行方不明になった交際していた男性との
行方不明になる直前のデート。
懐かしく思い、そして、今だな会えないという悲しさが彼女を押し潰そうとする。
だが、感情に飲まれそうになる瞬間彼女の眼前には見たことの無い荒野が広がっていた。それは夢と言うにはあまりにも現実すぎた
「ここは…何処でしょうか…」
思考の海に入る直前、爆発音と航空機の爆音によって思考が遮られる。そして、彼女が見たものは爆発が航空機を墜落させ、大砲が撃った砲弾が地面を耕す光景だった。
「何…これ…」
みている光景を受け入れられないでいると無線の音声が聴こえてくる。
《J、調子はどうかな?》
《良好だ》
《UNACの戦闘経験を統合し、作り上げたオペレーション。無数の戦場を渡り歩いた君の頭脳。そして、この機体。これが負けるとは思えないけどね》
《貴様が欲するのは、果てなき戦いの世界。そして破滅
その意味では、我々の思惑は一致している
三大勢力によって作られる秩序など私の生きる世界ではない》
理解の出来ない単語が次々と聴こえてくる中、歪な塔から巨大な航空機が飛来し、突如分解したと思えば中からフルスキンのISに似た黒い人型の機体が出てきては地面に着地するとまた同じような無線が聴こえてくる
《それを破壊するために人をやめたと?》
(人をやめた…?)
彼女は更に困惑するが無線は続く
《戦いの中にしか、私の存在する場は無い。好きに生き、理不尽に死ぬ。
それが私だ、肉体の有無ではない。
戦いはいい、私には、それが必要なんだ》
彼女には無線から聞こえてくる男性二人の会話は殆ど理解出来なかっただが一つ分かるのは黒い機体が両手に持っているのが銃で兵器だということだ
彼女は黒い機体が背中から炎を噴き出し、鮮やかな緑色の膜を展開しながら移動しているのを見て、移動する先に何があるのかと思い見ると黒い機体とは違う機体があるのが見えた。
やはり両手に銃を所持しているが肩には銃らしき物とカタカナの「ノ」らしきものがあるが彼女には分からない。だが、彼女はそれどころではなかった。それは黒い機体とは違い左肩には鋭い歯を見せる狼、背景には彼女の好きな花が3本描かれたエンブレムを見つけてしまったからだ。
(何で・・・?どうして・・・?)
彼女は更に更に混乱の海に入ってしまい、無線から聴こえてくる声にも反応できないでいた。そのエンブレムは彼女が交際していた男性に描いたの物だったからだ。
混乱の海にいると気付けば黒い機体が爆発を起こしている。機体のあちこちから火花が見えるするとまた、無線から声が聴こえてくる。
《馬鹿な・・・こんなことは・・・》
焦りを含んだが聴こえてくる
《フフッ・・・とでも、言うと思ったかい!?
この程度、想定の範囲内だよ・・・!!》
声から狂気を孕んだ笑い声と愉悦の籠った喋り方に、彼女は恐怖を覚え始める。
《ジェネレーター出力再上昇、オペレーションパターン2》
雑音の入った声と共に黒い機体の各所の色が朱い色に変わったと思い始めた途端に淡い緑色に変わり、周りには淡い緑色の雪のようなものが漂い始めていた。それが漂い始めた途端、傍にあったヘリの残骸は赤くなりながら溶けていく。それを見ていた彼女はあれは危険な物と本能的に感じていた。だが、そんな彼女を置いていくように無線からは声がまだ聴こえていた。
《世界を破滅させたこの力、その一つが、この機体
黒い鳥、人の中の可能性、そんなものは、ただの妄言にすぎない、人は人によって滅びる、それが必然だ》
《もういい、言葉などもうすでに意味をなさない・・・
見せてみろ、貴様の力を》
黒い機体はもう片方の機体に再度突撃しているが黒い機体と対峙している機体パイロットの名前は「貴様」としか言われておらず未だに不明のままだ。彼女は黒い機体と対峙しているパイロットの名前を知りたいと考えていた。もしかしたら行方不明になった男性の名前かも知れないからだ。
名前を知りたいと考えつつも、彼女は一対一の戦いに惹かれていた。ISのように三次元の戦いではないが、そこには一種の美しさがあった。その戦いに惹かれていると名前の分からない機体の撃った弾丸が黒い機体の持つ銃器に直撃したのか爆発する。そして、黒い機体が後ろに下がった瞬間に黒い機体の胴体部分に弾丸が直撃する。すると、黒い機体は立て膝の状態になり動きが止まった。すると、先程の無線の声とは違う声が聴こえてくる。
《これで満足か?ブッ壊れてるのは、貴様らだ》
老人のような声が、聴こえてきた。彼女はあのパイロットが老人であるかのように思ってしまう。だが、あのような激しい機動戦を行って息一つ切らさない声が彼女には違和感を感じたのだ。
《認めない、人の可能性など僕は認めない。僕の人生を、すべて破壊した。あの汚れた世界を、忘れることなどない。既にいくつもの兵器が動き出している。その力の源はタワーだ。たとえ僕がいなくても、止まることはない。タワーを巡る戦いは、もう始まった。それはすべての破滅まで続く。だがもし、君が例外だというのなら、ならば生き延びるがいい、君にはその権利と義務がある》
「あのタワーが・・・?」
彼女は遠くに見えるタワーらしきものを見て困惑していたが、ヘリのローター音が聞こえてくるとヘリの方へ向いた。ヘリが黒い機体を撃破した方に向かうとその直ぐ上に来たかと思えば機体をその場で懸架し、上昇していく。そして、黒い機体を見ると機体から爆発が起こり始めたが淡い緑色の何かが機体からこぼれ始めたと思いきや機体に集まり始め遂には機体ごと淡い緑色に光始め、機体を包み込んだ。
《ああ、生き延びてみせるさ。俺たちが戦い続ける限り》
その無線が聴こえた直後、黒い機体が大規模な爆発を起こし衝撃波を発生し、砂埃が舞う中彼女は砂埃に飲み込まれ意識を失った。
後に残ったのは黒い機体があった場所を中心にクレーターが出来ていた・・・
「ッ!」
彼女は自分のベッドの上で勢いよく飛び起きた。そして周りを見て自分の住んでいる部屋を見てほっとため息をついた。
「なんだったんでしょうか・・・あの夢は・・・」
考えてはみるが答えは分からない。ふとベッドのそばにある時計を見ては彼女は慌ててベッドから起き上がり、出発の準備をし始めた。
「もうこんな時間!?急がないと!今日は学園の入学試験の日なのに!」
彼女、山田真耶にとっての毎年変わらない何気ない日常が始まるのだった・・・
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます!
次回でプロローグが終わりますので、これからも宜しくお願いします!
次回「プロローグ2」