「オールマイトの授業はどんな感じですか?」「平和の象徴が教壇に立っている様子など!」
朝から雄英の生徒にインタビューしようと報道陣が校門の前に屯している。オールマイトが授業してるのがそんなに世間にとって重要かな?どこかの病院の横領とか近隣諸国の情勢とか報道するべき事柄なんてそこら中に転がってるっていうのに。
『やはり、どこの世界でもマスコミはマスコミということだな。金になる事しか奴等はしない。金が人をクズに堕とす好例だ』
パッショーネとの抗争劇を思い出しているのか、心なしか少し言葉に棘がある気がする。
「どうする2人とも。先生に連絡して個性使用許可得て外壁から2人の個性で入る?それとも「すみませんオールマイトが教壇に立つことについて一言!」…無視して突っ切るか」
「ノコ…。バレちゃったし後者しかないよ」
「………2人とも、僕がマスコミの壁を何とかするから校門までまっすぐ走って」
支配くんがそう言って影に潜っていった。直後からあたし達の目の前のマスコミの身体が急に左右にずれ始めた。もしかして入ってるモノに干渉出来る様になった?今まで黒に入るだけだったのにいつの間に?
「まあ今はいいや。行こ!希乃子ちゃん!!」
あたし達は割られた海のような道を走り何とか何事もなく校門を潜る事が出来た。いつの間にか希乃子ちゃんの影に入っていたらしく、スカートへの配慮か必死に地面を見ながら這い出て来た。
「ありがと支配くん。お陰で面倒にならずに済んだよ」
「ありがとう!!それにしてもいつの間にあんな事出来るようになったの?」
「う、うん。えと、僕の個性って2人に比べると戦闘力とか制圧力が皆無だからさ、個性の性質上それはしょうがないんだけどなんとかしたいと思って、春休みとかに必死に練習してたら出来る様になったんだ」
「あたしとしては戦闘や制圧とはまた別の強さがあるとは思うけどね。それでもヒーローに格闘能力が必要だから自主的にやってるのは尊敬するよ」
「うん!……私も個性成長させる訓練すればよかったなぁ…」
希乃子ちゃんがそう呟くけどキノコ胞子の拡散なんて強い個性の制御を誤ったらとんでもないことになるから雄英で訓練したほうが絶対いいと思う。
……希乃子ちゃんの個性が成長するとどうなるんだろうね?
「じゃあ今日の放課後3人で自主練する?」
「「する」!」
「じゃああたしが相澤先生から空いてる体育館借りておくね」
自主訓練の約束をしながら各教室へ向かう。
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相澤先生は教室に入って来てすぐに昨日の戦闘訓練の件で爆豪くんの精神性と緑谷くんの個性制御不足について説教した。基礎を知るための訓練だってオールマイト言ってたけどあの戦いじゃ基礎は測れそうもないもんねぇ。
「さて、HRの本題だ。急で悪いが今日は君らに学級委員長を決めてもらう」
「「「「「学校っぽいの来たーー!!!」」」」」
あたし以外みんな委員長をやりたいのか一気に騒がしく手を上げ始めた。ヒーロー科の委員長は集団を導くための素養が鍛えられるからみんなやりたがるが、あたしは「一番になりたい」という動機ではなくしっかりとした目標を持ってヒーローになりたいと思ってるから手は上げない。
「静粛にしたまえ!!」
突然飯田くんがみんなを静止する。曰くやりたい者ができるのでは無く周囲からの信頼ある者があるべき。民主主義に則り投票で決めよう、という事らしい。確かにこれなら平和的に決めることができる。信頼ねぇ……。
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「僕、4票ーーー!!?」
へぇ、緑谷くんそんなに入ったんだ。その内1票はあたしだけど。そして2票で副委員長は八百万さんかー。納得。そこで飯田くん悔しがってるけど自分で別の人に入れてるんだし早めに受け止めて欲しいね。
さて、他に決めることもあるらしいけどコレに時間取り過ぎたから残りは午後。取り敢えず午前の授業をしますかね。
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「ーーーって感じで戦闘訓練するからパートナーの個性とうまく噛み合わせたり自分の個性の強みを相手に押し付けられれば結構良いとこまで行くんじゃないかな?」
現在お昼、あたしは2人に屋内戦闘訓練について話をしている。あの設定だと支配くんはヒーロー側、希乃子ちゃんは敵側だと凄く強そうなんだよね。
「なるほど〜…、ありがとあじみちゃん!参考にして色々考えてみるね!」
「可能性低いけどいきなり変更されるかもしれないから気をッ」
突然食堂内に警報が鳴り響いてビックリした…、流石に気を張ってない時だから声裏返ったよ…。
《セキュリティ3が突破されました 生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください》
セキュリティ3って確か『通行許可証IDその他それに類する物を所持しない人物の校舎内侵入』みたいなややこしいもんじゃなかったっけ?取り敢えず2人に伝えとこ。
「確かセキュリティ3は校内に誰か侵入したってことだよ」
「じゃあ、僕らも逃げた方がいいんじゃない?」
「いや、こんな混雑してたら逃げられないし逆に侵入者も入口からは入ってこれないはずだから取り敢えず入口がすくまで待機でいいと思う。あ、けど窓割って入られたら面倒だから窓だけ警戒しておけばいいと思う」
「じゃあ念の為僕は窓側を見てくるよ。今なら簡単に行けるしね」
そう言って支配くんは1番近くにいた生徒の影に潜り行ってしまった。と思ったら直ぐに帰ってきた。
「見てきたら直ぐにわかったよ。マスコミが校門突破して入ってきたみたい」
「はあ?」「えぇ!?」
マスコミが?外での個性使用制限に加えて器物損害を?ネタ目的にそこまでする?(のはいつものことか…)
『騎士さん、ダメ元で聞くけどこの位置から窓まで届く?』
『いや、窓際までは流石に届かない。それに確か
やっぱりそうだよn「大丈ー夫!!」e…?
声のした方向を見ると、飯田くんが出入口の直上であの非常口にある逃げ出そうとする人と同じポーズでそこに居た。
飯田くんがスピーチしてくれたおかげで一気に他の生徒も落ち着きを取り戻し元の昼食ムードを取り戻した。
……気になるから校門見てこようかな。一体どんな方法で校門か塀を突破したのか気になるし。
「あたし等はもうお昼食べちゃったし、出入口も空いたから校門辺り見に行くけど2人はどうする?」
「んん〜、気になるから行く!」「僕も行こうかな」
「了解。さっと見てさっと帰ろ」
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「……」「どうやってるの…?」「塵になってる…」
警察がマスコミの誘導をしているのを遠目に、あたし等は校門の様子を見に行った。行ったんだけど…
『どんな個性が考えられる?』
『崩れていない部分を見るに結構な金属だったのだろう。それが脆くなり塵のようになっている…。塵化、劣化が1番らしいが…コレだけではなんとも言えんな』
『そっか…。ありがと』
『ただ、恐らくマスコミの仕業では無いな』
『そうなの?』
『詳しくは後で説明する。一先ずは3人とも教室に帰りなさい。準備する時間が無くなる』
『あ、そうだった。じゃあ後で2人にも教えるから午後のHR中にでもお願い』
「…行こう2人とも。わかった事もあるけど放課後にでも話すから取り敢えず午後の授業に間に合わないよ」
そのまま2人を促し午後を迎えた。
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「委員長は、やっぱり飯田くんがいいと思います」
HRが始まった途端、緑谷くんがそんな事を言い出した。お昼の時の活躍からその方がいいと判断したらしい。みんなその雰囲気になってるけどさ…
「あたしは委員長にするのは反対だなぁ」
そう言った瞬間、殆どみんなから変な視線を送られた。というか若干睨まれた。
「ど、どうしてかなポルナレフさん?」
「逆に聞くけど、八百万さんの気持ち考えた?それがあたしの答えね。今、副委員長である事を考えると八百万さんを委員長、飯田くんを副委員長にするのが妥当だと思うけど?」
その言葉に教室は静まりかえる。
「…うん、そうだったね。ごめんなさい八百万さん。そこまで考えていなかった。」
「いえ、考えて頂ければ構いませんわ」
「ありがとう。…それじゃあ八百万さんを委員長に、飯田くんを副委員長にするって事でいいかな?」
「現委員長の指名なら仕方あるまい!副委員長の任、しっかりと努めよう!!」
なんやかんや無事決まったみたいで良かった良かった。さて、残りの委員決めその他やっていきますかね。
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コンコンコン
「失礼します。…相澤先生、先ほどお願いした訓練室の鍵を借りに来ました」
「あぁ、これだ。完全下校の10分前頃までに返しに来い」
「分かりました。ありがとうございます。…失礼しました」
というわけで鍵を借りたから2人に借りた訓練室の部屋番を送り、現地合流した。
「おまたせ〜。完全下校の10分前頃に返せって事だからその20分前くらいには片付け入るようにしようか」
「「了解」」
「じゃあ自主練入る前にお昼の続きね。まず、アレはマスコミの仕業じゃあ無いと思う」
「そうなの?」
「確定では無いけどね。理由はオールマイトが教師になった事についてのインタビューだけでここまでしてもリスクに見合ったリターン、つまり視聴率とかが取れるか微妙。というか不法侵入と器物損害になるからリスク云々以前の問題だけど。それが1番大きな理由かな」
「確かにたかだか1ニュースのために犯罪してたら普通に会社潰れるだろうしね。2番目以降の理由は?」
「単純にあんな破壊…崩壊?させるような個性ならマスコミより危険物処理とかの方が向いてるって理由かな。これは職業の自由あるし理由には弱いんだよね…。まあそんなところかな、分かったのは。多分愉快犯か何かだろうしその内捕まるだろうからこの話は置いておいて、早速始めようか。2人は身体能力と個性伸ばすのだったらどっちやりたい?」
「私個性伸ばす方やりたーい」
「僕も個性伸ばしたいかな。もっと重いモノもいけそうな気がするんだよね」
「じゃあ個性訓練にしようか。支配くんは訓練室の備品の謎のコンクリート塊を使えばいいけど、希乃子ちゃんはどう強化したい?」
「どう強化したい、かぁ…。……私の個性って仲間も巻き込んじゃうから敵にだけ当てられるようにしたいかな」
「おっけー。それじゃあ、あたしにだけキノコが生えるように頑張ってみて。あたしは精密動作性高める為に生えたキノコを片っ端から斬ってくから」
希乃子ちゃんは最初あたしに胞子を飛ばすのを躊躇してたけど割り切ったのかあたしにだけ当たるように意識した面持ちで手をこちらに向けた。
「おお。……イタッ」
うまく皮膚ぎりぎりで切ったと思ったらギリギリで皮膚まで切っちゃったみたい。
「!ご、ごめん!!もしかして菌根菌やっちゃった!?」
「ううん!そうじゃなくて、あたしがミスって皮膚も切っちゃっただけ。菌根菌じゃないしもしそうでも2時間程度で消えるんでしょ?だから大丈夫。あたしよりも、周りに生やさない事を意識して」
そう言って継続を促す。希乃子ちゃんも覚悟を決めたのか再度手をこちらに向けた。
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「今の限界はここらへんって感じかな?」
あたしは希乃子ちゃんの立つ位置から15mほどの場所に立っていた。
「ん〜……凄く頭使う…痛い……」
どうやら希乃子ちゃんの個性は指定の場所にだけ胞子を送って生やすのは頭を凄く使うみたい。個性で出したキノコは2時間程度で消えるからと何も考えずに全力放出する癖がついていたから今は15m以上は制御が厳しそう。
そうこう考えているとあちらも時間に気づいたのか支配くんもこっちに来た。
「お疲れ様。訓練すればもっと長距離まで飛ばせそうだね」
「多分私が視認出来ない所だと正確に目標だけに届かせるのは厳しそう…」
「でも、そこに味方がいなければある程度は問題無いと思う」
「絶対に目標だけに当てたいなら、サポートアイテムとか探してみるのも良いかも。例えば熱探知出来るゴーグル的な物とか。あ、キノコの胞子を一時的に集めて固形化出来るならそれを撃ち出せる銃みたいな物でもいいかも」
「それだ!!」
あたしの提案に希乃子ちゃんが飛びついた。
「どっちの方が希乃子ちゃんに合うかによるけど、まずは出来る限りこうやって鍛えないとね。取り敢えず今日はもう時間だからなるべく早めに次の日にちも決めてやろう。」
そう言ってあたし達は片付けを行い、鍵を返して帰路に就いた。流石にいい時間だからどこも寄らなかったけど夏になって日が伸びたら帰りにどっか寄りたいな。
B組の個性ってA組と比べて最初から発想力次第で大化けする気が。『旋回』は下手したら黄金の回転いけるのでは?って思うし『黒』とか範囲大きすぎて逆にどうしようかって悩んでる。『キノコ』とかは成長性Dみたいな完成度してるからそれはそれで悩むけど。
次回もよろしくお願いします。
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 〜2人の英雄〜』編、読みたいですか? (2作目以降の映画は自分は他の方の小説でも見たことが無く、時系列が曖昧なのでまたその内調べ、適宜アンケート取ります)
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