楽しんでくれると幸いです。
※追記修正しました。ラストが書き込めてないじゃないか!!
ソードアート・オンライン。
それがこのゲームの名前だ。次世代型ゲーム機《ナーヴギア》に最も望まれていたジャンルであろうMMORPGの一番槍であり、兄が少し前にベータテストに参加し僕に、興奮しながらその体験を話してくれたことは記憶に新しい。なにせ実際にゲーム内のアバターを自身の体のように自由に動かすことができるのだ。
僕も兄と同じ様にベータテストに送ってみたはいいが見事に落選したので必死になって正式版のパッケージを通販サイトでゲットしたときには兄と一緒に騒いでしまい、妹にうるさいとキレられた。しょうがないじゃん、初期ロット一万本を一般家庭の中学生二人が手に入れる確率はかなり低いだろうし。
そんな経緯を得て手に入れたSAOだが、もう間もなく正式サービスが始まるのだ。今日は日曜日で学校も休みだし、昼食も兄弟でSAOのことを話しながら(というより僕が質問していた)しっかり食べたのでお腹が減ることはない。いろいろしているうちにサービス開始時間になったのでナーヴギアをかぶり、電源をつけ、異世界へいくための呪文をとなえた。
「リンク・スタート!」
アバターを軽く自分好みに弄り、ソードアート・オンラインにログインした僕は、そのリアリティにおどろいた。
「…すっげー。これ本当にゲーム内かよ!作った会社スゲーなぁ とそれよりキリトのやつどこにいるかなぁ」
キリトというのは、兄がこのゲーム内で作ったアバターの名前だ。ほぼ本名のもじりではあるが僕も似たようなもんなので笑うことはできない。………。
「しまった、少し考えたら僕あいつの姿知らないや。どうすっかなー…?」
そう、あくまで僕が知っている兄は女の子に腕相撲で負けそうなくらい華奢な少年で、このゲーム内での姿を知っているわけではないのだ。
「プギーー!」 と鳴きながら青いイノシシが突っ込んでくる。僕は少し余裕を持ってそのイノシシ《フレンジーボア》の突進を避け、シンプルな両手剣を横に回転しながら叩き込んだ。両手剣用ソードスキルの一つ、《サイクロン》をくらったイノシシは爆散し少量の経験値とドロップアイテムになった。
「なるほどなぁ、これは
その楽しいを演出するためにきれいなライトエフェクトを出しながら威力の高い必殺技としてソードスキルをつくったと考えると開発社のアーガスに感心しかない。
…しかし、キリトには結局会えず仕舞いだった。まあ明日は学校もあるし、日課の妹との稽古もあるし、早めにログアウトしようかなとメニューを開く。
「………あ?」
メニューを、思いついた操作でログアウトボタンを探す。が、見つからない。……無茶苦茶嫌な予感がした。
鐘の音が聞こえる。いきなりはじめの町にワープし、周りにも多くのプレイヤーがいて、何が起きたのか全くわかっていない。そして赤いシステムアナウンスとともに顔のないローブが現れた。
赤いローブは混乱している僕らにこう言った。
「私の世界へようこそ」…と。
その言葉はありきたりであるはずなのに、僕は、《キリヤ》は何故か、嫌な予感がぬぐえなかった。
これは、僕の戦いの物語。