仮面ライダーゼロワン&ウマ娘  OtherWorlds  REAL×RACE   作:泥団子男

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期限もオーバー(約2時間半)するし、文字数も(前後編)いつもより多くなってしまいました…本当にすみません…。
(やりたい事が多すぎるのも困りものですね…。)


第5話(後半) ヒビけ!Makedebutのファンファーレ!

敵の爆発によって起こった爆風から、少女を庇う。

「…大丈夫…でしたか?」

言葉を選びながら、反応を伺う。

「うん…ライスは大丈…!?」

少女…ライスシャワーさんは驚いた顔でこちらを見た。

「ブブブブ、ブルボンさん!?」 

…?

「私は、そんな『バイブレーション』みたいな名前ではないのですが…」

いくら『サイボーグ』だと呼ばれても、そんな名前ではない。

「(ブルボ〜ン!多分、その子ビックリしてるだけだと思うぞ〜!)」

マスターは、気持ち小声で私に言う。

なるほど。ステータス:【混乱】だったのだ。ならば…

「コホン…」

一つ、咳をしてから『今の状況にピッタリな言葉』を放った。

「ライスシャワーさんが、カレー『ライス』を食べて、一言…『辛いっす』

。ハイッ,アルトジャーナイト.」

マスターの『ギャグ』の傾向から作ったコレならば、上手くいくはず。

「…えっ?」

マスター、【困惑】

「…ふぇ?」

ライスシャワーさん、【困惑】

あまりの空気につい、

「『ふぇ』ではありません。」

と口に出してしまう。

「あっ、ごめんなさい…」

ライスシャワーさんが、また落ち込んでしまう。

ただ、変身を解除したマスターは

「…俺のギャグ、ラーニングしてくれたんだな!さっすが、俺の担当ウマ娘だぜ!」

と(恐らく)フォローしてくれた。

 

…色々とあったが、ライスシャワーさんと別れ、マスターとイズさんと『スキル』の話をした。

「ミホノブルボン様は、『スキル』使えるようになったのですか?」

イズさんに聞かれ、私は正直に

「『使えるようになった』とはおもいますが、なんとなくの感覚データしかないのでレースで使用できる保証はありません。」

と答えた。それを聞いたマスターは

「まぁ、一度できたんだ。なんとかなるさ!」

と笑顔で言った。

私はこの言葉の『理由のない安心感』を信じて、残りのトレーニングをし、今日を終えた。

 

―メイクデビュー戦―

レース場の空気は、期待と緊張感で溢れていた。

準備体操などのウォーミングアップをしていると、メイクデビュー戦に参加する他のウマ娘が話しかけてきた。

「ミホノブルボンさんですよね!?今日は、よろしくお願いします!」

活発なタイプの方と推測。

もちろん、エイシンフラッシュさんだけでなくこの方もライバルではある。

だが、ここで『敵』として接するのは恐らくマスターはよく思わないだろう。

ただ、私は相手に誤解されやすい。

私の出来る『良い返答』は…

「はい、ミホノブルボンです。本日は宜しくお願いします。」

角度も完璧な90度の深い一礼。これなら…。

「あっ…。はい!お互い頑張りましょう!」

そう彼女は告げて、去っていた。

…後に聞いた話では、この会話で『私のロボット疑惑』がより深まってしまったそうだ。

そんなことを知るよしもない私は、マスターとイズさんの元へ向かった。

「ミホノブルボン様、『スキル』というものを身に付けたそうですね。おめでとうございます。」

小さく拍手をしながら祝ってもらえた。

「やり方は理解できましたが、『身に付けた』と呼べる程では…」

そう言いよどむ私をマスターは、

「心配しなくてもいけるさ!少なくとも俺はそう思う!」

と太鼓判を押す。

「私ももちろん、そう思っております。」

イズさんもマスターに同意した。

…この二人がそう言ってくれるのなら、やれるかもしれない。不思議とそう思えた。

「…はい。お二人のご期待に答えるためにも、この『メイクデビュー戦』、必ず勝ちます。」

お二人のために…そして私のために…そう宣言して、レース場のゲートへ向かった。

ゲート近くには、さっき挨拶してくださった方とそして…エイシンフラッシュさんがいた。

「エイシンフラッシュさん。」

私は、意を決して声を掛ける。

「ミホノブルボンさん…!」

相手も、何か決意したように反応する。

「互いの誇りをかけ…正々堂々、勝負です。」

私は、その『宣言』に無言で頷く。

少なくとも彼女自身は、別に『マスターのトレーナー引退』を望んではいないのだろう。

ただ、『勝ちたい』という願望はよく理解出来た。

私達は、同時に背を向けそれぞれの始まり【ゲート】へ向かう。

ゲートに着くといつもより身体が重く感じた。

先程までは無かった異常…原因、及びステータスを確認。

…ステータス【緊張】と判断。

ですが、私は勝たなくてはならない。

マスター、お父さん、そして私のためにも。

盛大なファンファーレの後、放送が流れる。

「美しい青空が広がる、中京レース場。ターフも絶好の良バ場になりました!」

実況…というものだろうか。

「2番人気は、ミホノブルボン!」

私の名前が呼ばれる。

「短距離路線ではなく、『三冠制覇』という偉業を成し遂げることを目指すウマ娘!個人的にはとても注目しています!」

期待…されているようだ。

「1番人気はこの子!エイシンフラッシュ!」

エイシンフラッシュさんが呼ばれる。

「人気と実力を兼ね備えたエイシンフラッシュ。真っ向勝負に注目だ!」

「」やはり、人気も注目もエイシンフラッシュさんの方が上。

しかし、『人気』と『結果』は同じではない。

それを証明してみせる。

スタートの体勢をとりながら気合いを入れ直す。

「各ウマ娘、ゲートにて体勢整いました!」

一瞬の静寂…そして、『ガタン!』と音が鳴ると同時に私たちは飛び出した。

私は『作戦∶逃げ』の通り、最前へと向かう。

エイシンフラッシュさんは、恐らく『作戦∶差し』であるため、後方にいるはず。

そんなことを考えながらも、『掛かり』にならないよう『安定走行モード』を維持。

そして、最終コーナー。エイシンフラッシュさんが全力を発揮するタイミング。

「くっ…」

後ろから得体のしれない重圧…プレッシャーを感じる。『もっと速く走らねば』という気持ちにさせられる。しかし、『掛かり』になってしまっては、スタミナの差で負ける。だからこそ、思考を目の前のゴールと『スキル』の事のみに集中する。

 

あの時『スキル』が発揮したのは、『幼い頃の憧れ』と『目の前のライスシャワーさんの為に走る』という意志の力…だと思う。なら今、『誰かの為に走る』のなら…

 

行っけーっ!ブルボーン!!

 

マスターの声。そうだ…

「お父さんと、マスターの為…」

私を信じて夢を応援してくれた二人の為に、私は再び『飛び立つ』…!

 

「これが私の…『夢見た世界(スキル)』!」

 

その時、ほとんどの観客やウマ娘達には私が『急加速』したように、マスターやエイシンフラッシュさん、そのトレーナーには『近未来的な衣装を着た私が宇宙へ飛び立つ』姿に見えたそうだ。

 

「ミホノブルボン、1着でゴール!人気の差を覆し、実力を見せつけた!!」

 

実況の声が響いて、私は『自分がゴールしたこと』に気がつく。

 

「2着はエイシンフラッシュ!」

 

…そうか、私は勝つことが出来たのか。

まだ、「感情システムの整理」と「状況把握」が追いついていないため、感情表現ができない。

ただ、歓声は私とエイシンフラッシュさんに降り注いでいた。

エイシンフラッシュさんの方を見ると、驚いた表情をしていたが、すぐ歓声の方に一礼をし、優しく手を降っていた。

『私もそうしなくてはいけない。いや、そうしたい。』

そう思い、見様見真似だが手を小さく振ってみる。すると歓声は大きくなり、何人かの言葉は理解できた。

 

『君なら長距離でも闘えるぞー!』

『私、信じてたよー!』

『エイシンフラッシュちゃんも、ミホノブルボンちゃんも、良い走りだったよー!』

 

これが『声援』と認識。ステータス∶【高揚】を確認。

そしてレースを終えてから、マスターとイズさんの元へ向かい、勝利を報告した。

「やったな、ブルボン!最後に見えたぜ、宇宙!!」

マスターの表情は文字通り、『満面の笑み』だった。

「ミホノブルボン様、本当におめでとうございます。きっと、ゼアやウィアも予測出来なかった結果だとおもいます。」

イズさんも拍手しながら祝ってくれた。

…多分、この湧き上がってくるモノが『嬉しい』という感情なのだろう。

そんなことを思考していると、エイシンフラッシュさんと、トレーナーが現れた。

「私の敗北です。ミホノブルボンさんの最後の加速、それが練習の成果なんですね。」

エイシンフラッシュさんは、私を認めてくれた。

トレーナーの方は、少し不服な表情をしながらも

「…勝負は貴方達の勝ちです。貴方達の『夢』…叶うと良いですね…クッ…。」

とだけ言うと去ってしまった。

エイシンフラッシュさんは、半笑いで

「きっと、あの人なりに認めているんだと思います…!」

と言ってから、神妙な面持ちになり呟いた。

「あなた達になら話しても良いかもしれませんね…」

マスターもそれに気がついたのか、即座に質問する。

「一体何を…?」

少しの沈黙の後、彼女はレース前以上の覚悟を決めた顔で話す。

「私達が、『身の丈に合わない夢を否定し、無理な練習をするトレーナーを憎む』ようになった理由を…。」

 

その頃、エイシンフラッシュのトレーナー

 

「私は間違っていたのか…だが、『あんなこと』を繰り返す可能性のほうが高かったはずなんだ…」

一人呟く。そんな彼に話しかける者。

《color:#8c0606》お疲れ様でした。惜しかったですね。

目の前にいたのは、黒いコートを身に着け、フードを被り、声は加工されていて性別もわからない謎の人物。

「誰だ…?」

今の状況のせいもあってか、つい敵対的な対応をしてしまう。

ただ、『黒い影』は、気にせず話し続ける。

キミの考えは間違えてない。それを『急にしゃしゃり出てきた社長業のついででトレーナーするような奴』に否定されたら、誰だって怒るものだ…!

腹立たしいが、図星だった。

『黒い影』はどこかから、『歪んだ仮面のようなものが半分付いた長方形の機械』を取り出しこちらを見る。

その『悪意』、解き放て…。

そう言うと、口元をニヤけさせながらボタンを押す。

 

ArkServants…

 

禍々しい機械音声が流れ、『文字化けした文字』と『不穏な漢字』が混ざった『赤黒い沼』が現れる。

それは、トレーナーの身体に纏わりつき一瞬で包みこんだ。

赤黒い繭のようなものになった彼は、羽化するように繭を砕いて現れる。

腰元には、かつてZAIAが対マギア用の兵器として使用されたアイテム…『レイドライザー』、手には、先程の『機械』を持っていた。

『黒い影』は、半笑いで問う。

キミのしたい事はなんだい?

 

トレーナー…いや、『トレーナーだったもの』は狂気と怒りの混じった声で告げる。

 

『身勝手ナ理想』ヲ…破壊スル…ッ!!

 

(次回へ続く)




【次回予告】
次回、『仮面ライダーゼロワン&ウマ娘』!!

暴れ出す『悪意』!?

「オ前ニ、ナニガ…ナニガ分カルンダァァァァァ!!」

エイシンフラッシュの願い!

「私の…私のトレーナーを…助けてあげてください…っ!!」

少女達の思いは伝わるか!?

「もしも、私が『その子』なら、マスターのために頑張れたことに悔いはないはずです!」

 第6話 輝くキボウは君だけの強さ 

「『その子の夢』、あんたも信じたんだろ?」

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『泥団子男』の『泡男』です!
第5話後編、ご覧頂きありがとうございます!
何故か、前・後編に分けたはずなのに、後編は、文字数増えてるのでしょうね…?
(文章をまとめる能力が無いだk…)
思いついたアイデアをすぐ形にできればいいのですが…。
今回のレースは、前編の後書きでも書きました「レジェンドレース」を元に…というかほぼそのまま書きました!
(むしろアレ無かったらもっと時間かかってたかも…?)
レースは終わりましたが、『不穏な要素』、『悪意の魔の手』、『エイシンとトレーナーの過去』、『ブルボンのウィニングライブ』…書かなきゃいけないことは多いですがなんとかします!(次の日曜日前に投稿出来ればいいなぁ…)
次回もお楽しみに!!


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