失くし者 (旧題失った者)   作:お昼寝須磨さん

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え~はじめまして須磨と申します。今回からきちんと前書きを使って書いていきます。
暖かい目で見ていただけると。嬉しいです。
では、どうぞ。


工廠

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工廠に着いた。ここはかなりの激戦地だったらしく至る所にひび割れや穴が空いている、とにかく入ろう。

 

ギギィと嫌な音を立てながら工廠の扉が開く、ここは明石と夕張の城といっても差支えない場所で何時も金づちの音や溶接機械の音が響いていた。

 

何時もは明石と夕張が作った試作品や修理中の艤装やらが転がっている。

 

しかし俺の目に映るのは・・・艦娘や深海棲艦、妖精達の遺体だった。

 

艦娘は頭や腕に包帯を巻いた重巡洋艦、腕を吹き飛ばされた空母、足の膝から下が無くなっている駆逐艦、頭が無くなってしまった戦艦等。

 

それならまだいい方で中には原型を留めていない者もいた。

 

だが俺には分かる、この娘達は俺の戦友であり同じ釜の飯を食べ、笑い、泣き、同じ想いを持って戦った同胞だ。

 

 

妖精達、俺の足元に転がっている、普段は修理、建造、改修、等だったが皆武器を持っている、大型のハンマーに改造したバーナー、リベットを打ち込む機械を射撃が出来るように改造した物、彼ら彼女らもまた同胞である。

 

 

深海棲艦は此方もまた数が多い、バーナーで焼かれた者、顔や体にリベットを打ち込まれた者、

溶鉱炉の中にも残骸があり恐らく生きたまま入れられて溶かされたのだろう、此処が誰が見ても激戦地だったことが分かる。

 

工廠の中の開けた所で二輌の戦車と二体の深海棲艦が相討ち状態で冷たくなっていた。

 

深海棲艦は見た感じ重巡洋艦リ級と軽巡洋艦ホ級エリートだろう。

 

リ級と相討ちになっているのは五式中戦車のチリで男性、ホ級と相討ちになっているのは四式中戦車のチトで女性だ。

 

チリはリ級の主砲の砲身が彼の背中を貫き絶命、しかし彼の刀はリ級の心臓部分を的確に突き刺していた。

彼の表情は目の瞳孔が開き口は裂けその状態でニタッと笑っていて戦闘中の状態で時が止まったみたいだった。

 

 

チトはホ級エリートを刀で両断したあとに息絶えたのだろう。

顔は血塗れだがチリとは対称的に目を閉じ微笑を浮かべていて遺体なのに、血塗れなのに、溜息が出るぐらい・・・美しかった。

まるで時間から最高の瞬間だけを切り取った様だ。

思わずカメラに収めてしまった。

 

生前チトとチリはかつての大戦で何もできなかったのを悔やんでおりよく二人で訓練をしている所を見た。

 

チトとチリの剣の腕は凄まじく二人の模擬戦を時間を忘れて見入ってしまって、大淀に館内放送で呼び出される、これが週に一度はあり日常のヒトコマだった。

 

願わくばあの頃に戻りたいものだ・・・

 

二人の戦闘スタイルは全然違った。チリは活力に溢れており見ている此方にまで熱気と闘志が届いたものだ。

 

チトは凛としていて一瞬の隙を突く、言葉にするなら・・・清く正しく美しく、だろう。

 

そんな二人は何時も自分は絶対大戦果を上げてやるんだと意気込んでいた。

 

・・・二人ともすげぇよ、中戦車一輌ずつで重巡と軽巡エリートを仕留めちまったんだから・・・

 

でもよォ帰ってこれなきゃ意味ねぇじゃんよォ・・・

またあの時みたいに自慢げに戦果を報告しに来てくれよォ・・・

 

 

・・・そう思っても二人は冷たいままだった。

 

俺はトボトボとその場を離れた。

 

 

 

 

 

・・コツコツコツコツ・・・

・・・カチャカチャカチャカチャ・・・・・

静かだ、やっぱり俺の足音と軍刀の音だけが響く

何時もは大声でないと話ができないくらい音に溢れているのに、今は釘一本が落ちる音も聞き逃さないくらい、

 

提督「静かだ」

 

・・コツコツカチャカチャコツコツカチャカチャ・・・・

・・コツコツカチャカチャコツコツカチャカチャ・・・

・・コツコツカチャカチャ ?「グッ・」

提督「!?」

?「ウウッ」

誰かの呻き声が聞こえる、声のする方には治療室がある、

 

もしかしたら生きている誰かがいるかもしれない!

 

俺は近くにあった高速修復剤の入ったバケツを持って声のする方に向かった。

 

 




第2話終了です。
今回初めて提督が「」の声を出しましたね。
さて・・・治療室に入った提督は何を見るのか、また遺体か・・・それとも戦友か・・・
次回「治療室」
読んで頂きありがとうごさいました。
またお越しください。
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