深緑の空と渡り鳥   作:タルル

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皆様、あけましておめでとうございます。

今回から定期的に投稿していけるようにしてまいりますのでよろしくお願いいたします。

今回はオリジナルのお話ですので楽しんでいただけたらなと思います

ではどぞー ノシ


第六話 邂逅そして発覚

セシリアが決闘に勝利したその日に好治は盗聴対策のされている面談室で彼女に会うことになっていた。

 

彼にとって彼女に会うことに抵抗は無い、だが、できれば無関係であってほしいと思っていた。かつてあの世界で共に仕事をし、殺し合った人の関係者ではないかと考えていたからだ。関係者ならあの人を殺した俺を憎んでいるか、恨んでいるか、どんな感情を持っているかはわからない。傭兵として、傭兵同士の殺し合いは恨みっこという暗黙の了解があったとしても好治は落ち着くことはできなかった。

 

面談室で思い詰めるような好治を見ていた千冬は何も言わなかった。いや、言えなかった。

するとそこにヘリに乗るときの装備を着たファットマンが現われた。その右手には黒いジュラルミンケースの取っ手を握っていたが弘治の座っている席の横に置かれたがその音は千冬は何が入ってるのかは分からないが、かなりの重量があることは容易に考えが着いていた。

 

 

「コージー、頼まれてた物を持ってきたぞ」

 

ファットマンがそう話しかけるが弘治は依然として難しい顔をしたまま、黙っている。

 

 

「おいコージー?はぁ・・・まだ引きずってんのか・・・」

 

そう言いながら弘治の頭をペシッ!という音を響かせながら叩くと弘治に向かってこう語った。

 

「コージー、そう思い詰めるのもいいんだが忘れたのか?俺たちは好きに生きて好きなように死ぬ。それが他人に殺される時だとしても満足のいくような死に方ならそれでいい。と、そういったじゃないか・・・たとえ今から会う女性があいつだったとしても恨みはないはずさ」

 

ファットマンは苦笑しながらそういうと弘治に背を向け、面談室から出ていくさなかに弘治がファットマンに向けて

 

 

「・・・ありがとうファットマン」

 

「っへ、そういうのなら戦場で言ってくれ。今言われたら背中がかゆくてしょうがねぇ」

 

そう言いながらファットマンは面談室から退室して行った。その様子を弘治の横で見ていた千冬は二人を良いコンビであると印象付けていた。これほどまでに不安定な弘治の精神を安定させることができるのは彼らが長年戦ってきた証拠でもあるのだろうと彼女の忌憚のない考えであった。

 

 

ファットマンが去ってから数分経ち、約束の時間になると面談室の扉に2回ほどノックされる。

 

 

「セシリア・オルコットです。失礼します」

 

彼女が来室したと同時に弘治と千冬の二人は立って出迎えた。それを見たセシリアは弘治の姿を見ては表情にこそ出さなかったが内心は驚いていた。この世界(IS世界)ではない世界で幾多の人型兵器(AC)を撃墜し、今はセシリアの専用機コアの意思としているマギーを、あの世界(ACVD)で撃破した彼の姿が今目の前にいる。

 

彼女が内心驚いていると弘治が先に口を開いた。

 

 

「先の試合はとても良いものを見させてもらった。しかし、疲れがとれぬうちに呼んでしまって申し訳ない。だが、こちらにも事情があってな・・・迷惑料としてこれをもらってくれ」

 

沿い言いながら弘治はファットマンが持って来たケースを机の上に置きセシリアに見せるように丁寧に開けた。そこには純金のインゴットが所狭しと並べられていた。これにはセシリアと千冬は開いた口がふさがらない状態ではあったがどうにか我を取り戻した千冬が弘治に詰め寄った。

 

 

「おい!この金はどういうことだ!なんでこんな物をお前が持っている!」

 

そんな千冬の問いに弘治は頭にはてなを浮かべながら

 

 

「千冬さんは何を仰ってるのですか?一応現金ですけど・・・」

 

そんな答えに千冬ははっとして頭を抑えた。そう弘治は数年にもの間違う世界(ACVD)にいたために根本の常識が異なっている。だからこそ謝礼に渡そうとしているものもこの世界(IS)では常識外れになってしまうのである。

 

そんな様子を見ていたセシリアは確信する。彼こそがマギーの言っていた人物であり彼女を撃破した人型兵器(AC)のパイロットであると。だからこそ彼女は知りたい。マギーのと決別した後の戦いを含めたすべてを。だからこそ彼に問う。

 

 

「そちらで盛り上がってるところ申し訳ありません。そちらの男性の本題はこう考えているのではありませんか?『ブルー・マグノリアを知っているか?』と」

 

その質問に弘治は目を見開き、やはり彼女は知っていると確信した。だが、マギーとの関係性は見えてこない。見えてかないから余計に混乱してしまうのである。確かに先の代表決定戦でのビットと呼ばれる兵器の動きはよく見なければ素人が動かしたものではないと分からないだろう。だが、ここではない世界で戦った者だからこそわかる。彼女(マギー)であると。だからこそ一歩を踏み出して話さなければならないのだ。

 

 

「確かにそうだ。だが、その名をどこで知った?彼女の関係者か?それとも・・・」

 

「いいえ?関係者であって関係者ではありませんわ・・・ISコアには独自の意識があるという話は知りませんか?」

 

その言葉を知らない弘治はゆっくりと首を横に振るが、千冬は

 

「聞いたことはあるがそのコアの意識が発す言葉を聞くことができるのはそのIS装着者のみと聞いたが・・・まさか!?」

 

千冬が何かを察し、声を荒げるとセシリアがゆっくりと肯定し始めた。

 

「織斑先生の考えてる通り、その意識がマギーさんなのです。そして、マギーさんからは全て聞きました。」

 

それを聞き弘治は安堵したがセシリアに事情を説明して協力を求めるか、今この場で話を終わりにするかを考えたが弘治は協力を求めた。彼がセシリアに話したのは、相棒とそれぞれの乗機と共にこの学園に不時着したこと。この学園に表向きは用務員として職務に当たっていること。学園に緊急事には機体に乗り事態の収拾に努めること。の3つを話した。そして、セシリアに緊急事の情報提供を提案した。学園側の情報提供による出撃も良いのだが、情報は正確で多ければ良いと判断したためである。セシリア側もそれを承諾し、協力関係が結ばれることになった。

 

協力関係が結ばれた後セシリアは弘治から慰謝料代わりと協力関係の謝礼にアタッシュケースに入った現金・・・純金を渡されたが、彼女の手元にはない。ISの機能の一つにある拡張領域を使って格納したのだ。関係のない話ではあるが、渡した金の時価は日本円で数千万はするほどの量であった。

 

閑話休題

 

夜中に部屋に戻ったセシリアは、コア意識であるマギーに弘治のことを話し、協力関係になったことを話した。

 

 

「ということで、協力関係になったことのですが・・・大丈夫ですか?」

 

「大丈夫よ、でも敵になったのにまた味方になるなんて夢にも思わなかったわ」

 

感慨深くそんなことを考えながらもこれからのことについてマギーは話し始める。

 

 

「これからはいろんなことが起きると思うわ。だからこそ、協力関係を結んで信頼を勝ち取ることができればあなたの生存率に大きく関わってくるわ」

 

生存率という言葉に驚くセシリアであったが今までにいなかった男性操縦者が現われたことによって世界での紛争の数が一気に増えたのだからここIS学園での安全も保障されているとも言い難いのだ。セシリアは受けて良かったと心の底から安堵することができたのであった。その後彼女らは何気ない会話をしながら夜を過ごすのであった・・・

 


 

ある日の日中

 

 

「ここがIS学園ね・・・一夏・・待ってなさい!」

 

波乱はすぐそこに迫っている

 

 

第六話 -完-




ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。

完全オリジナルで執筆いたしましたのでかなり時間がかかりました(汗)

次回はいつもの波乱とヒロイン勢の一人との日常を入れていきたいと思います。


次回「鈴の乱入、鳥の休息」

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