銀の戦車の英雄譚   作:OSPS

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 お久しぶりです。

 サブタイトルは死柄木の性格がそれっぽいと思い付けました。


皇帝の逆位置 その1

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイトに1人加えて3人体制で見ることになった」

 

 一気に3人に増えるんだ。やっぱりこの前の不法侵入が関係しているのかな?そして今回の内容は人命救助か…。チャリオッツ、というよりスタンドそのものが闘争心によって操作するっていうシステム的に災害救助にはかなり気を遣っちゃうなぁ。特にチャリオッツは瓦礫を切る時に人が重なったら一発でアウトだし気をつけないとね。

 

「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗って行く。以上、準備開始」

 

 今回はどっちでもいいんだ。まぁあたしはコスチュームの方が動きやすいしポーチあれば誰か怪我しても問題無いからコスチュームにしよっと。

 

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「バス酔いしない方からバスに乗って下さい」

 

 八百万さんが委員長としてバスに誘導している通りにバスに乗り込む。殆どの人はバス酔いしないみたいで続々と乗り込んでいく。あたしも普通に酔わないけど人数的に真ん中あたりになった。

 そして訓練場に着くまでの時間は多少雑談。

 

「私思ったことを何でも言っちゃうの緑谷ちゃん」

 

「あ、はい!蛙吹さん!!」

 

「梅雨ちゃんと呼んで。…貴方の個性、オールマイトに似てる」

 

 たしかに自壊する代わりに衝撃波だけであのビルを一階から丸々貫通させるパワーはオールマイトを彷彿とさせるね。

 

「!!!そ、そそそうかな!?」

 

『………………』

 

『どうしたの?騎士さん』

 

『いや、ただ推察していただけだ。もっと根拠ができたら共有しよう』

 

『…うん。わかった』

 

「しかし増強型のシンプルな個性はいいな!派手で出来ることが多い!俺の"硬化"は大人だと強えけどいかんせん地味なんだよなー」

 

「僕は凄くかっこいいと思うよ。プロにも十分通用する個性だよ」

 

「それに、今は人気商売な面が大きいけど本来ヒーローは派手地味関係ない職業だからね。硬度を高めれば相手の攻撃に怯まずに進んでいけるし災害にも場合によっては対応出来るし本当いい個性だと思うわ」

 

 緑谷くんのセリフに続けてあたしも思ったことをそのまま言う。

 

「ありがとな2人とも!それにしても派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪だな」

 

 2人とも大概いい個性してるもんね。騎士さんの推測だと爆豪くんは長期戦に向いてる個性っぽいし轟くんも寒暖どちらも操れる感じだし、2人とも基本的に防御が難しいし機動力もあるしで今のところ弱点も見つからない(必ずあるはずだけど)、まさにヒーロー向きだね。

 

「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」

 

「んだとコラ出すわ!!!」

 

 梅雨ちゃんに言われてるまんまだね爆豪くん。

 

「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ」

 

「てめぇのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!」

 

「もう着くぞ。いい加減にしとけよ」

 

 ハタから見てるとまあまあ面白い低俗な語彙の会話を聞いてるとそろそろ到着だって。能力的に得意とはいえないけどなるべく頑張りますかね。

 

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「すっげーーー!!!USJかよ!!!!」

 

 みんなうるさいけど、確かにとても広いね。ここだけで建設費いくらなんだろ…。

 

「あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です。その名も『ウソの災害や事故ルーム《USJ》』!!!」

 

「スペースヒーロー『13号』だ!!災害救助で目覚ましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」

 

「私好きなの!13号!!」

 

 USJじゃん。コレ権利的に問題ないの…。相澤先生と何か話してるけどここ13号先生しかいないしもう1人についてかな?あ、もう1人はいない感じで進めるんだ。

 

「えー、始める前にお小言を1つ2つ…3つ…4つ……5つ……」

 

((((増えてる……))))

 

 多分ここだけは意思が統一出来たと思う。

 

「皆さんご存知の通り、僕の個性は"ブラックホール"。どんなものも吸い込んで塵に出来ます。僕はこの個性で救助活動に臨んでいますが、僕に限らず個性は簡単に人を殺せる力です。皆さんの中にもそう言う個性を持っている人もいるでしょう。…超人社会は個性の使用を厳格化することで一見成り立っているように見えます。しかし一歩間違えれば容易に殺人を行える個性を一人一人が持っている事を忘れないでください。この授業では心機一転し、人命のためにどう個性を活用するかを学んでいきましょう!君たちの力は人を傷つけるのではなく、助けるために在るものだと心得て帰ってくださいな。以上、ご清聴ありがとうございました!」

 

「ブラボー!おお…ブラボー!!」「ステキー!」

 

 みんな感激してまさに拍手喝采と言った状況になる。実際、考えさせられるような為になる話だったし聞けてよかった。さて、本題に入…

 

『用心しろあじみ』

 

 言われた瞬間にあたしは即座に意識を切り替え、周囲を見回して警戒する。

 

「ケロ?…どうしたのポルナレフちゃん?」

 

 梅雨ちゃんが聞いてくるが今は構ってられない。

 

『騎士さん?』

 

『DIOやディアボロとは比較にならないが…それが頭をよぎる様な"何か"が来る』

 

 そんな事を聞いた途端、USJの真ん中の広場に錯覚のような黒点が浮かび上がりそれが急速に広まっていった。

 

「一かたまりになって動くな!!13号!生徒を守れ!!」

 

 相澤先生も一瞬遅れて気づきあたし達に指示を出す。

 

「何だアリャ!?また入試みたいなもう始まってんぞパターン?」

 

「動くな!あれは…敵《ヴィラン》だ!!!」

 

「敵!?馬鹿だろ!」「ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!!」「先生!侵入者用センサーは!」

 

 あまりに突然の出来事過ぎてついていけない人と状況把握に努めようとしてる人に二分された。

 

「…13号に、イレイザーヘッドですか…。先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが…」

 

 真っ黒なモヤがそんな事を呟く。オールマイトが目的?というか先日のあの校門は彼らか。

 

「どこだよ…。せっかくこんなに大衆引き連れて来たのにさ、平和の象徴がいないなんて…。子供を殺せば来るのかな?」

 

「校舎と離れた隔離空間、そこに少人数が入る時間割……こいつ等はバカだがアホじゃねぇ。何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

 

 相澤先生はそう言ってるけど…もしかして今のアイツらの言葉聞こえてなかった?……まあそれは後回しでいい。相澤先生は13号先生や上鳴くんに指示を飛ばす。そして緑谷くんに止められながら1人で敵の中央に飛んだ(恐らく時間稼ぎの面が大きい?)。

 ……おお、首にいつも巻いてる帯上の布って本来あんな感じに使うんだ。ただ生徒を縛るものじゃないのね…当然だけど。でも、ヒーローとして個性割れてるからって異形型は消せないとかいくら肉弾戦も強くても言っちゃって良かったのかな?

 

「肉弾戦も強く……ゴーグルによって目線を隠されては誰を消しているのか分からない…。そのせいで連携に遅れが生じる…。嫌だなプロヒーロー…有象無象じゃ歯が立たない」

 

 有象無象じゃ?てことは……

 

『騎士さん、あのワープ以外の動かない2人のうちどちらなら相澤先生とオールマイト倒せると思う?』

 

『イレイザーヘッドが相手なら見るからに異形型の方だが、なぜオールマイトまで?』

 

『え?アイツらがさっき普通にオールマイト目的って会話してたじゃない』

 

『……ああ、そういうことか。…!!あじみ!!!』

 

「「「「!!!」」」」

 

 ちょっと目を離した隙にモヤがあたし達の前に現れた。

 

「初めまして、我々は敵連合《ヴィラン連合》。…僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは…平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして…。」

 

 あたしは何故か先ほど聞こえたとはいえ、改めて聞かされてもにわかに信じがたい事だ。彼がデビューしてから2年と持たずに日本国内の犯罪件数が世界各国に比べて格段に下がり、個性が確認される以前の日本と比べても5%増程度に抑え込めているという正直同じ人間というより鬼みたいな妖怪って方が納得できそうなほど敗北とは縁遠い人物を油断や驕りなどではなく、出来て当然であるかのように振る舞っている。

 

「本来ならここに彼がいらっしゃる筈ですが…何か変更でもあったのでしょうか?まあ私の役目はそれとは関係無く……」

 

 言葉の途中であることも関係なく爆豪くんと切島くんがモヤにむかって殴りかかる。

 

「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか!?」

 

 正直それは同感だけどもっと早くから13号先生が構えてたのが見えなかったの!

 

「ダメだどきなさい2人とも!!」

 

『全力で下がれ!!』

 

「危ない危ない……そう、生徒といえど優秀な金の卵……」

 

 騎士さんの指示通りあたしは即座に背後を向いてダッシュする。直後に黒い霧があたし以外の生徒を包み込んだ…いや、後ろの方にいた人達もあたしが逃げるのとあの霧があたし達を狙ったことに気付き何人か逃れることに成功したみたい。

 

『なんとか巻き込まれずに済んだな…。恐らくワープを行うために予めあの霧を出す座標を定めておく必要がありそうだな』

 

『ありがとう騎士さん。あと、さっきアイツ危ないって言ってたから多分本体いるよね』

 

『ああ、恐らく今の状態は個性の霧を身体に装着している…私の印象深いスタンドでいえばビハインド・ジーズ・ヘーゼル・アイズと同じ、纏うタイプだろう。わかっているとは思うが今その情報は共有しない方がいい』

 

 ビハインド・ジーズ・ヘーゼル・アイズ………パッショーネからの沢山の追手のうちの1人だっけ?身体に泥を纏わりつかせるってスタンドだったと記憶してるけどいつ聞いても鳥肌が立つようなスタンドね。それなのにめちゃくちゃ強いし。

 

『普通にこの霧、まだ目の前にあるしね。多分普通に聞かれるわね』

 

『それが1番の理由だ。そして本体がある以上あくまで纏ってる霧がワープの出入口となる。それが今回あの個性の付け入る隙になり得る』

 

『え?本体周りに常にワープゲートが貼られてるのに事前準備無しで倒せる?』

 

『ワープが座標依存という推測が正しいなら常にゲートを開いているのは脳に負担が掛かるため常時展開はまず不可能だ。上手くやれば倒せるだろう。だが、オールマイトの殺害というコイツ等の目的から考えたらイレイザーヘッドへ助力が必要だ。そこで、アイツを利用する』

 

『助力…利用……。アイツがあの霧で中央へ戻る時について行くってこと…?』

 

『そうだ。しかも、自身もやられずイレイザーヘッドも助けられるほどの能力を持つ人間…。あじみ、君が行くのがベストだ』

 

『…まあ、それが1番確実で安全よねぇ』

 

 聞いた範囲のクラスの個性から考えて、戦闘という分野に限ればまず間違いなく最強はあたしだ。どんなに硬い物質であろうと切断できて、周りはスタンドを見ることも干渉することも出来ないからスタンドのデメリットが実質無い。この条件だけでも学年トップ3になれる自信があるけど、更に一部例外を除いてこの世界の『個性』より一人一人の能力のレベルが桁違いの『スタンド』が存在する世界で戦い抜いてきた騎士さんことジャン=ピエール・ポルナレフの膨大な経験に基づいた知識やアドバイスがあるんだ。この条件で負けろという方がよっぽど難しい。

 

『……すまない。まだ英雄として、ヒーローとしてスタートすらしていないのに最も危険な道を歩ませてしまうな…』

 

『ううん。騎士さん達のエジプトへの旅だってトラブル続きで危険で、それでも目標に辿り着いた…。だからあたしも、このトラブルをあたしのヒーロー人生の第一歩にするわ』

 

 そのためにも取り合えずこの敵達をどうにかしないとね。

 あたしと騎士さんは個別に色々やり取りしてたから分かりにくかったけどワープから逃れた他のみんなも持ち直し、作戦も決めたらしい。スピードに優れた飯田くんをここから逃し教員達に知らせるようだ。

 

「13号先生ーー!!!」

 

 芦戸さんが驚愕に満ちた声で叫ぶ。黒い霧を吸い込んで足止めないしは仕留めようとした13号先生が黒い霧のワープによって自分自身を吸い込みチリにされてしまった。

 

「飯田くん行って!!!」

 

 あたしは全力で叫び飯田くんを送り出した。

 

 瞬間。

 

グシャ

 

 嫌な音が聞こえた。声のした方を見ると相澤先生が脳剥き出しの男に馬乗りにされ右腕の肘から前腕を握り潰されていた。

 

「対平和の象徴…改人"脳無"」

 

 手を身に付けてるヤツがそう呟くのが聴こえた。やっぱアイツがオールマイト対策か!!

 

「麗日さん!!」

 

 叫ぶような大声で呼び掛けながら近づく。

 

「"無重力"であたしを触って!!そしたらあの黒霧追ってアイツ空中に投げて!あの霧の一部にコスチュームみたいな物がついてるからそれ掴めるから!!」

 

 あたしの指示を聞いて麗日さんは飯田くんの妨害へ行った黒霧へ走っていった。次は…

 

「砂藤くん!これから麗日さんがあの黒霧を空中に投げる!あたしが指示したタイミングでそれ目がけてあたしを思いっきり投げて!!」

 

「え!?いや、危険じゃ」

 

「相澤先生の方を見て!先生が危ないの!後のことは全部あたしが責任持ってなんとかするから頼むわよ!!」

 

 あたしに言われ相澤先生の方を向き事態を把握した砂藤くんは覚悟を決めたのか角砂糖を口に放り込みあたしを腕に乗せて待機した。

 

「行けええ!!飯田くーん!!!」

 

 麗日さんが黒霧を思いっきり投げた。

 

「行け!!」

 

 砂藤くんの横で話を聞いていた瀬呂くんが黒霧のコスチュームみたいなところにセロハンテープをくっつけて時間稼ぎしてくれた。その甲斐あって飯田くんがなんとかUSJから脱出したのを確認、それと同時にゲームオーバーと呟いてワープを始めた黒霧に向かって砂藤くんが思いっきりあたしを投げた。

 さて、ここからは完全に運ね。お願いだから自分だけワープする時は他の人はついてこれないみたいなずるい効果は無しで頼むわよ…!

 

 あたしは真っ黒な霧の中に飛び込んだ。

 

             To be continued...

 




ビハインド・ジーズ・ヘーゼル・アイズ
破壊力:B
スピード:B
射程距離:C(泥が地続きの場合A)
持続力:B
精密動作性:A
成長性:D
 泥を纏うスタンド。自身のスタンドとしての泥ではなく物理的に存在してる泥に自身のスタンドエネルギーを混ぜ込んで自身に纏わせる能力。そのため非スタンド使いにも視認できる。泥がある所でしか発動できないが、相手の攻撃はどんなものでも泥で絡め取ったり衝撃を分散するし、攻撃は相手に纏わりつかせての圧迫や泥の密度を高めての物理攻撃、泥の解釈内でなら素早い移動も可能。ポルナレフとの闘いでは生きるために必要な呼吸や敵を認識するために視覚、聴覚を確保する必要があると言う弱点を(文字通り)突かれて敗北した。

本体:ラミナーリア・ペタロ
 パッショーネが所有する施設で働くメイド。エドワーディアン。年齢は20代後半で性格はおっとりしていて優しめ。シェリーの面影が感じ取れポルナレフは他の追手と比べ闘いにくかったそう。本人も個人的にはポルナレフのとこを悪く無いと思っていたり…。あまり騙し討ちとか好きじゃなく、正々堂々目の前に姿を表した(こう言うところもポルナレフ的に好感持てた)。ちなみに服が汚れるのは嫌との事でスタンドを纏う際泥で器用に全て脱いでるとのこと……。




騎士さんは自分は危険でも最短ルートを選ぶが、他人にはそういう道はなるべく歩いてほしくないなって思っててほしい。

『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 〜2人の英雄〜』編、読みたいですか? (2作目以降の映画は自分は他の方の小説でも見たことが無く、時系列が曖昧なのでまたその内調べ、適宜アンケート取ります)

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