前回から・・・どれだけ経ちましたでしょうか。
ちょっと色々色々色々色々色々ありまして。
ま、これからもよろしくお願いします。
では、どうぞ
次の日
阿久津司令の資材援助、人手拠出により我が鎮守府も元の姿に戻りつつある
初出撃を終え、程よい疲れと確かな手応えを覚えながら眠りについた昨日
そして今朝、ごはんを食べ終えコーヒーを飲みながら新聞を開く
そこには
輸送船団のヒーロー! 海軍の新型か!?
コーヒーを吹き出しそうになるのを必死に抑える
そこには望遠レンズを使って撮られたであろう水柱の中を突き進む真っ白な提督服を着た俺の写真が見だしと共にデカデカと新聞を覆っていた。
救いなのは大分距離があった為に顔の判別や性別が不可能な事だ。
本文は
昨日 午後2時30分頃、輸送船団が深海棲艦の艦隊に襲われ、艦娘艦隊によって救出された。
護衛には対潜水艦や死線をくぐり抜けてきた事で有名な水雷挺鵯(すいらいてい ひよどり)以下歴戦の艦娘が就いていた。
そんな彼女達が護る輸送船団を襲ったのは重巡洋艦を中心に構成される高速且つ高火力な艦隊。
重巡洋艦とは戦艦の一つ下のクラスであり、戦艦より火力、防御力で劣るが速度において勝り、艦隊の旗艦から護衛まで出来る艦船である。
戦艦より火力は低いとは言え、彼女達や輸送船が受ければ吹き飛ぶ程の火力を持っている。
それに加え、敵艦隊には航空母艦もおり、輸送船団は激しい空襲に見舞われた。
そんな艦隊に襲われた彼女達を救ったのは、日の丸を身につけた航空機と艦娘艦隊だった。
位置関係から見て、第六鎮守府所属であろう
輸送船の乗り組み員によると 旗艦のポジションに今まで見たことの無い真っ白な服を着た大型艦娘がいたという
そして偶然乗り合わせたカメラマンが撮った写真の一枚を見せてくれた。(本文上に掲載)
現在、海軍に所属している艦娘は全て一般に公開されている。
その為、今回の一件に駆け付けた艦娘は一般公開されていない新型では?との憶測が立っている。
専門家によると
彼女の艤装は戦艦並の大型艤装であること。
彼女の艦隊には巡洋艦や駆逐艦、航空母艦(高速で航行可)等の比較的高速航行を得意とする艦種等で構成されている為、速度も優秀である事。
深海主力艦の主砲弾に耐えられる防御力を持っている事。
この観点から
既存戦艦の後継となる新型又は試作の高速戦艦、巡洋戦艦である可能性が高い
との見解をしめしており・・・
ハァ・・・
やばいな・・・
別に俺が出撃している事が公になるのは別に問題ではない。
そもそも艦隊司令とは旗艦に乗り込み第一線で戦う者なのだ。
何がマズイって公にされていない艦娘と報道されていること。
俺が考えるに戦争とは
国の技術の粋を結集した兵器達が使われる
しかし劣勢になり追い詰められてくるとどうなるか
旧式兵器や試作兵器が投入されるのだ。
今まで艦娘は新型が開発される度、公開されてきた。
駆逐艦や潜水艦、軽巡洋艦等の艦艇は〇〇型一覧みたいに纏めて公開される等の例もあった。
しかし重巡洋艦以上の大型艦ともなると一隻ずつ公表していたのだ。
しかも史実にて完成した日本の大型艦艇達は全て公開されている。
なのに今回新型の大型日本艦が投入されたのだ。
艦艇マニア達にかかれば一発で計画艦や建造途中で解体された艦艇であるとわかってしまうだろ
う。
つまり、そんな得体も知れない大型艦を旗艦にしなければならない程、世界は押されており、此処、第六鎮守府の戦力は疲弊していると思われてしまうのだ。
日本艦ではなく外国艦と言えば良いかもしれないが
日本で運用されている海外艦は一つの艦隊に最低二人、同じ国籍の艦娘が組まれる。
これは同じ国の艦を入れる事によって安心感や連携が取りやすい為であるらしい。
しかも海外艦だとしても公開されている艦娘に真っ白な提督服を着込んでいる艦娘はいない。
しかもどっちみち海外の艦艇リストを見れば結局バレる上に国籍偽装は良くないのでダメ。
阿久津司令がこのことを留意せず俺を出撃させたとは考えにくい。
あの人なりの考えがあるのか?
俺を動きにくくする事、これに何の意味があるのか。
阿久津サイド
今朝の新聞
私の想像通り、輸送船団を救出した越くん率いる艦隊と新型艦娘の事がデカデカと載せられている。
第六鎮守府が疲弊していることが上にも国民にも認知された。
顔までは写せていない為、個人の特定は容易ではないだろうが・・・
まぁ、良い ヒーローとは素顔を見せぬものだからな。
暫く彼は大規模な戦闘を避けざるを得ないだろう。
別に越くんを避けさせる為だけに出撃させたのではなく、出撃可能な大型艦艇が越くんだけだったのも事実、半ば仕方なくではあった。
しかし、こうなることを期待して出撃させたのも確かだ。
彼の艤装と妖精荒船、もとい艦娘荒船には未知が多すぎる。
そして越くん・・・彼の過去も。
爆撃により町と親を失い、弱っていた彼とその妹結ちゃんと出会って早15年
そして5年前のタキル諸島襲撃事件。
空を覆い尽くす敵航空機と撃ち合い火の塊となり墜ちてゆく友軍機、海を埋め尽くす無数の深海棲艦。
そこで沈んだ試作超大和型戦艦 結 (ゆい)
事件後消息不明になった越くんを探し、戦闘でボロボロになったチハと共に裸足で駆け回った日々。
穴だらけの砲塔と腕、マフラーから異常な量の黒煙を吹き出し瓦礫を撤去する手伝いをしてくれた・・・チハには感謝しかない。
意識を失った越くんを艦娘研究所の檻の中で見つけたあの日。
事件前、事件そのものの記憶を無くし、私達も忘れられてしまった事に頬を濡らし
その後も定期的に会いつつ、海軍に入った越くん。
妖精とコミュニケーションが取れる上、戦時中だったのにも助けられ提督服に身を包み、提督帽を被り提督になった越くん
そして艤装を身に纏い、輸送船団救出の為に海へ繰り出す越くんの背中
その背中にあの日の 結 の姿を重ねた昨日。
私の手に収まる一枚の写真
そこには四人の男女が写っている。
左からチハ、越くん、結ちゃん、私
自撮りで撮った数ある写真の中の一枚
戦時中ではあるものの確かにあった日常の中の欠片。
私の手から零れてゆく抱え切れぬ程の日々
しかし、この写真の様にまだ残っているものもまだある。
「カイ」
「なんでしょう」
「今は出来ることを確実に・・・だな」
「ですね」
「カイ・・・チハ」
「なんでしょう・・・なんだ?」
「ヒーローとは」
「「素顔を見せずに立ち去るものだ」」
「・・・これ好きだよなぁ」
「カッコイイじゃないか、ヒーローって・・・君は嫌いだっけか?」
「まさか?大好物だね」
「だよな」
そう、まだ日常は残っている。
狂気から日常を護る。
私なりの進み方だ
なんで寒いんだろなぁ・・・
冬ってこんなに寒かったっけ?