苗木誠の奇妙な冒険~バレット・オブ・ホープ~   作:ナナシのG愛好家

1 / 5
プロローグ~奇妙な矢~

『これから、オマエラにはコロシアイをしてもらいます!!』

 

 そう高らかに叫んだモノクマももくろみ。超高校級のエリートたちが集まる中で、始まった殺し合い学園生活は、突如として、誰も死なないまま、終結した。江ノ島さんが見つけた、一本の矢のおかげで。

 

 おっと、自己紹介が遅れたな…………。ボクは苗木誠。初対面の人には、オーソドックスな自己紹介から始めてしまうような、平凡オブ平凡な人間。

 ここ、超高校級の天才たちが集う【希望ヶ峯学園】に入学できたのは、全国の人間から抽選された中で、当たったボクは、『超高校級の幸運』として招かれたからだ。

 そして、モノクマという謎のぬいぐるみが、ボク達をデスゲームに巻き込んだ。

 

「やあ!!おはよう、苗木君!!今日は僕が一番乗りだ!!」

「あはは、凄いね、石丸君。おはよう。」

 

 にこやかな顔で挨拶してくるのは、スポーツ刈りの青年、石丸清多夏君。

 【超高校級の風紀委員】と呼ばれる、有名進学校万年成績トップの優等生。そんな彼の座右の銘は、『質実剛健』だ。

 前回の会議の時一番乗りになれなかったのがよっぽど悔しかったのか、ボクにそう言う。

 

「フッ、何だ。まだこれだけか。」

 

 すると、入り口の傍の壁に、ダークグリーンのフード付きジャケットに、黒いマスクと、全体的にダークな服装をした白髪の青年が来た。

 

「…………shadow君か。」

「フッ、石丸清多夏、俺の行いに、お前の意見は必要ない。」

「だとしても!!」

 

 こぶしを握り、声を荒げる石丸君。当然だ。彼、shadow君は、【超高校級の殺し屋】なんだから。

 

 世界を飛び回り、様々な人間を【処刑】する殺し屋。shadowというのは、彼が標的に送る、【殺人予告状】に書かれる、彼の名乗り名だ。自己紹介の時も、shadowと名乗って、話は終わりだと言わんばかりに離れて行った。

 【希望ヶ峯学園入学者スレ】によれば、彼が狙うのは、暴行罪の懲役から出所してきたが、まるで反省する様子の無い男や、お金の力で犯罪をもみ消す悪徳政治家などの、【法では捌けない悪人】だ。それも一つの正義だと、ネットでは彼をヒーロー視する声も少なくない。

 でも、法律を破って人を殺すことを、真面目な石丸君は許せないのだろう。

 

「荒れてますね、石丸君。」

「あ、舞園さん!!」

「おはようございます、苗木君。」

「おっす苗木、俺もいるぜ。って、また石丸と影の奴がもめてんのか。」

「あ、桑田君も、おはよう。」

 

 次に入って来たのは、日本人なら誰でも知ってる超有名アイドルグループの線あーを務めている、【超高校級のアイドル】舞薗さやかさんと甲子園優勝チームのピッチャーであり四番だった、【超高校級の野球選手】桑田玲音君だ。

 ちなみに桑田君本人は、野球はそこまで好きじゃないらしい。本当は、ミュージシャンになるのが夢なんだそうだ。

 

『随分そろってるね』

 

 すると、耐火素材のジャンパーに身を包み、口元に白いスピーカーを付けた少女、

 

「梔子さん。おはよう。」

『ん。おはよう。』

 

 梔子(くちなし)さん。ロック、ポップ、ボーカロイドから和風の三味線などを使った音楽や演歌、様々なジャンルでヒットソングを生む、【超高校級の作曲家】。

 【梔子】というのはペンネームで、ボクは本名を知らない。彼女からも、『【梔子】って呼んで。』と言われてる。彼女の声は、スマホで文字を打ち込んで、それをスピーカーが喋っている。彼女の肉声を聞いた事も無い。どんな声をしてるんだろう?

 そんな事を考えてると、黒いコートにリーゼントの彼と、茶髪の、セーラー服の女の子が入って来た。

 

「大和田君、不二咲君、おはよう。」

「ん?苗木か。よう。」

「おはよぉ、苗木君。」

 

 いかつい彼は、関東最大の規模を誇る暴走族、【暮威慈畏大亜紋土】の総長を務める、【超高校級の暴走族】の大和田紋戸君と、数々の有名なプログラムを生み出した、【超高校級のプログラマー】不二咲千尋さんだ。

 

「やっほ~、苗木。」

「苗木、良い朝だな。」

「あ、朝比奈さんに、大神さん、おはよう。」

 

 二人は、水泳で高校生最速記録を大幅に塗り替えた、【超高校級のスイマー】朝比奈葵さんと、人類最強と名高い、【超高校級の格闘家】大神さくらさん。体育会系の女性同士だからか、二人は結構仲が良い。

 余談だけど、shadow君と大神さんは、よく共に鍛錬しているとか。どんな鍛錬なのか、気になるような知りたくない様な…………。

 

「ふあ~ぁ。お、苗木っち、おはようだべ。」

「おはよう葉隠君、って、どうしたの?眠そうだね。」

「ああ、ちょっと昨日、不安で眠れなかったべ…………ちと寝不足気味だべ。」

「そう…………なんだ…………。体は大事にね。」

「おう。苗木っちもな。」

 

 そう言ってボクに人懐っこい笑みを浮かべてくるのは、占い界の超新星、何回かだぼった経験があるらしい【超高校級の占い師】葉隠康比呂君だ。

 彼曰く、彼の占いは万能なものではなくて、三割の確率で当たるんだとか。色んな話をしてくれるけど、オカルト信者なのか否定論者なのかよ、ちょっとく分からない。そんな事を考えていると、

 

「う、うわぁ!!や、やめろ!!」

「ほら、そんなに暴れんなよ。タブレットないんだから、ここに来る以外方法ないだろ?」

「それでも僕は孤独がいいんだ!!18人も顔を合わせるなんて御免だよ。」

「今回ばかりは仕方ねぇだろ。お前タブレットあのクソクマに取り上げられてんだろ?」

「そうだけど!!嫌なものは嫌なんだ!!」

 

 おしゃれな服装の青年にジタバタと暴れながら引っ張られて行くの、アニメで出てくるようなフーデットローブを着た彼は、株やトレードでお金を儲け、自作のロボットが家事や接客を行う、豪華な自宅に一人で引き籠る【超高校級の引き籠り】小森晶(こもりあきら)君。

 ロボットが接客を行うっていうのは、行ってみればわかるらしい。

 極度のコミュ障っぽくて、あまり人前に出たがらず、何時も、今引っ張ってる彼、世界最高のベーシストとたたえられる、フリーベーシスト、【超高校級のベーシスト】小池智也君に、引っ張り出されてる。

 世界を飛び回るミュージシャンと引きこもりが友人っていうのは信じられないけど、二人はチャットアプリのWAINEで知り合ったそうだ。

 

「フン。そろっている様だな。」

「…………。」

「あ、腐川さん、十神君、おはよう。」

「「気安く話しかけるな(ないでよ)。」」

「あ、ごめん。」

 

 金髪で、眼鏡をかけた、目付きの鋭い人と、二つ結びの女の人。生まれた時から、ありとあらゆる帝王学の髄を叩き込まれた、日本有数の財閥、十神財閥の御曹司、【超高校級の御曹司】十神白夜君と、執筆作品が社会現象をも引き起こした、【超高校級の文学少女】腐川東子さんだ。腐川さんは十神君によく付きまとってる。十神君がそれについてどう思っているかは知らないけど…………。

 

「あら?随分と遅れてしまいましたわね。」

「う~む、寝坊のせいで不覚を取ってしまいましたな。」

 

 くるくるカールの黒い髪、第一印象、【お嬢様】なゴスロリ系の服に、太陽を一度も浴びてない様な白い肌。外国人な印象が、この個性的なメンバーの中ではshadow君以上に強いのは、参加者全員の全財産を奪い合う究極の裏ギャンブル、【キングオブライアー】で優勝して、全参加者の全財産を全て我が物にしたという噂を持つ本名不詳、出身地不詳の謎多き【超高校級のギャンブラー】セレスティア・ルーデンベルクさん。

 そして、彼女の僕の様に彼女の後ろにいるのは、学園祭で、規格外の量の売り上げを叩きだして見せた、【超高校級の同人作家】山田一二三君だ。

 ちなみに、彼が書く同人誌のコンセプトは、『性の向こう側』という奴らしいけど…………どんなものなのか、知りたいような、知っちゃいけない様な…………。

 この学園に、モノクマによって閉じ込められたのは、全部で19人。後の二人、来てないのは…………。

 

「皆、おはよう。」

 

 来た。銀髪のストレートヘアに、白のブラウス、黒のジャケットにオレンジのネクタイと、一言で表すとした、【女刑事】という印象がピッタリな、霧切響子さん。僕が今のところ、みんなの中で超高校級の才能が分かってない人だ。

 これはボクの予想だけど、【超高校級の捜査官】とかだったりして。

 

「おはよう。霧切さん。」

「おはよう、苗木君。見たところ、ほとんど来てるのね。」

「うん。霧切さんが、最後から二番目。後来てないのは、」

「江ノ島さんね。」

 

 うん。と、ボクは頷く。超高校級のメンバーの最後の一人、それは、ファッショナブルな容姿から、モデルとしても活躍する、【超高校級のギャル】江ノ島盾子さんだ。

 

「おっす、おはよ~。」

「あ、江ノ島さん。」

「あ、苗木じゃん。ってうわ、もうアタシ以外全員揃ってんの?マジ?ビリッケツ?」

「あ、そ、そうだね。ところでさ、」

 

 肩をがっくり落すような動作と共に、落ち込んだそぶりを見せる江ノ島さんに、ボクは凄く気になっていることを聞いた。

 

「その手に持ってるもの、何?」

「ん?ああ、これ?」

 

 江ノ島さんがヒョイと掲げた、右手に持ってるもの。それは、矢だ。金色の矢じりが付いた、矢。

 

「偶然見つけたんだけどさ、その時に先端で指切っちゃって。」

 

 見ると、親指に絆創膏がまかれてた。

 

「へ、へぇ、そうなんだ…………。」

「苗木も触ってみる?スッゲーよく切れるよ?」

「あ、アハハ、遠慮しとくよ。」

 

 切れると分かってる刃物には触れたくないな。すると、

 

「?この矢…………ちょっと見せてくれない?」

「え?いいけど。はい。」

「ありがとう…………ッ!!」

 

 渡され、矢を調べてるとき、うっかり、霧切さんの指が切れた。

 

「き、霧切さん!!大丈夫!?って痛ッ!!」

「な、苗木君、ごめんなさい。」

 

 それを手当てしようと近づいたら、霧切さんの持ってた矢で、腕を切ってしまった。そして、その時霧切さんが取り落とした矢をボクがうっかり蹴ってしまい。

 

「痛ッてぇ~~!!」

「く、桑田君!!」

「どうしたんですか?桑田君?ッてきゃあ!?」

「舞園さんまで!!大丈夫!?」

「へ、平気です。」

 

 蹴っ飛ばして回転しながら床を滑って行く矢が、桑田君の足元を掠めて、さらに、その矢を舞園さんが踏んで終い、踏んだ矢が跳ねあがって舞園さんの太腿を掠める。

 そして、その矢は机に落ちて、そこにあった葉隠君の手に、

 

「どうしたべ?くわtあだ~!?」

 

 葉隠君の手にぶっ刺さる。そしてその痛みで上げた手の反動でその矢は回転しながら、

 

「ぐおっ!?」

「きゃあ!?」

「ッ!?」

「ヒィッ!?」

「ア~!?みんな済まんべ~!!」

 

 大和田君の頬、不二崎君の肩、十神君の手の甲、腐川さんの二の腕を掠めて、床に転がるそして、

 

「ギャア!?」

「ちょッ!?」

 

 うっかりなのかおっちょこちょいなのか、再び矢を踏んだ山田君の贅肉たっぷりなお腹を掠め、セレスさんの真っ白な掌を掠める。

 山田君の体重で踏みつけられたせいかその刃は小森君のもとに飛んで行き、

 

「うわあ!?ぎゃああぁぁぁぁ!!」

「ちょ、小森、暴れんな、ただのかすり傷dッ!!」

 

 小森君と小池君の指を掠め、shadow君に飛んで行く!!

 

「あ、危ない、shadow君!!」

 

 と、ボクが叫んだ瞬間、カァン!!と、甲高い音がした。shadow君の腕が、一瞬で振られて、ナイフが弾かれる。手には、いつの間にか握っているナイフ…………これが、超高校級の殺し屋の、一閃。

 

「チッ。」

 

 しかし、shadow君は、自分てを見て舌打ちする。右手に、浅い傷があった。さっき振るった時に、

 

「見誤ったか。意思持たぬ矢にこの俺が傷着けられるとはな。」

 

 そう呟き、弾いた矢を見た。矢は、石丸君の足首を掠めて止まっている。

 

「い、石丸君!!みんな!!大丈夫!?」

「ふん。大したことは無い。」

「白夜様がそう言うなら、私も問題ないわ。」

「大丈夫ですよ苗木君。気にしてません。」

「痛てて…………ま、問題ねぇよ。」

「問題ないとも!!」

「この程度。同様には値しない。」

「も、もちろん拙者も大丈夫ですよ?」

「わたくしの指が…………まぁ、この程度の傷、すぐに治りますわ。」

「大丈夫だよぉ。」

「問題ねぇ。」

「平気だべ。(こんな状況で一人だけ苗木を責められないべ…………。)」

「くっ…………ああもう!!痛いけど別に大したことないよ!!全く、綺麗にバスバス傷つけやがって!!この矢はピ○ゴラスイッチかよ!!」

「ほら、落ち着けよ小森、矢に恨み言ぶつけても仕方ねぇだろ。矢なんだし。」

 

 なんか後半が不安だけど、大体大丈夫そうだな。それにしても、

 

「江ノ島さん、こんな矢、何処で見つけたの?」

「それがさ、体育館の傍に落ちてたんだよね。」

「体育館?」

 

 何でそんなところに?そう思ったら、

 

「騒がしいねぇ、キミたち。」

「「「「「ッ!!」」」」」」

 

 全員がその声の方から飛びのいた。そこに居た、白と黒のゆるきゃらみたいなクマのぬいぐるみ…………

 

「モノクマ!!」

「あ~も~、そんな風に警戒しないでよ。ボクが用があるのはその矢だからさ~。」

 

 なんか煽ってるみたいで癇に障るド○えもんボイスでそんな風に言って、矢を指さす。

 

「これ?」

「うん。これね、ボクの落し物なの。」

「お前のだぁ!?」

 

 そう言ったのは大和田君だ。

 

「そそ、偶然落っことしちゃったみたいで~、それはキミ達には必要ないし、扱えないような代物だから~、没収しま~す!!」

 

 何かこっちを馬鹿にした様な言い方で、そう言う。

 

「はぁ!?何の権利があってそんなことするんだよ!!」

「教師が校則違反な私物を没収するのは当然の権利ですよ?それに、それはボクの落し物だから。」

「テメェが落したのが悪いんだろうが!!」

 

 そう怒鳴る桑田君。でもそんな彼を、舞薗さんがなだめる。

 

「落ち着いてください、桑田君。落し物なら、返すしかありませんよね。」

 

 そう言って、矢を持って、モノクマに向かって行く。

 

「お返しすればいいんですか?」

「うん勿論。さすが、アイドルの舞薗さんは素直でいいね~愛い愛い。」

 

 なんか悪代官みたいなことを言ってる。すると、モノクマが、舞薗さんの手から流れる血に気が付いた。

 

「…………キミ達、もしかしてだけど、この矢で傷なんてつけてないよね?」

 

 ?何でそんな事をわざわざ聞くんだ?

 

「え?それがどうかしたんですか?」

 

 ニッコリと笑った舞薗さん。けど、目が笑って無い。どこかで聞いた話だけど、舞薗さんみたいな職業は、自分を嘘で塗り固める仕事らしい。そして、アイドルなんていうのは人気の奪い合い、戦争だ。流石超高校級のアイドル(嘘吐き)。いかなる時も、油断してない。

 

「いや、何でもないよ?フヒュ~フヒュ~。」

 

 とっさにヘタクソな口笛を吹く。ますます怪しい。

 

「と、とにかく、没収するものは没収!!渡してもらうよ!!はい!!」

 

 そう言って、手を差しだす。その手に、舞薗さんがしぶしぶ矢を乗せようとした瞬間、その矢は、モノクマの目の前から消えていた。

 

「ん?」

 

 そして、

 

「ぬっ!?」

「キャッ!?」

『ッ!?』

 

 矢で傷をつけられなかった朝比奈さん、大神さん、梔子さんの三人の傍を人影が通り過ぎ、三人から、血が出る。

 そのままダンッ!!と音を立てて机の上に着地したのは、shadow君だ。一瞬だった。モノクマが反応出来ないほどの…………さっきのナイフの早抜きなんて大したことが無いくらいに凄い早業。これが、超高校級の暗殺術…………。

 

「傷があると、何か不都合でもあるのか?モノクマ。」

 

 そう言い、彼は振り返って、唖然とするモノクマを睨んだ。




 次回、苗木たちにスタンドが発現!!
 スタンド予想、ジャンジャン投稿してください。ちなみにヒント、苗木君といえば、言弾ですよね。っていう事は?

ジョジョ味 出てた?

  • 出てた
  • 出てない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。