その名声は何処に響く   作:ガラクタ山のヌシ

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書けました。


始動しまする

 

「すごいね〜」とか「敵わねぁーや」とか

「おらじゃ役者不足だねー」だとか、最初は純粋な称賛だと思って嬉しかった。

しかし、その声は次第に自身を疎むように思えて来た。

頑張りたいなら最初から中央へ行け。

このぬるま湯を掻き乱さないでくれ。

その方がお互いのためだろう?

言外に、そう言われた気がした。

思い違いだと思いたかったし、考えすぎとも思った。

しかしそう考えようにも、周囲の反応はあまりにも露骨だった。

落伍者の集いに、勇者様は似つかない。

ここにいるなら、すべきことはふたつにひとつ。

ここから出ていくか、このぬるま湯に馴染んでしまうかだ。

染み付いた負け犬根性は、いつしか足の引っ張り合いの助長になった。

皆、負けたく無いはずなのだ。

皆、駆け回りたいはずなのだ。

誰だって最初は希望を持っているはずだ。

誰だって最初は己を信じているはずだ。

なのに、なのにどうして。

実力はあっても運が無かったウマ娘は何人もいた。

同様に、素養はあっても環境に恵まれなかったウマ娘も何人もいた。

運も実力のうちと言うのなら、三女神様はあまりに気まぐれが過ぎる。

しかし、だからこそ、その気まぐれに叶うウマ娘にはこれ以上無く贔屓するのだろう。

「よし。あんべ(行こう)」

高等部に上がり幾らか経った頃、ついにメイセイオペラの選抜レースがはじまる。

中等部とは比較にならぬ姿に、見物人はそれなりに集まっていた。

コースはダート、距離は短めのマイル相当だろうか。

参加者が出揃い、少しの間を置いてゲートが開いた。

メイセイオペラの取った戦法は逃げ。

レースのペースを作り出し、トップスピードでゴール板を駆け抜ける。

「まずは好きに走ってごらん」

トレーナーはそう言っていた。

と言うのも、選抜レースでは順位は特に関係ない。

無論良い結果を出すに越したことはないが、それより重要なのは光るものを持っているかどうかだ。

果たして、メイセイオペラは悠々と一着でゴールイン。

盛り上がる場と、自分に群がるトレーナー達を掻き分けて世話になったトレーナーのところに行き、契約完了の握手を交わす。

他のトレーナー達はがっかりしたような表情を浮かべていたが、それ以上何を言うでもするでもなく、気持ちを切り替えていたようで、少しすると次の選抜レースを見ていた。

強引な勧誘は基本的に歓迎されないが、今回は中等部の頃のトレーナー側も自分の見る目が足りなかったと自戒する部分もあるためあまり強くは言ってこなかったのだ。

トレーナー室に戻るとメイセイオペラのトレーナーはホワイトボードを取り出し、言う。

「さて、これからの方針だけども…」

「はい」

「ダート三冠を目指す」

その真剣な声色に、眼差しに、期待に、メイセイオペラは歓喜に顔を緩ませたのだった。

 




ウマ娘三期、やってほしいですねぇ
ウオスカか、オグリらへんが主人公かな?
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