死神さまの大冒険 〜ゲームから転移しましたが、自分だけバグって最強です〜 作:サンサソー
他の作品もあともう少しで更新できそう。
暗い。
ただ暗い。
浮かぶのは数多のコード。まるで泡のように漂い消える。
それだけ。誰もいない場所にはそれだけしかない。
どこまでも静かで。
どこまでも暗くて。
辛いのに。寂しいのに。なぜだろう?
今はどこか心地良い。
それはとても悲しいことなんだろう。
それはとても憐れむことなんだろう。
でも、もういい。誰もいない空間にいるのに、誰がそれを期待する?
あるのは深い暗闇だけ。何もかもを包み込み受け入れてくれる。暖かい事なはずなのに、どこか冷たい。
矛盾が重なって、混ざって。
いつか無くなるまで。
なのに、なんで?
無くなる気配もない。積もり積もって、ゴミ溜めのように混ざっては溜まるだけ。
溜まれば溜まるほど虚しくなる。
空っぽになっていく。
生きてるのかすらも曖昧になって、なんの反応も得られない場所にいて、少しずつ少しずつ闇に溶け込んでいく。ズレて曲がって、グズグズに崩れていく。
私はもう諦めた。
こんな私に……お前は何を望むんだ。
『わからんのか?背中に乗せろ!』
「っ!?ガボ、ガボボボ…!?」
んごぉ!?お、溺れ、溺れるぁあ!!
やっべ、寝てた!水中で眠るなんてバカだろ私!
勢いつけすぎたか!湖に飛び込むんじゃなかった……いやでも、骸骨だからワンチャン……。
「ごぶぅ!おぶぅっ!」
ねーわ。なんなら普通に窒息しそうだわ。オマケに水が骨の間に入ってきてるわ!そんなところはしっかり骸骨しなくていいと思うんだが!
マズイ、骨の手だと水をかけない!何かないか、スキル……収納魔法があったな!でもこんなに大量の水を入れてる時間はない!何か中に……これしかないか……。
「ガボボボ……(背に腹は変えれないか)」
収納魔法発動、対象は……【Rキン砲】だ!
目の前の空間が歪み、私の身の丈以上の大きさを持つ六角形の魔力板が現れる。その真上になんとか移動すると、スイッチを押して魔力板を起動させた。
よし、後は撃つだけだ!流す魔力は最小にしてっと……【リベリオンスレイブ】と同じ感覚で魔力が使えるのは助かる!
さて、Rキン砲発射!
魔力板が光り、電気を帯びる。それは徐々に魔力板の中心へと集まり、高密度の電気が蓄えられた……ん?
そうだった!これ少しの魔力でも威力がヤバいんだった!もっと別のものにすれば…!
無情にも発射されるビーム。哀れRキンは空高くまで吹き飛ばされたのだった、マル。
「……溺れたり落ちたり、散々なんだが」
雲を越えて……落ちる。撃つ方向が水面と並行ではなかったおかげで、地面には降りれそうだ。いや、着弾しそうだ。
「困った時のたまも印!」
収納魔法で取り出したのはもっふもふの大きな毛玉。通称【たまもボール】。たまもボールが地面と衝突すると、もっふもふの弾力で全ての衝撃を吸収してくれた。
ふぅ、何とかなったか。収納魔法でたまもボールとRキン砲を回収。1度収納したものはどこであってもまた収納できるのが素晴らしい。
「…………」
で、だ。この木々がなぎ倒されている道はなんぞや。こんな惨状は森林破壊でも見たことがない。
探知した時はこんなの無かったし、何か強大な怪物が暴れでもしたのだろうか。あれ?この道、湖にまで続いてる……え、まさかこの近くにいたりしないよね?
「……ちょっと待てよ?」
もしかしてこれ、私の転がってきたところじゃない?そういえば木々に当たったりしてもあまり痛くなかったし、そう考えると……え、でも私のステータスほとんどがEだぞ?
1度確認してみるか……ステータス画面ステータス画面…。
プレイヤー名:Rキン
Lv:100
種族:ブラックリーパー
職業:覚醒錬成術士LvMAX
攻撃力:E
防御力:E
敏捷性:E
魔力:A(+)
技巧力:S(++)
運:A
装備
頭:怜悧のモノクル
体:覚醒錬成のローブ
アクセサリー:神秘の腕輪・絶技の指輪・黒曜の腕輪・太陽の指輪
スキル
魂の掌握
常闇の儀式
死霊使役
死神の大鎌
超錬金術
超調合術
探知SP
武器錬成SP
防具錬成SP
エンチャント
収納魔法
うん、やっぱりEだよな。ならこれは私の責任では……ん?
プレイヤー名:Rキン
Lv:010
種族:
職業:覚醒錬 成術士LvMAX
攻撃力:E001
防御力:E001
敏捷性:E001
魔力:E001
技巧力:E001
運:E001
装備
頭:怜悧のモノクル
体:
アクセサリー:絶技の指輪・黒曜の腕輪
スキル
魂の掌握
常闇の儀式
死霊使役
死神の大鎌
超錬金術
超調合術
探知SP
武器錬成SP
防具錬成SP
エンチャント
収納魔法
な〜にこれぇ?ステータスがバグってる?レベルも種族も何もかも……え、なんでこんなことになってるの?そもそも私の操作してるアバターにバグがあったのか?
もう一度見てみ……あれ、元のステータスに戻った。怖いんだけれど。今までこんなホラー展開経験したことないからちょっと新鮮…!
さて、まずはどうするか。このバグのせいでまともに動けなくなった。下手に動いてこんな大災害撒き散らしてたら……あ、そういえば1日だけレベルを下げるアイテムあったな。でも妨害アイテムだから相手がいなければできないし…。
「こりゃ参ったな……せめて誰か人がいればな〜…」
もう一度探知……いやでも、またあんな痛みは経験したくないぞ。いくら湖が近くにあるとはいえ……やるしかないのかぁ。
チラッと湖を見てみる。綺麗な青空が水面に映り、さっきまで溺れかけていた人物がいたとは思えない静けさがあった……ん?んん!?
手前の水面を覗き込んでみた。雲ひとつ無い青空がそこにある……つまり。
「私……映ってない?」
え、これもバグ?水面に映らない……もしかして、私の姿が他の人には見えてない可能性があるってこと?
実際に確認してみないことにはわからないな……腹を括るしかないか。
だがまた吐くようなことはしたくないんだが……あ、そういえばこのスキルって、探知する範囲とか決めれるんだろうか。対象も選択できるなら、情報量にオーバーヒートしないかも。
「スキル【探知SP】発動、半径10キロ、対象『人間』」
……お、おお?痛くない。やった成功だ!あれ、私って実は天才だった?……自分で言って気持ち悪くなってきた。こんなの私のキャラじゃない。
え〜っと、反応は沢山あるな。どうやら近くに町……と言うのには少ないな。村があるのかな?あとは私の後ろに1人か……ん?
「あの……」
小さめの声が真後ろに聞こえた。
「うわっとっとい!?」
「キャッ…!」
ビックリしたぁ……心臓が口から飛び出るかと思ったぞ。骸骨だから心臓ないけど。こういうホラーな展開は望んでないです。
「あ〜…すまないな。突然後ろから話しかけられたからつい驚いてしまった。立てるか?」
「は、はい。こんな情けない姿を見せてしまい、申し訳ありません…」
「気にしないさ」
いたのは巫女服を着た白髪の少女だった。こちらの驚き様に驚いてしまったのかしりもちをついている。引き上げてあげようかと思ったが、それよりも早く立ち上がり砂を払ってしまった。
この子は私をしっかりと認識しているな。これは私の姿が見えないなんて事は起きていないのか。
「死神様、常人には姿を見せず、私にだけ見せてくださるのはなぜでしょうか?」
「……え?」
「え、あの……先程の山賊たちは貴方様の御姿を見ることができなかったようですし…」
前言撤回、私はどうやらこの子にしか見えていないらしい。それよりも死神?山賊?なんの話をしているんだ。
確かに種族はブラックリーパーだから死神というのもあながち間違いではないのだが……でもただのモンスターの種族名だし。
「私は神などではないよ。ただのモンスターだ」
「ですが、言葉を話す魔物なんて聞いたこともないです…」
「そうなのか?私は最近この辺りに来たばかりだからよくわからない」
「そうなのですか……あ、申し遅れました。私はこの近くにある【フルトの村】にて巫女をしております。サヤと申します」
「ああ、これはご丁寧に。私は……」
そういえばどっちで言えばいいのか。ゲームの中といっても明らかにプレイヤーみたいに反応してくるし……でもプレイヤーにしてはNPCの要素が強すぎる。これ、現実…だよな?でも本名をこの姿で言うのもどうかと思うし……。
私のアバターには【Rキン】という名を付けている。簡単に錬金の錬をRに変えて金をカタカナに変えただけの簡易なものだ。こんな不自然な名前なんておかしいだろ。
「……?どうなさいましたか?」
「あ〜……」
待たせるのも酷だ。ここはもうRキンで行くしかない。
「私の名は【Rキン】だ」
「え…ええと、あ〜う?」
かわいい……じゃなかった。小首を傾げながら舌っ足らずに言うのは反則だろ。アルファベット言い慣れてないのかな。
「Rキンだ……言いにくいのであれば自分で好きに呼ぶといい」
「すみません……では、キン様と」
な〜んか変な感じがする呼び方だが……まあいいか。
「それでいい。さて、先程にも言ったが私はここに来て日が浅い。この土地のことをよく聞かせてくれないか」
「わかりました。まずは村に行きませんか?ささやかではありますがおもてなしがしたいので…」
「そうか……では、お言葉に甘えようかな」
「では、ついてきてください」
サヤさんは、探知の反応があった方向へと歩き出す。何もわからない現状、彼女だけが唯一の命綱だ。そう思うと、その小柄な背中がたくましく思えてくる。
『くふふふふ!Rキン、覚悟ー!』
いや、重ねてしまっているだけかもしれない。性格は大人しそうだし、恐らく正反対の性質ではあるだろうが。それでも、私にとってはとても安心するものだった。
題名、どれがいいかな?(締め切り11/13)
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〜仲間の行方とゲーム世界〜
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