本当に機械は育ちが本当に良いね(全ギレ)
今回のお話は蒼に関連するキャラがメインとなります
では本編どうぞ~ノシ
彼女、セシリア・オルコットはとある日から奇妙な夢を見ていた。それは、ある女性の人生の夢だった。優秀なパイロットとして戦い、そこに空虚な心ができ、傭兵に出会って兵士ではなく一人の傭兵として生きることになった女性。
「伝説の傭兵」としての栄光、そして失墜。失墜の中にあった女性を救った傭兵である初老の老人。その二人と出会った一人の傭兵。三人で行う依頼。彼女を撃墜した人物との再会。そして今まで一緒に戦ってきた仲間との別れ、敵対。
セシリアはこれらの夢を毎晩見ていた。そう、IS学園の入試が終わったその日の夜から。そして今晩も。最初は気味が悪いと思いながら見ていたが、その女性を見ていくたびになぜか惹かれてしまう。もっと見てみたいそんな気持ちがセシリアを前に進ませて行く。そして、女性の名前が「マギー」こと「ブルー・マグノリア」であることを知った。セシリアは自分のISと同じ名を持っている彼女に親近感を持っていた。そして初老の老人が「ファットマン」、パートナーとして彼らと共に行動する「コージー」こと「佐野好治」とそれぞれの名を知ったが、好治に対しては良くわからない感情を持ちながらセシリアは夢の続きを見ていた。
「今度は、途中でやめたりしない。最後までよ」
マギーが彼ら二人に向かってそう言葉を発した。ファットマンは納得のいかない声でマギーにこう質問をした。
《マギー、何がお前を駆り立てるんだ》
マギーは一呼吸おいてから、話を始めた。
「昔話をしてあげる。世界がまだ破滅に向かっていたころの話よ」
マギーは昔話をし始める。その間にコージーと呼ばれる男性が乗る機体がマギーの機体の正面に投下される。コージーの機体は右肩が狼とその背景に3本の黄色い花が描かれたエンブレムで、肩はほんのり緑色で塗装されている。両手に銃器を持っているが右腕にはセシリアから見ればISに装備される盾殺し(シールド・ピアース)に似たものが装備されていた。
「神様は人間を救いたいと思ってた。だから、人間に手を差し伸べた。でもそのたびに、人間の中から邪魔者が現れた。神様の作ろうとしている秩序を、壊してしまう者。神様は困惑した。人間は救われることを、望んでいないのかって」
マギーの昔話にファットマンは困惑した声でこう返した。
「あれこれ指図されたくない、それだけだろ」
ファットマンがそういうとマギーは一呼吸おいて話を続ける。
「そうなのかもね、でも神様は人間を救ってあげたかった。だから先に邪魔者を見つけ出して、殺すことにした」
「殺す」という単語を聞きセシリアは困惑した何も殺すことはしなくても良いのではと。セシリアが驚いている間にマギーの話は続く。
「そいつは『黒い鳥』って呼ばれたわ。何もかもを黒く焼き尽くす、死を告げる鳥。これは本当の話よ。ずっと昔、私の何代も前のお婆ちゃんが見た出来事。最初の黒い鳥。その人が生まれたのを見たのよ」
マギーの話が一通り終わるとファットマンがまさかと思いつつマギーにこう言った。
「お前は、それになりたいってのか」
「・・・本当はそうなのかもね、でも私は・・・」
一呼吸おいてマギーは覚悟を決めた声ではっきりとファットマンとコージーに向けて言葉を放った。
「私は、もう負けたくないだけ。何にも、誰にも」
そうするとマギーのところどころ蒼く塗装されている機体はブースターの火を放ちながら前に進み始める。
「始めましょう。殺すわ、あなたを」
二つの機体はお互いに向けてブースターの火を轟々と響かせながら突進をするがお互いに向けて発砲をすると反対方向へ避けて行く。避けた途端に二機は柱に向かって飛んだかと思うと柱の壁を蹴りつつブースターを吹かしながら移動していく。
ISに比べれば速度は遅い戦いではあろうが、セシリアの目には鱗のような戦いであった。その場にあるものをすべて使う泥臭い戦い方ではあるが、ISに装備されているものだけで、ISという強力な力による力押しで成し遂げてきたのだから無理もないだろう。
2つの機体は撃っては避け撃っては避けの繰り返しであったが、コージーの機体はブースターの炎は勢いよく出しながら柱の壁から壁へ移動していく。それはまるで日本の忍者を彷彿させるような動きであるとセシリアはそう考えていた。すると、マギー機の左武器に被弾したのか爆発した。その爆発の規模が大きかったのか左腕も吹き飛んでゆく。爆発の影響とそれまでの被弾から機体のあちこちに火花が散り、一部は赤熱してしまい、溶けてしまっている。すると、ファットマンの無線がセシリアの耳に入る。
《もういいだろ、マギー・・・。これで終わりだ》
だが、マギーの闘志は消えていなかった。むしろ、さらに燃え上がっていた。
「まだよ・・・!私は・・・私はまだ戦えるッ!ここが・・・この戦場が!私の魂の場所よッ!」
鬼気迫る声にコージーの機体は身構える。片腕を失い、戦えると思えないような損傷でも戦おうとするのだ。再び、2つの機体はお互いにとっての高速戦に入る。お互いに牽制しつつ、渾身の一撃を相手に当てようとする。だが、コージーの機体が被弾し、左手に持っていた銃器が爆発する。爆発した瞬間、一瞬立ち止まるが、コージーは残った右手の銃で牽制しつつパイルバンカーを持ち、明らかに先ほどより速い速度でマギーの機体に急接近する。
マギーは牽制しようとするがダメージを受けた機体ではもう牽制自体が間に合わなかった。
マギーの機体、それも胴体に火薬の力によって押し出され破壊力を増した鋼鉄の杭が突き刺さる。その瞬間マギーの機体のあちこちから爆発が起き始め。突き刺さったパイルバンカーを機体の外し離れるとファットマンから後悔し、懺悔するような声が聞こえ始めた。
《俺は、最初から知ってたよ・・・お前の中にいる、恐ろしいものを知ってたんだよ、マギー・・・俺はずっと戦いの中で生きてきた。お前みたいな奴が死んでいくのを見ながらさ。だから・・・マギー・・・お前を救ってやりたかった。でもそれは、俺の思い上がりだった。好きなように生きて、好きなように死ぬ。誰のためでもなく・・・それが、俺らのやり方だったな・・・》
ノイズまみれの無線からマギーの声が聞こえる。
「あなたは優しいわね、ファットマン・・・私は選ばれなかった。でも・・・」
セシリアは泣いていた。これほどの壮絶な人生を見ていて泣けないはずが無かった。マギーの声が遠のいてゆく。
「さようなら・・・これで、良かったのよ・・・」
マギーの機体は大爆発を起こした。戦いの、マギーの人生の観客であるセシリアも爆発に巻き込まれるような感覚に陥った・・・
「ん・・・んん・・・ここは?先ほど爆発に巻き込まれた感覚がありましたのに・・・」
セシリアが目を覚ますとそこは自分の寝室では無かった。
暗闇、平衡感覚を失いそうになるほどの漆黒の闇。セシリアが周りを見渡していると、目の前に人が現れた。
「誰ですか!?ッ!あなたは・・・」
そう目の前にいたのは先ほど死んだマギー・マグノリアだった。
「どうだった?私の人生は?まぁ、答えなくてもいいけどね。質問される前に答えるわ。あなたにこれらを見せたのは私。何故と言われても、わからないわ。でもこれだけは言える。あなたは常に力を求めた。何物にも負けない力を。だからこそ私はあなたに見せなければならないと思った。それだけよ」
セシリアは質問をする前に答えを言われてしまったために口を閉ざしていた。セシリアは孤児だ。幼いころに両親を亡くし。自分の家を一人で守ってきた。両親の残したものを守るために、他の者に負けることが無いほどに力を欲した。だからこそ、マギーは彼女に自分の思いを託すに値すると思ったのだろう。
「私は傭兵だけど、あなたのISの意識としてここにいる。だから、戦闘になったときは直ぐに呼びなさい。一人でできることは限られていても私がついているから」
その言葉を最後にマギーは消えた。そして漆黒の空間から光が現われていた。セシリアが光に近づくと光は強くなり、ついには目が開けられぬほどに強くなった。
目を開けると、そこは慣れ親しんだ天井。そう、彼女の寝室で外を見れば朝日が部屋に入り、部屋を明るくしていた。
扉が開く音が鳴り目を向けると、そこにはメイドのチェルシーがいた。
「おや?おはようございます。お嬢様」
「おはよう、チェルシー」
「今日、IS学園のある日本に出立する日ですが、準備の方は整えておきましたのであとはお嬢様の準備だけですよ」
メイドのチェルシーが微笑みながらセシリアに語り掛ける。
しばらくすればセシリアは日本に旅立ちIS学園に入学するだろう。
IS学園で渡り鳥達と蒼を継ぐ者が邂逅する。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
実はACVDを遊んでいるときにマギーの機体の色が蒼であるのを思い出しながらプレイしてたら電波を受信したので執筆しました。異論は認める。どんと感想来い・・来いよ!(弾幕で)穴だらけにしてやるッ!
もしかしたら、ISコアの意思になっているマギーが彼らを見つけるかもしれないですね~(未定)
では次回のお話までノシ
次回「(未定)」