ライナー曇らせ?…いや、曇らせお兄さまだ!   作:栗鼠

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色々直しに直して頭痛くなった回です…ぴえん。
最近進撃アニメが間近に迫ってきたからか、小説増えててうれ、うれじい……
そして毎度検索する度に自分でつけたヒロインタグに「ん?」となっている。


不可解な腹綿

 私アウラちゃん、モテ期なの。

 

 スミスには、知性巨人が出たら足止めしろ。つまり「君は私のものだろ?」───だからあくせく働けやこのメス豚が、とお願い(告白)され。

 

 ベルトルトくんには、万が一の時アニを助けて欲しい。つまり「浮気相手だけど愛している」───だから兄や弟を引き目に出し脅すようなことをしてごめんね、けど全てはアニ…いや、君のためなんだ、とお願い(告白)され。

 

 挙句の果てに同性にまでモテてしまったアウラちゃん。これだから美女ってのは罪深いね。

 

 

 ユミルくんについては、少なからず外の知識を持っている。探りを入れるため敢えて「ユミル」の名前を出し、彼女を揺さぶったんですがね。

 

 親が始祖ユミル・フリッツから取ったのだろうとは思う。壁内の人類は145代フリッツ王に記憶を改ざんされ、“外”に関連する本などの焚書も執り行われた。

 

 だが完全に、とはいくまい。

 

 弟曰く、アルミンくんが外の世界を記した(ただし海や火山などを漠然と表現しているだけだ)本を、所有しているくらいですから。

 

 つまり探せば、外の知識を持っている人間もいるということ。ただ“外”を探ろうとすれば、王政の圧力がかかり、憲兵に闇討ちされる。「ユミル」の名前を持つ彼女も大分危うそうですが、生きている以上、一応憲兵の目に留まってはいないということでしょう。

 

 そも「ユミル」の意味自体、理解していないのかもしれませんが。

 

 そうなると、少し寂しいですね。マーレでは誰だって知っている名前なのに。

 

 

 

 

 

 しかし、冗談抜きに、面倒な状況になってきた。

 

 

 私個人としては戦士が壁内に留まるよう、エレンくんを捕まえさせるわけにはいかない。

 

 最初はエレンを捕まえても「始祖」の情報がなければ、マーレにはまだ帰還しないだろう、と思っていた。しかし戦士たちの精神状態はかなりボロボロ。みな少しでも早くお家に帰りたい状態である。どうしてそんなに疲れてるんですかね?(しらばっくれ)

 

 使命は「始祖奪還」ですが、情報が全く集まらない。巨人の力の継承者には寿命の猶予もあるので、時間が限られている。

 

 

 そんな折現れた、エレン・イェーガーの存在。ベルトルトくんの様子から、彼らは絶対的に「進撃」であると信じているわけではない。始祖の可能性もある、と考えている。

 

 私がここに存在している以上、巨人に連れられ逃された説は有効となる。

 マーレのフクロウ(裏切り者)からお父さまへ、そしてエレンに。この流れで継承された可能性が高いと、戦士たちも感じているはずなんだ。

 

 ですがそう簡単にはいかない。

 

 

 戦士たちはかなり性急になっている。そりゃあ壁内に突然戦士以外の巨人が現れたので、仕方ないでしょうが。

 

 お兄さまが来るまでもう少し待ってくれませんかね?……無理ですよね。

 

 一先ず翌日に迫った大規模壁外調査。私の班は作戦企画時、弟がいるリヴァイ班について「右翼後方辺り」と伝えられた。だが実際、団長から聞かされた()()()()()とは異なる。

 

 万が一、エレンが巨人に襲われたら困る。弟を配置する場所は最も危険から遠い場所、中央後方付近となる。

 

 また作戦の説明時、班別によってリヴァイ班の位置はバラバラに伝えられている。巨人が出現した位置によって、敵の内通者がいる班を見つける仕組みだ。

 

 

 

 時系列は、ソニー&ビーンのご臨終→(地獄の三日間)+立体機動装置の検査→スミスの告白→特別班ごとの作戦企画説明→ベルトルトくんのお悩み相談→大規模壁外調査となる。

 

 作戦企画説明からお悩み相談までには少しの間があり、この間にベルトルトくんはアニちゃんと接触し、エレンの位置を伝えた。対しお悩み相談と大規模壁外調査までは、数日もない。

 

 ベルトルトくんはライナーくんと同班である。また作戦企画時、エレンのいる班は「右翼側」と記されていたらしい。私の「右翼前方」も彼に伝えました。

 

 これに、班ごとにエレンの配置される場所が、別々に伝えられているかもしれない、と勘づいたベルトルトくんは、「別の班に聞いた方がいいのか…」と呟いた。

 

 しかしそうするとエレンの位置を探っている、ということで団長に怪しまれる。その危険性を伝え、変に探らせるのは止めさせた。

 

 

 ともかく、ビッグアニちゃんが出現するのは、右翼側になるだろう。この時点でベルトルトくんやライナーくんは、内通者の可能性が高まる。

 

 ただ作戦を説明した班長によって、エレンがいる場所の地図の示し方。

 また口頭における「右翼側」「右翼辺り」「右翼後方付近」とかなりバラつきが出るので、概ね右翼側の新兵たちが怪しまれることになるでしょう。班長たちも皆が皆、作戦の本質を団長から教えられているわけではないので。

 

 

 

 私はちなみに、右翼側の初列索敵担当である。

 

 作戦日前日──というかつい先ほど、団長から個別で聞いた作戦内容では、向かう先は巨大樹の森。そこで囮にするエレンくんを狙う♂敵を誘き寄せつつ、逆に狙う魂胆。

 

 右翼側と左翼側の人間たちは森の手前で巨人が入って来ぬよう、エサ役──と言っても食べられるわけではない──担当になる。

 

 私は前方索敵で通常通りのお仕事を全うし、森に着いたら手前で待つのみ。ビッグアニちゃんが現れたら、奇行種を示す【黒】の煙弾を撃つことになるでしょう。あくまで知性巨人と分かっても、知らん顔だ。仮に「ア…アレハチセイキョジンダー!!」などと宣った暁には、スミスに疑われることになるのでね。

 

 また弟は中心人物でありながら、本当の作戦内容を知らないそう。

 

 

 最悪アニちゃんに殺されますが、やるっきゃない。みんなの屍を見て元気をもらいながら、最善を尽くしましょう。

 

 勝ったら私……お兄さまとイチャイチャするんだ…(死亡フラグ)

 

 

 

 

 

 さて、問題はここから。ベルトルトくんの難題について。

 

 これについては、ベルトルトくんが巨人化すれば済む話でもない。

 

 アニちゃんを助けるにしても、()()()()()()ライナーくんが彼の行動に制限をかける。そも動こうにも単独で動けば、針の筵。

 

 それに、敵とバレればこれ以上壁内には潜伏できなくなりますし、始祖の手がかりを掴めないままマーレに帰れば、彼らの立場が危うくなり得る。

 

 しかし、戦士たちが何か掴んでいる可能性もある。私が戦士の目的が「始祖奪還」であると口にしては言っていませんが、向こうは本来の目的を私が知っていることを、薄々勘づいている。そのため協力の姿勢は見せても、必要以上に向こうの手の内を見せてはこない。当たり前ですが。

 

 

 もしも捕まった場合アニちゃん──いえ、「女型」の巨人は叫んで巨人を集め、それに乗じて逃げるそう。女型の能力の一つらしい。巨人体が食われるかなりの荒技でもある。

 

 おいおい、うなじから出る時バレるだろ?とも思いますが、兵士と同じ格好をするので問題はない、とベルトルトくん。

 巨人が集まればそもそも、調査兵団側も逃げるしかなくなる。その死角を狙い脱出するだろうと。

 

 そこから再度態勢を立て直し、アニちゃんは再び巨人化する。そしてエレンハンターになるわけだ。

 

 

 正直言ってかなり危ない。うなじごと巨人に食われる可能性がありますし、兵士に交じる……恐らくマントで顔や体型を隠し脱出するにしても、絶対に誰かの目に付かないとは言い切れない。

 

 “捕獲”という作戦の建前上、ギリギリまで団長もエレンを巨人化させたくないでしょうから。エサを使って害獣を捕まえるのと同じだ。

 

 二回巨人化した女型と、一度目の巨人化のエレン。これだけでも疲労に差がある。

 

 対人格闘戦に優れた彼女ならば恐らくは勝てる。だがそれも100%ではないし、勝てたとしてもエレンセコム・アッカーマンと、人類最強がいる。

 

 特にミカサちゃんはエレンが絡むと恐ろしい。お姉ちゃんはそれで、背筋がヒヤリとした経験が何度かある。

 

 

 ベルトルトくんは女型と単独で上手く接触できれば、逃げるよう伝えることも一つの手段だと語っていた。もしくは、エレンの本当の居場所の伝達。

 

 幸い私の配置位置は右翼側の初列索敵。右から…右から……何かが来てる現象に対応することができる。

 周辺が壊滅するのを見計らい、アニちゃんと接触するか。

 

 ただ平地では巨人の姿は目立つため、私から離れた人間でも壊滅した状況を認識することができる。会話している様子を見られたらお終いだ。

 

 そもアニちゃんは私に気付かぬまま殺してしまうかもしれないし、敵意を見せなかったところであちらは作戦中。対話に応じてくれるのか、話せたところで彼女が私を信じてくれるかどうかも怪しい。

 

 

 捕まったフリができれば一番いいのですが…。そうすれば口頭で作戦の本質を説明し、退却させられるかもしれない。

 死人に口なし。周囲が壊滅状態であれば、呻きながらでも話せる。

 

 遠目からなら会話していることも分かりませんでしょうから。その後ブレードで手を切り、逃げることもできる。まぁ、これは無理でしょう。

 

 

 対し対話の場所を巨大樹の森に変えると、周辺の目を意識せず話すことができる確率が上がる。

 

 私は森の前で待機組となっています。しかし弟が心配であることを理由に入っても、何らおかしくはあるまい。私情を持ち込むなど兵士失格だ──と言われそうですが、無視だ。団長には堂々と弟に心臓を捧げる宣言もしている。

 

 もしそれでも、説得のチャンスがなかったら、ラストチャンスはアニたそが捕縛されて脱出した後。

 

 ここまで来ると「撤退しろ」と言っても聞かないでしょう。というか絶対追い込まれて殺気立っていると思うので、殺される。

 

 本当に……もっと気づくなら早くして欲しかったですね、フーバーくんよぉ(半ギレ)

 報連相は大切、ハッキリわかんだね。

 

 

 まぁ、彼の作戦に乗るのは、私としては美味しい。

 

 アニちゃんを私が助ければ、彼女も心が揺らいでくれるはずですし。ライナーくんは元々私を連れて行くのに肯定派。

 

 ベルトルトくんはマーレに行って、弟の命が助かる云々の話の際、嘘を吐く人間の仕草がうかがえた。

 忙しなく足を動かしていたのが目立ったのです。それも、その話の時だけ。

 

 私を連れ帰る部分については、信じていい。ただしエレンくんの命の保証は難しいです。

 

 ベルトルト少年は、好きな人を助けたいがために私を利用しようとしているのだ。アニ・レオンハートを救えば、彼は私に相当な恩ができる。ほぼ高確率でマーレ行きをゲットできるだろう。

 

 お兄さまを一目見れたら、私は死んでいい。

 もし生きてしまったのなら、その後のことはその時に考えよう。

 

 

 

 

 

 とりあえず、戦士の結末予測だ。

 

 

【パターンA】

 

 _______私の介入なし、エレン捕獲成功。

 

 この場合私は戦士に協力していないので、弟のみマーレへ連れて行かれる。

 

 イェーガー兄弟の運命の再会が起こりそうで堪らない。だがその場で私が見れないから却下だ。なるべくエレンは犠牲にしたくない。その後再度戦士が攻めてくる可能性もある。

 

 しかし、それがお兄さまの代で再び行われるかわからないですし、マーレを焦れさせ戦士の増援を送り込ませる方が、私とお兄さまが出会える確率が高まる。

 

 それも私の理想の、敵と味方の図で。

 

 

【パターンB】

 

 _______私の介入あり、エレン捕獲成功。

 

 兵士への敵対行動はなるべく起こしたくない。しかし捕獲が確実な状況であれば、明確な敵対行動を味方に取らざるを得なくなる可能性もある。

 

 急に(仲間)が裏切ったら皆さま、どんな表情をしてくださりますかねぇ…。これはエレンくんについても然りです。人類の敵に姉が回ったら憎悪を向けるでしょうか。それとも殺意?

 

 私が普段善人ムーブを行うのも、十二分に私が壁内を裏切る可能性があるからです。だからって、アニちゃんのために用意したものじゃないんですけど。

 お兄さまに殺されて有終の絶頂の中死ぬのが目標ですが、仮にお仲間勧誘されたら即承諾します。

 

 というか断る理由がないですね。アウラ・イェーガーはお兄さまの()なので。

 

 

【パターンC】

 

 _______私の介入なし、エレン捕獲失敗・女型巨人捕獲成功。

 

 これはA以上に避けたい結果。捕まったらまず間違いなく、アニちゃんは人道を捨て去った方法で拷問され、情報を吐かされる。

 

 そうなればベルトルト・フーバーの精神が死んでしまいます。個人的にこの結果は一番見てみたいですが、戦士たちが正常に機能しなくなりそうなのでパスだ。

 

 精神異常のライ&ベルコンビと、拷問地獄のアニたそ…過去に戻れる力があったら、一度このルートを味わってみたいです。

 

 

【パターンD】

 

 _______私の介入なし、エレン捕獲失敗・女型巨人捕獲失敗。

 

 戦士援軍フラグはゲットできます。可能性としては一番これがあり得そうです。

 

 

【パターンE】

 

 _______私の介入あり、エレン捕獲失敗・女型巨人捕獲失敗。

 

 これが一番望ましいですね。片道マーレフラグと戦士の援軍フラグ、両方をゲットだぜ!できる。

 

 

 

 

 

 ガチガチにアニちゃんの説得ないし、救助の難易度が高すぎて笑いも起きませんが、最善を求めてやるしかないです。

 

 どのような状況が起こり得るか。その際私ができること。

 あるいは用意できるものが何か思索する中、寝つきは思った以上に悪くなる。

 

 今回の作戦ではまず多くの人間が死ぬ。いつもはそれに「生」を実感する私だが、その余裕はなくなってしまうかもしれない。

 

 運命が進み始めている感覚だ。それもエレン・イェーガーを中心に。まるで本の物語で言う「主人公」な弟に、微笑ましい感情が浮かぶ。

 

 

 しかして弱者を救い強者を打ち倒すような、そんな甘い話にはならないのだろう。

 

 現実はいつももっと、生臭い。

 五感を通して、人間の息遣いや表情の変化を伝えてくる。

 ()()()()()()()()()、実際にそこにあるのだから。

 その感覚がとても、気持ち悪い。

 

 図式で見る人間の身体の内部は大腸があって、小腸があって、胃や心臓があって。

 だが腹を捌いてナマで見れば、図とは違う赤い液体が付着している。何なら黄色い脂肪も。

 

 生々しい現実。

 瞳を開ければそこに存在している。

 その事実に、不思議に思うことがある。

 

 

 私は何故生きていて、何でできているのだろう、と。

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