ジョジョの奇妙な鬼殺の冒険   作:レイファルクス

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第10説《発覚》

 

 

承太郎たち一行が竈門家を出立してから約4日後、一行は蝶屋敷へと到着した。そこで竈門家の面々や珠世たちはカナエやしのぶたちに自己紹介をし、カナエたちも自己紹介をした。

 

 

それから更に3日後、蝶屋敷は賑やかになっていた。

 

 

まず炭治郎の母の葵枝は炊事(料理)を担当。

 

 

弟の竹雄と茂、妹の花子はなほ、すみ、きよと同じ看護士見習い。

 

 

父の炭十郎はベッドの中にいながらだが、自信を無くした隊員たちの相談者。

 

 

珠世は自分の持ち得る医学を駆使してしのぶの研究や診察を手伝い、愈史郎はその助手。

 

 

ジョセフは蝶屋敷の皆の手伝い(と言う名の雑用)をしていた。

 

 

因みに禰豆子もアオイの手伝いをしている傍ら、任務で鬼を討伐していた。

 

 

そして炭治郎はと言うと…

 

 

「善逸、伊之助、頑張れ!」

 

 

「ヒイィィィィ~~~ッ!無理無理無理!死んじゃうよ~~~っ!」

 

 

「フンガァァァァァ~~~ッ!!」

 

 

善逸と伊之助に『全集中・常中(じょうちゅう)』を習得させる訓練をさせていた。

 

 

全集中・常中

 

 

全集中の呼吸を四六時中、起きている時は勿論、寝ている時も行う"技術"である。

 

 

全集中の呼吸は"一時的"に筋力等を底上げするのだが、肺への負担が通常の呼吸より数倍掛かる。

 

 

その負担が掛かる全集中の呼吸を四六時中行うので、会得するのは至難の業とされている。

 

 

だが、常中を会得すれば、何時間走っても疲れず、型の威力も上がる。その為、柱になるにはこの常中を会得していることが必要不可欠である。

 

 

「ほら頑張れ善逸!伊之助だって頑張っているんだ!やれば出来る!」

 

 

「出来る前に死んじゃうよ~!禰豆子ちゃ~ん、助けて~~っ!」

 

 

「だらしねぇぞ悶逸!俺様の子分ならしっかりやれ!」

 

 

「ひえぇぇぇ~~~っ」

 

 

炭治郎は声援を、伊之助は野次を善逸に飛ばす。しかし元々ネガティブ思考の善逸にはあまり届かなかった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「「ハァ…、ハァ…、ハァ…」」

 

 

「お疲れ様二人とも。今日の訓練はこれで終わりだよ」

 

 

炭治郎はほぼ半日続いた常中習得の訓練の終了を告げ、善逸と伊之助は疲労困憊の状態で地面に仰向けの状態で倒れた。

 

 

「炭治郎…、よく…ゲホッ、こんな…訓練を……、続け…ゲホッ、られたな…」

 

 

善逸は時々噎せながら常中を会得している炭治郎に感心していた。

 

 

「俺だって最初は善逸みたいに疲労で寝転がったさ。でも訓練(これ)を繰り返していく内に自分に力が宿っていくのが分かるようになったんだ。それによく言うだろ?『継続は力なり』って」

 

 

「俺はそう言うのが一番嫌いなんだよ!強くなるんだったら楽して強くなりたいんだよ!」

 

 

「善逸!楽して強くなろうとするな!」

 

 

善逸は駄々を捏ね出すが、それを炭治郎が一喝した。

 

 

「強くなるための道に近道は無いんだ!楽して手に入れた(もの)は脆くてすぐ砕けるんだ!努力は裏切らないから、頑張れ!」

 

 

「炭治郎…」

 

 

炭治郎の言葉に、善逸はかつて自分の育手(そだて)である桑島慈悟郎(くわじまじごろう)に言われたことを思い出していた。

 

 

『いいか善逸、一つのことしかできないなら"それ"を極め抜け。極限の極限まで磨け。泣いていい、じゃが決して諦めるな。己を信じるんじゃ、地獄のような鍛練を耐えた日々は必ずお前の力になる。極限まで磨き上げ、誰よりも強靭な刃になれ』

 

 

「炭治郎…、俺が間違ってたよ」

 

 

善逸は上半身を起こしながら言った。

 

 

「やるよ、やってみせるよ。この訓練に耐えて、常中を会得してみせるよ!」

 

 

善逸は炭治郎に決意の眼差しを向ける。

 

 

「善逸…。分かってくれたか!」

 

 

炭治郎は嬉しくなって善逸に抱きついた。

 

 

「頑張ろう善逸!善逸なら常中を必ず会得できる!」

 

 

「ああ!」

 

 

炭治郎と善逸は互いの手をがっちりと掴んだ。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

その翌日、炭治郎は蝶屋敷の道場で承太郎と対峙していた。その理由は、承太郎が炭治郎に鍛練の相手を頼んだからだった。

 

 

そして常中会得の訓練中だった善逸と伊之助、ポルナレフ、花京院、伊山砂子ことイギーと言った承太郎の同期、更にはしのぶたちと言った蝶屋敷の面々が鍛練の様子を見るために道場に集まっていた。

 

 

「承太郎さん、よろしくお願いします!」

 

 

「ああ。よろしく頼む」

 

 

承太郎と炭治郎はそれぞれ木刀を構える。

 

 

「それでは僭越ながら、私神崎アオイが審判を勤めさせていただきます。それでは…、始め!」

 

 

アオイの号令で承太郎と炭治郎は勢いよく踏み込み、互いの木刀がぶつかり合った。

 

 

ガッ

 

 

ガガッ

 

 

ガガガッ

 

 

その後も何度か木刀がぶつかり合う音が響く。

 

 

「ヒノカミ神楽 円舞!」

 

 

先に型を使って仕掛けたのは炭治郎だった。しかし、承太郎はいとも容易く避けてみせた。

 

 

「……なら、これで!」

 

 

『ヒノカミ神楽 陽華突』

 

 

炭治郎は木刀の持ち手を押し出して威力を上げる突きを承太郎に繰り出す。

 

 

承太郎は木刀の軌道を見切ろうとした瞬間、承太郎はまだ炭治郎との距離があるにも関わらず横に素早く飛び、道場の床を数回転がりながら炭治郎との距離を取った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「空条君、どうしたのかしら?」

 

 

カナエは承太郎が突然回避をした理由が分からなかった。

 

 

「ポルナレフ…」

 

 

「ああ…、"見えた"ぜ…」

 

 

そんな中、花京院とポルナレフは神妙な顔をしながら話し合っていた。

 

 

「何が"見えた"のですか?」

 

 

二人の側にいたしのぶが質問をする。

 

 

「承太郎が距離を取った理由さ。承太郎はただ"逃げた"んじゃねぇ、攻撃を"避けた"のさ」

 

 

「???」

 

 

ポルナレフの解説の意味が分からず、しのぶは首を傾げた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「…流石です承太郎さん。"この攻撃"を見切るなんて……」

 

 

「炭治郎…、お前、"出した"な?」

 

 

「えぇ、"出しました"」

 

 

幽波紋(スタンド)を」

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「"すたんど"?」

 

 

「確か…、"自分の魂の力が具現化したもの"…でしたっけ?」

 

 

カナエは幽波紋のことが分からなかったが、しのぶは以前柱合会議の時に承太郎から教わったことを思い出していた。

 

 

「その通り。俺と承太郎、花京院にイギー、アヴドゥルにジョースターさんはその幽波紋を持っているんだ」

 

 

「まさか彼も幽波紋を持っているとは思いませんでしたよ」

 

 

「『幽波紋使いは互いに引かれ合う』とはよく言ったものよのう」

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

承太郎たち幽波紋使いが見たもの…、それは炭治郎の背後に現れた幽波紋だった。

 

 

その幽波紋は炭治郎と同じ花札のような耳飾り(ピアス)をしており、炭治郎の額の痣と瓜二つの痣が、炭治郎と同じ位置にあった。

 

 

「承太郎さん、俺"たち"の攻撃、防ぎ切ることができますか?!」

 

 

『ヒノカミ神楽 日暈の龍・頭舞い』

 

 

炭治郎と炭治郎の幽波紋は全く同じ動きをして承太郎に襲い掛かる。

 

 

「そっちが幽波紋を使うなら、こちらも出し惜しみは無しだ。負けても恨むなよ?《星の白金(スタープラチナ)》!」

 

 

《オラァ!》

 

 

承太郎は自身の幽波紋である《星の白金》を出し、幽波紋の攻撃を防ぎ、炭治郎の攻撃は承太郎自身が防ぎ、つばぜり合いの形となった。

 

 

「まさか承太郎さんも幽波紋を持っているなんて…」

 

 

「悪いな、幽波紋使いとの戦いにおいては、こちらが一日の長があるのでな!」

 

 

《オラオラオラオラ、オラァ!》

 

 

承太郎は炭治郎を突き飛ばすと同時に《星の白金》が炭治郎の幽波紋を突き飛ばした。

 

 

《オラオラオラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オ~ラァ!》

 

 

承太郎は炭治郎を突き飛ばしたと同時に接近し、木刀を連続で振る。そして《星の白金》もスピードラッシュを繰り出し、炭治郎は防戦一方になっていた。

 

 

『ヒノカミ神楽 幻日虹』

 

 

『ヒノカミ神楽 炎舞』

 

 

しかし炭治郎も黙ってはいなかった。炭治郎は承太郎の攻撃が止む一瞬の隙に体の捻りと足さばきを利用した回避の型を使い、承太郎の後ろに移動。そして二連の斬撃を与えようとする。

 

 

「チィッ、《スタープラチナ・ザ・ワールド》!」

 

 

ドゥ~ン…、コッチ…、コッチ…コッチ…

 

 

時計の秒針の進む音が止むと、承太郎以外の世界が灰色一色の世界に変わった。

 

 

承太郎は炭治郎にゆっくりと歩み寄り、足払いをした。

 

 

「約7秒、"時は動き出す"」

 

 

「うわっ!?」

 

 

ズデンッ

 

 

「終わりだ」

 

 

スッ

 

 

承太郎は時を再び動かすと、足払いをされた炭治郎は訳も分からずひっくり返り、承太郎は炭治郎の首下に木刀を降ろした。

 

 

「ッハ!?そこまで!」

 

 

観客は愚か審判までもが呆けていたが、いち早く正気を取り戻したアオイが終了の号令を出した。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「炭治郎君の姿がブレたと思ったらいきなり転倒して…、空条さんの姿がいきなり違う所に現れて…、えっ?ええっ?」

 

 

しのぶは今の承太郎と炭治郎の動きに思考が追い付いていなかった。

 

 

「承太郎の奴…、"あの力"を使いよったな…」

 

 

「どういうことですか?」

 

 

ジョセフの呟きに花京院が質問をする。

 

 

「花京院よ、似てはおらんか?かつて儂らの怨敵じゃったDIO(ディオ)との戦いに…」

 

 

「DIOとの…?確かあの時は…、僕の『360度エメラルドスプラッシュ』が破られて、遠くにいたDIOが何時の間にか…、!?ま…まさか?!」

 

 

「漸く気づいたようじゃのう…。そうじゃ、承太郎は"時を止めた"んじゃ」

 

 

ジョセフと花京院の推察に、幽波紋使いの面々は驚きを隠せなかった。

 

 

「ちょっ、ちょっと待ってくれよジョースターさん!"時を止める"のはDIOの幽波紋世界(ザ・ワールド)の能力じゃ!?」

 

 

「儂も俄には信じられんかったんじゃが、あの戦いの後、承太郎が言っとったんじゃ。『俺はDIOの"時を止めた世界(せかい)"に入ったことがある』…とな。ポルナレフが知らんのも無理はない、このことはお前さんと別れた後のことじゃったんじゃ」

 

 

ジョセフの説明に花京院とポルナレフは開いた口が塞がらなかった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「痛てて…、やっぱ承太郎さんは強いな。全然勝てなかった…」

 

 

「いや、そうでも無いさ。俺も何回か危ない所があったからな」

 

 

承太郎は炭治郎に手を貸しながら起き上がらせた。

 

 

「ありがとうございました、承太郎さん」

 

 

「気にするな。それと提案なんだが、炭治郎さえよかったら、俺の継子にならないか?」

 

 

継子とは…

 

 

平たく言えば『柱の弟子の総称』である。

 

 

基本柱は多忙のため、隊員全員を育てることは無い。しかし、柱が隊員に提案をし、隊員がそれを承諾すれば、柱直々に育ててもらえるのだ。

 

 

しかし、隊員が幾ら頑張っても指名されることは稀である上に、柱直々の稽古は熾烈を極める物が多く、折角継子になっても辞めてしまう者もいるのだ。

 

 

「俺の継子になれば、いつでも幽波紋を駆使した戦い方を指導できる。どうだ?」

 

 

承太郎の提案に炭治郎は考え込む。

 

 

「……分かりました。継子の件、お受けします」

 

 

「そうか。ならこれからもよろしく頼む」

 

 

「はい!よろしくお願いします、"師範"!」

 

 

炭治郎は承太郎の提案を受けることにした。そして承太郎と炭治郎はがっちりと握手をした。

 

 

 

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