ソードアート・オンライン アナザーゲート・プログレッシブ    作:たかてつ

28 / 50
《SAO AGP》 の付録みたいなものです。
コムロンさん目線のお話です。
多分……続きます。ごめんなさい。


アインクラッド編・サイドストーリー
028 こむろん・あんぐる 1回目 ―はじまりの街だよー! 全員集合―


『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』

 

あ、おじゃましてまーす。

 

『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界を――』

 

あ、カヤバさん、お疲れさまでーす。

 

『――本来の仕様である』

 

……ほんとにー? 直らなくて困ってない?

 

『――永久退場している』

 

……うわー、かわいそう。

 

『――ゲーム攻略に励んでほしい』

 

うん、がんばるぞ!

 

『諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊される』

 

……うーん。痛くなさそうだから、それでもいいや。

 

『――安全にログアウトされることを保証しよう』

 

えー、ほんとにー? また裏面クリアしろ、とか言うんじゃないのー?

 

『――確認してくれたまえ』

 

――やった! ありがとう。カヤバさん!

 

 

多分良い鏡――オレ愛用の百均よりもすごい綺麗。

あれ? ……あれも掃除したら、こうなるのかな?

それにしても、クールだけどかわいい感じ、うまく出来たなー。頑張ったもんなー、オレ。

「……あっ、」

ぴかっと真っ白――ログアウト、直った?

 

 

うん、カヤバさんはきっと天才だから凡人の気持ちなんて理解できない。

アバターを作る……それがどれだけ大変なのか。

そのへんはきっとサッパリなんだ。

そうだよね。ぱっとカッコいいやつ作れそうだもの。

「ひどいよー……せっかく、頑張ったのにー」

オレは泣きそうに、もう涙が出ちゃった。ほら、みんな怒ってる。びっくりしてる。泣いてる人もいる。

「……んっ!!」

隣に、知っているけど、知り合いじゃない人がいる。

――嘘でしょ……有名人。

昨年の 《U20ワールドカップ》 でPK外して叩かれちゃったプロサッカー選手、 《ドリブルジャンキー・中島秀》 がオレの隣に……ぼけーっとつまらなそうに立っている。

「中島選手、ですかー?」

彼はオレの方に顔を向けた。にこっと笑ってお辞儀をする。

――間違いなく 《営業スマイル》 だねー。カッコいいけど、胡散臭い笑顔するなー。

「えっと、家族みんな 《デポルティボ東京》 サポです! 中島選手の 《首都クラシコ》 の二人抜きゴール、すっごい興奮しましたー!!」

「……ありがとうございます」

オレが握手を求めると両手でがっちり握ってくれた。

――パパ、ママ、すごいよ!! オレ、中島選手と握手しちゃった! もう死んでもいーや! ん? 駄目かな?

 

 

『――この世界を創り出し、鑑賞するためにのみナーヴギアを、』

急に中島選手はするすると人の間を擦り抜けるようにして、どこかへ向かう。

オレはそれに自然とついていった――なんとなくだけど、彼についていきたくなったのだ。

広場の出口付近でようやく追いつく。

「あのー、どこ行くんですか?」

後ろから声を掛けてみた。

『――諸君の健闘を祈る』

彼は無言でそのまま歩く。

「ちょっとー、どこ行くんですか?」

ひとつ溜息――こちらに振り返ると、笑顔で 「ごめん、トイレ」 と、嘘をついた。

「えー、トイレしないでしょー」

ふふっと笑うと彼はそのまま歩き出す。

「なんで嘘つくんですかー。ひどいなー」

彼は、前を見据えたまま、

「だってさ……この世界には、偽りしかないだろ……?」

……なんか、こじらせてるなー、このひと。

 

 

(終わり)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。