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では、どうぞ
俺の目の前に置かれた一基の艤装
主砲座には射程以外の全てで三十六センチ砲を上回る性能を持つ三十一センチ砲三基九門が鎮座し、
日本最強の対空砲、長十センチ対空砲八基十六門。そして対空機銃多数を構え
翔鶴型を超えて日本一の十七万馬力を誇りそれにより巨体に似合わぬ三十三ノットという速力をたたき出す・・・
これが俺の艤装だ・・・
夢にまで見た憧れの巡洋艦。
艦娘化するかもとは思ったがまさか俺がなるとは・・・
しかし、俺が適性持ちなのと艤装の所在を提督である俺が知らなくて、長門が知っているとは・・・他にも知っている者がいるのか?
まぁいい
これで俺も実際に戦える。
普通なら夕張に報告するところだが俺には真っ先にこの艤装を見せたい人がいる。
それは、駆逐艦曙と霞だ。
あいつらに柔らかい言葉をかけられた試しが無い。
それに曙はクソ提督、霞はクズと・・・
まぁ、キツイ、攻撃ならぬ口撃だ。
後、ウチにはいないが満潮や叢雲など他にも言動のキツイ艦娘もいるらしい。
世の中には罵られて「ありがとうございます!」と言う輩もいるらしいが・・、
理解出来んな。
曙と霞は俺は人間で弱いから戦闘に出ても役立たず、ならせめて良い指揮を寄越せと言ってくる。
ハァ、クソとかクズとか言わない曙と霞がよかったなぁ。
そして二人の口撃は俺が健康診断を受けた次の日からその言葉はもっと激しくなった。
お前は指揮と執務をしていればいいのだ。戦闘に出ても役立たずだ。演習も戦果を確認だけしていろ、見に来るなとか。
確かにあの二人の言う通り、俺は人間、艤装を装着した彼女達の拳一発で軽く死ねるし飛んできた演習弾に当たったらトマトみたいに弾け飛ぶだろう。
でももう違う、俺は人間じゃない。
今の俺は荒船型一番艦荒船
重巡洋艦だ。
そんな事を考えていると・・・
曙「クソ提督」
お、来た来た
曙「夕張さんに頼まれて書類持って来てあげたわよ。感謝しなさい。大体アンタは出撃どころか艤装も無いのになんでこんな所にいるのよ!探すのめんどくさいじゃない!」
俺に対する愚痴を言いながらドック内に曙が入って来た。
手には書類を持っている。
俺になんだかんだ言いつつも見やすいように揃えている当たり根は良い奴なのだろう。
霞もそうだ。やっぱり俺になんだかんだ言いつつもきちんと仕事をこなしてくれる。
なので怒るに怒れない。
提督「曙」
曙「何?時間の無駄だから手短にして」
相変わらずトゲトゲしいこと・・・
提督「この艤装を見てくれ」
曙はチラリと一瞥して
曙「ッ」
俺に艤装がある事に驚いたのか?
曙「阿賀野達の艤装を改造でもしたの?アンタがやると壊れるし資材の無駄だから辞めなさい?」
違う意味だったみたいだ。なんかムカつくな、まぁ良い、そうしてられるのも後十数秒だ。
提督「確かに阿賀野達のに似ているが違う。」
提督「これは俺の艤装だ」
すると曙は驚いた顔をして、
曙「ハ、ハァ?嘘も休み休み言いなさいよ。」
あからさまに動揺しているな。
なので追撃だ。
提督「嘘じゃないこれは俺の艤装だ。B65型超甲巡洋艦荒船だ」
曙「嘘・・・」
曙は何かに絶望した様な顔をした後
曙「私と霞でアンタにしてきた事は全部無駄だったの?」
と言い書類を抱えたまま、フラフラとドックを出て行ってしまった。
ちょっとショックだったかな?
後、無駄だった?
何がだろう、俺は曙が心配なのと無駄だったという発言が気になって後をこっそりつけていった。
提督サイドアウト
曙サイド
私は夜遅くに目を覚ました。
そして起きると提督がいなかった。
昨日夕張さんと自分の艤装について話をしていた提督の声がうっすらと頭に残っている。
私は不安になってとりあえず夕張さんを探す事にした。
曙「夕張さん、クソ提督と霞は?」
夕張「ん~?提督ならドックにいると思いますよ~後霞ちゃんは入渠ドックにいます。後、行くなら書類を持っていってくれません?」
どうやら大分疲れている様だ。
私は書類を持ってドックに向かう。
ドックか・・・
嫌な予感がする、
私は急いだ。
ドックへついた。
嫌な予感はどんどん大きくなる。
私は意を決して中に入った。
なるべくいつも通りを繕って・・・
そして
曙「ッ!」
見てしまった。
阿賀野達の艤装を大きくした様な艤装を・・・
嘘だと思いたい。
でも
提督「これは俺の艤装だ」
提督によってその期待も破壊された。
最悪だ。
最悪の事態が最悪のタイミングで起こってしまった。
私と霞は別に好きでクソとかクズとか言っている訳じゃない。
本能的に感じ取ったのだ。
提督に適性があることを・・・
だから私達は擦り付けようとした。
提督が自分が適性持ちだと言うことを気付かれないように・・・
自分は戦えない人間で、執務や指揮、艦娘達を労うだけの存在なのだと。
提督に・・・大切な人に、死んで欲しくないから・・・
長門さん達はそれを知っていたので注意は提督の前だけでだった。
そして願った。どうか提督が気付きませんように・・・私達の感じ取ったものが間違いでありますように・・・
それもある日の提督の健康診断と称した艦娘の適性検査の結果で砕かれた。
事情を知っていた明石さんは大和さんと長門さん、大淀さんに加え私達にも教えてくれた。
結果は適性有り。
私と霞は目の前が真っ暗になった。
私達は焦った。
もっと提督にきつくした。
私達の言動に提督の意識を向かせて気付かせないようにした。
私達は嫌われても構わない。
守れるなら提督が無事でいてくれるなら・・・あの日を繰り返さないで済むのなら・・・私達は何だってしよう。
例え気付いても提督がならなくても良いように説得して使わせなければ良い。
実際それで日常は保たれていた。
一昨日までは・・・
いきなり日常は崩れた。ウチの鎮守府の戦力は大幅に減り戦力になるなら何でも欲しい。
長門さんが艤装の場所を伝えたのも艦隊の副旗艦としての判断だ。
そんな状況で、最悪な状況で提督はなってしまった。艦息に・・・
嗚呼憎い、新海棲艦が、この襲撃の首謀者が憎い。
私はフラフラと霞の所へ向かった。
曙ファンの人ごめんなさい。
書いていたらどんどん思いついてしまって・・・
提督は愛されていたんですね・・・
ではまたお越しください。
閉めの挨拶 感想くーださい!