仮面ライダーW RETURN's   作:Vekterアイギス

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MADを見て感動した。
やっぱり仮面ライダーカッコええわ...


鳴海荘吉-仮面ライダースカル-
#1 引き合うS/幽霊は踊り出す


心地よい風の吹く街"風都"。

今日もシンボルである巨大なタワーの風車が回り続けている。

数年前からエコを掲げ、都内の緑化運動を進めているこの街は、

以前より緑が増え、ずっと過ごしやすくなった。

もっとも、これは風都の表の顔だ。

財団X、そしてミュージアム...

この二つの組織がこの街に悲しみをもたらしているのが実情だ。

人体を異形の姿に変えるガイアメモリ。

それが秘密裏に売買されているのが裏の風都の顔だ。

 

そんな風都の一角に俺は探偵事務所をかまえている。

小さな事務所だが、俺を頼って来てくれる人々は大勢いる。

俺に依頼くる奴らはこぞって俺のことを"ハードボイルドな男"なんていうが...

正直な所、自分では全く思えない。

実際、さっきも焙煎中のコーヒー豆をダメにしたところだ。

小説の主人公には一生なれないだろうな...

そんな俺は、今日も愛読書のハードボイルド小説を片手に、午後のコーヒーブレイク中だ。

依頼が無い日は決まってこうだ。

もちろん、サボっているわけではない。

依頼が来れば俺は全力でその依頼をまっとうする。

その依頼が来ればの話だが。

ふと小説から目を離し、テーブルの上に目を向ける。

「調査書をまとめなくちゃな...」

テーブルの上に重なっている書類にうんざりし、空のカップを流しに置きにいく。

「おい、マツ。書類まとめといてく...」

そこまで言って俺は我に返る。

当然、俺以外には事務所には誰もいない。

半年前、俺の唯一無二の相棒はこの世を去った。

死に際の顔は良く覚えている。

俺自身が手を下したからだ。

相棒は己の欲に逆らえず、ガイアメモリに手を出した。

その結果、街を多くの人を泣かせ、俺自身も大きな代償を払った。

今でも自らの判断は間違っていなかったのか、と思い悩む時がある。

「俺も半人前だな...」

自ら自嘲するように笑い、未だにあの痣が残る腕を押さえる。

憂鬱な思いを振り払い作業に戻った。

かさばった書類を日付ごとにファイリングし、棚に戻そうとした時だった。

事務所の呼び鈴が鳴り、扉が小さくノックされる。

依頼人か?、と小さく驚き、俺は扉をゆっくり開ける。

扉の先にいた人物を見て、俺はまたうんざりとした表情になった。

「またお前か...」

黒いカジュアルハッとをかぶった少年。

ため息をつくオレに構わず、そいつは事務所に入ってくる。

「なあ、おやっさん!俺を弟子にしてくれよ!」

ソファーに座るやいなや少年は大声で俺に呼びかける。

「はぁ...お前、翔太郎って言ったか?」

「うん!」

元気に返事をする翔太郎は子供そのもの。

一目で分かる通りに、翔太朗はまだ小学校の通う小童だ。

「お前にはまだ早い。何度来ても答えは一緒だ。」

俺の答えに翔太朗は顔を膨らませる。

「なんでだよ!俺だってはーどぼいるどになりたいんだ!」

覚えたての言葉を必死に噛まないように言う姿に、つい口元が緩みそうになってしまう。

慌てて口元を隠し、翔太朗の襟元を掴んで外に放り出す。

「うわっ!放してくれよおやっさん!」

「お前にそう呼ばれる筋合いはねぇ。」

まだ何か言おうとしている翔太朗を遮るように事務所の扉と鍵を閉めた。

扉を叩く音がしばらく続いていたが、ようやく諦めたのか直に廊下が静かになった。

大きくため息をつくと、とたんに疲れが襲ってきて椅子に座り込む。

「はあ...若い奴はどうしてこう、根気強いんだ...?」

「あら?そんなこと言うなんて、貴方ももうオジサンね?」

事務所の隅のから聞きなれた声がした。

「ふん...何のようだ?」

地下室に続く扉から現れたのは、顔を包帯で覆ったサングラスの女。

この事務所の地下に居座っているシュラウドだ。

ある事情で逃げ回っていた所を俺が匿っている、といった所だ。

本人は俺のことを知っているらしいが...どうも覚えがない。

そんな彼女が珍しく地下室から出てくるときは、小言を言う為か、それとも...

「お疲れの所で悪いけど、仕事の依頼よ。」

基本的に俺のもとにくる依頼は二種類。

一つは人探しや身辺調査など一般的な依頼。

そして二つ目は、シュラウドが持ってくるような裏の仕事やガイアメモリ関係の依頼。

今回は後者のガイアメモリに関係する事件のようだ。

「お前、そんな地下室に籠ってないで、たまには太陽の光でも浴びたらどうだ?

白髪まみれのばあさんになっちまうぜ?」

「お気遣いありがとう。でも、遠慮しておくわ。いつ狙われるか分からないし。

それに、おっさんくさいこと言う男よりは若いつもりだから。」

こうやって、顔を突き合わせる度に嫌味を言いあうのもいつもの習慣だ。

俺は苦笑しながらシュラウドの差し出す書類を受け取る。

一枚目は新聞や雑誌の切り抜き。

二枚目は被害者などのリストだった。

切り抜かれた記事の内容はというと...

 

『怪奇!本当に幽霊は実在した!』

『目撃者は魂を抜かれる!?』

 

「なんだこりゃ...?」

あまりにも子供じみた内容に俺は呆れるように口を開く。

「つまり、俺に幽霊を捕まえろと?冗談はよしてくれ。」

「もちろん、そんなこと頼むわけないわ。幽霊なんて存在しない。」

存在が幽霊みたいな奴がなにを言う。

ポロッと本音が出てしまいそうになり、慌ててそれを飲み込む。

「これはガイアメモリによる事件よ。

実際に被害者も大勢出ている。」

そう言うとシュラウドは三枚目の書類を差し出す。

「被害者全員が生気を抜かれたように、意識不明の状態で病院に搬送されている。

その写真が被害者の一人のカメラに残されていた画像よ。」

確かに、夜の闇で若干見づらいが、明らかに人間とは似ても似つかない姿が写りこんでいた。

「とにかくこれ以上被害者を出すわけにはいかない。引き受けてくれる?」

「...頼まれた依頼は極力引き受ける。それが俺のポリシーだ。」

「フフッ...随分と曖昧なポリシーね。」

俺はニヤリと笑い、いつもの愛用の白のコートと帽子を身に着け事務所を後にした。

 

+++++

 

 

「いい感じに集まって来たな。」

薄暗い部屋で男はぼそりと呟いた。

目の前の長机には数にして五十余りのビンが並べられている。

その一つ一つがが妖しく光り輝いている。

男はニヤリと笑い、眼鏡を人差し指で押し上げる。

「やはりこの時代に来て正解だった。

此処ならば邪魔な奴は居ない...最高の研究結果を見せることが出来る...!」

笑いを堪えきれなくなった男は、体を震わせながら口元を抑える。

空いている右手にはUSB型の装置が握られていた。

『S』

一文字だけ刻まれた文字が黒いオーラを発しているようにみえた。

 




今回から書き始めました新作です。
メインはGEの方なので、こちらは不定期となります。
要望や続きが見たいなどの声が多ければ、早めに出したいと思います。
若干キャラの性格や設定などに違和感を覚えることあると思うので、その辺はご了承下さい。
感想や批評をたくさんお待ちしております。
それではサラダバー!
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