ブレオダ始めたら「クソ幼女」かそれに近しい名前で全力でジークを狙い♂、全力で獣の巨人を
いやマジでキャラデザすこ。ゲキタクは早くに終わって血涙流したから、なるべく長く続いて欲しい…。
私、アウラ・イェーガー。第五班所属となった調査兵団の兵士である。
お仕事の確認や完治していなかったケガの治療など色々あり、あっという間にまた一ヶ月が過ぎた。
ようやっとかわいい弟くんと将来のお嫁さん候補に会いに行けます。馬車に乗り開拓地へ向かう私は、ルンルン気分だった。
既に私が生きていた報告は弟たちにされているので、少し味気ないですが。まぁ生きていると知っていても実際会えば、エレンきゅんにも込み上げてくるものがあるでしょう。お姉ちゃんの胸でいっぱい泣いていいんやで?そしてそのお顔を見せて、お姉ちゃんを輝かせておくれ(ゲス)
「エレンくん、ミカサちゃん……!!」
そして開拓地に着いた私は、多くのウォールマリアの難民が押し込まれている仮設住宅へと着いた。
弟と義妹は隣に駐屯兵が控えている中、外で私を待っていた。本来なら働いている時間帯ですが、特別に家族と面会する時間を設けられています。団長の粋な計らいですね。
ちなみに駐屯兵がいるのは、開拓地の仕事から逃げ出す輩がいるからですね。まだ備蓄で保っていますが、過去最悪の食糧難が訪れるのは秒読み。このままでは内乱が起き、壁内の人類での殺し合いが始まる。
それはそれで、私としては悲劇のスパイラルが生産され最高ですが、兵団内では内乱以上の人間のエゴが行われるかもしれない──という噂が出回っている。これは駐屯兵団や、憲兵団でも同じでしょう。
食料が加速度的に減るのは、狭い空間の中で人間が増え過ぎたがゆえ。そも食糧生産の上でカナメの一次産業を司るウォールマリアが陥落した以上、今まで供給されていた食料が劇的に減るのは当然のこと。
ゆえに王政が行う可能性のある対処。それが、人々を巨人シティへ追いやることです。
もちろん何の体裁もなしに外へ放るわけはない。巨人と戦わせる───など、もっともなことを理由付けて多くの人間を巨人のエサにするでしょう。
もしそうなったら私も同行したいですね。どんどん食われる人間たちの悲鳴を、ネッチョリしながら見ていたいです。恐らくは無理でしょうが。悔しいです(カトゥー顔)
話を戻しましょう。
私を見た瞬間、エレンくんは今にも泣きそうな顔に変わった。ミカサちゃんも感情を堪えるようにしていますが、涙ぐんでいますね。
「ねえ、さん……ねえさん……!!」
エレンくんが駆け寄って、座り込んだ私に抱きついてきます。えっ、今日が命日か…?義妹も弟ほどではないですが、私の服の裾を引っ張り声を漏らすまいとしている。
「お、落ち着いてよエレンくん」
「生ぎっ……い゛ぎてでよ゛がっだ……!!」
ぎゅうぎゅうと、過去最高に甘えてきてますねコレは。いけません、弟と義妹がいる後方では、感動の家族の再会にもらい泣きしている駐屯兵がいるのです。こんなところで悦に浸った顔をしては、アウラちゃんの人間性が疑われてしまいます。え、元から腐ってるだろって?当たり前のことを言わないでください。
「オレ絶対に、姉さんと同じ兵士に───調査兵団に入るから……だから、だからもう勝手に、どこにも行くなよッ……!!!」
「エレンくん…」
「お姉さん、私もエレンと同じ調査兵団に入る。エレン一人じゃ、心配だから…」
「ミカサちゃんがいるなら、きっと大丈夫だね。こんな弟だけど」
「こんな弟ってなんだよ!」
「一人で前に突っ走って、いつもケガしてくるエレンくんのことだけど?」
「姉さんが言うなッッ!!」
ぐへ。絶望を堪能した後の家族の幸せな時間はサイコーですな。不幸を味わってこそ幸福がより美味しくなり、逆はそれ以上。
そして、束の間の家族タイムはあっという間に終わる。去っていく私にまた泣きそうになっている弟は、涙を拭って大きな声で叫んだ。
「オレは絶対に強くなるッ!!母さんを殺した巨人を皆殺しにするんだ!それで…姉さんやミカサ、アルミンたちを守れるくらい強くなってみせるから!!!」
────だから、それまで絶対に死ぬなよ。
あぁ、まだまだエレンくんは子供だと思っていたけれど、一人で立ち上がれるほど大きくなっていたのか。
お父さまの力を──そして使命を託されたエレン・イェーガー。
あの子はお父さまと同じように、これから「進撃」して行くんだろう。その行き先はわからない。知っているのはきっと始祖ユミルだけ。
私と進む道は違いますがね。
アウラ・イェーガーが追い求めるのはただ一人、この壁内に紛れ込んでいるのか、あるいはマーレに残っているかもしれない兄のため。
────いえ、
私は進む、血に染まった道を。
⚪︎⚪︎⚪︎
壁の崩壊から一年後の846年。
王政府がウォールマリア奪還作戦を展開し、人口の二割──約25万人もの人間が命を落とした。この際、アルミンの唯一の家族であった祖父も命を落としている。
建前は奪還作戦と銘打っていたが、その裏にあるのが「口減らし」だということは、多くの者が認識していただろう。
それでも命を繋いでいくため、生き残った人間たちは積み上がった骸に目を逸らした。必要な犠牲だったのだ────と。
また同年に、長らく行われなかった壁外調査の許可が下り、調査兵団はトロスト区からウォールマリア、そしてシガンシナ区へのルート開拓を行うこととなった。
遠征不可の期間が長引いた理由は一つ。そこに回される費用がなかったため。無論ウォールマリアを取り戻すことが第一に優先すべきことだ。
だがそれ以上に食料困難やその他問題が山積みとなり、王政府も手が回らなかったのである。
壁外調査が可能となったのも、単に口減らしが行われ壁内の問題がある程度収束してきたからこそ。民を救うための壁外調査が、逆に民の犠牲があったからこそ成り立つ。この矛盾を一番重く受け止めているのは誰でもない、エルヴィン・スミスであろう。
そうして進み始めた壁外調査。ウォールマリアが陥落する以前まで軽視されていた調査兵団の重要性を感じているのは、彼らをあざ笑っていた民たち。結果、再評価された調査兵団。
となれば「人類最強」と名高いリヴァイ兵士長の名前や、兵の生存率が飛躍的に上がることとなった、対壁外遠征用の特殊な陣形(長距離索敵陣形)を考案したエルヴィン団長。
また、変わり者だが巨人の研究で何度も成果をあげるハンジ・ゾエに、兵団トップ2の実力を誇るミケ・ザカリアスの名などが、知れ渡るようになる。
その中に、兵団内随一の美貌を持つと人気の女、アウラ・イェーガーの名もまた知られるようになる。
その力は指折りだ。しかしその容姿ばかりに注目が向き、中々彼女の力が評価されることはなかった。正当な判断をするのは間近でその力を見たものくらいだろう。良くも悪くも“天使”と謳われるその美少女ぶりが、他人の評価を歪めているのだ。
だが名が知れ渡ると言うことはつまり、世間の認知が高まるということ。
ある時調査兵団の「アウラ・イェーガー」の噂を聞いた少女は一人、驚愕した。
「
始祖奪還のため、壁内の王を調べていた少女────アニ・レオンハートは、ことを伝えるべく急いで仲間二人の元へ向かった。
⚪︎⚪︎⚪︎
「アウラ・イェーガー……」
「あぁ、しかも所属しているのは調査兵団だ」
アニはライナーとベルトルトがいる開拓地へと向かった。そして時間を見繕いこっそりと落ちあったのだが、一人足りない。
「ライナーがいないみたいだけど」
「ライナーは…今日のノルマ分が終わらなかった子供の手伝いをしてたよ。遅れて来るって言ってた」
「……ッチ、偽善者かよ」
これ見よがしに舌打ちし、側にあった木を蹴りつけるアニ。それにベルトルトは宥めるように、どうどう、と手の平を向ける。
一年前血まみれのアウラと出会った二人。ケガの具合から助かる見込みはかなり薄いと、二人は感じていた。
アニとベルトルトと別れ巨人と戦いに行った女の後ろ姿には、死神が見えていた。あのまま命を落としたのだろうと、二人は考えていた。
調べるとしても混乱状態に陥った壁内で、一人の人間を調べるのは難しい。兵士にそれらしい人物が調査兵団に生存しているのか調べてもらったとしても、後からどう足がつくかわからない。
第一現団長であるエルヴィン・スミスは、相当に頭がキレる人物だと聞く。仮にアウラ・イェーガーの情報を聞いた人間が親族でも何でもない赤の他人だとバレれば、不審に思われる可能性もある。
かのエルヴィン・スミスであれば、アニたちが感じた女の底知れない異質な内面に気づいているはずだ。ゆえに危険視し、そんな彼女を探る人間──それも子供に違和感を抱く可能性がある。
そんな理由もあり、二人──特に情報収集を担ったアニは、下手に動くことができなかった。
しかし、女は生きていた。実際に見たわけではないが、ほぼ確実だろう。
「でも、少なくとも僕たちのことはバレてないんじゃないかな?現に僕たちを探っている人間はいない」
「思い出してないだけかもしれないだろ。いつ思い出すかわからない以上、早急に殺すべきだ。私たちが勘付かれる前に」
「……思い出した上で、言ってないって可能性もあるんじゃないか?」
「あの女が本当に、ジーク戦士長の妹だったら…ってことかい?」
「うん、確証はないけど…」
「ッハ、どうやって壁内まで来たってのさ。まさか歩いて?外は巨人がうじゃうじゃいるってのに」
「それを踏まえて、やっぱり聞くしかないんじゃないかな。僕らでいくら考えても、答えは出ないと思う」
「……そもそもその女が偶々「イェーガー」姓で、兄貴の名前が「ジーク」ってだけだった可能性もあるだろ」
「アニは本当に、そう思う?」
「………」
当時のアウラ・イェーガーは、正しく狂気を張り付けたような印象だった。
もしも、もしもだ。彼女の事情はわからない。しかし同じ戦士である彼らに、兄がいるかどうかを聞いていたのだとしたら。ジーク・イェーガーを、探しているのだとしたら。
「話を聞いてみよう、アニ。それから生かすかどうかを決めるべきだ。少なくとも同じ同郷の人間なのかもしれないのだから」
「甘いねベルトルト。私は有無を言わさず殺すべきだと思うよ」
「………アニは、強いな」
戦士である二人でさえ感じた、女が纏っていた狂気。ドロドロと、兄の姿を求める姿は、戦争の最中赤子の遺体を抱いて泣く母親より悲惨で、人を殺した罪悪感で心が壊れ、無表情で銃を向ける兵士よりも異質だった。
そんな女の姿が、出会ってからしばらく二人の脳内から落ちなかった。
だからこそ女が死んでいると確信──否、
しかし女が生きている可能性が高い今、ライナーに当時のことを踏まえ話さねばならない。そしてどう動くか決める。
それから日も暗くなり始め、ライナーがようやく待ち合わせの場所へと訪れた。
ベルトルトは木の横に膝を抱えて座り込み、アニは木に寄りかかり瞳を閉じている。
「遅いよ、このクソドベ」
「す、すまん……」
「ライナー、ちょっと話があるんだ」
ベルトルトを主体に、マリア陥落時二人が遭遇した女の件と、アニが壁の王の調査中手に入れた、生きていたらしい女について話す。
ライナーは真剣にその話を聞いていた。しかし途中、表情が一変する。驚愕に満ちた顔で、ベルトルトに詰め寄る。
「…も、もう一回、言ってくれ」
「え?」
「だからもう一回、その女の名前を言ってくれ…!」
動揺しながらベルトルトは、女の名前を話した。
アウラ・イェーガー、────それが調査兵団に所属し、そしてアニとベルトルトと出会した際「ジークお兄さま」と語っていた名。
ライナーは顔を青くし、ポツポツと呟く。聞こえぬその声量に溜まったアニの鬱憤が爆発し、彼女は思いきりライナーの脛を蹴った。ドベと謳われる少年はそのまま転び、手をつく間もなく顔面を地面に強くぶつける。
その際鼻を折ったライナーは鼻血をしとどに流しながら、立ち上がった。
「……ジーク戦士長から、聞いたことがある」
「ハ?何が」
「戦士長の、妹の名前も……アウラ・イェーガーだ」
ライナーの言葉に、アニとベルトルトは身体を強張らせる。
いよいよアウラ・イェーガー=ジーク・イェーガーの妹である可能性が、確実となって来てしまった瞬間だった。