているコックピット以外の全てを焼き払った。

その際、全AISは突然の光に覆われた事で何が起きたのか把握し切れず、何も出来ず、一瞬にしてコックピット以外の全てが焼き払われた。

 

「よしっ!!!」

「うわー、エグいのー」

 

大量のコックピットが漂うサマを見た藤野は満足そうな表情でコクコクと頷いていた。

それを見ていた大原は絶句。

なんなら半分引いている様子だ。

 

「まだまだ行くよ!! 私はこのカードを幻創召喚する!!!」

 

そう言って、今度は青みを帯びた橙色のカードを召喚する。

 

「幻創の異次元から君臨する終わりをもたらす使いよ。世界を混沌に陥れ、人々に絶望と終わりを授けよ!!! 幻創召喚!! 幻創(エスカ)帝龍(エンペラー・ドラゴン) 終焉の使者!!!」

 

次元を割って顕れたそれは青い皮膚に黄色い装甲を纏った翼が生えた巨龍だった。

その龍は翼を羽ばたかせて藤野の元へと近づく。

彼女は悪役が魅せるような顔芸もとい笑みを浮かべて幻創(エスカ)帝龍(エンペラー・ドラゴン) 終焉の使者(以降エスカエンペラー)の効果を発動する。

 

「エスカエンペラーの効果発動!!!」

 

宣言した瞬間に、彼女から青いモヤがエスカエンペラーへと吸われているのが見て取れた。

 

「うっぐ……!!!」

 

吸われていく間、彼女は顔を歪めて呻き声を出す。

しかし、歪めた顔も次第に笑みへと変化していく。

 

「……私のライフポイントを、1000払い……!! エスカエンペラーは、お互いのフィールドと手札を全て墓地に送る……!!!」

 

エスカエンペラーの眼が怪しく光る。

そして周囲のアークスシップ47隻や巡洋艦60隻の武装が全て破壊された。

それだけでは終わらない。

 

「この効果で墓地に送ったカード1枚につき相手ライフに300ポイントダメージを与える!!!」

 

エスカエンペラーの口内に青い燐光が漏れ出る。

それに気づいたアークス達だが、何もできない。

ただただ、恐怖と絶望で巨大な龍から放たれる何かを見つめることしかできないのだ。

そして、その一撃が放たれようとした時───。

 

「藤野!!!」

 

大原の鬼気迫る声にエスカエンペラーの攻撃が一時中断される。

 

「なにかあった?」

 

やりすぎだ的な事でも言われるのだろうか?

そう思ったキイナだが、全く違う。

 

「何か来てるぞ……!! 何か不気味な気配を感じる!!」

「何って……?」

 

その時だ。

権限を奪ったアークスシップから緊急放送が流れる。

 

 

 

─緊急警報発令、オラクル船団進路上に、無数のダーカー反応が確認されました。全アークスは出撃の用意をお願いします!─

 

 

 

 

続く




インフルエンザしんどかった……。

ふと思った事がある。実行するとも限らない。ルーサーかアプレンティスを、シャドーコリドーか、ととモノの世界に一時的に転移させてもいい?

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  • ダメ。
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