あと後書きにいつも以上に深く考えないオマケがあります。
ウォール・マリア奪還作戦において、調査兵団は多くの英雄を失いながらも壁の穴を塞ぎ、グリシャ・イェーガーが地下室に残した“三冊の本”を得た。
しかし敵の殲滅には至れず、「超大型巨人」の力を得るのみとなった。
本作戦における生存者は、104期生のエレン・イェーガーやミカサ・アッカーマン。サシャ・ブラウスやコニー・スプリンガーに、ジャン・キルシュタイン。そして、超大型を継承したアルミン・アルレルトに、駐屯兵団から転属していたフロック・ホルスター。
また第一分隊長実動旅団長のミケ・ザカリアスに、同班のナナバと、四足歩行の巨人の一撃に一時は瀕死となったゲルガー。
さらに特別作戦班班長のリヴァイ・アッカーマンと、旧リヴァイ班のペトラとオルオ。フロック同様囮となった上で、「獣の巨人」の投石から免れた数名の兵士も生存している。
最後に調査兵団14代団長────ハンジ・ゾエ。
彼女は奪還作戦の前、エルヴィン・スミスから
任された本人としては、エルヴィンの意思を量りかねる内容であった。リヴァイやミケが団長の「死」の気配を感じていたのに対し、彼女もまたエルヴィンの雰囲気の変化に気づいていた。
「次期団長にするなら、ミケの方が相応しい」と言った彼女に、エルヴィンはミケ・ザカリアスの確かな腕と、冷静に物事を判断できる点に関しては評価した。
しかし時折熱くなりすぎてしまう部分と、団長に必要な活路を見出す思考能力がハンジの方がより優れているとして、彼女を次期団長に任命したのである。
ミケはすでにそのことについて聞いていたようで、彼もまたハンジの方が適役だろう、と語った。
以上が奪還作戦の生存者である。
エルヴィン・スミス含む200名近い兵士が亡くなった。
しかしそれは決して、無駄死にではない。
彼ら彼女らの墓標の上で、人類は大きな一歩を歩んだ。その一歩の先に見えたのは新たな脅威であったが、それでも英雄たちの死に、人類の前進という大きな意味が付与されたのは間違いない。
調査兵団が帰還ししばらく経ったのち、各兵団の上層部と調査兵団の生存者(負傷者除く)と
三冊の本からわかったことは、大まかに分けて『巨人と知りうる歴史の全て』『壁外世界の情報』『グリシャ・イェーガーの半生』である。
『巨人と知りうる歴史の全て』については、まず
約1850年前、壁内人類──エルディア人の共通の先祖となった「ユミル・フリッツ(別名:始祖ユミル)」は、『悪魔』と称される
エルディア帝国はその巨人の力を手に入れることで、強大な力を誇ったのである。
始祖ユミルは巨人の力を手に入れてから“十三年”後に亡くなり、以後彼女は九つの巨人に魂を分けたとされる。
それがエレンの「進撃の巨人」や、アルミンの「超大型巨人」などに当たる。また巨人化能力者には始祖ユミルの呪縛と言うべき、十三年という寿命の限りが存在する。
そしてエルディアは「民族浄化」として、他民族を襲い無理やり子を産ませ、その数を増やした。
巨人の力によって繁栄した大国はしかし、反旗を翻したマーレとの大戦で敗北を喫する。これは「巨人大戦」と呼ばれるものである。
その敗北の内実は、その平和的思想を以てして戦争を「非」とした第145代フリッツ王(カール・フリッツ)が、戦いを放棄したことにより起こったもの。
約110年前、カール・フリッツは自身の思想に賛同するエルディア人を従え、パラディ島へと都を移し、始祖ユミルの三人の娘たちの名にちなんだ三つの壁を作り、壁内人類の記憶を改ざんした。
壁内以外の人類は、巨人によって滅ぼされた────と。
同時に“レイス王”に名を改めたカール・フリッツは、始祖ユミルとの間に「不戦の契り」なる契約をした。
これは「始祖の巨人」の力の真価を発揮できるのが王家の人間のみであることを踏まえた上で、カール・フリッツ以降の力を宿した王家の人間が、初代レイス王の思想に囚われる───というものであった。
いずれ来るべきマーレ、あるいは諸外国の侵攻を受け入れる。
その代わり、束の間の「楽園」を民たちに捧げる。
端的に言ってしまえば、スケールの規模が大きすぎる「集団自殺」と言ってよいだろう。
これに関して、王家の人間ではないエレン・イェーガーが始祖の力を扱えたことに疑問が生じた。結果、理由になりそうな根拠が見出されぬまま、エレン自身に何か特別な力があるのかもしれない、と判断された。
次に、『壁外世界の情報』について。
これは人類が滅んでいなかった内容から転じて、「マーレ」という話の部分に関連する。
この国には壁内人類には想像のつかない文化・文明が進んでおり、中でも「戦士」という存在がいる。
幼いエルディア人の子どもを対象に募集し、「戦士」として育て上げ、八つの巨人のうち一つを継承させるのだ。
そうして戦士となった子どもは、一族を含め一定の人権を得ることができる。
グリシャの手記に書かれた時代より昔の人選がどのようであったかは、記述がなかったため不明である。しかし少なくとも彼がエルディア復権派に入ってから暫くして、マーレはエルディア人の子どもを募集した。
マーレが戦士を育てていたのは、枯渇する国内の資源により、パラディ島に眠る莫大な資源に目をつけていたため。それを奪う算段があった。
そして、それ以上に発展する機械兵器が巨人の力に追いついている実態を受け、「始祖の力」を奪うという目的があった。
ライナーやベルトルト、アニが壁内を襲ったのはマーレ政府の思惑が絡んでいたことになる。
敵は巨人ではなく、
それも単純にマーレだけでなく、かつて民族浄化を行ったエルディア人に対し世界中の敵意が向かっていることは想像に難くない。
さらに言えば、パラディ島を襲ったのは同じエルディア人である「戦士」。
そんな同胞たるマーレに残ったユミルの民たちは、マーレ人に白い目を向けられ収用区で生きている。
そこに住む彼らが罪を犯した場合、「楽園送り」になるのだ。巨人の脊髄液を投与することで生じる、巨人化。壁外に存在する巨人たちは同胞であり、悲惨な末路をたどった者たちであるという真実。知らない方がよっぽど…と思わずにはいられないほど、ショックの大きい内容だった。
そして最後に、『グリシャ・イェーガーの半生』について。
彼の半生について書かれていた本の最初のページには、一枚の精密に描かれた肖像画のような、“写真”というものが挟まれており、それには正装する四人の姿──幼い少年を抱いて立つ若いグリシャ・イェーガーと、その隣にあるソファに指を咥えている赤子を抱き腰かけている女性──が写っていた。
空を飛ぶ“飛行船”なる乗り物を見たいがため、妹の手を引き収容区の外に出たイェーガー少年。
“外出許可証”を、持たぬまま。
その時からグリシャ・イェーガーの歯車は狂い、妹がマーレ治安局の男に殺されてから「楽園送り」にされるまでの人生。
エルディア復権派に入った男は、奇しくも自身が父親から思想の強制を受けたように、自分の思想を押しつけた息子によって密告され、「楽園送り」にされた。
失った妹を重ね、男は娘を家に仕舞いこんで愛した。そして狭い世界しか知らなかった娘は“家族”に依存し、両親の愛情をマトモに感じられなかった兄を想い、両親についていくことを決めた。苦しむ兄を見たくないからと、「楽園送り」が何たるかを詳しく知らないまま。地獄へと足を踏み入れてしまった。
息子と娘への悔やみきれない念は、本から沸々と感じられた。
グリシャはマーレ治安局員として潜んでいた復権派のリーダーである「フクロウ」によって助けられ、「始祖の巨人」の奪還を託される。
「進撃の巨人」────それが現在父親から託され、エレンが始祖とは別に保有している巨人の力の名前。
グリシャ・イェーガーがレイス家を強襲した事の、真の理由が明らかとなったのである。
またこの手記にて、他にも判明したことがある。
グリシャはエレンの母親カルラの前に前妻がおり、その女性とはフクロウが彼女を復権派の会合に送った時に出会った。
彼女は大陸に残った「フリッツ家」の末裔であった。
その一族はカール・フリッツと思想を違え、戦うべく残ったのだ。
そんな二人の間にできた子どもが「ジーク」と「アウラ」。王家の血を引く子どもである。ジークの記述については戦士にすべく教育した──とある一方、アウラの方は『娘にはフリッツの血を残す使命──』等と書かれていた。
そう、アウラ・イェーガーは、王家の血を継ぐ人間であった。ヒストリアと同様に。
それだけでなく、グリシャがフクロウから進撃の力を託される前に、読み飛ばすことのできない記述があったのである。
『娘は始祖ユミルの「寵愛の子」であった』──という部分。
その「寵愛の子」の所以とは、母親が巨人化させられた後に気狂った娘が自らその身を壁の上から投げたことから始まり、一度アウラは母親に食われた。しかし。
『
その内容によって、一つの大きな疑問のヒントが与えられた。
始祖ユミルの寵愛の理由は、王家の血を継ぐ者であるから、と考えるのが妥当であろう。
しかし、ならばヒストリアやロッドなど、それ以外の王家の人間たちがアウラのように寵愛を受けているかと問われれば、「否」だ。もし王家の人間がユミルの寵愛を受けるなら、遠縁のヒストリアたちはまだしも、アウラの母であるダイナ・フリッツを始祖ユミルが救っていない理由がつかない。
よって「王家の人間であるから」という理由が最も相応しそうではあるが、それ以外の理由も存在しうるかもしれないと考えられた。
アウラ・イェーガーは、ウォール・マリア奪還作戦の終盤に突如女型のアニ・レオンハートと共に現れた。
これに関して、アニは奪還作戦の前日までは結晶化した姿を兵士によって確認されている。結晶化後のアニはユトピア区の地下室に送られ、管理されていた。
最初こそ彼女へ各兵団のお上の来客が多かったものの、日が経つにつれ人は減った。
ずっと見張りがついているというわけではなく、日に一度、彼女の状態を兵士が確認するという状況だった。
そしてアニがいたはずの場所には、大きな水たまりが残されていたのである。
対しアウラの身柄は王都ミットラスの憲兵団本部にあった。
まさにドラ◯もんの力でもなければ逃げられないような場所であり、彼女の部屋の前には常に見張りがいた。
そんな彼女は忽然と、姿を消した。就寝前に見張りと共にトイレへ向かった彼女の姿が憲兵に目撃されており、それから明朝、交代の見張りが部屋の前に兵士がいないことに気づき、中に入ったその場所には誰もいなかった。
室内は寝具が少し乱れている程度で、争った形跡はなし。
一つ不可解だったのは、憲兵の服や装備がバラバラになり部屋に散乱していた点。
何か事件があったのは明白だ。当初はアニ・レオンハートとアウラ・イェーガーを逃すために協力した人間、それも複数の人間がいると考えられたが、造反者と疑われる人物は判明しなかった。
ちなみに発見が遅れたのは、その日人類の命運がかかる奪還作戦の決行を受け、各兵団忙しかった影響もあるだろう。
そしてこれらについて、「ユミルの寵愛」という言葉が関連づけられることとなる。
アウラ・イェーガーは
そんな娘の思いを始祖ユミルは叶えたのではないだろうか、と。
方法について明確にはわからない、しかし議論が交わされる中で、グリシャがフクロウから聞いた「道」というキーワードが、可能性の一つとして浮かび上がった。
巨人化できるエルディア人は一つの「道」のようなもので繋がっている。
その繋がる先が始祖ユミルであり、「始祖の巨人」であると。
その「道」がどのようなものであるかは不明。ただ現場にあった不可解な憲兵の服や武器、また
誠に突拍子のない内容であるとしつつ、アルミンは語る。
見張りをしていた兵士が巨人化してアウラ・イェーガーを体内に取り込み、「道」を通じて移動させたのではないか──と。
そもそも「道」の存在がわかる前まで、巨人の肉体には謎が多かった。
その巨体さにも関わらず質量が異様に軽い点や、うなじを狩られた後に消失してしまう点。それに、硬質化を形成する結晶など。
それらが「道」から供給されている可能性が出たことにより、アルミンは巨人を構成する物質を、
この場合「道」への進入の出入り口として、バラバラになっていた兵士の服や武器を踏まえ、巨人の可能性が考えられた。
アニに関しては彼女自身が
ただしこの仮説が仮に合っているとして、始祖ユミルがアウラ・イェーガーの意思を尊重しているのだとしたら、アニ・レオンハートを助け出したのがアウラの意思ということになる。
そうなれば、本格的に彼女が壁内人類へ仇なす思考を持っていたことに他ならず。
同時にこの事実を探るのは、それこそ本人に直接確かめなければ真相がつかめぬ問題となった。
何かしら、アウラの真意を知っている可能性のある男はいた。ヒストリアの後方で控えていた護衛部隊の隊長である男だ。
射抜くような
ケニー・アッカーマンもまた、開示された情報とアウラから聞いた内容との答え合わせ。そして、それがほぼ同じだったことにより生じた「始祖ユミル」の存在を踏まえ、下手に情報を口にするのは始祖の地雷を踏むことになると考えたのだ。
余談だが、ケニーを睨む兵士長に便所だと思ったハンジは、小声で「我慢せず行きなよ」といらぬ優しさをみせた。
一先ず敵の正体がわかった今、それに備え壁内人類は戦う算段を立てなければならない。それもエルヴィン・スミスという英雄を失った中で。
優先すべきは、ウォール・マリア内に残る巨人の掃討である。討伐に活躍するのは、以前開発された丸太落下方式だ。
そして話し合いの最後、女王ヒストリアにより、壁内人類に
⚪︎⚪︎⚪︎
会議が終わった後、その足で少年───エレン・イェーガーは心配するミカサとアルミンに「一人にして欲しい」と告げ、調査兵団の兵士の墓がある場所に向かった。
多くの墓がそこにはあり、奪還作戦で亡くなった兵士たちのまだ新しい墓も増えている。
そこには多くの献花が供えられており、いっとう多い場所もあった。
心臓に手を当て、一人、一人、今回亡くなった者たちの名を読み上げながら、ゆっくりと歩くエレン。
時間をかけ読み上げた彼は隅に座り込み、空を見上げた。
青い空。どこまでも遠く、掴むことのできないもの。
注射器をエルヴィンかアルミンのどちらかに打つことになった時、エレンは使用権限を持つリヴァイに逆らった。
兵士長はエルヴィンに打たせようとしていたのだ。それを無理に止めようとミカサと共に動いた。
自由の羽を掲げ、兵士たちを死地へと向かわせたものの死にはぐれた
女型が去った後、間もなく奇跡的に息を吹き返した少年。
結局その注射は、アルミンに打たれることになったのだが。
団長の命を背負ったアルミンは、「なぜエルヴィンではなくお前が生きたのか」という周囲の目に晒されることになった。
しかしてそれでもエレンやミカサ、そしてジャンたちはアルミンが生き残ったことを心から喜んだ。同時に壮絶な最期を遂げた団長含む仲間たちの死に、精神が摩耗している。
そしてリヴァイに逆らったとして、戻ってからエレンとミカサは「兵規違反」を受け、一定期間牢屋に収容されることになった。途中で今日の御前会議があり中途半端に終わったものの、それがなければまだ今のように空を仰ぎ見ることは叶わなかっただろう。
「敵は巨人じゃなくて人間で……」
空に浮かぶ雲が、ゆったりと流れる。
「父さんは色んなもののために戦い抜いた」
側の木に止まった白い鳥が、フンを落とす。
「オレには兄もいた。腹違いの……兄」
木々が風に揺れ、鳥が唄う。
「………オレは本当に何も、知らなかった」
エレンとは比べものにならないほど壮絶な過去を送ったであろうグリシャと、姉。
アウラ・イェーガーの真意を周囲が測りあぐねている中、エレンはその
彼に「必ず助ける」と語っていた男。最初は半裸の、しかもヒゲ面な絶賛不審者スタイルの男に姉が抱きついているという状況に、なぜ姉とアニがここにいるのかという疑問も相まって、思考が停止した。
しかしよくよく見ればその男はグリシャの面影を色濃く残しており、向こうも「父親と全然似てないな」と、エレンに向けて言った。
目の周囲に巨人化痕のあった男はライナーたちと同じ戦士であり、「あのクソヒゲ面野郎は俺が絶対にブッ◯す……」と獣の本体について語っていたリヴァイの証言から、半裸の男が「獣の巨人」の正体であることもわかっている。
グリシャが息子を戦士に育てようとしていたことからも、その男が「ジーク」であることは確かだ。
そんな男に抱きついていた時のアウラは、エレンがこれまで見たことのない表情だった。
どこか幼い、まるで精神が子どもになったような───とても、不安定な様子。
それとかつてエレンがもっと幼い時に見た、草原でのワンシーン。
そこに寝転がり、青い空を眺めていた時に聞いた姉の言葉。
『──────あいたい』
その時姉が泣いた理由が、少年にはわからなかった。
けれど今のエレンなら、姉がなぜ泣いたのか、誰に会いたかったのかわかる。
そして同時に、アウラ・イェーガーにはずっと焦がれ続けた存在以上に大切な人間はいないのだろうと、わかった。
わかって、しまった。
「オレは、姉さんに本当に…
少年の頭上で囀っていた鳥は羽ばたき、青い空へと溶けるように消えていった。
【何だコレ】(深く考えては行けないオマケ)
頭に発光する輪っかを浮かばせて、見慣れない住宅のような場所の道を走る一人の少年。パンを咥えた彼は、その長身に合っていない丈の短いスカートを舞わせなが学校へ向かう。
(僕はいったい何をしているんだ……!?)
少年は全くもって今の状況を理解できていなかった。
しかしとにかく、明らかに男物ではない服を着て学校に向かわなければならないという事だけはわかっている。
「うわっ!!」
曲がり角でぶつかった少年。
尻もちを付いた彼の前にいた人物とはーーー。
「痛ッてェ……誰だよおま…………って、もしかしてベルトルトか!!?」
やはり少年と同じく頭に発光した輪っかを付けているマルセル・ガリアード(当時の大きさのまま)が、襟詰の学生服を着て倒れていた。
その側では、マルセルと同様の襟詰の服を着たそばかすのイケメンが少年の格好を見て爆笑している。
「だははっ!ベルトルさん、イけてるぜその格好!!」
「訳が……わからないよ」
そう言った少年にユミルは、一つのアンサーをもたらす。
「ここは
【……ケテ……タ………テ】(その2)
「皆に転校生を紹介します」
そう言いクサヴァー先生の紹介で教室に入ってきたのは、襟詰・スミス。彼もまたクサヴァーと同様に頭に輪っかを付けている。
生徒であるマルセルは知人ではないため首を傾げ、ユミルは吹き出しかけ、ベルトルトは「何で僕だけこんな珍妙な服を着ているんだ…?」と、切実に思った。
生徒たちはこの時、思いもしなかった。
この後溢れる知識欲に覚醒したエルヴィンの質問が続き、それに対し教師として熱くなったクサヴァーの熱の入った授業が続けられ、長い長い「歴史(+巨人)」の授業が行われることを。
【オチ】(その3)
「何か変な夢を見ていた気がする……」
柔らかいソファーから身を起こし目覚めたアウラは、瞳を擦った。