ゲーム・オブ・ドローンズ—椅子取りゲーム—   作:生き残れ戦線

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プロローグ ゲームの始まり

おれ丸目蔵人(くらんど)はこのところビデオゲームをしていた。

 

一週間前に発売された最新作メタルギアⅥは世界が熱望していた期待作だ。

俺はそのゲームの大ファンだったので半年前から予約していた。

その前評判通り内容は素晴らしく熱くそして切ないストーリーだった。

もう一週間ぶっ続けでプレイし続けた。

この時の為に有給も使った後悔はない。

一心不乱にやり続けた。

そして今日エンドロールを眺めるに至った俺はようやく作品から解放された気分になる。

 

一人感想会にふける。

今回の作品は従来と比べて特に機械兵器が目立っていたな。

人間よりも優秀な敵の機械から隠れながら目的を遂行するのは難しくスリルがあった。

特にあのドローン兵器を相手にステルスを行うのは骨が折れたな。

それでも楽しかったが次回は人間相手を主に戦いたい。

こんなものかな。

 

「....ああ腹減った」

 

余韻を噛みしめつつ自分の状況に気付く。

気づけば買いだめた食料は底をつき部屋はゴミの山で埋もれていた。

これじゃ俺の好きなプロテインを作ることも出来ない。

中身のない冷蔵庫を見つめるのに飽きた俺は仕方なく外出する事に決めた。

 

その前に何気なくテレビを点けた。

この一週間外界からの干渉を一切閉鎖していた。

そのせいで今何が起きているのか分からずにいたのだ。

まあどうせ特に世界は変わってないだろう。

 

「.....は?」

 

そして見た。日本でいま何が起きているのかを。

ドローンが人間を攻撃している光景だった。

三日前、世界同時に起きた無差別テロ。

90%以上のシェアを誇る世界的物流企業《NOZMA(ノズマ)》社製のドローンに搭載されていたAIが暴走して人を襲い始めたのだという。

同様の現象が2029年現在の日本で起きているらしい。

 

「まじで?」

 

まったく気づかなかった。

普通にマンションで暮らしているのに。

そういえばカーテンも閉め切ってシャッターを下ろしていたのを思い出す。

ゲームに集中するため外の景色は映らないようにしていた。

とりあえず外の景色を見ようとシャッターを上げてみる。

 

「....すげぇ本当に飛んでる」

 

思わず感嘆の声が上がる。

10、20ではきかない。80機は居るだろうか。

蠅の様にブンブンと市役所の方に向かって飛んでいる。

市内で大量のドローンを飛ばすのは条例で禁止されている。

ので本当に制御できていない様だ。

カレンダーを見る。

 

「普通さこういうのって未来とかに起きる事件だよな」

 

まだ西暦2029年だよ。早くない?

現実味がないんだよな。

むしろ現実は非情である。

 

日本政府は非常事態宣言を発令。

家の中から出ないよう国民に呼びかけている。

実際のところ日本だけで既に死傷者が何千人も出ているようだ。

過去のパンデミックで亡くなった人間の数を優に超えていた。

まじでやばい状況になっているらしいな。

 

「自衛隊や警察は何やってるんだ?」

 

初動の遅い彼等といえど攻撃ドローン何て言う軍事兵器が国民を襲っている状況で何もしないはずがない。それに各国が対応に動いているはずだ。

解決も時間の問題だろう。

なら待っていれば安心か?

とはいえ目下の問題は空腹だ。

このままでは俺は事態解決の前に餓死してしまう。

 

生き残る為には外に出て買い物をしなければならない。

多分というか間違いなく店はやってない。

けど何かあるだろう。

 

「.....よし外に出て食料を補給しよう」

 

覚悟は決まった。未だ現実味は湧かないがやるしかないのだ。

そうと決まったら準備を整えないと。

俺はリビングから自分の部屋に戻る。

と押入れの中からある物を取り出した。

ライフル銃だ。勿論本物ではない。

誕生日に友達から貰った。

改造モデルガン(ガス式)とこれまた友達に譲ってもらった特別な弾を込めれば、実銃には劣るもののかなりの威力になるとお墨付きを貰っている。

貰った時はやべーもん送ってきやがったなと思ったが今は心強い。

これならドローンが襲って来ても撃墜できるはずだ。

 

次に防御面だが防弾チョッキとヘルメットがある。

これも友達のおさがりだ。が問題ない。

装着する。バックパック(小)を背負った。

 

「それじゃ....行くか」

 

そう言って俺は玄関のドアを開けた。

新しい世界に向かって最初の一歩を踏み込んだのだ。

 

 

 

 

 




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