ライナー曇らせ?…いや、曇らせお兄さまだ!   作:栗鼠

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おっまたー!(激寒)
別の趣味にうつつ抜かしたり、あ、頭が痛い、吐き気もだ……してたら投稿遅くなりました。ギルティ…。
女型のところウンウン唸りながらどうにか乗り越えたんで、後は地ならしするだけやね(違う)


贋作と本物

 厩舎に帰り、愛馬の世話を一通り終えたアウラ。

 

 他に厩舎で作業していた兵士に挨拶してから、建物を出る。後はシャワーを浴び、食事を取って就寝と行きたい。

 

 文化の違いか、洗身の習慣が壁内にはあまりない。体臭そのものをそこまで気にしていないのだ。ゆえに朝夜マメに入っている彼女は珍しい部類。一応石鹸に近しい洗浄剤は存在する。

 

 無論彼女はヒィズル国にある風呂に入ったことはない。一度全身を湯に浸からす快感を味わってしまえば、アウラも即堕ち二コマするだろう。

 

「ん?」

 

 厩舎から出て間もなく、というか数秒。彼女は馬と見つめあっている同班の人間を発見した。

 その長身の身体を折り曲げ、膝を抱えながら猫背にして、馬の顔を見上げている少年。彼女が声をかければ、少年の肩が跳ねる。

 

「やぁ、ベルトルトくん」

 

「…アウラ副分隊長」

 

「そう畏まらずとも、アウラちゃんでいいよ?」

 

「……イェーガーさん」

 

 フレンドリーに彼女が行くほど、お互いの心理的な距離が遠ざかっていく。

 どうやら彼は五班の分隊長に彼女の居場所を聞き、律儀に数時間ここで待っていたようである。

 

 告白か?アウラ(ボブ)は訝しんだ。伊達にお姉ちゃん属性で、年下に告白されてきた女ではない。全てもっともな理由をつけて断ってきたが。

 

「そうね…じゃあ少し場所を変えましょうか。その間に心の準備をしておくね、わたし」

 

「……別に僕はあなたに告白するわけじゃないですよ?」

 

「違うの?」

 

「違いますよ……?」

 

 まぁ冗談はさておき、とアウラは人のいない森に入り込み、手頃な切り株に座る。

 ベルトルトもまた、木に寄りかかるように座った。

 

「それで、恋のお悩み相談みたいだけれど、お相手は誰かしら?」

 

「だから、そういう話を僕はしに来たんじゃ…」

 

「え、君はアニ・レオンハートが好きなんでしょう?」

 

「……へ、え、いや、────え!?」

 

「あぁ、やっぱり好きだったのね、アニちゃんのこと」

 

「………」

 

 少年は顔を膝に埋め、深くため息を吐く。

 

「僕はあなたにエレンの…弟のことをどう思っているか、聞こうと思ってきたんだ」

 

 兄、ジーク・イェーガーに執着を見せていたアウラ。

 なれば異母兄弟だと聞く弟は、彼女にとってどのような存在なのか。

 

 

 戦士たちの中で、エレンが「進撃」の可能性が高いと考えている現在。

 

 だがそれはアウラ・イェーガーの話を信じれば成り立つ可能性。それが嘘であれば、たちまちエレンが「進撃」ではなく「始祖」の可能性が出てくる。

 

 どの情報を信じるか、それを決めるのは戦士たち。仮に戦士長の妹であっても、彼女が兄のためなら何でも出来る──と言い張っても、100%の信頼には至らない。

 

「エレンくんのことは大好きよ」

 

「…僕らは僕らの“目的”のために、あなたの弟を捕まえなければならない」

 

「うん」

 

「……だから」

 

「だから?」

 

 スッと、細まった白銅色の瞳。感情の読み取れぬ女ののっぺりとした表情が、ベルトルトには異質に見えた。

 

「良心の呵責に君は今、苛まれているとでもいうの?」

 

「………」

 

「わたしに同情はしないのでしょう?ならば()()しか、方法はないんじゃないのかしら?」

 

「その過程で弟を失っても、あなたは構わないのか」

 

「構わなくなんて、ない。エレンくんが巨人じゃなければ、巻き込まれなかったのだから」

 

 全ては父グリシャから託された運命だ。

 

 

「ひどい父親だな…」

 

「お父さまを愚弄しないで。チョン切るわよ」

 

「ごめ───僕の(ナニ)をいったいどうする気なんだ、あなた……!?」

 

「斬るのは上手いから安心して」

 

「ハァ……………でも、やっぱりあなたたちの運命を揺るがしているのは、父親だよ」

 

「随分感情的になっているのね。ベルトルトくんは何か、父親に恨みでもあるの?」

 

「………」

 

「沈黙は肯定よ。詮索はしないけれどね。お父さまは何も悪くないわ」

 

「……悪いのはまた自分だって、言うのか?」

 

「えぇ、「私」が悪いわよ」

 

 

 そうだ。本当に全て、アウラが悪い。

 

「進撃」の巨人の“進む”という不思議な在り方はともかく。

 

 母親を、父親を、義理の母を、弟を、心の底から好いて、その上で苦しめる異常者。

 

 トチ狂ったその本性を理解できるものなど、この世にいようか。ましてや彼女はそんな人の不幸が、悲劇がなければ生きていけぬ。

 

 本人も己が死ぬべきだと理解していて尚、再び兄と会い見(愛交)えることを望んでいる。

 そうして彼女に愛されてしまった一番の被害者が、ジークだ。

 

 だが彼女の心中を理解することのできぬベルトルトは、思い違いする。

 

 女の言葉が()()()()()であるからこそ、外側に信憑性が生まれ、中身まで信じてしまう。「砂糖です」と謳っておきながら、実際は塩であるかのように。巧妙に騙す。

 

 いや、アウラならば薬物(白い粉)か。

 

 

「人間は複数を好きになってしまうもの。けれど器用に、その全てを同時に愛することは難しい。そんな時、人は必ず一番大事なものを選ぶ。わたしにとって一番は兄さんなの。エレンくんじゃない」

 

「……エレンが可哀想だ。姉のことを、誇らしげに語っていたのに」

 

「そのエレンくんを捕まえようとしている人間が、何を言っているのよ」

 

「………」

 

「巨人二体を殺したのも、君たちのいずれかの仕業なんでしょう?おかげでわたしはハンジ・ゾエの贄にされたんだから」

 

「…だから前に数日間姿を見かけなかったのか」

 

「えぇ、そうよ。それにしてもらしくないわ。いつも以上にジメジメしてて暗い…不安なのね」

 

「不安?」

 

「君がこうして避けていたわたしに近づいたのは、エレンくんのことをどう思っているのか、わたしに聞くためだったの?本当は別の意図がある、違う?」

 

「………」

 

「次の大規模壁外調査。そこに何か()があるかもしれないと思い、君は不安なんだ。それでも中止にしない… ───いえ、()()()()()()()?」

 

 エレンは現在、リヴァイ班と共に旧調査兵団本部で過ごしている。他の班とは隔離された状態にあるため、戦士も狙うことができない。否、そもその情報は、ごくわずかの人間にしか知らされていない。

 

 するとチャンスがあるのはエレンが外へ出る時。例えば、壁外調査に出た時などに限られる。

 

 ベルトルトやライナーが調査兵団に残ったのは、まず間違いなくエレンの監視。対しアニは憲兵団に入り、王政へ潜り込みやすい立ち位置となった。

 

 大規模壁外調査が行われることを聞いた後、戦士たちはエレン捕獲を計画したのだろう。

 

 

「…少なくともエレンで、人間が巨人になることは明らかとなった。超大型や鎧の巨人が怪しまれるのも当然だろう」

 

「ついでに二体の巨人の殺害。人類の“敵”がいると考えられる」

 

「何かずっと引っかかってはいたんだ。人が足りないから新兵も駆り出されるんだと思っていたけれど、状況が状況だ」

 

「君の様子だと、気づいたのはつい最近みたいね」

 

「……だから、計画を中止にできない。大規模遠征はすぐなのに…」

 

「はぁ、なるほど」

 

 どうやらエレン捕獲の実行犯は男二人ではなく、アニのようだ。確かに調査兵団の二人は動きにくいが、憲兵団の彼女なら何か理由をつけて休み、壁外調査中の調査兵団を襲うこともできよう。

 

 そして裏にあるエルヴィン・スミスの計画に勘づいたベルトルトであるが、内地にいる彼女に伝える時間がない、ということで焦っている様子。

 

 ほぼここずっと訓練漬けだ。休みを取る暇もない。

 

 ベルトルトの真の意図。

 それは次の壁外調査で密かに行われる計画の全貌を、アウラから聞き出すことにある。

 

 

「あなたは知っているのか、エルヴィン・スミスの意図を」

 

「恐らくは知性巨人の討伐、あるいは……」

 

「捕獲だ」

 

「アニちゃんが心配?わたしに話したのなら、このことをライナーくんも知っているのね?」

 

「……ライナーは、知らない」

 

「え?」

 

「…彼は今、()()じゃないから」

 

「………?」

 

「リスクがあるから、誰にも話せていないんだ」

 

「じゃあ第一相談相手がわたしなの…?」

 

「あぁ」

 

「君…しょ、正気……?」

 

「正気じゃないよ、とっくの昔から僕は」

 

 アウラは戸惑った。ライナーの「戦士ではない」という意味は恐らく以前マルコ・ボットを殺しておきながら、なぜ死んでいるのか理解できていなかった様子を踏まえ、精神に異常を来しているのだろうと推測できる。

 だからといって、何故彼女なのだ。

 

「アニなら成功できる()()だ。でも何が起こるかわからない」

 

「……弟の誘拐に加担しろってこと?わたしに?冗談でしょ」

 

「冗談じゃない。それに万が一の時、手助けしてくれるだけでいい」

 

「その手助けの内容は状況に応じて変わるだろうし、難しいでしょう。それにリスクが大きすぎるわ。わたしがもし敵側だと認識されたら…」

 

「そうなったらエレンを連れて行くついでに、あなたも連れて行くよ」

 

「………言っていることが、前と全く違うわよ」

 

「僕一人で、どうにかできる問題じゃないんだ。仮にあなたがアニを──戦士(僕ら)を救った事実ができれば、十分マーレに連れて行く理由ができる」

 

「……って、言われても…そう簡単にいかないと思うけれど」

 

「いや、可能性はある。全ての元凶を父親にしてしまえばいい」

 

 

「楽園送り」になったのは当然のこと。

 

 母親が死んだことを、それでアウラが精神を病んだことを、壁内で悪魔の民と共に生きることになったことを、兵士になったことを、“使命”がエレンに託されたことを、そして大好きな兄と別れることになったことを──────。

 

 全ては“復権派”の父に、利用され続けていたのだと。

 道具として、「知識」を与えられ、生きてきたアウラ・イェーガー。

 そんな父を娘は恨んでいた。

 だから彼女は戦士に手を貸し、壁内を裏切った。

 

「………でも、わたし」

 

「エレンも最初は抵抗するだろう。けれど君の父親の“罪”を告げ洗脳すれば、きっと僕らの味方になる」

 

「エレンくんはきっと無理よ」

 

「そうしたらあなたも説得すればいい。上手くいけば兄に会え、弟とも共に過ごすことができる」

 

「………」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 強欲になれ。それが人間だ。

 

 

 真っ直ぐにベルトルトは、白銅色の瞳を見つめ、囁いた。誑かした。

 

 表情は繕っているが、彼の背中は汗でじっとりとしている。

 

 恐らくエレンを連れ帰ったところで、間違いなく戦士候補生に食われるだろう。あの操縦不可駆逐野郎の姿を、訓練時代を三年間共に過ごしたベルトルトはよく理解している。無論姉ならば、彼よりもよっぽど弟のことを理解しているに違いない。

 

 だが「もしかしたら」の可能性を、アウラはきっと捨てきれない。最低でも愛する兄に会える上、弟を生かすことができるのだから。断る理由がないはずだ。

 

 アニが捕まる可能性を前に、ベルトルトは追い込まれている。

 

 肝心のライナーがマルコの一件以来、精神が“兵士”と“戦士”の間で不安定になり、頼れるアテがない現状。

 

 ベルトルトたちが戦士であることを知っており、彼らに「兄のためなら何でもする」と言ったアウラ。彼女には副分隊長という順位で見れば、団長、兵長≠分隊長に次いだ地位がある。長年積んだ実績と、その信頼も然り。

 

 利用するしかないと、少年は思い至ったのだ。

 

 

「……わかった。協力する。ただし100%は絶対に無理だと思って」

 

「それはわかってるよ。少しでもアニの危険を減らせるなら…」

 

「本当に……好きなのね」

 

「………」

 

「別に戦士としての在り方以上に、アニちゃんを優先していることを、咎めているわけじゃないわ。わたしも兄さんのためなら命を捨てられるもの」

 

「恋」を前にした時、人の思考回路は焼き切れる。正常な判断を失う。時には恋の奴隷となり、その身を焦がし、燃やすのだ。

 

 愚かしくて、馬鹿げた生き方。しかしその生き方から人間は逃れられない。人間である以上、あるいは人間としての形を失ったとしても。

 

「それと…やっぱりね、お父さまのせいにはできないわ」

 

「じゃあ、どうするんだい」

 

「お兄さまに会えれば私はそれでいいから、捕らえてエレンくんを脅す材料にしたらいいんじゃないかしら」

 

「…え」

 

「ベルトルトくん、君はわかってないのよ、「私」という人間を」

 

 

 アウラ・イェーガーはお兄さまを愛している。

 

 そして誰よりも()()()()()()()()、自殺志願者。

 

 

 白銅色の瞳が、赤みがかった夕日を視界に入れる。血と、白濁が混ざり合ったような、歪な色が渦巻いた。

 それを見た少年の喉が、ゴクリと、音を鳴らした。

 

 

 

 

 

 

 

 ⚪︎⚪︎⚪︎

 

 

 辺りも暗くなってきた夕方。

 ベルトルトと別れたアウラの前に現れたのは、そばかすの女性。ニヤニヤと、やらしい笑みを浮かべている。

 

「ベルトルさんと森の中へ入る姿を偶々見かけたんだが…ナニしてたんだよ、副分隊長さん」

 

「何っていうか…べ、ベルトルトくんに申し訳ないから、言いませんよっ!」

 

 少し頬を膨らまし、そっぽを向くアウラ。ユミルの人間性を理解し、意図的に彼女が好きそうな、からかいがいのある人間を演じる。

 

「まぁ、後で何があったかはベルトルさんに聞くさ。「違う」とか言いながら、ちゃっかり手を付けようとしてんだもんなぁ」

 

「…オフの時はいいですけど、訓練の時はふざけないようにしてくださいね、ユミルくん」

 

「へいへい、わかってますよ。ところでさ」

 

「はい?」

 

 立ち止まったユミルは、上がっていた口角を下げ、アウラの顔を見つめた。

 

 

「あんた、誰かに似てるとか言われねぇ?」

 

「似てるって……エレンくんに、ってこと?」

 

「弟は違ぇよ。つーかあんたとエレンじゃ髪の色しか似てないだろ」

 

「失礼な…じゃあユミルくんは、私が誰に似てると思うの?」

 

「えーっと……クリスタって知ってるか?」

 

「知っているわ。上位成績十位の子よね」

 

「そうそう、私ソイツと仲良いんだけどさ、あんたに似てるんだよ。それが気になってんだ」

 

 髪の長さは、アウラの方がクリスタより長い。髪や、瞳の色も異なる。

 だが髪の質感や瞳の作りなど、些細な部分で不意に、「似ている」とユミルは感じるようだ。

 

「うーん…わたしにはわからないわね。よく似た人間は世界に三人いるって言うし、わたしとクリスタちゃんもそれなんじゃないかしら」

 

「でもよぉ、あんた見て愛しのクリスタを思い浮かべちまう、私の気持ちもわかってくれよ」

 

「愛しのクリスタ?」

 

「別の班になっちまって、今にもアイツを抱きしめやりたいけどできない」

 

「愛しの……」

 

「ハァー、早く二人で式を挙げたいぜ」

 

「………仲がいいのね」

 

 アウラは思考を放棄した。先ほどのベルトルトといい、次から次へと爆弾が降る。

 

 

「まぁわからねぇならいいや。クリスタも、あんたのことは知らない、って言ってたしよ」

 

「…そう。わたしもクリスタちゃんとは、話したことはないわね」

 

「あと最後にいいか?」

 

「うん?」

 

「何で私だけ「くん」なんだよ」

 

 ユミル的にずっと不満に思っていたことらしい。いくら男前とは言っても、ユミルは女だ。

 アウラを観察していれば、彼女が年下の新兵などには「くん」や「ちゃん」を使っていることが窺える。

 男に使う「くん」をユミルに付ける。それが少々…いや、かなり腑に落ちない。

 

「それとあんた、何か隠してんだろ。弟が巨人になって、相当気が滅入っているようには見える。だが何かさ、()()()()()んだよ。いつも兵士に微笑んで、同時に厳しく接している姿もだ。そこに亀裂を入れれば、簡単に剥がせちまいそうな皮みてぇな気がしてならない」

 

「……わたしは別に…」

 

「本当はエレンが巨人になった理由も、知ってんじゃねぇの?大方人類にはデカすぎる秘密だから、隠さざるを得ないとかさ」

 

「兵法会議でも話したけれど、わたしはエレン・イェーガーについて詳しい情報は知らない」

 

「鍵は父親が残した“地下室”だっけか?入ったことねぇのかよ」

 

「エレンくんが入らせてもらえなかった場所に、わたしが入れてもらえたと思うの?」

 

 馬鹿馬鹿しい、とアウラは首を振る。

 疲れたように眉間に手を当て、深く息を吐いた。

 

 

「これ以上話していても仕方ないでしょう」

 

「本当に何も知らねぇのか、あんた」

 

「隠す理由がないし、わたしは「兵士」よ。人類のために心臓を捧げている身。有益な情報を持っているなら話すわ」

 

「……そうか。なんか悪いな、いきなり話しかけちまって」

 

「気にしていないわ、ユミルくん。…そうだ、偶には一緒にご飯でも食べる?班内での友好も含めて」

 

「いや、いい。私は愛しのクリスタと食うからよ」

 

「そ、そう…」

 

「っていうか結局「くん」呼びかよ、私のこと」

 

 呆れた顔でアウラを見つめるユミル。

 彼女は肩を竦ませ、大股気味に先を歩いて行った。

 

 

 

「「ユミルちゃん」はね、私の中ではただ一人だけなの」

 

 

 

 ()()()()()()()

 

 ───そう、呟かれた言葉。

 

 立ち止まったユミルの額から、ドッと、冷や汗が流れた。心臓が縮んだり緩んだり、ひっきりなしに動く。吐いた息は荒く、自分の異変を悟らせないよう、彼女はから笑いを零した。振り向くことはできない。

 

「あんたの知り合いに「ユミルちゃん」ってやつがいるのか」

 

「知り合いでは…ないかな」

 

「じゃあ友だちか?家族か?それとも恋人か?」

 

「よくは、わからないの」

 

「……そうかよ」

 

 そのままユミルは気持ち悪さを堪えながら、自然に歩き、それでも内心逃げるようにその場を去った。




今更感ですが、主人公のイメージをPicrewの【달조각 공장】メーカー様からお借りして作りました。イメージの参考にしたい方のみドゾ。
※使用時のルール等をきちんと把握した上で、画像を使用させていただいております。


・通常時
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・メス堕ち/絶頂ver
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