ゲーム版BWのゲーチスに成り代わり!? 作:セッル@ポケモン熱発生中!
私…、もとい、本名【アスター・ハルモニア・グロピウス】こと、通称(まぁ偽名だけど)【アスター・ブラック】は、ある日突然、ポケモン世界の…よりにもよってゲーチスなんかに、身体だけ成り代わってしまい早2年と少し…。
何とか新たな名を手に入れ、ダークトリニティと共に過ごし、
トレーナースクールに通い、
途中で元チャンピオン、アデクと直接会う事になってしまったが、そこは変装を見破られずに終わった。
そんなとある日、いつものようにトレーナースクールに通う私にチェレン先生は、
「そういえば、アスターさんはポケモンを育てないのかい?」
と聞いてきた。
「はい?ポケモンを育てる?ポケモントレーナーになりもしない私がですか?」
そう言うとチェレン先生は、
「確かにここはポケモントレーナーになる事前提の授業をしているけど、別にポケモンは戦うこと前提ではないよ。
ほら、テレビに映っているあのポカブは女優だよ。
他にも、家族として迎え入れることや、芸人の相方として芸能中心の技を覚えさせる育て家だってある。
どうも君は、親子仲はそこそこ良くても、完全に心を許しているわけではなさそうだからね。
ポケモンは愛情深く育てればそれに応えてくれる。学校にも慣れたことだし、育てやすいポケモンを保護団体から引き取ることもできる。一から育てれば、愛情も信頼もできるよ。」
ほんとうに…、この人は鋭い人だな。
流石は、あのゲーチスの言葉に惑わされない人だけはある。
確かに私とダークトリニティの関係は、良好ではある。でも、それは…私の身体がゲーチスだからだ。彼らは確かに何事かがおこれば私を全力で守るだろう。だけど、それは【私】を守りたいのではなく、【私の身体】を守りたいだけだ。
現状は、主という指針がいないから、【私】という、仮の指針を立てているだけの事。
彼らは優秀だ。本当に仕えるに値する主を見つけたら、私など捨てられるだろう。
だからこそ、心を完全に許す事など出来ない。
それに、チェレン先生の言い分は正論だ。
今の私は、トレーナースクールに通う学生、この世界はポケモン前提に社会が成り立っている。なら、ポケモンを持たないことは、パソコンに触ったことすらないも同然。
今は、《ゲーチスの遺産》で働かなくても生活できるし、不自由はない。ダーク達も私を着飾らせる余裕もある。
けど、遺産だけでは減るだけだ。いずれは私もダークも働かなくてはならない。
けど、ダークは裏方としてゲーチスの僕として過ごしてきた。私以上に社会復帰は絶望的だろう。何より、アデク氏やチェレン先生など彼らを見た人は軒並み、権力者に値する立場。せっかく、用意してもらった偽造戸籍もそれだとバレてしまう。ダークを表で真っ当に働かせられない。
なら、私が働かなくてはならない。
職業選択を広めるためにも、ポケモンは必要だ。
「確かにそうですね、では、チェレン先生、ポケモン保護団体に週末1人で行ってみます。」
「そうか、分かった。なら、場所はホドモエシティの育て屋さんだ。ここは定期的にポケモン譲渡会をしているから、行ってみるといい。」
「ありがとうございます。」
「と…、言うわけで、ダークトリニティ、オススメのポケモンとかはありますか?」
自宅の夕食時、消化によく、滋養強壮に富む食材を詰め込んだオカユを食べ終わった頃にダーク達に話した。
「また…、急な話ですね」
「確かに、これ以上拒み続ければ悪目立ちしますので妥当なところかと。」
「アスター様、お一人で参るのですか?」
3人ともそれぞれ反応は違ったが、最終的には、ベイビーポケモンの中でも【テレポート】を覚えるエスパータイプがいいと言った。
「我々は自力でテレポートできる体ですが、アスター様は違いますので、」
「ポケモンバトルが出来ないならば、逃げの一点は妥協できませぬ。」
「我々も常に共にいるわけにはいきませんので。」
「わかりました。」
そうして週末、、ホドモエシティにある譲渡会会場。
「おかあさーん!この子がいい!」
「あら、ガーディね。初めてのお友達にはちょうどいいわ。店員さん、この子をください。」
「はい!では、書類にサインをお願いします。」
「可愛い!次のファッションバトルに似合うわ。店員さん、このプリンを譲ってください。」
「はい、いつもありがとうございます。ではこちらにサインを。」
元の世界の犬の譲渡会に似てるなぁ。でもやっぱり別世界ではあるんだよな。
だけど種類が多い割には、ダークトリニティお勧めのエスパータイプはいないなぁ。
「おはようございまーす!今日保護したポケモンを連れてきました!」
途中で入ってきた人達、あれは、
「……プラズマ団。」
まさか、こんなところで…、いや、彼らがプラズマ団に加担したのは、ポケモン保護の為だ。いたところでおかしな話ではない。
それに、周囲の人が警戒していないから、本当にただの善良なポケモン保護団体になったんだな。なら、私がすべき行動は、
「おはようございます。すみません、エスパータイプのポケモンはいますか?」
「エスパータイプですか?んー、大きさはどのくらいですか?自宅はポケモンはどのくらいなら入りますか?」
「大きさは進化しても大人1人くらいで重さも同じくらいです。4人で過ごす一軒家なので、部屋が余ってはいます。」
「んー、なら、この子はどうでしょうか!」
「この子は?」
緑と白のポケモン、
「ラルトスのオスです。ラルトスは人の気持ちに敏感なのですが、あなたには懐いているようですし、《ミィィ》「かわいい…」
かわいい。
「進化してもせいぜい50キロと少しなので、一般家庭、一軒家なら問題ないかと。技は【テレポート】しか覚えていませんが、レベルを上げればきっと、」
「この子をください。」
即答だった。だってこんなに可愛くて甘えっこな子が嫌いな人なんていないでしょ。
誰かに奪われてたまるもんですか!
「はい。ですが…それにしても、この子が初対面の人にここまで懐くなんて珍しいですね。この子は勇敢な性格で、ベイビーポケモンにしては珍しく人を選ぶので、これまで貰い手がいなかったのですが…、どうやらあなたはこの子に選ばれたようですね。」
「そうなんですね、ありがとうラルトス。私を選んでくれて。」
そうして、私はラルトスを引き取って帰ってきた。
ついにポケモンを手に入れた成り代わり主です。
次はラルトス目線です。