仮面ライダーW RETURN's   作:Vekterアイギス

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不定期更新。
相変わらず短い。


#2 引き合うS/魂は燃える

風都神社の境内。

風車が飾られている屋台の前に立つ着物の男。

背後から帽子を手にした男が近づいてくる。

「久しぶりだな、サム。」

声を掛けられた男は振り向くと、少し驚いた表情を見せる。

「旦那...どうしたんですか?随分と久しぶりじゃないですか。」

「まあ、此処ん所以来受けてなかったからな。

...聞きたいことがある。最近起きてる幽霊騒動のことだ。」

サムは眉を上げる。

「驚いたな。旦那はオカルトなんか興味ねえと思ったのに。」

「依頼だから仕方ねぇに決まってんだろ。」

気だるそうに荘吉は帽子で首を扇ぐ。

へへっと笑うサムは、屋台のカウンターから何枚か写真を取り出し荘吉に手渡す。

「なんだこれは。」

「被害者が撮っていた写真ですよ。公表されてない方のね。

で、こっちが知り合いに頼んだ拡大写真です。」

荘吉は手渡された画像を見ると、

「ドーパントで決まりか。」

と、呟きその写真を懐にしまう。

写真にははっきりと化け物の姿が映っていた。

「にしても、手が早いな。」

「まあ、旦那ん所の幽霊から電話がきたもんで。」

 

『近々荘吉が行くと思うから、これから言うことを調べてほしいの。』

『それはわかったが、あんたは?』

『そうね...鳴海探偵事務所の幽霊、かしらね。』

 

「旦那も罪な男だねぇ。また女つくって。」

「あの女...」

忌々しげに呟き荘吉は神社をあとにした。

サムの頭を小突くのを忘れずに。

 

+++++

 

 

「ここか...」

写真に見切れていたビルの名前を頼りにここまで来た。

数年前に倒産し、今では廃材置き場となっている。

確かに、夜になればいかにもといった雰囲気が漂う。

この時期には絶好の肝試しスポットだろう。

荘吉は薄暗い廃墟の奥へと歩を進める。

物音一つしない部屋。

荘吉の足音だけが響き渡る。

一階を一通り見周り、荘吉は首をひねる。

(気配が全くない。感づかれたか?)

この階は諦め二階へ向かおうとした時だった。

「...!」

ギリギリの所で、飛んできた光弾(いや、火の玉か!?)を避ける。

掠めた白い帽子が黒く焦げる。

『ちっ...外したか。』

何処からともなく声が響く。

荘吉は警戒をしながらも、帽子を拾い上げ埃を払う。

「お気に入りだったんだがなぁ。」

帽子を被り直すと、辺りを見る。

攻撃してきた主は見当たらない。

(柱の影、いや瓦礫の裏か...)

耳を澄ます。

静まりかえった室内で、微かに風の音が聞こえた。

「そこか!」

懐からスタッグを飛ばす。

スタッグは一直線に柱の裏に飛んでいき、その影にいた存在を攻撃する。

「ぐあっ!?何だコイツは!」

柱の影から出てきたのはやはりドーパントだった。

全身に髑髏を纏ったデザイン。

右腕が青い炎に包まれている。

「くそっ...てめぇ何もんだぁ?」

ドーパントがジリジリと近づいてくる。

「探偵さ。ちょっとした依頼でな。」

「探偵?ひゃっひゃっひゃっ!それはご苦労なこったな!

ただの人間がよ!お前も燃えちまいな!」

ドーパントは高笑いし、青い炎を飛ばしてくる。

しかし、荘吉は身じろぎせずニヤリと笑う。

「ただの人間か。それの方が良かったんだがな...」

火の玉が着弾し、荘吉の体が青い炎で包まれる。

「あっけなかったな!ひゃっひゃっひゃっ、ひゃっ...ひゃ?」

ドーパントの高笑いが徐々に疑問に変わる。

青い炎が掻き消え、黒いオーラが広がる。

「俺はとっくに人間じゃないんだ。」

黒いオーラが霧散し、そこから一人の戦士が現れる。

銀の髑髏の仮面、そして白い帽子とマフラー。

「て、てめぇまさか...!」

風都の守護者、仮面ライダー。

彼の名は仮面ライダースカル。

スカルは右手を挙げ、目の前のドーパントを指さし、一言。

 

「さあ、お前の罪を数えろ。」

 

 




短いよ!ってツッコミが聞こえる。
次回は...また先になるだろうな。

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